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『私の愛した聖夜』 作者:@ / ショート*2 ホラー
全角7133文字
容量14266 bytes
原稿用紙約19.45枚
 私はスプラッタ映画をよく見る。B級やA級というこだわりは特になくて、ただそういうグロテスクな映画をしょっちゅう、一日二本を目安にしていた。だが好んでいるわけではない。吹き飛ぶ内臓、血、叫び声、狂気。それら全てを詰め込んだ映画はどうしても見てしまう。私は非情じゃない。だから見て喜んでいるわけでも無い。つまり無意味に見てしまうのだ。さていつからだろうか、「スプラッタ」というものに惹かれついたのは。考えるのも時間の無駄だし、意味も無い。また呆然とテレビに熱中するわけでもなく、眺めていた。
 今見ている映画は、「パニー・チャインの日曜日」というもので、主人公はどこかのおとぎ話に出てくるかのような美しい女性。ちなみに、当然洋物だ。二十代にその美しい姿で数々の男を魅了して、誰これ構わず良い男なら適当に自分の性欲を満たす、本当に見た目だけの女性。ある日深刻なストーカー被害に頭を悩まし、いつものことだと放置していたら、そのストーカーは正気を持たない殺人鬼だった、そんな話。現在後半の三十分を見ているところだが、そろそろこの女性は死ぬ気がする。どうやら今までの被害を見ているとこの殺人鬼は美女を殺し続けるのが特徴らしい。そういえば、昔そんな殺人鬼がいた。とても有名で、ロンドンを恐怖に突き落とした殺人鬼。それと比べればなんて甘いんだろう。
 そうこう考えている内に、後半十分。ついに殺人鬼が女性、パニー・チャインを捉えた。恐怖と混乱でご自慢の顔が台無しだ。殺人鬼は仮面も何も無くて、完全に素性を露にしている。とても嬉しそうに笑っているのは、演技とは思えなかった。そういうのに快楽を覚えるのも珍しいことじゃ、無い。殺人鬼が鎌を振り下ろす。血が溢れる、というより、吹き飛ぶ。内臓が次々と垂れ流し目玉は元の場所に存在せず、脳みそが豆腐に見えた。最近のCGはよく出来ている。でもだから少し嘘っぽい。あくびをしていたら、その間に女性は呼吸一つしていなかった。殺人鬼は死んだことを必要も無いのに確認すると、血まみれの包丁を傍に落とし去っていった。暗闇の中横たわる女性の胸には、薔薇の花が一輪ある。
 しばらくするとエンディングが流れた。ホラー風味のクラシックに、真っ黒の画面にキャストが映り、これで完全に幕を閉じたらしい。これは、ハズレ。停止ボタンを押してビデオを乱暴に引き抜いた。少し、支障をきたしたかもしれない。別にレンタルだから良いか。そんなことを思いながら、私はソファーを下り、電気をつけて、ビデオを袋になおした。もう二度と見ることもないだろう。
 今日はもう二本見た。レンタルしてきたビデオは見尽くしたし、これで祭りは終わり。そう思って、テレビの電源自体も消してリビングから出た。ドアノブに手をかけると、パチ、と小さな静電気が起こった。そういえば今の季節は冬だったか。ついでに時計を見ると0時を回っている。明日も学校なのであまり夜更かしはしていられない。

「おはよう、由香ちゃん。今日はよく眠れた?」
「おはよ。また0時回ったよ」
「やっぱり」
 嬉しそうに笑うのは、私の友達の理恵。学校で教室に入ると真っ先に挨拶をしてくれるのが彼女だ。彼女は私がスプラッタ映画を毎日のように見ているのを知っている。たまに、良いビデオを教えてもらったりもする。大体それは当たりだ。昨日見たのは私が適当にパッケージだけを見て選んだもの。やはり、持つべきものは親友である。
「それでね、由香! そろそろクリスマスでしょ? 良いビデオ見つけちゃったんだよねー」
「本当?」
 えーと、と理恵は自分の机に戻り、私もそれについていく。手にはボールペンと、何かのノートの一ページをちぎったような小さな紙が一枚。さらさらと文字を書いていて、私はそれをじっと見つめていた。理恵は一体どこから情報を手に入れるのだろう。できれば私もその源を頂きたい気分だ。そう思っていたら、書き終えたらしく、私に紙を差し出した。後もう少しでHRが始まってしまうので、早く会話を終わらせなくては。
「はいこれ。私の愛した聖夜」
「……何それ」
「何って、その映画だよ。タイトルもなかなかでしょ?」
 そのタイトルはどうかと思う、と言いそうになって、喉まで来たのを止めた。気に入っているのか、このタイトルを。「私の愛した聖夜」は、理恵との会話から察するにクリスマスの映画だと思う。私はその紙を受け取って、考えた。さていつ借りに、あるいは購入に行こうか。ほとんどレンタルで済ませる私だが、あまりにも理恵が気に入っているのなら購入を私は選ぶ。理恵の眼は確かだからだ。同じホラー・スプラッタ映画仲間として。
「私ね、大体いいかもって思った映画は映画館まで足を運ぶんだけど、この映画だけは知らなかったんだ。だから一層面白そうなの。もしかしたら、あまりにも卑猥すぎて放送禁止になったやつかもよ?」
「へえ……それは確かに珍しいね理恵にしては」
 理恵はいつでも、ネットという手段を使用して有名になりそうな映画は俊敏にチェックする。その理恵が知らない映画は、とても珍しいと言える。それに驚く私は随分と理恵に慣れているものだ。そもそも、私にスプラッタを勧めてきたのは理恵なのだ。
「……ん? その口ぶり、もしかして理恵まだ見てないの?」
「そだよ。なかなか見つからなくて……」
「あ、つまり使うのね私を」
「うん、いつもの御礼としてね!」
 確かに御礼、してない。私ははいはいと言って、それから一つありがとうと言って席についた。同じ頃チャイムが鳴る。特に深く考えず、私はその紙をスカートのポケットの中に突っ込んだ。理恵が自分が見ないで私に勧めるのは、そうそうあることじゃない。むしろ初めて。だから興味も沸くわけで、少しだけどきどきした。もしかしたら、ものすごいのが来るかもしれない。私がスプラッタ映画を見てるのは、きっとその期待感を満たしてくれるものを求めているからだ。血が好き、とかそういう壊れた人間じゃないから。好きなのは多分漫画とかの影響を受けすぎだと思う。

「よろしくね、由香!」
 帰り道、別れ際でにっこりと笑った理恵の姿が見えた。私も笑って手を振る。帰ったら真っ先に、行きつけのレンタルショップに行こうと決意した。

 無い。スプラッタコーナーが隔離されているのは、私が希望したからだ。常連の私の願いは大体聞いてくれる。ほとんどの店員さんとは顔見知り。そのスプラッタコーナーを探すが、隅から隅まで見ても無い。私の愛した聖夜が、無い。何となく気に入らなくて、店員さんに聞くも知らないという。検索もしてもらったが、やっぱり無い。もし入荷したら電話してくれるよう頼んで、その日はビデオを返して、別のものを借りる気にもなれず帰った。こんな日は久しぶりだ。
 リビングにあるパソコンのネット検索、「私の愛した聖夜」をしてみるもどうでもいいものばかりがヒットする。ブログや、個人の趣味小説やら――。どうにも無いらしい。まさかそんなもの存在しなくて、ただの理恵の悪戯ではないか。そんなこと、一度も無かったのに。私は溜息をついて、久々にバラエティ番組を見ることにした。適当にチャンネルを入れると、よく分からないが漫才番組がやっている。こういうのを見るのも、悪くは無い。入れてからソファーに座った時だった。電話が、鳴る。
「もしもし」
「こんにちは、此方はホラー・スプラッタを主として提供させていただいているビデオ屋でございます」
 突然聞こえたのは、無機質な声だった。そう、例えば犯罪者に取材する時の音声変換。明らかにおかしな状況で、悪戯電話だと私は気づいた。今はそんな場合で無いのに。あ、二組目が出た。全く知らないコンビで、拍手も起きない。多分売り出し中なのだろう。ということで、私は適当に相手をしながらぼうっとその漫才を見ることにした。もちろん、主とするのは漫才の方だ。
「はあ」
「最近入荷した私の愛した聖夜、という映画があるのですが、興味はおありですか? 此方とても貴重なビデオでして、最近各地色々な方に宣伝させていただいています。あなたの周りにもご存知の方がいらっしゃると思うのですが……」
 ぺらぺらと、私の意見を無視して語り続ける。わ、私の愛した聖夜? それってあの理恵が言っていたビデオ。じゃあ、悪戯じゃなかったのか……いや、そもそもこの電話事態が悪戯ではないのか? よく分からないけれど悪戯にしては出来すぎている。で、話の流れから察するに理恵もこの電話を受けた……ということになる。
「それで、もしも興味がおありでしたら是非ご購入していただきたいのですが」
「別にいいんですけど、これ無店舗販売ですか? 私の家原則的にそういうの禁止されてるんで……」
「いいえ無店舗ではありません。一応ビデオショップはあるので、ご購入していただけるのなら住所を……」
 ええと、整理してみよう。都合が、いい。さっきあのビデオショップに行って無くてがっかりして、それで今この、あ、漫才終わった。ほとんど集中できなかったぞ。いやそれはいいとして、がっかりして、だ。そしてこの電話が来た。まるで漫画ではないか? 今時の漫画はレベルが高いし、そんな良い都合漫画は存在しないか。そんなことを考えている場合か。もしかしたら、この電話はさっきのビデオショップからの電話かもしれない。それで、仲良しの店員の一人がこういうこった悪戯を――それはない、か。なら何だろう。私はどうすれば良いのだろう。でも興味はあるし、このチャンスを逃したら何も手に入らないかもしれない。だが住所を悪用されたら……。
「うーん……じゃあ、お願いします」
「どうもありがとうございます」
 別に失うものは無いだろう。私の家、貧乏だし。何も無いし。人生はポジティブに、少しの失敗ごときで落ち込んでいる場合じゃない。それに購入するなら住所も教えてくれる、と言っていたし。それでそのビデオショップまで言って購入すれば良いだけの話。そうだ、よく考えたら簡単な話じゃないか。やはり人生は思い切りが必要である。――うん、つまり理恵お前なんてことをしてくれた。
「それで、住所は――」
「それでは、どうぞお楽しみください」
 プツッ、ツーツー。と、電話が切れた。あ、あ、あれ? ちょっと待て、だって今購入するって言ったじゃない。もしかしてなんか事故? いやでも確実に会話を終わらせる言葉を言って切れたよね。なんてこった、これ、悪戯電話じゃん。私悩んじゃったじゃん。ふざけんなよこの野郎。怒りのコスモを燃え上がらせて私は乱暴に受話器を置く。今は五組目のコンビが出てきた。今はとても見る気にはなれない。損したわけじゃないけれど、どうしようもなく腹が立つ。

「理恵! あんた騙したでしょ!」と叫んだのはつい一週間前のことで「あ、ばれちゃった? いやあ、私の体験したあのむかつく事態を由香ちゃんにも体験してもらおうと思って」と言われたことも今ではあまり気にならなくなった。当時は烈火のごとく怒ったものだ。そう、今はクリスマス・イヴ。全世界共通の祭りである。今年はホワイトクリスマスになるとニュースでは言っていた。私といえばいつものようにスプラッタ映画三昧。家族が居ない間に見ているのだから、家族は何も知らない。ごくごく普通の女子高生。今日で終業式を迎え、しばらくは学校に行かなくていい。イコール、更にスプラッタ映画三昧。ハズレが多いのは事実だがあたりが出ればそれで良し。情報は理恵からメールで貰うとして、スケジュールは立ててないけれどまあまあ楽しそうになりそうな冬休みだった。
「由香、今日から冬休み。つまり、今日はクリスマス・イヴ。ご馳走を作るためにお母さんは買い物に行ってくるわ!」
「お父さんもお母さんが暴走しないように行ってくるからな。欲しいものとか、無いか? 無いよな? じゃあ行ってくる」
 勝手に会話を終わらせて父と母は出て行った。姉も兄も弟も妹も、さらには犬も居ない私は現在一人である。母を止められるかどうかは父の腕次第。だが、腕次第も何も母を止めることは誰にも出来ないのだ。今年のクリスマスプレゼントは覚悟しておかなければ。本当はスプラッタ映画欲しいでえすとか言えれば良いのだが、そんなことをすれば家族会議決定。その事態は避けないと。
 母と父が帰ってくるのは、多分七時くらいだろう。今は五時、二時間は映画を見ていられる。折角の冬休みにホワイトクリスマス・イヴ。特に意味は無いがいつもよりムードはある。私は早速電気を消し、こっそり借りに行ったビデオの包みを開けた。
「……あれ」
 が、その中には真っ白のビデオしか無かった。私の借りてきた「たった一人のロミオ」と「鎌鼬の呪音」は何処? ごそごそと中を見るものの、無い。電気をつけてもう一度中を見るけれど無い。もしかしたら、落としたのかも。最悪。じゃあ、この中に入っている一つの真っ白のビデオは何? 二本借りてきた映画の一つが、これなのだろうか。でも確か黒だったと思うんだけど。もしかして、クリスマスキャンペーン実施中? どうでもいいけれどとりあえず見ることになって、今度は電気を消さずビデオを入れる。さて、中身は何かな。
 入れたその時、画面に血が飛び散った。そう、いきなり。前触れも無く。その血はあまりにも生々しくて、驚いた。こ、これは「たった一人のロミオ」なのか「鎌鼬の呪音」なのかどうかは不明だ。だが、少し期待できる。血があるかと思ったら、少しずつ晴れてくる。だが晴れているかと思ったら、肌色が見えてきた。徐々に血が消えていくと、人の顔だった。人の顔が、画面にべっちゃりついている。これは、誰? 白目を剥き、画面外なので見えないが頭が割れているらしく、脳みそも少し見える。だが顔の原型はまだ保っていて――。
「……、た…………すけ………………ぇ」
 理恵だ! これは、間違いなく理恵。私のかけがえのない親友の、理恵だ。なぜ、どうしてここに? 理恵はくぐもった声で由香、ゆか、と呼んでいる。必死に助けを求めている。映画に出演したのか? そんなこと、一つも言わなかったくせに。私は背筋が凍るのを実感した。いや、これは違う。違うのだ。呆然としていたら、また血が流れてきて理恵の顔は見えなくなった。しばらく無音が続く。
 すると、「私の愛した聖夜」とテロップが流される。私の愛した聖夜……? あの、ビデオ? どうして今? 私はただ混乱するばかりだった。とても整理なんてしていられない。文字が消え、どこかの風景が映された。どこかで、見たことのある風景。次々と人が殺されている。一つ一つが、恐ろしかった。そのどれもがクリスマス・イヴの食卓を囲んでいる。殺人鬼が殺して外に出れば、雪が降っていて、雪に赤がしみこんだ。悲鳴は本物のよう。なんて、恐ろしい。こんな映画見たことが無い。どれもこれも殺し方が残酷すぎた。
 そして、徐々に記憶が鮮明になっていく。これは、私の家の周辺だ。近くに公園があって、殺人鬼はそこに入る。そして、砂場で遊んでいた子どもを一人殺した。もしかして、私の隣の、子どもじゃないか? 血の気が引いた。その子が、殺される。叫ぶ。虚無に響く。包丁で子どもの腹を十字に切り刻んだ。殺人鬼は心臓のようなものを取り出して、雪の中に投げ捨てた。「パニー・チャインの日曜日」なんて笑えてくる。本当に、殺しているんだ。本能が感じる。更に殺人鬼は歩みを止めず、それは段々と私の家に近づいてきた。
 最初は小さかった雪も段々大きくなり、本格的なホワイトクリスマスだった。BGMもクリスマス定番ソング。途中、ボランティアをやっていたサンタも殺人鬼は簡単に殺した。腹を一突きして。よく見えないが、多分さっきから使っているのは包丁だろう。サンタは赤色の服をさらに赤色に染め、倒れてしまう。子ども達に夢を配ることもできないまま。
 白い祭りが、どんどんと赤に染まっていく。手が震える。汗が流れる。すると、映ったのは私の家だった。私の、家? 違う、似ている家だ。だって私の家が映るわけ、無い。根拠が無い。理由が無い。でも涙が出てきそうになる。恐怖する。どんなスプラッタ映画よりも怖い。
 その時、リビングの電気が突然点滅しだした。常識を超えたスピードで。チカチカチカチカチカチカと、ただただ点滅する。闇と光の連続。そういえば、拷問に使われると聞いたことがある。光と闇を同時に与えられ続けると、人の神経は壊れてしまって、そして幻覚を見る。見えた。ガイコツとか、ムカデや毛虫の群れや、人が気持ち悪いと思うものを。
 そして、消えた。プツッと糸が切れたかのように、一気に部屋が闇へと変わった。あれは、なんだったのだろう。涙がこぼれてくる。
 何? どうして? 怖い、怖い。どうして誰もいないの? 助けて。声が出なくて、胸の中で叫ぶだけだった。もう平常でいられない。なのに足が動かない。ぼんやりと浮かぶテレビの青白い光。映ったのは、暗闇の中ですすり泣く私の姿。闇の中で光る包丁に、殺人鬼は呟いた。
「ホワイトクリスマスヲ染メ上ゲヨウ」
 心臓が跳ね上がる。私を、呼んでる。テレビには私が映っている。私の愛した聖夜に、私が映っている。壁や床、私の座っているソファーに何百もの目がある。目、目、目、目。目だけ。目に囲まれて、笑い声が聞こえて、皆私を見ていた。
「サァ、後ロヲ見テゴラン?」
 それは電話の時の無機質な声と似ていた。

――The end
2007/04/28(Sat)22:58:53 公開 /
■この作品の著作権は@さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんばんは、夜分遅くに失礼致します。@です。@。
ええと、「私の愛した聖夜」はどこぞの掲示板に投稿した作品でもあるわけですが、その後色々改良したんですね。結果がこれです。
その……@は、中盤から突然スピードがついてしまうのが悪いくせなんです。それから、心情表現で余計なものがついてしまってホラー独特の空白感が消えてしまったり、または少しくどい部分があったり。見つけてこうしたらいいよとか言ってくだされば嬉しいですがともかく読んでくださればもうそれだけで充分すぎます。

ホラー。
ほんの……ほんの少しでもいいんだ怖いと思ってくれると嬉しいです。
ていうか季節外れですねこれ。

※コメントラッシュが終わったところで、色々修正です。ありがとうございました!
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この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
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