『キミへ贈る歌〜第一章〜』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:夜桜秋姫                

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今日も隆哉は寒空の下、学校帰りに街に来ていた。

「あ〜寒ぃ・・・カイロ持ってくれば良かったな・・」

隆哉は今朝の自分を恨んだ。

重いギターを背負いながら先程から手をさすっており、手袋すらしていなかった。

いつもの自分の演奏のポジションに着き、ギターのコードを合わせ、ふと顔を上げてみれば、目の前にあの女の子の顔。

「うへぁっ!!」

思わず変な声を上げてしまった。

「なんやの〜人の顔見て変な声上げて〜・・・失礼な人やなぁ」

思いっきり関西弁の女の子。以前、隆哉に初めて声をかけてきた女の子だ。

「なぁ、あんた名前何て言うん? うちなぁ、あんたの歌大好きやねんっ!! 声もっ!! ちょっと暗めの歌やけど・・・でもそういうとこ含めて好きやねんけどな!! ははっ!! 」

よく喋り、よく笑う茶髪の可愛いの女の子だが、隆哉は女の子が苦手だった。

孤独だった隆哉は、彼女どころか友達もいなかったから、今まで女という女は姉しか知らなかった。姉も、弟の学費を払う為に必死で働いているため、帰りは深夜が多く、二人が顔を合わせることも少なかった。

だから隆哉は、見ず知らずの女の子に自分の歌が好きだと言われ、びっくりしたのだ。

「あの・・お前誰・・?」

女の子に対しての接し方が分からない隆哉は唐突に聞いてみた。

「いきなり聞くなぁ!! あ・・実は女の子が苦手やったりするやろ!? 顔とイメージ全然ちゃうねんなぁ〜!!」

「(なんだこの女・・うぜェ・・そろそろ歌いはじめたいのに・・これじゃ歌う気分にもなれねェよ・・)」

「うちなぁ、川橋まどかって言うんよ〜!! 実はな、うちあんたの高校と一緒なんよぉ〜!!」

「(だからこんなに馴れ馴れしいのかっ!? でも話したことなんて一回もねェよなぁ・・u)」

「なぁ、早く歌ってぇなっ!! うち、あんたの歌聞かんと帰られへんっ!! 一日の楽しみの中で、あんたの歌、結構順位高いんよ〜!!」

「(だからなんだっつーんだよ・・まぁいいか・・アレンジし直した“My Dark”・・歌ってやるか・・)」

「はいはい・・歌うよ」

「やった!!」

隆哉がギターをボロロンと鳴らす。

まどかが真面目な顔でそれを見つめる。




“最近どう? なんてよく言うけど

 自分は自分で生きてるんだから そんなもんどうだっていいだろ

 自分の情報 相手の情報 伝え合うなんて嫌いだ

 だって意味が無いだろ 

 自分は自分なんだから 一人で生きて・・・

 俺はいつも独りだから 

 そんなこと気にかける奴すらいない
 
 そう
 
 俺は孤独な独立者”




暫くして歌い終わり、隆哉はふぅ・・っと溜め息をつく

クリスマスが近い街並みには断然不似合いの歌。

まどかは

「その歌“My Dark”やろ?」

いきなり曲名を大きな声で言った。

「びくったぁ〜・・でもよくわかったな、結構変えてあるぞ・・? この曲・・・」

隆哉はびっくりした。自分では、結構変えたつもりでいたからだ。

「ん〜・・歌詞の一部変えてあって、アレンジしてあるけど、感じがそうやもんっ!!」

「へぇ〜・・u よくわかったなお前」

「へへっ・・まぁね♪ それよりなぁ、遊びに行かへん!?」

まどかが突然言い出した。

「は・・はぁっ!!?? 遊ぶっつったて・・もう9時だぜ?? お前大丈夫なのかよ・・?」

「大丈夫っ!! 親には友達の家で勉強するって言ってきてんっ!!」

「もしかしてお前・・俺と最初から遊びに行く気で・・・?・・・u」

「あったりまえやん!! こんなかっこええ男と歩いてたらすっごい優越感やわぁっ!!」

「なんだそれ・・u」

「ほらっ!! 何してんのんっ!! はよ行こっ!!」

まどかは隆哉がギターを片付けて立ち上がるや否や、コートの袖を強引に引っ張った。

「ちょ・・おい待てよっ!!」

嫌がっている隆哉をよそに、二人は人込みの中に飛び込んで行った。

2004/12/05(Sun)23:50:39 公開 / 夜桜秋姫
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■作者からのメッセージ
ちょっとラブコメ風味にしたつもりですが、どうでしたか?
関西弁が好きです(^^♪
読んでくださった方ありがとうございます。
『隆哉の運命やいかにっ!?』(笑)

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