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『窓辺の猫』 作者:水芭蕉猫 / 童話 ショート*2
全角3295文字
容量6590 bytes
原稿用紙約10.8枚
愛情いっぱいに包まれて暮らす猫と野良猫の話
 あるところに二階建ての、真っ白い色をした、お人形のお家のようにとても綺麗なお屋敷がありました。
 そのお屋敷の大きな出窓からは、いつもいつも銀色の長い毛並みでふわふわの、とても美しい猫が日向ぼっこをしていました。
ふわふわの猫はいつも日向ぼっこをしたり、お腹が空いたらおやつやゴハンをご主人様から貰って、とても幸せに暮らしていました。
 ある日、いつものように猫が日向ぼっこをしていると、ガリガリに痩せた虎猫が窓を隔てたすぐ目の前を通りかかりました。
 猫は一人で歩いている猫を見るのは初めてでしたので、つい興味を引かれて声をかけました。
「やぁ、そこの君。どうして外をあるいているんだい」
 虎猫は窓一枚隔てた銀色の猫に気付いて、こう言いました。
「なぜって、縄張りが変わったから、ただの見回りよ」
「誰かに飼われていないのかい?」
 銀色の猫の問いかけに、猫は首をかしげました。
「飼われる? そんなのはまっぴらゴメンだね。アタシは自由なんだ」
 そして虎猫は、銀色の猫に興味をなくしたようにふいっと通り過ぎていってしまいました。
 銀色の猫は首を傾げました。飼われるのの、何がそんなにイヤなのか、銀色の猫はまるで理解できませんでしたが、ゴハンの時間だったのですぐに考えるのをやめました。



 次の日も、虎猫は銀色の猫の家の前を通りかかりました。
「ねぇ! ねぇキミ!」
 虎猫が何も言わずに通り過ぎようとしたので、銀色の猫は慌てて声をかけました。
「何」
 虎猫が立ち止まったので、銀色の猫は少しだけほっとしました。
「ねぇ、キミ。どうして飼われるのがイヤなんだい? 外じゃゴハンもろくにありつけないし、寝床だって無いんだ。外じゃ毛皮が汚れてしまうだろう?」
 確かに虎猫はガリガリにやせ細っていましたし、虎の毛皮もところどころ泥で汚れておりました。しかし、虎猫はきょとんとしか顔でこう言いました。
「そんなの、当たり前じゃないの。食事なんて、その辺の鳥を捕まえれば良いのよ。それにゴミの中にも食べられるものも沢山あるわ。寝床だって、探せばいくらでもあるじゃないの」
 それを聞いて、銀色の猫はびっくりしました。
 ゴミを漁るだって? そんなの汚いじゃないか。それに鳥って、あの飛んでる生き物だろう? 確かに心引かれるモノはあるけれど、食べるなんて、もし病気でも持ってたらどうするんだろう。
 しかしそれを銀色の猫が口にする前に、虎猫は「じゃあ、もう行くわね」とそう言って去ってしまいました。
 虎猫の姿が見えなくなってから、銀色の猫は、食べ物にも寝床にも苦労しているらしい虎猫は、きっと喉をなでなでしてもらったりブラッシングをかけてもらったことも無いんだろうと思いました。
 抱っこされる気持ちよさや、お腹いっぱい食べる事を知らないなんて、なんて可哀想なんだろうと思いました。
 そうやって、今日はゴハンを食べながらも、虎猫の事を考えました。




 翌日、虎猫が銀色の猫の前を通りかかると、銀色の猫はまた呼び止めました。
「ねぇ! ねぇってば!!」
「何」
 少しイライラした様子で、虎猫が立ち止まると、銀色の猫は言いました。
「キミ、ウチにおいでよ! ボクがお願いすればご主人様はきっとキミも家の子にしてくれるはずだよ! もうお腹が空いたり、寝床に困ることも無いんだよ」
 銀色の猫が自信満々にそう言うと、虎猫は全身の毛を逆立てて、フーッ!!! と怒りました。
「ふざけるな!! どうしてアタシがアンタの家に入らなきゃならないんだ!」
 窓一枚隔てているので、さすがにパンチは飛んできませんでしたが、怒った虎猫は呆然とする銀色の猫を他所にすぐに去ってしまいました。
 銀色の猫は、何故怒られたのかまったくわかりませんでした。




 虎猫は思いました。
 銀色の猫は、毎日毎日決して出て行くことの出来ない窓の外を、じっと眺めているのです。
 なんて可哀想な奴だと思いました。
 この空の青さを知らないなんて。
 スズメやネズミを捕らえたり、木に登ったり、野生としての自分達を発散させる術を知らないだなんて。
 誰かに飼われ、そのものに逆らうことすら許されず、ただ諾々と生きていくだけだなんて、虎猫には全く理解が出来ませんでした。
 猫の集会や、猫たちの知る掟も知らず、ただ誰かの手のひらの上で踊らされるだけなんて、虎猫にはとても考えられませんでした。



 それから暫く、虎猫は銀色の猫の前を通り過ぎても何も言葉を交わさない日々が続きました。
 互いが互いに理解できないまま、日々は流れました。



 そして冬も近づくある寒い日、その日も銀色の猫は窓の外を眺めていました。
 部屋は暖房で暖められ、程よい気温で銀色の猫は大きなあくびをしました。それから、こんな寒い日も外なら、虎猫は大変だなぁと思っていました。
 そしてまた、銀色の猫の前を虎猫が通り過ぎました。
 その姿を見て、銀色の猫はぎょっとしました。
 虎猫の体が血で染まっていたからでした。後ろ足を引きずって、ずりずりと歩いていました。
「虎猫!」
 銀色の猫が思わず呼び止めると、虎猫はふとそちらを見ました。そして笑いました。
「何よ。相変わらずシケた顔してるわね」
「ねぇ、ねぇ虎猫どうしたの!? 何があったの?」
 銀色の猫が慌てて問うと、虎猫は何事も無かったように、「ちょっと轢かれかけただけよ」と答えました。
「ねぇ、それってヤバいよ。まってて、今主人に来てもらうから!!」
 銀色の猫が言うと、虎猫はまた、血に濡れた毛を逆立てました!!
「余計なことしないで!! アタシは誰の手も借りないわ!」
 今にも飛んでいきそうだった銀色の猫は、足を止めました。
「虎猫……」
 虎猫は、ちっ、と舌打ちすると、銀色の猫に一言問いかけました。
「アンタは、今幸せなのかい?」
 銀色の猫は、きょとんとして答えました。
「当たり前だろう。ゴハンも寝床も不自由しないのに、幸せじゃないなんてありえないじゃないか」
 虎猫はそれを聞くと、ふっと笑いました。
「そうかい。それなら、別にいいんだ」
 そして足をずるずると引きずったまま、銀色の猫の前から立ち去ってしまいました。




 それから虎猫は、銀色の猫の家の前を通りかかりませんでした。
 二度と、通りかかることはありませんでした。




 虎猫は、轢かれた瞬間から、自分はもう長くないのを知っていました。
 だから、自分が一番大好きな空を見ていたいと思いました。
 けれど、その前に一つ、思い残すことがありました。銀色の猫のことでした。
 きっと一生、銀色の猫はあの狭い部屋の中で暮らすんだろうと思いました。
 それはとても可哀想だと思いました。
 だから、一言だけでも空の青さや世界の広さを教えてあげようと思ったのですが、銀色の猫はそんな不幸を幸せだと言いました。
 だから、虎猫は何も言いませんでした。
 最後に空き地で見た空は、星空でした。
 とても広い、美しい夜色の、冬の星空でした。
 この空の美しさを知らないなんて、銀色の猫は、なんて可哀想な奴だと思いました。



 虎猫は、二度と銀色の猫の家の前を通りかかることはありませんでした。



 銀色の猫は、虎猫が死んでしまったのをなんとなく理解できました。
 それでも、誰も来ない窓辺で虎猫が通りかかるのを待っていました。
 見上げればそこは天井で、空は窓の外に見える角切りの枠から見えるだけでした。
 虎猫は、ずっとお腹が空いたままだったのでしょう。誰かの家にいれば、そんなことは無かったはずです。轢かれて死ぬことも、無かったと思います。
 誰かの腕の中で、愛情に包まれながら生きることが出来たと思います。
 きっと虎猫は、最後まで一人ぼっちだったんじゃないかと思います。
 お腹いっぱいに食べれずに、痩せたまま、外での寒さに震えながら。暮らしていたんだろうと思います。
 そう思うと、虎猫はとても可哀想だなと思いました。
 それがあまりにも悲しくて、可哀想で、銀色の猫は虎猫の為に沢山泣きました。

2009/07/12(Sun)21:45:08 公開 / 水芭蕉猫
■この作品の著作権は水芭蕉猫さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
前から考えていた話を思い切って形にしてみました。
価値観はそれぞれ違ってて難しい。そんな話しです。
かなり長いこと文章書いてないせいか、思い切り腕が鈍っているなぁと書いててしみじみ思いました。それでも今の精一杯の形だったりします。
窓一枚隔ててるのにどうやって喋ってるかはツッコミ無しの方向で。

お手柔らかにお願いします。

七月十七日:誤字修正。
この作品に対する感想 - 昇順
 こんばんは、作品よりも作者が変わっていることで有名な木沢井です。
 今書いている話にも似たようなことを書いてみましたが、やはり幸せの何たるかを定義付けることはできないのだなぁと感じました。庇護下に置かれて生きるのも、何ものにも縛られずに生きるのも、どちらが幸せとして『上』かと決められないのでしょう。
 最初は両者が分かり合ったりするのかと思っていただけに、それぞれの最後はとても意外でした。童話なのに、(ある意味)とても現実的な終わり方をしていたものですから。
 以上、炒り麦の美味しさにもびっくりしていた木沢井でした。私もこのくらい、心理を事細かに再現できるよう精進したいものです。
2009/07/12(Sun)01:48:470点木沢井
[簡易感想]おもしろかったです。
2009/07/12(Sun)06:10:390点中村ケイタロウ
千尋です。拝読しました。
 ラストがいいですね。変に甘くなくて、大人の童話って感じがしました。映画『セブン』を観終わったときと同じような満足感があります。(分かりにくい?)
 分かり合うのって難しい。そして、無理に分かり合う必要もない場合も多いんですよね、本当は。
2009/07/12(Sun)09:09:460点千尋
確かに、いつもに比べて、ちょっと文章はこなれていないかも。もっと思いきり童話文体にしてしまうか、あるいは思いきって大人語りにするか――悩ましいところです。
しかし中身の世界に関しましては、いつもながら、しっかり同調させていただきました。狸にとっては、こんな世界が、いちばん優しくて、やがていつかは平和へと続く世界に思えます。
えーと、突然ですが、狸、歌いま〜す。
♪ す〜べて〜わかりあうよろこび〜より〜 みつからな〜い〜 ここ〜ろ〜が〜好き〜 そ〜っと〜こぼれる涙の数で〜〜 やさしさな〜ら〜 倍〜に〜な〜るね〜〜 ♪
……失礼しました。角川アニメ『ファイブスター物語』の主題歌でした。古いアニソンですみません。 
2009/07/14(Tue)00:57:070点バニラダヌキ
こんにちは! 羽堕です♪
 互いが互いを可哀想だと想う気持ちが、すごくよく分かるなって思いました。それでもわずかに銀の猫の方が幸せだったんじゃないかと思ってしまう私は、まだまだ本当の空も世界の広さも知らないのかもな。
 文章自体は、どちらに寄りすぎる事もなくて、自分で考える事の出来る素敵な物語でした。
であ次回作を楽しみにしています♪
2009/07/14(Tue)15:44:460点羽堕
木沢井様>
お読みいただきありがとうございます。幸せの定義って難しいですよね。こちらから見れば明らかに不幸だと思えることが当人にとっては幸福であったり、こちらが良かれと思ったことが余計なお世話であったり。最初は解り合うラストも少し考えたのですが、やっぱり最後の最後まで理解できないからこそ栄えると思ったのですよね。理解しようとして出来ない。でも相手を心配する心は忘れない。お互いに可哀想だと思い会いながら当人は幸福である。所謂ヤマアラシ式です。
 感想ありがとうございました。炒り麦は食べたこと無いですが、そんなに美味しいんですか?(笑

中村ケイタロウ様>
 お読みいただきありがとうございます。おもしろかったですか? あなたにとって面白かったのでしたら、何よりです。

千尋様>
 お読みいただきありがとうございます。
 映画『セブン』は見たこと無いのですが、大人の童話的話なのですか? 大人の童話は割と好きです。解りあうのは難しいのです。でも、解りあう必要など存在しないのです。相手を排他しようとしなければ、そこに広がるのは天国。感想ありがとうございました。
バニラダヌキ様>
 お読みいただきありがとうございます。フフフ。思いっきり書きなれない文章です。退化しましたよ退化。童話文体って意外と難しいモノだと痛感した次第であります。互いを理解出来ず、理解できないままでも排他にならないって意外と難しいですよね。お〜。ぱちぱちぱち。ファイブスター物語を今更ながらに某笑顔動画で見てきたのですが、該当主題歌がありませんでしたorz某君の管動画なら見れるかしら?感想ありがとうございました。
羽堕様>
 お読みいただきありがとうございます。
 可哀想だと思う気持ちが伝わっていたならなによりです。結局のところ、書きたかったのは互いが互いを哀れに思うことでしたので……。どちらが幸福かは、多分、自分の置かれている状況によるんじゃないかと思います。私も銀色の猫と同じ庇護下に居たい人間だったり(笑)けれど、虎猫のような流浪にあこがれたりもしてたりします。いつかは見てみたいな空の色。そんな感じです。
 感想ありがとうございました。
2009/07/14(Tue)22:06:050点水芭蕉猫
作品を読ませていただきました。うーむ、やや中途半端な感じが否めませんでした。もっと童話風な書き方にした方が面白かったかな。銀色の猫も虎猫も幸福とも不幸とも感じられなく淡々と物語が進んでしまった感がありました。では、次回作品を期待しています。
2009/07/15(Wed)00:26:460点甘木
二人は互いに互いを不幸に思ってしまっていたからこそ、それに目を瞑らずに何か変化がほしかったと思います。
2009/07/15(Wed)05:34:550点Aの指定席
拝読いたしました。価値観というのを共有するのは難しいですね。確かに理解しなくても問題ないのかもしれませんが。
なんか『貧乏人と金持ち』の話を思い出しました。あれは互いの不幸を幸福と思っている人たちの小話でしたが、こちらと通じる点があると思います。
最後、私はあれでよかったと思います。分かり合うだけが世の中重要ではないと思っておりますので。
2009/07/17(Fri)12:26:540点紫静馬
甘木様>
 お読みいただきありがとうございました。うーむ、やっぱりもうちょっと童話的にしたほうが良かったでしょうか。まぁ、不幸と幸福、天国と地獄、それから虚無もそれぞれで紙一重だと思ってますが、やっぱりもう少し突き抜けたほうが良かったですね。感想ありがとうございました。
Aの指定席様>
 お読みいただきありがとうございました。いえいえ、これはお互いに不幸だと思いあってしまったからこそ、そっとしておいたのです、相手が幸福であると思っているのなら、変化させるのはそれこそ野暮です。ただ、もうちょっと捻りを加えればよかったと反省しています。感想ありがとうございました。
紫静馬様>
 お読みいただきありがとうございます。価値観の共有は、難しいです。でも、理解して無くても問題は無いのです。言葉は通じても、心まで通じ合う必要性は何もありません。貧乏人と金持ち。興味を持って探したのですが、見つかりません。うぅむ。もうちょっと探してみようと思います。
感想ありがとうございました。
2009/07/20(Mon)12:40:110点水芭蕉猫
 こんばんは、水芭蕉猫様。上野文です。
 御作を読みました。
 確かに銀色の猫も虎猫も誤解したままで、でも、お互いがお互いを思っていて。お互いを想いあってるってことだけは、伝わっていたと思うんです。
 最後に誰かを想って死ねるのも、誰かの死に涙するのも、それは幸いだと思うから。
 たいへん面白かったです!
2009/07/20(Mon)19:11:031上野文
以前は、感想を書いていただき、ありがとうございました
読ませていただきました
では、感想を

良かったと思います。
読みやすくかつ伝わりやすい文章でしたし、最後に銀色の猫が泣くのは皮肉として上手く作用していると感じました。
それぞれの特徴に伴う意見の齟齬もはっきりしていたと思います。
ですが、ちょっと違和感を覚えた部分があるので指摘させていただきます。

@ちょっと露骨すぎるのではないかと。
虎猫の心情が書かれてから、どういう類の話か分かってしまい、正直興ざめでした。だから、虎猫の心情は最後の方にまとめて書いて、序盤および中盤の描写をなくすべきではないでしょうか。

A>銀色の猫が言うと、虎猫はまた、血に濡れた毛を逆立てました!!
 最後が!!になっているのは誤字でしょうか。

B>そう思うと、虎猫はとても可哀想だなと思いました。
 この文の前に、思います、思いますと続いて書かれています。つまり、そう「思う」と、というのはクドイのではないでしょうか。
 またこの文は、思うと、思いました、という形になるのでおかしいかと。
 また、虎猫が思ったのだと錯覚させうる形状にもなっています。
 そう考えを巡らすうち、虎猫はとても可哀そうな猫だと思いました。
 とでもした方がいいのではないでしょうか。

Cこれについては、僕個人の好みによるものが大きいですが、空ではあまり説得力がないのではないかと思います。銀色の猫も全く見れないわけではないので、「閉じ込められ養護されている猫」と「風当たりの強い外を自由に生きる猫」との違いの象徴にはなれないと思うんです。もっと別の何か(といっても僕には見当がつきませんが)にした方が良かったのではないかと。

好き勝手書いてしまい、申し訳ありません。
お気に触ったのならご容赦を。
では、失礼します
2009/07/20(Mon)21:57:120点西序
お久しぶりです。遅れましたが読ませて頂きました。
う〜ん、正直なところ最初の方で伝えたい事が分かってしまいました。
これがネコではなく、普通の人の話だったらまた別の印象を受けたかも知れません。

やっぱりネコは良いなぁ。

ではでは〜
2009/07/21(Tue)00:37:300点rathi
うちの芝生は青い!って言い張れるだなんて羨ましすぎる。二匹とも、ものすごく幸せですね。
最初に筋がはっきり見えて、そのせいかぶれることなく読めました。以前に比べ、流れはあんまりよくない(失礼すぎ)気もしましたけど、逆に良いアクセントになっていたように思います。
お互いがお互いを知りさえしなければ、完璧なハッピーエンドだったのにな、って思いました。でももちろん、完璧なハッピーエンドになれないところがすごく良いのだと思います。これでもし、どちらかがどちらかの価値観を相手に植え付けたり、自分たちの孤独に気付いたり、生活が変わったりしたらまるで駄目になってしまうもの。
少しだけ気になったのは、どうして飼い猫が「外じゃご飯にもありつけないし、寝床だって無い」、野良猫が「本当の空と、ガラス越しの空の違い」を知っているのかな、ということでしょうか。誰かに聞いたのかなぁ。うーん。
 でもほんとにそれだけで、あとはすごく好みでした。
 次回作も、期待してますね。
 
2009/07/22(Wed)14:21:460点夢幻花 彩
わお。皆様感想ありがとうございます!!私、感無量であります。
上野文様>
お読みいただきありがとうございます!そうですそうです。分かり合わなくても別に良いのです。思えあえれば、それで全然構わないのですね。互いに何かの感情を思わせる事無く生きられるのは幸せなのだと思います。感想ありがとうございました。
西序様>
お読みいただきありがとうございます。
指摘箇所しかと心に刻みます。実はそこは自分でもどうすべきか思案した場所であります。まず、モチーフが少しずつずれ合う互いの心。であったので、互いの心情を出し合いながら徐々に齟齬を広げていく。というのが当初の目標なのでした。なので、双方からの感情を出し合う形式にしたのですが、どうにも最初からすっ飛ばして居た感じがありましたね。二番目は仕様です。おかしかったですか? 三番目は完全に私のミスです。ありがとうございます。修正しておきます。四番目、空の説得力の無さは、承知しております。が、他に何も思い浮かばなかったのが正直なところなのです。結局のところ、私も外の生活に魅力を感じないので、ありきたりに空が出てきたわけです。もうちょっと何か考えて見ます。感想ありがとうございました。
rathi様>
お読み頂きありがとうございます。猫だいすきです。にゃんこ。やっぱり最初に出しすぎでしたか。う〜ん……でもどちらかの心情を最後に回すと、変なふうになるんですよね……もう少し考えて見ます。そしてもしこの話しが人間だったら……人家畜とかでやったら面白そうかもしれません(笑)感想ありがとうございました。
夢幻花 彩様>
 お読みいただきありがとうございます!! えぇと、私、普段一人称ばっかり使ってるので、久しぶりに三人称使ったら、三人称難しすぎです。多分、流れの悪さはそのせいかもしれません。でも一人称でやったらこのお話にはまるで合わなかったのです。文章って難しい。でも面白いね。
 私の場合、互いが理解しあうお話になったら、きっと凄まじくバッドエンドな話になってしまいます。最後の疑問ですが……フフフ。まったく考えてませんでした。野良猫は半野良状態だった時期があるとか裏設定がありますが、家猫は考えてませんでした。ゴメンナサイ。感想ありがとうございます。
2009/07/22(Wed)22:22:230点水芭蕉猫
 ああうう、時間ない。忙しい。精神病院なんてところに入ってると、いろいろ規制がうるさくてめんどくさい。でも、まあ寝床と食べ物と着る物はなんとか……(ハッ!
 失礼、私事で恐縮です、お久しぶりですねぇ。時間ないので、読みなれた読みやすい、なおかつ面白い作品を書く作家さん、ということで猫しゃんを選択した赤月です。作品を読ませていただきました。
 猫、好きです。というか、猫です。私。
 作品全体の雰囲気は、「アリとキリギリス」? いや、それを一歩進めて、キリギリス側の価値観にも足を踏み入れたというかなんというか。「キリギリスだって本望だったんだよ」的な? 確かになぁ、と思いました。私はどちらかといえばキリギリス派というか、刹那主義者というか、虎猫派なもので。うちで虎猫飼ってたし。
 文章はややおとぎ噺チック? でも猫しゃんの雰囲気には若干似合うなぁ、と感じました。うん、読みやすい、いい。童話ではなく小説として、負の側面にもきちんと目を向けている点は頷けた。相容れない価値観を持つ者同士、対立するのでも無理に共存しようというのでもなく、しかし互いの価値観に対する理解を深めようとする(それは達せられていないが)……もののけ姫?
 ああ、たかが感想を書くだけなのに、文章のこの荒れよう、どうしよう。今長編を草案からノートに組んで書いてる最中なんですが、シンドイねぇ。また書き上げたものをアップするのもシンドイ。時間はあり余ってるけど、どないせぇっちゅうねん。いったい何時間かかるんだろう……本格的に賞の公募に送る作品のつもりだから、あれこれ取材もしてこないと……、こんなトコで愚痴ってどうする、俺。
 おかげさんで精神病院の取材費と精神病者の人間観察はバッチリだけど、日常生活をハンパねぇ勢いで脅かされてる、コ……赤月 水織でしたぁ。駄文失礼、やっぱり余裕がないとまともな感想書けないですね。
2009/08/06(Thu)17:49:220点赤月 水織
赤月 水織様>
 お読みいただきありがとうございます!!うぅ、レス返し遅れて申し訳ないですorz色々モロモロで片付けごとがありまして。精神病院は色々面倒くさそうですねぇ。精神の入院病棟日誌とか読む限りだと、メチャ面倒くさそう。それはそうと、精神系だと目に見えない上に、考え方の刷り込みも入っちゃうから面倒なんですよねぇ。それはそうと、お褒め頂きありがとうございます。こう、お互いに可哀想だなぁ、可哀想だなぁと思いあいながらも決して頭から否定しない話しが書きたいなぁと思って書いた話でしたので……。文章は荒れてるようには見えないですよ?賞の公募に送るのですか!!是非とも頑張ってください!!精神病院の人間関係は興味深いところ。それもまた中々出来ない経験っぽくて面白そうだなぁ。そして彼方はやはりあの方ですか(ニヤリ。
 感想ありがとうございました。
2009/08/17(Mon)22:17:330点水芭蕉猫
合計1
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