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『星を超える愛』 作者:時貞 / ショート*2 ショート*2
全角3338.5文字
容量6677 bytes
原稿用紙約9.45枚
 神山アキラは、非常に特殊な能力の持ち主である。
 彼にその特殊な能力がもたらされたのは、今からおよそ十年前。彼が小学校六年生の時であった。当時の彼はとても活発な少年で、学校が休みの日もゆっくり家でテレビを見たりゲームをしていることなど出来ず、常に外でスポーツをしたり駆けずり回っているような元気溢れる少年であった。
 そんなアキラが、ある日突然思わぬアクシデントに見舞われた。いつものように空き地でミニ・サッカーを楽しんでいたアキラは、友人が大きく蹴り上げてしまったボールを拾うために、駆け足で路上に飛び出した。そして、走行してきたバイクに跳ね飛ばされ、意識不明のまま緊急医療センターへと運ばれたのである。
 集中治療室に搬送されて二日後、両親の祈りが通じたかのように、アキラは意識を取り戻した。その後は担当医師も驚くほどの回復力をみせ、検査結果も良好な状態を示し続けたため、アキラは当初の予定よりもかなり早い退院が許されたのである。
 退院後も、アキラの体調は非常に良好であった。懸念された後遺症も顕われなかった。安堵に胸を撫で下ろす両親。だがしかし、表面上は事故の前と何一つ変わらないアキラであったが、ただひとつ、以前とは性格がガラリと変わってしまったのである。
 あれだけ活発で活動的だったアキラの姿はすっかり成りを潜め、必要なとき以外は自室に閉じこもるような、内向的な性格へと変貌してしまったのであった。そして、突然うわ言のように意味不明な言葉を口走る。いきなり絶叫したかと思うと、何かに怯えるかのように全身を震わせる。髪の毛を掻き毟り、物を手当たり次第に投げつける……。
 心配した両親は心療カウンセラーのもとへと無理やり彼を連れ出したが、下された診断は「交通事故による一時的な精神不安定状態」といったもので、投薬を続けながらじっくり様子をみていけば、じきに回復するであろう――その程度のものであった。
 やがて月日が流れ、アキラも成長していった。カウンセラーの言葉どおりとまではいかなかったが、その後は通常に学校にも通い、ずっと自室に閉じこもっているというようなことも無くなった。かつての活発さは失われたままだったが、思春期特有の男の子の変化であろうということで、両親もひとまずは納得した。少なくとも表面上は、特に問題の無い平静な少年にみえた。
 しかし、アキラが平静になったのは思春期特有の内面の変化などではなかった。自分自身に芽生えた特殊な能力を、彼自身が受け入れられるようになった――そのためだったのである。
 アキラにもたらされた特殊な能力。実に驚愕すべきそれは、《他の惑星の生命体とコンタクトを取ることが出来る》という、とてつもない能力であった。
 その能力が発揮されはじめた当初は、アキラにとってはまさに悪夢のような状況に他ならなかった。
 見た事も無いような生命体らしき物が、まるで映画のスクリーンにでも映写されるかのように眼前に現れる。目を瞑っても瞼の裏に、いや、脳内に直接その姿を現す。そして、アキラに向かって何事かを語りかけてくるのだ。アキラたちの日常語では決してない、奇妙奇天烈な言語で語りかけてくるのだが、アキラには不思議とその意味が理解できるのであった。よくぞ発狂しなかったものだと、アキラは今更ながらに思う。
 アキラの目の前だけに現れる――他の者にはまったくその姿が見えず、気配すら感じられないようなので、おそらくアキラの脳内だけに直接現れるのであろう――彼らは他の星の生命体、平たく言えば《宇宙人》なのであった。
 最初は畏怖であり、困惑の極みであったその彼らの存在にも、アキラは徐々に徐々に慣れていった。そして、十年という月日が流れた――。

 アキラは恋をした。
 しかしその相手は、自分の住む惑星の者ではなかった。
 彼女の名前はカガリアーナといい、彼女の住む星は遥か遠く離れた《スンディク》という惑星であった。アキラはその星――スンディクの驚異的に発達した文明に目を瞠った。自分の知識ではとても追いつけないほど発達した科学力に、完全に圧倒された。そしてそれ以上に、カガリアーナの魅力にすっかり虜になってしまった。
 カガリアーナのキラキラと輝く淡いブルーの髪。透き通るような白い肌に、シルバーグレイの大きな瞳。澄ましていると大人びた雰囲気なのだが、笑顔になると愛らしい口元から八重歯が覗き、途端に幼い少女のような雰囲気に変わった。一目見たときから心惹かれたアキラは、何度もカガリアーナにコンタクトを取り、さり気なさをよそおってアプローチした。アキラにとっては、はじめてといっても良い本気の恋である。
 カガリアーナもアキラに好意を持っていた。二人は幾度も交信を続け、やがて、お互いに深い恋へと落ちていった。
「カガリアーナ、愛しているよ」
「私も、アキラ……」
 想像も出来ないほど、遥か遠く離れた恋愛。それ故に、二人の愛情は日に日に強く燃え上がっていったのである。

 アキラは気を揉んでいた。
 このところ、カガリアーナの様子がどうもおかしい。表情が暗く、会話も弾まず、すっかり元気が無いように感じられた。理由を訊ねてみるが、そのたびにはぐらかされてしまう。もしかしたら、カガリアーナには自分以外に恋人が出来てしまったのではないか――? そう思ったアキラは、ある日意を決し、強い口調でカガリアーナに詰め寄った。そしてようやくカガリアーナが口にした内容は、驚くべきものだった。
「な、なんだって! それは本当なのか?」
「……そう、これは事実なの。政府の公式発表よ……」
 カガリアーナの話しによると、彼女たちの住む惑星スンディクに、大型のブラックホール――カガリアーナは、《大いなる闇の目》と呼んだ――が接近していると言う。スンディクの全科学力をもってしてもそのブラックホールから逃れる術は無く、政府の公式発表により、彼女たち惑星の住民はおのおの巨大宇宙艇に乗船して、スンディクを離脱するという。つまり、自分たちの星を捨てて他の星に移住する計画である。
 アキラにとって、そしてカガリアーナにとっても、問題はそのことだけではなかった。
 カガリアーナたちが向かう惑星というのは、スンディクから想像を絶するほど遥か遠く離れた位置にあり、その星へ移住してしまうと、カガリアーナの能力をもってしてもアキラとのコンタクトが続けられなくなる可能性があるというのだ。
「そ、そんな! カガリアーナ、君の姿が見れなくなるなんて、声が聞けなくなるなんて、僕にはとても絶えられないよ! そんなことになるなら、死んだほうがよほどマシだっ!」
「私もよ、アキラ! でも、でも……、一体どうしたら……」
「僕の住む星に住むことは出来ないのか?」
「それは、駄目なの。惑星間の協定によって、あなたの住む惑星には短期間なら寄航することが出来ても、永住することは許されないのよ」
 二人のあいだに、永遠とも思える重く沈んだ沈黙が流れる。
 それを打ち破ったのは、カガリアーナの声であった。
「そうだわアキラ! あなたも、私たちと一緒に新しい惑星に行かない? ……でも、そのためには自分の生まれ育った星を捨てるという、強い覚悟が必要だけど」
 アキラは一瞬たりとも躊躇わなかった。
「カガリアーナ、僕は君と一緒に行くよ! この星を捨てたって、家族を捨てたって、君を失うなんて耐えられないんだ!」
「ほ、本当に?」
「ああ、本当だよ! だけど、僕たち二人の理由だけで、多くの人たちを乗せた宇宙艇を、僕の星に寄航させることなんて出来るのかい?」
 カガリアーナの表情がにっこりと輝いた。
「それは大丈夫! アキラの住む星はちょうど宇宙艇が進む軌道上にあるし、物資の調達もそこで出来るし……、それに、なんていったって宇宙艇の艦長は私のパパだから!」
「よし、それで決まりだ! 僕はティーリスクを捨てて、君と一緒に行くよ!」
 
 こうしてアキラは、自分の生まれ育った惑星《ティーリスク》を離れ、カガリアーナとともに新天地である太陽系第三惑星、《地球》を目指したのであった。



        ――了――
2006/05/18(Thu)19:39:06 公開 / 時貞
■この作品の著作権は時貞さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
久々に投稿させていただきます。時貞と申します。拙作をお読むくださりまして誠にありがとうございました。
本当に小説から離れた生活を送っていたもので、小説の書き方というものを頭も身体も忘れてしまっているようです(汗)文章的におかしな箇所が多々あるかと思われますが、ビシっとご指摘いただけると助かります。
もっと時間があれば、皆様の作品を拝読して参考にさせていただきたいと思うのですが……(しみじみ)
このような拙作ですが、なにかしらご意見をいただけると幸いです。
それでは、宜しくお願い致します。。
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