『貴方は原石、私は宝石』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:琉娃                

123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
            序章「脱出」
 私の名は、ルナ・ヴァレンタイン。貴族の一つヴァレンタイン家の一人娘だ。
 そんな私にロードセイブとかなんとか言う貴族の使用人が会いに来た。
「で、私に何か御用でしょうか?」
 なんとなく嫌な予感がしたので手早にすませたい。
「貴方様に我がロードセイブ家の若様の嫁になって頂きたくて参りました」
 そんなことだろうと思った、この際何をしても良いからさっさと帰ってもらいたい。
「断ります、何処の馬の骨だか知らない貴族と結婚する気は、ありません」
「ですからロードセイ……」
「黙って下さりませんこと!」
「うっ……」
 いい加減頭に来たので大声を出した、さすがに向こうも諦めたようだ。
「何度言っても同じことですわ」
「しかし……」
「なにか?」
 まだ言い分があるらしいが聞きだすのも面倒だった。
「帰ってください」
 そう言って使用人を追い出した、しかし使用人は、出ていき様にこう言い残した。
「我我を敵に回しましたね」
 そう言い残して使用人は、去っていった。


 夕食の時、私の世話役のレナにロードセイブ家の事を聞いてみた。
「ろ、ロードセイブですって!お嬢様それは、知らないほうがおかしい事でございます」
「え、そうなの?」
「ロードセイブを敵に回すと言うことは……」
 レナの顔が青ざめた。
 その時、部屋の外が騒がしくなった。そして傭兵が入ってきた。
「た、大変です!ロードセイブの騎士団が城門に集まってきています」
 敵に回すとは、まさに字の通りだった。
「騒がしいな!もう少し冷静にしたらどうだ?」
 部屋の奥から現れたのは、私の父セントだ。
「お父様申し訳ございません!私としたことがついかっとなってしまって」
「もう良い、過ぎた事は、仕方がない。それよりルナお前は、逃げろ」
 そう言って私を連れて城の裏口まで連れて行かれた。


「良いか?お前は、私の一人娘だ。なんとしても生きろ」
「お父様。敵は、何処にいらっしゃいますの?」
「敵は、馬鹿だ!裏口があることを知らない!全員城の表の城門に集まってきてるわ」
 そう言って笑い飛ばした。
「食料と金は、馬の横に積んである。とりあえず遠くへ逃げろ!」
 裏門が開かれた。
「さぁ行け!わしは、お前と過ごした日々を忘れんからな!」
 そう言って馬を蹴飛ばした。私は、暴れる馬につかまりながら城を後にしたのだった。
                              〜続く〜


2004/11/05(Fri)22:44:44 公開 / 琉娃
■この作品の著作権は琉娃さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どうも琉娃と申します。
以前もここで書いていたのですが、しばらく間が空いたもので書き方が大分変わりました。
こんな三流ですが、感想などお書きください。

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。