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『僕らのスタンドバイミー』 作者:スイミンブソク / サスペンス ミステリ
全角1708文字
容量3416 bytes
原稿用紙約5.65枚
「死体探しをしないか?」友達の誘いから、僕らは死体探しが始まった。
「死体探しをしないか?」
相原がそんな事を言い出したのは、補講の最中だった。何とも不思議な響きの言葉に、思わず僕は訊き返した。
「死体探し?」
「福原千秋のさ―知っているだろ?」
もちろん知っている。何たって、同じクラスの子でなかなかの美人。僕は直接話した事はなかったが、人当たりの良いという事で全クラスの男子の的だった。
だけど、その福原さんは夏休みに入って突然失踪した。
学校でも色々な憶測と噂が飛び交ったが、そういう話が無数にあるという事は、それだけ理由もあるという事だ。
考えてみれば、この時期に失踪するのはおかしい話でもない。年頃の女の子とはそういうものだろうし(これは僕の偏見か)、おまけに書置きもあったらしい。それに、毎日のように続く補講のおかげで、福原さんの失踪したことを、話題に挙げる人は下火になっていた。
補講は自習みたいなもんだから、暇な相原がその話題を僕に振ってきたのだろう。
だが、失踪したのは事実だけど、死体になっているとはどういう事なのだろうか?
「死んでるの?」
「びっくりだろ?このネタを仕入れたのは俺も昨日だからな」
そうもったいぶった前置きをして、相原は続ける。
「福原は遺書を残して家を出てるんだよ」
「遺書?」
書置き、とかそう曖昧なものじゃなくて遺書だったのか。
「そう―『誰も知らない場所で、静かに眠ります』ってな」
怪しい。限りなく怪しかった。初耳だった事もそうだが、何でこいつがそんな事を知っているのか。
「作ってない?」
「作ってねえよ」
ムキになって相原が言い返すのは、大抵本当のことを言っているときだ。自分自身の中で思い込んでいる事も多々あるのだが。
「どっちにしろ、それってただ遺書があったってだけで死んだって決まったわけじゃないか」
静かに眠ります、という下りが死ぬ事とは限らないし。
僕が言うと、相原は「まあ、そうなんだけどよ」と口をすぼめた。
「遺書ってのは死ぬ時に書くもんだろうが」
相原に言われ、僕も「まあ、そうなんだけど」と同じように口をすぼめた。
「“誰も知らない”ってのが意味深で、まるで俺達に探してくれって言ってるみたいじゃん」
「何だ、その妄想癖?」
「うるせえなあ、どうせ暇なんだし探してみねえか?」
お前はともかく、僕は受験勉強しないとやばいんだよ。
だけど、相原の誘いを僕は断らなかった。にかりと笑う相原に申し訳ないとか、そんなんじゃなくて―
チャイムが鳴り、補講は終わった。
「…探してみるか」
「じゃあ、決まりだな」
教室で他愛ない談話をしたり、机の上に広げたテキストの群れをエナメルに押し込む受験生の真ん中で、僕らの死体探しは始まった。

あてがあると言って、相原に連れて行かれたのは自分の教室だった。
補講のための教室とは別で、大掃除でピカピカにされた黒板に何となく違和感を憶えた。
「あてってここ?」
僕が訊くと、相原は自信たっぷりに頷いた。
「痒いとこはまず手の届くところから、ってな」
…言わない。
「ノートのひとつでもありゃあ、片隅に何かヒントでも書いてあるかも」
強引な話だったが、たしかに情緒不安定の人は何かしら行動に出して形に残すらしい。
だけど、それ以前に―
「あれ?」
 案の定、福良さんの机を覗き込んで相原は声を上げた。
「…夏休み中は置き勉するなって言われてたろ?」
 僕が言ってやると、「最近の若い奴は生真面目すぎ」と相原は口を尖らせた。
「あー何だよ、足がかりも何も無いじゃないか」
 僕は端から期待はしていなかったが、相原は諦めたように言った。お前は動かずにダイエットしたがる主婦か。そんな相原をよそに、僕は福原さんの机にそっと触れてみた。
 もし、このまま福原さんが帰ってこなかったら、この机はどうなるのだろう?この学校での存在を示す墓標として、卒業まで在り続けるのだろうか―そんなしょうもない事を考えても仕方がなかったので、宙に浮いていた視線を机に戻したとき、妙な文字列が僕の目に飛び込んできた。
「おい」
「あ?」
「これって何だろう?」
 僕が教えると、相原は目を輝かせた。
十一個の、仲良く横に並んだ平仮名の列―
「暗号に決まってんだろうが」
2006/06/08(Thu)07:20:42 公開 / スイミンブソク
■この作品の著作権はスイミンブソクさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ようやく筆が進んでくれました。これからの展開もオチも何も決まっていませんが、暖かい眼で見守ってくれると嬉しいです。
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