『神様の手(後編)』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:鈴                

123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
放課後・・・・


私は誰それ関係なく、最初に目に留まった女の子を、ターゲットにした。
その子に一歩一歩、歩み寄り、

「ねえ、ちょっと話したいことがあるんだけど、
 ついてきてくれない??」

と、今までほとんんど笑ったことのなかった顔に、
無理やり笑みを作り、話しかけた。

私を誰かも知らないのに、彼女は

「うん、いいよ!!」

と、明るく返事をする


そして私は彼女を、体育館の裏まで連れてきた。

「ねえ、話ってなに??」
何も知らずに、笑顔で質問をする彼女・・・

「これから分かるわ・・・・」

私はそう言った瞬間、彼女の襟元をつかみ、
ポケットに入れていたナイフを取り出した。

彼女の顔は一瞬にして引きつった。

「・・・・・どうしてこんなことをするの??」

彼女の声は震えている。

「私は今まで一人で生きてきた。
 どうして私だけが、こんなに不幸じゃなきゃいけないの??
 すべての奴等が憎いんだよ!!」

私はそう言った後、ナイフを振り上げた。

(ここまで順調に行った・・・
 後はコイツを殺すだけだ!!)

そう思ったが、体が動かない・・・

(!?誰だ!!私の動きを止めているのは・・・)

私は辺りを見回した。

そして、私の動きを止めている犯人見つけた。


・・・・・・・私だった。


「どうしたの??私を殺したいんでしょう??
 早く殺しなよ。」
彼女は意外な言葉を発した。


私はがく然とし、地面に座り込んだ・・・

(殺せなかった・・・あんなに憎かったのに・・・・)

後は分かっていた。

彼女が警察に通報し、それから・・・

そんなことを考えていた時、

私の前へ、彼女は手を差し伸べた。


あの美しい笑顔を顔に浮かべながら・・・


・・・・・・・それから数日がたった。

私は祖母とも仲良くなり、
お互い支え合って二人で暮らしている。

だが、私があの時犯した行為と、思ってしまった憎しみは、
決して報われないだろう・・・

しかし、

「あなたはあの時そう考え、行動しなければ、
 私達は、きっと合えなかったのよ。」

と、私の横で、あの美しい笑顔を私に向けながら
彼女は言った。


ありがとう・・・ありがとう・・・


あなたが差し伸べてくれたあの手は、

私にとって、

神様の手だったんだよ・・・・


2003/11/28(Fri)14:05:34 公開 /
■この作品の著作権は鈴さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どうでしたか!?
前編を見てない人でも、だいたい分かるように書きました。
感想、お待ちしています★

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。