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『WORST FLOWER  第1話』 作者:奏燈 しあ / 未分類 未分類
全角1535.5文字
容量3071 bytes
原稿用紙約7.25枚
風がふいた……。緑の多い村…その中の小さな学校。

そこに今回の主人公は居た。

「稜華っっ!!」

いきなり大きな声を上げたのは大人びたカンジの少女だった。稜華と呼ばれ

た人物は眠そうな目を擦りながらゆっくりと体を持ち上げた。

「ん…なんだよぉ。」

起された事に多少腹を立てているのだろうか。少しムッとした顔をしていた

「あ〜。ごめんなぁ。起してもーて。せやけど学校で寝るんはやめときぃ
や」
稜華は正論に、反論できなかった。

「…でな、ちょっとついて来てぇ。」

少女は頼む!といったカンジで両手をあわせて稜華を向いた。

稜華はどこに行けばいいのかもわからずに「へ?」という顔をしていたが、

少女にむりやり連れられて行った。























「職員室?冷利…こんなところに何の用?」

稜華をここに連れてきた人物  冷利はそう聞かれると、

ニッコリとした。

「今日なぁ。アレやねん。転校生が来るんやて!せやから皆より先にちょい

っと見てみたいな〜…おもて。」

転校生…そういえば昨日先生が話していたのを稜華は思い出していた。

でもどーせ後で会えるのにわざわざ…。それだけの事で起されてまたまたム

ッとした。

そして冷利は職員室に入らずにドアを少し開け、そっと覗き始めた。

「お。稜華稜華!!アレっぽいで!!」

そういわれ、別に見なくても良かったが、見てみぃ!!と言われ、またもや

強引に覗かされるハメになった。

稜華が部屋を覗くと、確かにそれっぽい人がいた。

(あれかぁ)

稜華がそう思っていると、転校生が振り返り、稜華を見た。

「!」

稜華は殺気を感じた。何故かわからないが、その転校生が放っているのだろ

うか。とにかく、転校生に見られた瞬間、稜華は背筋に嫌なものを感じた。

そんな事を考えていると、いきなり職員室のドアが勢いよく開いた。

「何してんの〜ん?」

転校生だ。

いつの間に来たのだろう。早かった気がする。

「あ。君を見にきてん。アンタ転校生やろ?」

転校生の質問に答えたのは冷利だった。

「そうだよん。あ。僕見に来たんだぁ。何組??」

やはりコイツが転校生だったようだ。冷利の質問に肯定し、さらに質問して

きた。
「1−A…」

そう答えると、転校生は顔をパァァ!と明るくし、冷利の手をガシッ!!と掴む

「わーい!美人さんと同じだよーん♪あ。で?そっちの可愛い女の子は?」

ピキ…転校生がそう問うと、どこからともなく変な音が聞こえた。

と、同時に、稜華の方が、フルフルと震えていた。と、その瞬間。


「俺は男だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」



 
もの凄い声が、学校中に響きわたった。































チャイムが鳴り、転校生が入って来た。

「え〜と、転校生の、端乃 絡君です。皆仲良くしなさいよ〜。」

もう高校だというのに、先生がそんな仲良くしようコール(?)をした

一方転校生は、よろしくねん♪と、のりのりな言葉を言っていた。

「え〜っと…席は…」

先生が席を決めようとすると、絡はその言葉をさえぎった。

「先生。僕……」

そういいながら、絡は稜華をチラリと見た。

「あの子の後ろの席がいいな♪」

「…萩原の…?」

萩原…萩原稜華だ。そう。絡は、稜華の後がいいと提案したのだ。

丁度いい事に、そこの席は空席だった。

「まぁ。いいよな萩原。」

先生が聞いてきた。別に断る理由も無かったので、稜華はこくんと頷いた。

絡は、稜華の席を通り過ぎる時、小さく「よろしくねん。」と言った。

稜華は、さっきの職員室での殺気が気がかりで、絡に「何のつもり?」と尋

ねたが、まともな返答は返って来なかった…。










続く
















2005/02/04(Fri)17:52:23 公開 / 奏燈 しあ
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