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『恋する少女』 作者:もげきち / 未分類 未分類
全角1502文字
容量3004 bytes
原稿用紙約4.8枚
恋する少女はいつだって盲目なんです!
 

 見上げるとそこに見えるは筒のような陰の先に見える綺麗な瞳。
「あ、神様だ」
 少女は、その大きな瞳を見つけると嬉しそうに顔をほころばせ両手を結んで祈りを捧げた。
 いつもいつも絶対に同じ時間に決まって見える優しそうな瞳。
 誰かに言ったら、神様が来なくなってしまいそうで言えないけれど、あの空から見える瞳が自分達の世界を守ってくれているのを少女は知っていた。
 4−5日くらい日照りがつづき、作物が育たなくて困っていると神様があの瞳でその状況を知ってくれたのだろう、次の日には雨を降らしてくれた。大きな謎の生物が突然降って湧いたように現れ大地を汚し、壊し始めた時も、あの神様の瞳がその危険に気付いてくれて、次の瞬間には空から何か大きな二本の棒が現れ、巨大な生物を挟み連れ去ってくれた。
 その時少女は気がついた。
 何もかも、あの優しい瞳の神様が私達を助けてくれているんだ――と。
 少女はその事に気がついてから、毎日毎日あの瞳を眺めてはお祈りをするようになっていた。誰よりも神様を大事に思い、祈っていた。
 神様の瞳も、そんな少女を優しく見守っているように映った。

 数年経って、少女も15になり、大変美しく育った。
 求婚する男の数も、優に20を越える程、少女は村一番の器量良しだ。
 しかし、少女は唯の一人も受け入れようとはしなかった。
 少女は既に心に決めて、愛しているものがあったからだ。
 今日もいつもの時間に見上げると、空に見える優しそうな綺麗な瞳。
 そう、少女は神様に恋をしていたのだ。
 少女は村の誰とも結ばれる気など、更々無かった。

 ――そんな少女の頑なな祈りが報われる時が来た。
 村の男達のやっかみ、そして誰とも結婚しようとしない両親の娘への落胆。そして少女の神への異常なまでの固執に、村長が全てにより良き方向へ――と、日ごろの神への感謝として、それまでは動物や食物を捧げていたが、今年は少女を生贄として神に捧げるという決定が下されたのだ。
 その決定に
「私はいよいよ神様の下に行けるのだ」
 少女は純粋に喜んだ。
 相変わらず優しく見つめる神様の瞳も、それを祝福しているように少女の目には映った。
 
 当日、心臓を抉り神に捧げるための台座に昇る少女の目は晴れやかだった。
 相手にされなかった、男達の怨嗟の声も聞こえるがまったく気にならなかった。生贄として捧げられ、魂が神の下へと向かい、一緒になれるのだ。
 そう思うだけで幸せだった。今まで生きてきた中で最高の幸福だった。
 しかし、いよいよ心臓が抉り出される――という時に奇跡が起こった。
 空から巨大な針のようなものが降ってきたのだ。その天まで届く針のようなものは少女の周辺を破壊しはじめ、村人たちを恐怖に落としいれ、生贄の儀式は中断せざるを得ない状況に追い込まれ、少女は心臓を抉り出してもらうことが出来なかったのだった。
「ああ、神様は私を拒絶なさった」
 少女は、その奇跡を見てそう痛感した。
「私は神に捨てられたんだ」
 少女はそうとも思った。苦しいくらい胸のうちからこみ上げる絶望。
 そして、少女はその絶望を抱いたまま自分の胸を刃物で一突きし、死んでしまった。
 少女の死に村人は誰も悲しむ事無く、寧ろ神の怒りをかったと、嘲りや冒涜の言葉放つ。そのまま少女は野ざらしにされ、村の人々は戻って行った。
 が、その後すぐに、まるで海が空から降ってきたような、大きな大きな水の塊が何度も何度も少女の世界を襲い――少女の存在したその世界は全て水没し、あっと言う間に滅んでしまった。

 優しく見守る神様の瞳も、それ以来見えなくなったのだった。


2009/11/01(Sun)16:08:08 公開 / もげきち
■この作品の著作権はもげきちさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
なんだか、凄い勢いで「〜〜少女」という作品が並んでいるのを拝見し、拝読し自分も何か書いてみよう! と、未熟ながら参加させて頂きました。えへえへ。思ったことを、そのまま書いただけで短編の才能の欠片も無い自分ですが読んでいただけたら幸いです。その事実だけで自分亜高速移動で、未来に一人旅立って帰ってこれないくらい喜びます! ではでは、本当に読んでくださった皆様ありがとうございましたー^^
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは!もげきち様(←久しぶりの様w)怒涛の落ち武者よっっつぁんです(笑)
作品読ませていただきました!
「神の御心は、神のみぞ知る」っという感じの作品だとお見受けしました^^;これ(神の瞳)が、少女の妄想だったらまた話は変わるのですが……少女の行為を、村人がどう取ったのか?そしてその勘違いが、村に厄災をもたらす……色んな勘違いのため作品全体としては悲劇ですが、少女の純粋な『想い』でその話も少し温かみを感じられたのは、しかし私の読解力の低さが起因しているのやも……。
それでは、次回作も勿論お待ちしておりますが、何よりもっと欲しいご報告もあります(ニヤリ)お待ちしております!!
               頼家
2009/11/01(Sun)16:39:140点有馬 頼家
こんにちは! 羽堕です♪
 最初、少女は、植物か昆虫なのかと思って、色々と考えたのですけど、どれもしっくりこなくて、博士が作った小人の世界なのかなって。でも少女の行動が博士の望んだ結果じゃなかったから、壊されてしまったのかなって感じました。
 少女が絶望の中で死んでいったのは、やっぱり悲しかったです。でも神様への一途さは、その絶望の中でも変わらなかったかなと。
であ次回作を楽しみにしています♪
2009/11/01(Sun)19:14:140点羽堕
 神様は少女の事を好きだったんだろうな……と一人で呟いていました。危ない危ない(笑)
 どうも、湖悠です。
 悲恋っていうんですかね? スケールが大きすぎてわかりませんが^^;
 少女を守ろうとしたのに、少女は勘違いし、命を絶った。神様もびっくりでしょうなぁ。守ろうとしたのに死んでしまった。シェイクスピアの小説にありそうな悲劇さですね。そして(これは俺の妄想ですが)神の涙で世界は滅びた……。そこからまた新しい世界が創造できそうです。その後の世界を妄想しつつ、それではっ。
2009/11/01(Sun)19:21:370点湖悠
どもです。お久しぶり……なんですかね? 最近とんと記憶が……。
祭りだワッショイ。ということで読ませてもらいました。
ストーカーな神様。……それが読んだ後の印象でした。申し訳ない。
なんでしょうね、箱庭ゲーム的な感じもありました。お気に入りのキャラが死んだから、もうこの世界は要らない、という。
少女の視点というか、神様視点で読んでしまったからそうなったんかも知れません。

ではでは〜
2009/11/01(Sun)21:24:460点rathi
拝読しました。水芭蕉猫です。にゃあ。
えぇ、まず一言、すげぇです。あまりに壮大すぎて、その壮大っぷりが一人の少女に向ける愛情めいたものだったので、何かすげぇです。
神は、少女の何がそんなによかったのかちょっと気になるところでした。結局、神は少女に生きていて欲しかったのかなぁなんて思いました。
2009/11/01(Sun)23:17:540点水芭蕉猫
わわわ、方向性がちょっと違うからと平仮名まぜのプチ参加な自分までコメントががが。
本当に、本当に皆様ありがとうございますー

>よーっつぁぁぁああん
既に、自分のブログに勢いで書いたもう一つの話でネタばれしているので、アレなのですがこの話は二つで一つの話になっちゃいましたね(汗) 本当、いろいろ前提ありきのような書き方になってしまっていましたね……。
でも、本当日常から様々な勘違いがあり、人づてになるともっともっと不信なものへ。信じていたものの崩壊ほど、人の心を無防備にし、壊してしまいやすい状況はないですよね。怖い。
さ、読んでいただけた喜びでとりあえずデブリの気持ちになる為に秒速7.2kの世界にいってきますー
ただいまー

>羽堕様
こんばんはー、わおわお。感想ありがとうございますっだ!
なるほど! 自分も動物観点の話とかは考えていたのですが、いまいち盛り上がらず今回はこのような作品に。いろいろ前提でだしたものに気が付いていただき小さな世界と知って頂けたのがすんごく嬉しいですw ただ、あちらで書いたように神様でもなんでもない一人の研究者の恋心だったので、やはり悲劇ですよね。神なら実際「なんでも出来るけど、何もしてはいけない」のルールを適用かYHVHのようにアグレッシブを通り越した感じであるべきと思ってたり^^
少女が一番悲惨ですよね……一人完全に打ちのめされての死。むー……

>湖悠様
こんばんはー、わわわ。書き込みありがとうございますー
はい、きっと神様も少女の事を愛してたんだと自分も思います。だからこそのえこひいき。
そしてそれが誤解を生んでしまった。最後は神が一番の絶望を与え、少女を死に追いやった。
悲しい誤解。でも、あーなってはどうすることも出来なかったと思います。
滅び、新しい世界が生まれる。ノアの箱舟のような感じでもありますね、水だけに!

>rathi様
こんばんはー、作品を読ませては頂いていますがこうしてお言葉を交わすのは初めてでしょうか?
もげきちと申しますー。感想どうもありがとうございます!
ええ、まさにストーカーな神様ですよねw 少女が祈っている事に気がつき、そして何かが来たのでしょうか。妄執なほどの熱のいれっぷりです。少女が祈れば祈るほど張り切って、周りへの幸福への努力をしていたのでしょうねー。素直に村人たちも感謝の気持ちをもっていたのですから。
世界がいらないと感じたのか、それとも偶発だったのか。それは、この「神」だけが知ることなんでしょうね。でも、滅ぼしたという罪は消えない。本当の神ならば、背信でもないのにこのような事をするのはありえない事かもしれませんね。とは言え、神の定義もいろいろですが。
ではでは、感想ありがとうございました! 

>水芭蕉猫様
こんばんはー。はじめましてであります? 作品は拝読させていただいておりますが中々感想を書くのが苦手なもげきちと申します。感想ありがとうございますー
ほんに、なんだか壮大な話っぽくなってしまいました。でも、実際はなんだかちっぽけな話でもあります。勘違いは本当に悲しい。取り返しの付かない事も多々ありますし、しこりが残る場合も(汗
神は何故少女がそんなに気になったのか。覗いている事に気が付いていた唯一の存在だったからかもしれませんね。生きて欲しかったのは、間違いないでしょう。でも、それが少女に最大の絶望を与えたことには全く気が付かなかったでしょうね……あう。
ではでは、感想ありがとうございましたー^^ 斜め上な祭りの参加ですみませんでした(汗
2009/11/02(Mon)20:53:280点もげきち
こんにちは。
神様は身勝手。我が儘で偏屈、傲慢。私の神のイメージは最悪です。
神様って人間くさい存在だと思うので、いかにも神様がしそうな事だなって思いながら読ませていただきました。
ああ、私も相当捻くれ者ですな。村人の身勝手さも神の身勝手さも嫌な笑みが浮かんでしまいます。
では、またいつか。
2009/11/03(Tue)03:49:210点ミノタウロス
作品を読ませていただきました。神様の存在を信じ続けられた少女は幸せだったでしょう、生け贄にされる寸前までは……こういう苦い終わり方は良いですね。互いの感情のすれ違いが生む悲しみですよね。そしてその後行った神様の行為はギリシャ神話の神様のようで私の好きなタイプの神様です。しかし、空に浮かんだ瞳ってどんな大きさだったんだろう? 少女は初めて見た時、気持ち悪いとか怖いとかは感じなかったんだろうか? とにかくこのような終わり方は好きでした。では、次回作品を期待しています。
2009/11/03(Tue)20:16:470点甘木
>ミノタウロス様
こんばんはー、はじめまして! なのかな? でもミノタウロス様の作品を拝読した記憶も^^
おお、身勝手な神様。まさに旧約聖書系でありますね! お前、どっちが悪魔なんだよって言いたくなるあの虐殺っぷりにびっくりした記憶があったりしますw
人間臭い神様か、全智とし何も出来ないと定義するか。色々な解釈はありますが、やっぱり人間臭さが残る神様のが醜くも、汚くも、愛せますよね。そして憎しめますよねー
嫌味な笑い、どうしても今の世の中でも「ああ、何でこうなってるんだろう?」と嫌味な笑いが自分も漏れてしまいます。相対的に見て皮肉を言わなくて済む世界って、来てくれるんでしょうかねぇ。あう
ではでは、ありがとうございました! またよろしければ^^ そして自分も遊びにまいります!

>甘木様
こんばんはー! わわわ、苦い終わり方ですがそう言って頂けると嬉しく思います。
どこか後味の悪い感じですが、それが余韻として残ってくださると幸せでもありますね(こらw
たしかに空に浮かぶ瞳って、めっさ怖いですね。どこで適応出来るようになったのか、それとも
初めから優しい瞳として憧れの対象になっていたのか……。
ではでは、感想ありがとうございました! 
2009/11/04(Wed)17:53:150点もげきち
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