タイトル | : Re: 小説の描き方――魅力的なキャラクターとは何か―― |
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投稿日 | : 2011/05/09(Mon) 23:35 |
投稿者 | : 中村ケイタロウ |
URL | : http://home.att.ne.jp/blue/nakamu1973/index.html |
こちらこそはじめまして。
別に古参と言うほどではありませんが、地味に投稿はしてますので、よろしければ以後お見知りおきのほどを。古いのは消しちゃいましたけど。
> しかし見解の相違の中に共通していること部分がありました。やはりキャラクターにパラメーターはある、ということです。つまり理論上は可能だということに異論は出ていないということです。
それは、現実の人間にだってパラメータはあるでしょう、という含意です。しかしそれを分析しつくすのは、たぶん不可能。それが可能な世の中になったら、もう小説も芸術もいらんのじゃないかな。
> 中村様の好きなキャラクターはルパン三世とのことですが、自分には彼が情景・世界・環境依存のキャラクターに見えません。この部分は中村様の意見に矛盾があるように思えるのですが……。
そりゃまったくその通りですね。矛盾してます。僕は1と2の質問をまったく切り離して考えていました。何ででしょうね。たぶん、自分が書いている小説の登場人物を「キャラクター」だとは思っていないからでしょう。
ただ、ルパンの例は我々の手本にはならないと思いますよ。
ルパンは最初から今のルパンだったわけではありません。今となっては、原作のルパンや、アニメ第1シリーズ初期のルパンを見て違和感を感じられる若い方も多いんじゃないでしょうか。
ルパンが今のルパンになるまで、原作者モンキーパンチ氏、その読者、宮崎さんはじめアニメ化に関わった人たち、アニメの第2、第3シリーズにかかわってきた人たち、最近のテレビスペシャルを製作している人たち、それらの視聴者……と、無数の人々が、何十年もかけて集合的に関わってきたのです。
ですから、モンキー・パンチ氏が最初に設定した属性だけで生きているキャラクターではない、と言う意味では、ルパンもまた、世界や環境に依拠していると言えるのではないでしょうか。この場合は、作品内の世界にというより、我々が生きている現代日本という現実の世界に依拠しているのかもしれない。だからこそ国民的キャラクターなのでしょうね。
しかしいずれにしても、僕には方法論といえるような方法論はありませんので、あまりお役には立てなさそうです。申し訳ないです。