『歩き出す時<1>』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:加古絽                

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『赤、富原選手。白、佐崎選手』

名前を呼ばれあたしは白い紐を帯の上から巻き前に出る。

脈が速くなる、体温が上がるのが分った。

頭を下げ相手と向き合った。

視線が合う―・・・

『始めっ!!』









【歩き出す時】









夏が終わりもうすぐ冬がやってくる。

寒空の下を優樹はコンビニの袋を下げのんびりと歩いていた。

休日なのだが寒いためか道を歩く人はほとんどみない。

だけど、公園の前を通ると子供数人がサッカーをしていた。

元気に走る子供たち・・・優樹は自分の足を見る―・・・


 『頑張れっ佐崎。がんばれ!!』


嫌な汗が背中をつたう、うまく息が出来ない

目の前の景色が歪み、足に力が入らない

優樹はその場に座り込んでしまった。






















何分くらい立っただろうか?

ポッケトの中から携帯を出し時間を確認する。

「あ、あの。大丈夫ですか?」

不意に後から声をかけられた。

携帯をみたら結構な時間ここに座り込んでいたことになる、

声をかけられてもしょうがない。

「大丈夫です」

顔を上げ笑顔で答え立ちあがるー・・・

「あれ・・あんた、ささき!?佐崎じゃない!!」

顔を上げるとそこには同じ学校に通っていた千倉がいた。

「うわぁ。びっくりした、久しぶりじゃん」

「だねぇ、つーか千倉何やってんの?」

彼女は大きなダンボールを抱えていた。

「見てわかんない?バ・イ・ト」

良く見ると引越しセンター<vリントされたつなぎを着ている。

「あんたの方こそここで何やってんのよ、元気なら学校来なさいよ!」

「あれ、知らんかった?あたし学校辞めたんだよ」

千倉はダンボールを落して固まってしまった。

「なんで!?」

「ははは。色々あってね」

向こうの方から千倉を呼ぶ声がした

「あ、あたしもう行かなきゃ」

千倉は優樹の持っている携帯に目を止めると

「ちょい貸してね」

携帯を手に取るとすばやくボタンを押す

「あんたと番号交換する前に学校来なくなっちゃったからね〜」

優樹に投げて返した

「あたしのメルアド入れといたから、メール頂だい。じゃ」

そういって千倉は仕事に戻っていた。


2003/11/08(Sat)20:00:38 公開 / 加古絽
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■作者からのメッセージ
読んでくださってありがとうございます。
初めての続き物です。
書くこと自体久しぶりなんですが・・・。
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