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『三世界』 作者:緋陽 / 童話 ショート*2
全角1851文字
容量3702 bytes
原稿用紙約7枚
争いを無くそう、と言う物語。



 ある所に天使と呼ばれる存在と、
 悪魔と呼ばれる存在と、
 人間と呼ばれる存在がありました。
 その三種族は同じ世界に住んでいて、一緒に暮らしていました。
 その世界では平和な暮らしがされていました。

 でも、ある日を境に変わってしまったのです。
 天使は悪魔の黒い羽の姿が醜いと言い、悪魔は天使の白い羽が気に入らないと言い、人間は天使と悪魔が空を飛べるのが羨ましいと言い、互いに互いを憎んでいました。
 その争いを見ていた神様はどうしたものかと悩みました。何日も何ヶ月も何年も。神様は悩み続けました。しかし、皆はとうとう、憎しみが爆発して、戦争を始めてしまったのです。
 互いに互いを殺しあって、たくさんの血が流れました。
 神様はそれを見て怒りました、そして考え付きました。
「種族で住む場所を変えてしまえば、争いは起こらない」
 そうして神様はさっそく皆を別の世界へと移動させます。
 天使は天空の世界へ。
 悪魔は地底の世界へ。
 人間は地上の世界へ。

 そうして、神様は一安心しました。これで争いは起こることは無い、と。
 神様が思ったとおりに争いはなくなりました。
 無駄な血が流されることはなくなったのです。
 しかし……。
 人間だけは違いました。
 他の天使や悪魔は同じ種族で平和に暮らしていると言うのに。
 人間だけは争いを止めません。
 ある人達は
「神様のため」
 と争いを始めました。
 勿論神様が喜んだりするはずもありません。
 
 ある人達は
「無駄な争いをなくすため」
 と争いを始めました。
 そんな事を言っても自分達が争いをしていては争いなど無くなりません。
 神様は悲しみました。

 ある人達は
「平和のため」
 と争いを始めました。
 本人達が争っていては、永遠に平和なんてやってきません。
 神様は嘆きました。

「どうしたものか。また争いが始まってしまった。こうなったら人間を滅ぼす以外に方法はない」
 神様は困った後に、決めました。
 人間達を滅ぼすことを。
 しかし、そんな中でも争いをしない人間もいました。
 その人たちを見て、神様は感心しました。
 人間にも心を持ったものがいるのだな、と。
 神様はその人達に力を与えました。
 争いをなくすための力を。
 これで争いはなくなる、と神様は心の中で喜びました。

 しかし、神様の思いどおりにはなりませんでした。
 力を与えられた、優しい人々が、神様に貰った力で世界を支配し始めました。
 やはり、血が流れ、争いは絶えずに。
 神様は諦めました。
 もうこうなっては人間を滅ぼさなくてはならない、と。
 なぜ、天使や悪魔達は皆で支えあって生きているのに、人間だけはこうも争うのか。そのわけがわかりません。
 神様は地上を異常にしました。
 人間には住めないような環境にしてしまえ、と。
 雨が降り、雷が鳴り、火が燃え上がり、土がひび割れ、木が倒れて。

 残されたのはそれに耐え切った少しの人間と、少しの動物達。
 こんなに少なくなってしまえば争いは起こらないのではないか、と神様は思いました。
 ならば、これ以上する必要もない、と考え、神様は異常を止めました。
 
 人間達は言いました。
「こんなことになるとは我々の争いをみて神様がお怒りになったに違いない。これからは争いをなくして、協力して生きよう」
 そこから人間達の支えあいが始まりました。
 ある時は笑い、ある時は泣き。
 ある時はいがみ合い、ある時は歌を歌って。

 年月がたって、世界はまた元に戻ろうとしています。
 神様は地上の様子を観ました。
 また、元のように争いはしていないか。
 心配になって観たのです。
 しかし、その心配は要らなかったようです。
 人間達はもう、いがみ合うことは有れど、争うことはしません。
 血は流れなくなりました。

 にこにことして神様は地上の世界に祝福を与えました。
 柔らかな陽の日差しを照らしました。
 穏やかな雨を降らせました。
 作物は育ち、地上の世界は豊かになりました。
「神様、ありがとうございます」
 人間達は感謝を込めて言いました。
 神様は嬉しくなって心が温まりました。
 これからも平和でありますように、と。
 神様は地上の世界を見守るのを止めました。

 
 神様は気分を変えて、天上の世界を観てみようと思いました。
 すると、なんと、平和だった世界が争いに満ちているではありませんか。
 神様は溜息をつきました。


 神様の苦労は、まだ絶えません。







2005/09/22(Thu)16:26:46 公開 / 緋陽
■この作品の著作権は緋陽さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初の童話形式。いや、ほとんどが初めてだから関係ないか。はい、ほのぼのとした雰囲気を目指して書きましたが……書けてるかな(汗
題名と内容があってないのは仕様……と言いたいところですが私にはわかりません(笑
私が伝えたかったことは、争いを出来得るだけ失くせばいいのに、ということです。いや、此処で言っても仕方がないか。
では、感想をお待ちしております。
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