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『ファミレスにて』 作者:緋陽 / ショート*2 お笑い
全角2055文字
容量4110 bytes
原稿用紙約7.35枚
俺こと神尾と大学の同級生山岡によるくすりとこないかもしれないかもショートコメディ


「ネタが無いんだァァァァ!!」
「ハナから飛ばしすぎだッ!」
 俺の右腕が山岡の頬を捉え弾き飛ばした。
 読者様が混乱するだろうが、ちったぁ考えて物言いやがれ。
 近所のファミレス。此処で俺は大学の同級生、山岡と二人で佇んでいる。俺は珈琲を注文して、山岡はフルーツ餡蜜とスパゲティと紅茶とケーキとetcを注文して、ただ今テーブルの上がてんこ盛りだ。
 優雅な立ち振る舞いで珈琲を飲みながら俺は山岡の話を聞く。
「何のネタが無いんだよ」
 すると山岡は。
「は、何言ってんの? 衝動に決まってんじゃん」
 何の衝動なんだよ! さも当たり前のように言われるのが一番腹立つんだよっ。
 しかし、内心で怒りながらも表面は冷静で塗り固められた男というレッテルが貼られている俺は冷静に対処する。
 これが今時の漢と言うやつだ。
 髪を掻き揚げてみたり。
「……で、結局は何が言いたい」
「ああ、その件なんだが……」
 急に真剣な表情になった山岡。
 珍しい。天地がひっくり返るぞ!
「金、貸して」
「オーケィ、俺のフリッカーを喰らいたくなければその口をガムテープでふさいで来い」
 俺の左腕が振り子のように揺れる。
 かたかた、とテーブルの上の食器類、食物が波打つ。俺の闘気でこうなっているに違いない。きっと俺が本気を出せばファミレスぐらいはどうってことないに決まっているのだ。
 秘奥義――!
「分かった神尾、やめれ」
 気付いた時にはもう遅い!
 ぱぱぱぱぱぱぱっ。
 カメラのフラッシュを連射したような音が鳴り響く。
 一回一回当たるごとに、山岡の顔が左右に揺れる。
「いたいいたいイタイイタイ!」
 最後の一撃が当たり山岡は椅子に凭れ掛かった。


「でだな。今月はマジでやばいんだ。金貸してくれ」
 先程の喜劇はなんのその。山岡は殴られた痛みなど関係無しに俺に金をせびる。
 よくよく見れば、テーブルの上の料理は全て空だ。食器のみになっている。
 ……食べたのかっ。たった十分であれほどの量を!?
 因みに量にあらわすとちゃんこ鍋三個ほど。
 つくづく恐ろしい胃袋を持つ男である。
 俺がテーブルの上を凝視していると山岡は腹を叩きながら自慢げに言った。
「俺の胃袋は」「有限だッ!」
 俺の両手が鳩尾に深く入り込んだ。
「ぐぼぁっ!」
 嫌な音が耳に入り、俺は両手をひいた。
 こいつ……っ! 腹がぶよぶよじゃない!
 見かけによらずに筋肉質。それが山岡という人間らしい。
 二秒後に復活する点でも評価を上げるべきか否か。迷うところだ。
 マジで何事も無かったかのように話を続けるこいつの根性はどうなっているのだろうか。
 いっぺん脳髄を取り出して検査してみたいものだ。
 ……あ、コイツ馬鹿だからか。
 一人納得。
「なんで金が無いんだよ」
「…………」
「成程、ゲーセンで遊びすぎて金がやばくなりそれを巻き返そうと競馬で奮戦したところ惨敗した、と」
「お前探偵になった方が良いよ」
 なんでだよ。
「ってことで五万でいいんだ!」
 ファミレスの床に這い蹲って土下座しているコイツには恥というものが無い。
 ってか俺が恥ずかしい、やめれ。
 皆見てるから、俺が悪い人になってるから。
「やめろっつってんだろがァ!」
 突っ込みの踵落としが山岡の後頭部に直撃。
 しまった……。
 思わずでてしまった足を引っ込めつつ、ヤバイと冷や汗をたらす。
 流石に無傷では……。
「これは肯定と受取って良いんだな?」
 ……あった。
 コイツやっぱ痛覚麻痺してるよ。
 せんせー、此処に変な人が居ます。警察に連れて行っても良いですかー?
「取り敢えず、だ。此処じゃわたしにくいだろうから外に行こうぜ」
「さて、何故俺がお前に金を貸すという事になっているのか説明してもらいたい」
「えっ、くれないのっ?!」
「あたりめぇだろっ!」
 三度目の正直! 俺の左足が宙に舞う! ぶっとべぇ!
 ひゅん、と風を斬るのみだった。
 そう、躱されたのだ。初めて。
 だが――まだまだ甘い。
 俺の右足の踵が奴の顔に直撃。
 ……いい加減マンネリだろうね。ごめん、読者様。
 しかしながら、物ともせずにコイツは店を出ようとする。
 くそっ、コイツ漢だぜ。
「じゃあな神尾……金は貸してもらえなかったけど、楽しかったぜ……」
 山岡の背中が大きく見えた。
 最高に格好良い瞬間だろう。
 山岡、お前は最高の漢だよ!

 ファミレスから山岡が出て行った。
 其処で俺は気付く。
 …………!
 瞬間影が消える。
 刹那で外まで出て、その長い長い刹那を使いきり――。
「ただ食いか、こんにゃろー!」
 ドロップキックをかました。
 前言撤回だ。
 クズが、漢のクズがッ!

 最後に。
 俺はコイツをファミレスのバイト員に無理矢理させてこの地を後にした。
 きっとこれで金不足は解消する。
 そして、自分で食べた分を払える。
 ……密かに俺は珈琲をタダ飲みさせてもらったわけだ。
 その点には山岡に感謝しなければなるまい。
 シーユーアゲイン!


2005/09/28(Wed)18:37:21 公開 / 緋陽
■この作品の著作権は緋陽さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まずはお詫びを。
アヤカシ第二部の方ですが、まことに勝手ながら削除させていただきました。理由は自分の作品として納得いくまで見直したいと思っております。これは自分自身にケジメをつけるためなので、勝手ながらどうか許していただきたい。
レスを下さった上下左右様、京雅様。本当に心からのお詫びを申し上げます。


……作品ですが、これはほとんど自分の衝動で描きました。くすりともこないかもしれません、展開が滅茶苦茶に速いかもしれません。それでも笑わしたいなぁ、とか思いながら描きましたので、笑って下されれば光栄です。
では
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