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『泥人形』 作者:一徹 / ショート*2 ファンタジー
全角1048.5文字
容量2097 bytes
原稿用紙約4.2枚
 この先に、なにがあるのだろう。
 この、大海原の先に。
 悪くは無いと、思うのだ。






 ひたひたと、彼の身は崩れる。
 すがろうと手を伸ばし、腕の自重で落ちそうになる。
 彼は泥として生まれ、泥として崩れる運命。
 泥人形は、己を見やって、嘆息する。


 ある時日照りになった。
 彼の体から水気が飛んで、歩けるようになった。
 泥人形は、己を見やって、嘆息する。


 ある時雨が振ってきた。
 彼の体には水気が染んで、崩れそうに、
 泥人形は回避する。崩れそうになるわが身を必死にこらえ風雨をしのぐべく民家へ入る。
 お願いです雨が止むまでとめてください、と。
 住民の女はひどく驚いたが、泥人形のひび割れた頬を見て、そうですか、と頷いた。
 女には娘がいて、泥人形を見つけると真っ直ぐに、無垢な笑顔を向けてきた。
 お嬢さん、怖くは無いのかい私が。
 娘は首を振り、泥人形を覗き込む。
「いいえあなたは優しいわ」
 ざあざあと、途切れず屋根打つ多量の水滴。
 暖炉を炊きましょうね、と泥人形は、一人火のそばにうずくまる。
 泥人形は娘の言葉を反芻していた。
 すると頬が崩れていく。
 触れると、水気だ。
 泥人形は、己を見やって、嘆息する。


 娘の父は猟師であった。
 だから、雨足が弱まったとき、迎えに行くといった。
 危ないですお嬢さん、と泥人形は言う。
「大丈夫よ、私たちは、泥じゃないもの」
 そういって娘は出かけていった。
 泥人形は、己を見やって、
 なにをやっているんだろう。
 すると頬が崩れていく、


 雨足は次第に強くなり、
 鉄砲水だ、と誰かが叫んだ。
 若い娘がさらわれた、と。
 泥人形は一人暖炉の傍ら。焦げる我が身が愛おしく、うずくまり、娘の言葉を反芻する。
 泥人形は、己を見やって、
 なにをやっているんだろう。
 決断して外へ出る。


 まず頭がとけていった。
 半ば無い頭で、腕が崩れていくのを理解する。
 半ば無い頭で、足がとけていくのを理解する。
 けれどそれでも歩けるだろう。
 けれどそれでも、細いその身を救うことができるはずだ。
 泥人形は何も言わず飛び込んだ。濁流の中、娘を捜す。
 果たして人外の彼の、一つになった瞳は、砂漠で針をすくうように、
 ああ、砂漠で生きればよかったのだ。
 だが針は要らない、と。
 このときだけは、崩れるな。
 命じる腕が掴む娘。
 岸で待つ、母に手渡して、
 泥人形は、己を見やって、嘆息する。
 なにをやっているんだろう、と嗤った直後。
 激流が、


2005/09/06(Tue)01:30:57 公開 / 一徹
■この作品の著作権は一徹さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 はい、ども。一徹です。
 先の作品の出来があまり芳しくなく、たぶん練りすぎた、あるいは練が局所すぎたせいかなあ、と反省し、今作品を作りました。設定素直じゃないとか終わりビミョーとか言われると悲しいですし、なんかUPするたび短くなってない? とかいうツッコミも、辛いです、ハイ。
 いやね、作品紹介と三百六十度ぐらいずれるんですが、長編となると、最後まで行けないんですよね。途中で投げ出すというか、この話面白無い、設定ビミョーくだらん平凡、とかけちを付けに付けて、放棄するのです。ムダは省く主義で、それが長編だと続かないというか。なんか、日常を描くのが出来ないなあ、と思う日々。
 まあ、とりあえずは率直なご意見・ご感想お待ちしております。

 ちょっと導入部が分かりにくかったかな、と反省。
 読点で終わってるのは、そりゃ激流に泥人形が巻かれたら、どうなるかなあ、と想像を膨らませていただきたい次第です、ハイ。
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