『この音声と映像はいつも通り一度で消える。ベテランの貴様にそんなことを言う必要はないが、一応規則なのでね。さて、無駄話よりビジネスの話といこう。今回のターゲットは生物研究所の研究員、レイドリック=ガルシアだ。知ってるとは思うが、こいつは組織のやり方に度々文句を付けてきた。今回の命令が下りた最大の理由は先日、R・H・B(Refinement human being )計画の研究データを破棄したこと。更に、完成していた素体の一体を持ち出したことだ。以上の理由でこいつを消して欲しい。武器の支給及び・・・・・・』 セリナはつまらなそうに、まだ機能を果たしているパソコンを投げ捨てる。冷たい路地裏に湿った音が響いた。 「ヒッ!」 その音に脅え、ここら一帯を支配していたギャングのボスが悲鳴を漏らす。 それも当然だろう。突然の出来事だった。