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タイトルRe: アトラティックスの失われた伝承
記事No: 257 [関連記事]
投稿日: 2006/10/04(Wed) 00:05
投稿者

 人間以外の視点って、ひとつだけじゃなくても良かったんですね。
卵の外側からと、卵の中から、卵を見ている宇宙の視点と、卵の中の竜の視点が、竜が生まれた後は竜の視点ひとつになるところが面白いと思いました。
 竜の卵と言っても、そう大きいものでもないだろうという私の思い込みが、最後に思いっきり裏切られたのが妙に心地良かったです。スケールの大きさにびっくり、です。
 その心地よさと、最初から竜の運命は決まっていたんだなぁ、という寂しさが入り混じった、複雑な読後感を味わいました。一生懸命、元に戻そうとしている巨大な竜の姿を思い浮かべ、私も一緒にかなしくなってしまいました。
 


タイトルRe: アトラティックスの失われた伝承
記事No: 256 [関連記事]
投稿日: 2006/10/03(Tue) 23:23
投稿者タカハシジュン

 そこはかとない悲しみという微妙なトーンは出てたな。感傷の琴線を、かき鳴らすでなくそっと触れるという感覚ですね。
 あたしゃ思ったのは、これって実は作品の大前提がすごい困難でしょう。卵の中にいる(=知覚を専ら殻越しに委ねる)主人公の語りで引っ張っていくのって、結構力技かな。外から見つめるにしても、そもそも外界から遮蔽された存在ですからね。
 未知の外界とのようやくの邂逅が悲劇的結末に終わる、というクライマックスにいくまでの外界との関わり方をどうするかというのは、うん、これは難しくて筆走りも鈍るなあ。
 うん、ここをね、模造の冠を被ったお犬さまの超絶ウルトラテクニックで整合していただきたいですわ♪(イジワルいなあ:笑) もうひとつ、ここは作中に宙返りが必要ですわよ。
 抑え淡々とした文章表現、秀逸。読んでいると何かが自分の心のスクリーンに兆してきますな。


タイトルRe: 喧嘩はやめての感想
記事No: 255 [関連記事]
投稿日: 2006/10/03(Tue) 23:00
投稿者タカハシジュン

 いや本当に、書くこと、いやいや書くばかりでなくてものをつくるということはすべからくそうなのだと思うのですけれど、綺羅の織りのように、気の長いそして精密な作業を延々と積み重ねていかなければならないんですよね。
 自分には絶対ムリだという断念は、僕ももう何度も何度もありますし、今もあります(笑) これは同業者として全く同感なんですよ(笑) 自分には落胆し続けです。あまりに目の前の山が高すぎて、クラクラして絶望しちゃったこと、本当にしょっちゅうでしたし、今でもそうですから。
 利口だったらとっくに見切りつけてたと思うんですけど、パーで執念深かったから苔の一念でやってこれたところはあったかなあと。それに結局、三段跳びでジャンプなんてできないわけだし、階段を一歩一歩登っていくしかないわけだし、自分が一歩一歩足元を踏み固めて登ってきたからこそ、踏み固めてきた部分を自分で信用できて書いていけるというのがありますしね。
 スーパーマンじゃないし、魔法だって使えないんです(笑) 感性・センス・才能っていう概念ってそういう魔法チックな曖昧さがあって、僕はそういうものがないからそれが大嫌いで(笑) 極端なことを言うと僕は自分で一歩一歩やって獲得したものしか信じたくないですしね。
 一歩一歩、前に進もうとして進むのは、それは時間はかかりますね。だけれど言い直せば時間の問題に過ぎないということでもありますね。一歩一歩の迂遠さに焦れたり落胆する必要もないし、落胆しちゃあならないんですね(笑) 前方になんとなしに流されていくんでなくて、前に進もうとして進んでいれば、あとは時間が解決するだけだと思うんですよ。そりゃあ苦しいですけど(笑) 
 天衣無縫より、そっちのほうが僕は好みですね。そういう経てきたものって、自ずから文章の行間ににじむんですよ(笑)


タイトルRe: アトラティックスの失われた伝承
記事No: 254 [関連記事]
投稿日: 2006/10/03(Tue) 22:44
投稿者模造の冠を被ったお犬さま

 あっはっは。スベったね、これはどうも。

 初めましてではありませんが初めまして、ミノタウロスさん。
 最初にこの話を思いついたときは竜の一人称でした。でも、書き始めてみたら一人称では書けない部分が出てきてしまって、知らず知らずのうちに三人称になっていました。途中で気がついて直してみたのですけれど、どうしても一人称では書けないので苦肉の策として『竜』と『わたし』の混合人称になりました。『竜』、と三人称モドキにすることによって説明口調になることの予防線と、竜の悲しみを外側から書き出し、よりいっそうの悲壮感を出したかったのですけれど、スベったね、これはどうも(あと、しょーもない付与効果として、私のデビュー作を知る人へのちょっとした遊び心の意味もありました。ホント、しょーもない)
 もうちょっと読み直して、全体の整合性をとったほうがよかったですね。今回は、読み手の視点で書き物を見ることがまったくうまくいきませんでした。というのも、ネタにメチャクチャ自信あったんです。自信過剰になってて、客観的に見れるはずがありませんでした。ミノタウロスさんの仰った人称の問題だって、「このネタの前には塵に等しい事項!」とまで思っていたぐらいです。「おお、これは壮大なラストだ。映像が目に浮かぶ」なんて、ひとりで脳内麻薬ひり出していました。今、考えてみると馬鹿ですね。ミノタウロスさんが【びっくりするような最後でもなかったのですが】と書かれているのを見て目を疑ったぐらいです。疑っても疑ってもその通りにしか書いてないので、不貞寝しました。今、起きたところです。ああ、まだフラフラするわぁ(ぽや〜)。

 人に偉そうに説教垂れても、結局自分に返ってきますね。こりゃ大変だなあ(あっはっは)。



(相手にも映像としてイメージできるぐらい描写してみるか?)
(いや、それだと童話風にした利点が失われてしまう)
(そうか、ならばいっそ童話仕立てをやめてしまうか?)
(いや、淡々とした悲しみを書きたいのだ。匂いたつような悲しみは書きたくない)
(ではどうするのだ?)
(どーしよ?)

 ──ぶつぶつぶつぶつ。



 梅酒、まだあったっけ?


タイトルRe: アトラティックスの失われた伝承
記事No: 253 [関連記事]
投稿日: 2006/10/03(Tue) 22:27
投稿者目黒小夜子

カンムリーヌさん、こんばんは。めぐろっちと呼ばれて浮かれているめぐろです(笑) 作品を読ませていただきました。
一人称が竜とは、いいですね。日ごろ人間と接することがないものだから、一人称にするのは難しいのかなぁ、とか勝手に思っていました。

この竜は、あれですかね。かなり長い間、殻の中で成長(?)していたんでしょうか。それだとしたら、うーん。
勝手な解釈ですけど、大自然の時代が終わり(かみなり、水や風の音が聞こえなくなった)、人間以外の生物の時代が終わり(叫び声やうめき声)、人間の栄える時代が終わり(にんげんの言葉や槌の音)、そして竜は一人になった(竜だけの時代になった)ということでしょうか?

それにしても、哀愁ただよいますね。
“とりあえず、割れたたまごをもとの形に戻してみようとしました。
 でも、うまくいきませんでした。
 なにも、もとには戻りませんでした。”
というフレーズに、センスの良さを感じました。
自分を取り囲んでくれたものがたくさん居たのに、生まれるのと引き換えに全部失ったというか……。そんな感じがしました。


難癖をつけさせていただくとすれば、ミノタウロスさんの感想と一緒で、私も、“竜=私”でいいのかしら?? と悩んでしまったところです。一人称は一貫した方がよろしいかなと思います。単調な文は……なんというか、今回に限っては、この文章がこの作品の味をひきたてていると思いました(個人的に)。人間じゃないってことと、全てが終わったあとに語っているということで、あえて“でした。”という文章にしたのかなぁと……。

全てにおいて、私の勝手な解釈ですので、違ったらごめんなさい。次回作にも期待しています。


タイトルRe: 喧嘩はやめての感想
記事No: 252 [関連記事]
投稿日: 2006/10/03(Tue) 21:56
投稿者

 最初は、こう思ったのです。私が心に思い描く絵を、誰かがその人の言葉にして、私の目の前に見せてくれたらいいのに、と。でも、それは全く無理な話。それから十数年経って、私はようやく、これでは自分の願いは永遠に叶えられないと気づいたのでした。そこで今になって、自分自身でなんとかしてみようと思い立ったわけですが、何をどうしていいやらの手探り状態なのは、ご覧の通りです。
 何かを書くということは、細い糸を一本一本、考えながら絡めていき、一枚の布に織り上げて思い通りの模様を浮かび上がらせる、そういった作業に似ていると思っていました。それが私には、想像するだけでも骨の折れる、途方もない仕事に思えます。どうあがいても自分にはできないものだと、書く前から諦めていましたし、実際書き始めてからでさえ、その姿勢がそのままなのも、ご覧の通りです。
 私が書いたものを、タカハシジュンさんがその気になって書き直して下さったら、間違いなく全く別のものになりますよね。別物どころか、私が思い描いた曖昧な図案を、誰の目にも鮮やかな、全く別の模様にしてしまえるはずです。それなのに、タカハシさんは、大差ない部分があるとおっしゃる。そうまでして励まして頂いて良いのかしらと、ヘタレな私としては、非常に気が引けます。
 回りくどい言い方になって申し訳ありません。書いて頂いた事に、とても感謝しているということを表現しようとしていたら、なんだかアヤシイ方向に……。
 
 こういうときは、普通にお礼の言葉を書いた方が、シンプルでいいですよね。本当に、ありがとうございます。書いてくださった言葉の一つ一つに、励まされました。一歩一歩、前に進んで行きたいという気持ちでいますので、これからも宜しくお願い致します。


タイトルRe: アトラティックスの失われた伝承
記事No: 251 [関連記事]
投稿日: 2006/10/03(Tue) 14:32
投稿者ミノタウロス

 模造の冠を被ったお犬さま、初めまして。
 作品を読ませて頂きました。まず初めに、読んでいて人称(私=竜ですよね?)が混在して分かりにくいです。落ちは化石にでもなるのか? と思いましたが、違いましたね。びっくりするような最後でもなかったのですが、視点は面白かったです。昔話のような語り口は好きなのですが、『でした。』の多用で文章が単調に感じます。工夫が必要かと。では、また機会がございましたら。


タイトルRe: 喧嘩はやめての感想
記事No: 250 [関連記事]
投稿日: 2006/10/02(Mon) 19:19
投稿者タカハシジュン

 横槍の格好になってしまうなあ(汗) しかしお二人のやり取りが見事なのでついつい。
 挑戦し続けることなくして、進歩はない。これを肝に銘じて、僕は書いていたいと思います。そして、すばらしい挑戦精神の宿った作品に出会うことに、どうしようもなく嬉しさを感じ、自分も自分自身に対して負けていられないと触発され、そしてどうしようもなく孤独であり続けるものつくりの作業の中で、それぞれが全く別の道を歩みながらも決して孤独ではないという充足を味わうことが出来るように思います。

 自分が進歩の方向に向かって、ゆっくりでも、まっすぐ進んでいる。

 そんな実感と、そして十何年書き続けても未だに何の帰結も見えないこの手ごわい、そしてどうにも面白くてならない無我夢中さと、そんなものをもたらしてくれた書くということに、僕は心から感謝していますし、生涯この道程をたどっていきたいと思います。きっとこの道は、生涯の挑戦を常に受け付けてくれることでしょう。飛躍を期し続けていれば、其処への階梯を必ず指し示すことでしょう。
 たくさん書いて、たくさん失敗して、それでもめげず諦めず、僕は書いていたいと思いますし、書き続けることと挑戦し続けることをずっと同義でやっていきたいと思います。
 というわけで、今回僥倖にも随分持ち上げていただきましたが、とんでもないことで、必死こいて書いていきますですし、気概だろうが何だろうがお二人に負けませぬよ(笑) うおっ、アタシが一番性格が悪い(笑)



 さて、碧さんのこの作品ですが、多分オチにかかる発送力って、こういう表現は非常に恐縮なんですが(汗) 僕の作品と大差ないと思うんですよ。お互い、失礼ですけどビックリするほどトリッキーなアイディアを投入しているわけではないですね。僕はこの発想ひとつで作品は作り上げられないと判断して、今回正面からの勝負を避けたんですね。こういう辺りの計算は、僕は狡猾の部類だと自分に対して思うのです。狡猾、いい言葉の意味合いではないですね。血も涙もないわけじゃないんですけど、自分の情感を冷ややかに見つめている自分自身もいて、容赦なくそれを自分の作品に利用する場合もありますし、計算ずくで作品を組み立てていくこともしばしばあるわけですね。好漢の発想じゃないんですが(笑) ものを書くというのはそういう要素を求められることもありますね。
 この作品、発想力よりむしろその辺りかなと。キーポイントは其処にあるように思うんです。苦吟してもっとアクロバティックなアイディアをひねりだすというより、狡猾さに基づいた演出で、この発想でも全く違った見せ方をすることは可能だと思います。アイディアがゴールじゃなかったんですね。むしろそれはスタートだったんだと思うんです。


タイトルRe: 喧嘩はやめての感想
記事No: 249 [関連記事]
投稿日: 2006/10/02(Mon) 08:58
投稿者

あ、はいはい、ここにいますよー。 メインの掲示板の方も読んで下さったんですね。
ありがとうございます。

模造の冠を被ったお犬さまは、こんな風に言われるのは嫌かもしれません。
でも、私のことを散々ヘタレ呼ばわりされたのですから、私にも少しくらい言い返す権利があるはず。恩を仇で返すことになるかもしれませんが、言わせて下さい。模造の冠を被ったお犬さまって、優しい人なんですね。

 私が青臭いガキだった頃からは、もう随分経ちました。今や、自分にしか分からない電波に加え、自分では分からない加齢臭を撒き散らす年頃です。もう誰からも、模造の冠を被ったお犬さまのようには、言って貰えません。言われることといえば、私自身が一番よく分かっているような、本当のことだけです。
 こんな風に、思いやりをもって誰かから優しくされたのは、久しぶりです。泣けてくるくらい、嬉しかった。本当に。

 ああ、こんなことを書いて申し訳ありません。本当に私、ヘタレですね(笑)でも、書きますよ。性懲りもなく。その時はまた、厳しい愛のムチを宜しくお願いいたします。


タイトルRe: 彼はTX‐522DC君の感想
記事No: 248 [関連記事]
投稿日: 2006/10/02(Mon) 07:59
投稿者タカハシジュン

 おはようございます。朝イチからもううれしくてうれしくて。ミノタウロスさんご感想ありがとうございます。
 うん、そうなんですよ(笑) 「こんな作品」って、純粋には「ジャポニズムの倫理と資本主義の精神」(自分でもタイトル忘れてました) 以来かもしれないなあと自分でも思ってました(笑) 人を食った駄弁文体というのは、僕も書いていて楽しくて仕方がないんですね。何ていうんでしょう、多分しかつめらしい執筆をやっている僕自身に対するパロディの部分があるんですね。陰気くさい、七面倒なことをやっている反作用でこういうのを心底書きたくなる時というのがあるのだという(笑) 
 これまでは常ならずの部分で書いていたっていうのがありましたね。これから、常態として、二本立ての方向でやっていったら、どうなるかなあ、自分自身がパンクするかなあ(笑) でも、今回の作品を経て、収まりきらない両極端な要素を強引に詰め込んでやっていくというのは、切なそうだけど(笑) でも面白そうだなあとも思い始めてます。両極を抑えてひきつけるんじゃなくて、より過剰にそれぞれの極を突き詰めていって、その合間を行ったりきたりするというのは、いやあ、タイトだなあ(笑)

 この作品が短編的であるのって、やっぱり僕自身がSSの定型に従っていない、従うのを拒絶してフェイクを入れたせいだと自分では思うんですね。書いていて本当に自由があるのは、自由というのはなかなか難しいことですけれど、もしかしたら僕にとっては短編なのかもしれないです。長編は自分の書いたものに呪縛されるわけですし、SSはシステマチックですからね。
 まずい、時間がない。うーん、何だか尻切れトンボでありますが、ともあれミノタウロスさん、ありがとうございました。お礼を言われてしまうとこちらは好き勝手やっているだけですから本当に恐縮で(汗) もっともっと精進してまいります。どうぞまたよろしくお願いします。


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