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『星屑の欠片』 作者:ひめねこ / ファンタジー 異世界
全角3188.5文字
容量6377 bytes
原稿用紙約9.6枚
紗那は、両親の仲が悪く、いつも一人だった。そこに、星屑の欠片というものが舞い降りる。宇宙を消滅させないために、なんとしてでも銀河の球を完成させる。五人の戦士は、旅立った。
一章
飛び交う皿の割れる音。母の悲鳴。父の怒鳴り声。もう止めて、そう叫びたくなる気持ちを必死に抑えて、紗那(しゃな)は二階の自分の部屋へと駆け上がった。そこにまで怒鳴り声や悲鳴は聞こえてくる。唯一そんな声が聞こえない場所へ、紗那は逃げ込む。自分の部屋の外にある、小さくて今にも壊れそうな錆びれたベランダ。
――なんで私だけ……
紗那は、いつもベランダで、ひっそりと涙を流す。その涙を、一月の冷たい風が吹き飛ばして、ひっそりと屋根をぬらした。クラスメートは、笑いながら母親の小言のことへの文句を話す。紗那はそんな友達の姿をみて、心の中で思う。「私よりはましよ」と。ふと、顔に冷たいものが触れた気がした。雪だ。今年は余り降らなかったから、珍しい、そう思いながら、紗那はそっと、雪を手に載せた。たちまち、紗那の手の中の雪は水となり、零れ落ちた。そんな景色を眺めていて、ふと、雪とは違うきらめきを発見した。恐る恐る、手を差し伸べる。手に乗ったそれは、虹色に輝く結晶のようなものだった。
何だろう?……何かの、欠片?
紗那は手の上の物体をまじまじと見つめた。見たこともない不思議なものに、興味がわいてきた。その時。その物体の放つ光が、急激に強くなった。紗那は目を開けていられなくなって、目を閉じた。瞼の内側からも分かるような強い光が、少しずつ弱まっていくのが分かる。恐る恐る、目を開けてみた。そこには、綺麗な男性がいた。名式はない。外国にも、こんな綺麗な人はいるのだろうか。すると、その男が、紗那に話しかける。
「君、名前は?」
「し……紗那。彩島紗那です」
紗那は、恐る恐るこたえる。思いもよらない出来事に、ほぼ放心状態。しかも、よく見るとその男は宙に浮いているではないか! 男に話しかけられて、紗那は我に返った。
「僕はクリストファー。クリス、とよんで下さい。きっと状況を確認するのに時間がかかるでしょう。少し力を抜いてみてください」
紗那は、クリストファーと名乗った男の言うとおり、体の力を抜いた。すると、クリストファーは紗那の小さな体を抱えあげたのだ。そして、そのままふわりと浮かび上がり、紗那を家の屋根の上へとおろした。紗那はもう、何が起こっているとかわけがわからなく、ただただ唖然としているのみだった。
「僕は、さっきのとおり空を飛べる。君も、その欠片を持っていれば、飛ぶことが出来るんだ」
紗那は、まだ手で握っていた不思議な欠片に目を移す。いまだに、七色の光は消えていなかった。そうして、クリストファーに目を移す。
「君は、選ばれた。その欠片に。何らかの不幸を感じているものの悲しみや憎しみの力が、欠片を呼び寄せるんだ。その欠片は、「星屑の欠片」っていう。星屑の欠片は、五つ集まって、銀河の球というものになるんだ。100年にいちど、銀河の球は割れる。その欠片が地上に降り立って、欠片を受け取ったものが月の都へと行くんだ。そこで五人の戦士が、その欠片を雲の塔まで持っていくんだ。そこで球を作る。銀河の球がないと、宇宙は消滅してしまうんだ。君らは、皆の運命を背負うんだよ」
わけの分からない話だった。でもなぜか紗那には、納得できた。嘘だとは思えなかった。現に自分の持っている星屑の欠片と、クリストファーが宙に浮くのを見たからかもしてない。
「それで、私は?」
「いまから僕と月の都へ向かう。君が月の都に言っている間は、君という存在はなかったことになるから大丈夫だ。モチロン、戻れば元通りさ。月の都でも、頼れる用心棒たちが君たちについているし、星屑の欠片を持っていれば、魔法が使えるから大丈夫。質問は、後で受け付けるさ。心の準備は?」
紗那は、戸惑いながら頷いた。
「よし、いくよ!」
すると、クリストファーと紗那の体が、月の光に包まれる。紗那は、まぶしくて瞳を閉じた。
一章 終了

二章
光の強さが、弱まる感じ。少しずつ、自分の体が下がっていく。靴の底に、地面の感覚がしっかりとして、紗那はやっと目を開けた。
「……ぁ」
そこには、月光に照らされた月の都があった。
――きれ……ぃ
月光を受けて光を返す白の岩が、無数にも散らばる。砂も月明かりに照らされ、それぞれが異なった輝きを見せる。空は紺から空色までの綺麗なグラデーションになっていて、月の都の人のブロンドやプラチナブロンドを、月光が輝かせる。その風景はどんな絵画でも描き表すことが出来ないだろう。それを見て人が思う感想は一つしかない。
「綺麗だろう。ここが月の都さ」
「あの……クリス、さん。私は、どこへ行けばいいんですか?」
やっと、言葉が出てきた。クリストファーはこちらを向いて、微笑を浮かべると、紗那の手をとって再び宙に浮いた。
「まず、君の仲間と合流しよう。星屑の欠片をもった戦士たちだ。ついておいで」
すると、紗那の手を離す。紗那は、一瞬目を強く瞑った。
落ち……ない?
「言っただろう? 星屑の欠片は、君に魔力を与える、と」
紗那はまだ手に握っている星屑の欠片に目を移す。すると、欠片は青く光っている。
「魔法を使う時は、系統によっては色が変わるんだ。絶対、離さないようにね。いくよ!」
クリストファーは前に進んでいく。紗那は何もしなくても、体が動いていった。どうやら、星屑の欠片が紗那を動かしているらしい。そのままクリストファーについていくと、白い岩でできた、大きな建物が見えた。その前にクリストファーが着地すると、紗那も続いて着地した。それと同時に、星屑の欠片ももとの七色の光を帯びる。
「ここが、君たちを集める施設さ。さ、入った入った」
紗那がどこが扉かを迷っていると、後ろからクリストファーが微笑みながら近づいてきた。「こうするんだよ」と紗那の星屑の欠片を白岩に当てると、白岩は光に包まれ、やがて扉になった。紗那は恐る恐る、その扉を引いた。すると、四人の少女、三人の少年、月の都の人が何人かいた。紗那がじっとしていると、月の都の女性が、紗那に気づいて近づいてきた。フードつきの白いワンピースに、黒のカーディガンを羽織った、月の都の服装。フードの隙間から見える長いカールしたブロンドに、瑠璃色の目をした、美しい女性。
「あなたが最後の少女戦士ね。私はティファエル。気軽にテファとよんでね」
「少女……戦士?」
「説明不足だったかな」
クリストファーが後ろから顔を出す。
「星屑の欠片を手にするものは、限られているんだ。まぐ、不幸な人間であること、幸せな人間であると、星屑の欠片の魔力に飲み込まれてしまうからね。あと、女であること。子供であること。この二つはまだどうしてかは分からない。それを研究するのも、僕たちの仕事の一つさ。さぁ紗那、皆に挨拶しておいで」
クリストファーは紗那の背中をそっと押した。紗那は緊張しながらも、少女戦士の所へとむかった。
「あ、あのぉ……こんにちは!」
四人の目線が紗那へと移る。しばらく沈黙したなか、童顔の少女が微笑みながら紗那に近寄った。
「こんにちは。私、菜花(なのか)。よろしくね」
それをきっかけに、他の少女たちも次々に紗那に話しかける。
「私は希(のぞみ)っていいます。よろしく」希は、カールした栗色の髪をして、灰色の目をしている、美人な少女。
「あたしは笙子(しょうこ)だ! よろしくな」笙子はショートの黒髪に、真っ黒な瞳の、元気そうな少女。
「……風音(かざね)」風音は、ストレートの灰色の髪。そして、不思議なフインキを放つ、水色の目。
「私、紗那です。よろしく……」
紗那は、久しぶりに友達が出来て、嬉しかった。クリストファーが、三人の少年を連れてきた。
「君たちの用心棒をしてくれる少年たちだ。女の子だけだと、大変だからな。右から、ヴィン、ロジャー、ハリーだ」
こうして、戦士たちは合流した。
二章 終了








2009/01/24(Sat)14:00:35 公開 / ひめねこ
■この作品の著作権はひめねこさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
久しぶりに、異世界ファンタジーを書いて見ました。
下手な作品ですが、がんばって書いてみたので、みなさん、どうか暇があれば読んでやってください。
個人的に、紗那がお気に入りです。
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは!読ませて頂きました♪
少し物語を早く進めようとしているように感じます。紗那は素直すぎて、すぐに受け入れすぎな気がしますし、クリストファーは役割的に仕方ないのかもですが、ちょっと会話が説明文すぎるように感じました。それと文頭の字下げができていません。あと【必読】利用規約の中にあるのですが、新規投稿で原稿用紙5枚以下の投稿は規約違反になります。
では続きも期待しています♪
2009/01/24(Sat)10:03:300点羽堕
作品を読ませていただきました。もっと描写や心情を増やした方が読者が作品世界に入りやすくなると思いますよ。両親のケンカに居場所がなくなるような辛い気持ちや、クリスを初めて見た時の驚きなど書き込んでいくと紗那という人物の人となりがより鮮明に伝えられると思います。では、次回更新を期待しています。
2009/02/01(Sun)01:28:090点甘木
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