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『解禁宣言』 作者:むた / 未分類 未分類
全角1570文字
容量3140 bytes
原稿用紙約5.55枚
 あと、一分、・・・・・あと、三十秒、・・・・十、九・・・・・・サン、二〜イッ、・・・・・・。

 ピピピピッピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ
いま、丁度午前0時を回った。
 俺の人生十八回目の、誕生日の午前0時、
やった、ついにやった、
俺は、いつから、この日の、このときを待ちのぞんたことだろうか。?

 四年前・・・・・、
「お客さん、こちらの商品は、成人指定の本になってまスけど、
お客さんの、年齢の確認できるものなど、お持ちでしょうか?。」

 涼しい店内、暑苦しいデブの店員から、発せられた涼しい言葉、
おれは、緊張と、恥ずかしさで頭がクラクラした。

 きずいたら俺は、恥ずかしさの余り、デブの手から、
エロ本を引ったくると、熱い街の雑踏の中に飛び出していた。

 一人で知らない街に行き、ちょっとした冒険をして、ついでに買おうとしたお土産げで、
とんだランナ―ズハイを味わった、イガグリ坊主の中二の夏。

 夏の白い日差しの下、汗臭いTシャツを着ると、今でも、そのときのことは、
つい、昨日のことのように、思出せる。

 今まで、そう、今日の、この瞬間まで、忘れることのできなかった、恥ずかしい記憶、
でも・・・・今日からは違う、今日から俺は十八歳、

 十八禁の本など、もう怖くはない!!

 眠い、教室の窓の外から聞こえる、窒息寸前のセミの声、
俺は、生あたたくなった、机に顔を埋めた、
古い木とワックスの、甘い匂いがした。

 昨日の夜は、ちょっとした興奮で、あまり眠れず、
眠くて胸焼け気味。

 しかも昼下がりの、この五時間目と言う時間と、物理の授業という、コンビネ―ションは、
蒸し暑い教室の中でも、強力な眠気ビ―ムを、発信しつづけていた。
 
 しかも、物理の、呪文のように気の遠くなるような数式が、さらに俺の眠気を、加速させる、
ゴトッ、・・・・、落ちた、柔道で言うなれば、襟を閉められた選手のような、落ち方だ。

 薄れ行く意識の中で、永遠のように思える、呪文のような数式の解説が耳に入り、
なぜか元気に目覚め始めた、自分の息子が目に入った。

 やっべ、・・・・・・三日も構ってね〜や、
今日構ってやんないと、そのうち変なところで暴発しちまう・・・・・・・・。

 午後三時半

 俺は今、本屋にいた、最近出来た、地元の本屋だ、
この時間帯は、客がほとんどいない、誰にも邪魔されずじっくり吟味できる。

 今日の日のためにバイトも休んだ、抜かりはない、さあいざ逝かん、
ピンクのカ―テンで、仕切られた、女人禁制、男の楽園へ!

 おれは、はちきれん胸の思いを、周りに悟られないように、
落ち着き払った振りをして、足を踏み入れた・・・・・・・・。

 ゴクッ。
 俺は息を飲んだ、眼前に広がるは、ピンクのような、赤黒いような背表紙の大群、

「こっ、これが全部エロ本だって言うのか、?」

かなりの数だった、さすが山○書店、

歓喜で、興奮と感動が湧き上がった。

 この中のどれを選んでもいいだなんて、漫画に、
写真集に、ビデオに、DVD、挙句の果ては、ゲ―ムもあった。

 興奮で頭が、クラクラ、手に汗も、かいてた。

 三十分後。
  
 おれの右手には、吟味に吟味を重ね、選び抜かれた、
精鋭と思しきオカズたち。

 「こっ、これが、全部俺のものになるんだ。」
 もう、他にたとえようの無い、緊張感と、期待感で、
レジに向かう、もう俺の頭の中には、
抜くことしか考えてなかった。

 「お客さん。」
 急に、レジの店員(デブ)に呼び止められた。

 全身に走る、いやな予感、・・・・・・・・。

 「お客様、当店では制服での購入は、ご遠慮させていただくことになってます。」
いつか聞いた、涼しい言葉、俺の目の前で、店員の持った本たちが、まるでス−パ―○君のように、
レジの下に沈んでいった。
2005/07/18(Mon)23:51:32 公開 / むた
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■作者からのメッセージ
ちょっと実話入ってます、
肩の力はいりすぎた
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