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『空』 作者:トロサーモン / 未分類 未分類
全角1471.5文字
容量2943 bytes
原稿用紙約6.85枚

僕はその日失恋をした。
僕は帰り道ずっと考えていた。
なぜ、失恋したのか
僕は彼女とケンカした
それだけである
僕は何もかも嫌になった。
僕は乗っていた自転車を漕いだ
強く
強く
その時、車が僕の自転車に当たった。
僕の体は8メートル飛んだ
飛ぶ
跳ね飛ばされたのではない。
飛んだのだ
僕は飛んだ。
飛んだ。
飛んだ。
僕は飛んだ。
人々は僕の姿を見るなり口をポカンと開けた。
僕はもっと飛ぶ事にした。
9,10,
もっと
もっと
11、12
もっと高く
もっと高く
13,14
どんどん地上から遠くなり僕は空に近づく
15,16メートル
もっと高く
もっと高く
人々が豆粒のようになるまで
車がミニカーのようになるまで
電車がプラレールのようになるまで
僕は飛ぶ
すると空気を切り裂くような音が聞こえた
その音はヘリコプターだった
しかも一台ではなく6台
ヘリコプターのドアが開く
ニュースキャスターは僕に向けてマイクを突き刺す
「なぜあなたは飛んでいるのですか」
「今のお気持ちは?」
「なぜ」
「何か言いたい事は」
「なぜ」
「なぜ」
「気分は?」
うるさい
うるさい
うるさい
僕はヘリのプロペラの音に耳をふさぎながらもっと高く飛ぶ
ヘリも近づけ無い高さまで
飛行機も僕の姿を確認でき無い高さまで
誰も近づけない高さまで
誰も僕を見ない高さまで
もっと高くもっと高くもっと高くもっと高く
その時、ゴンと頭を打った
空の一番高いところまで来た。
下を見る
人も車も電車も街もヘリも飛行機ももう何も見えなくなっていた。
僕は降りようとした
しかし降り方が分からなかった
僕は悲しくなりあああああああああああと叫んだ
その時、バリバリと空を破る音がした
その破れた隙間から熊の着ぐるみがこっちを見ていた。
僕は恐る恐る口を開いた

あなたは神様ですか

熊の着ぐるみは「世間的に言うたらそうやね」

僕は死んだのですか

「いや死んでないよ」

ではなぜ僕は空にいるのですか

現実から逃げたからだよ
現実?
そうこっち来てみな
そう言って熊の着ぐるみは僕の手を引っ張り空の裏側を見せた
そこには人が一杯居た
子どもから老人まで
世界中の人が
「みんな現実から逃げた人たちだ」
現実ですか
僕は「彼らは降りないんですか」と聞く
「ああ」
「降り方を忘れたからな、彼らはもともと普通の市民だった」
「はい」
「しかし何時しか、生き方をどこかで誤った、その果てだ」
「はい」
「ひここもり、自殺、ニート…今全部問題になっている事だ。」
「はあ」
「みんな突然空に浮かぶ、それは私も分からない」
そう熊の着ぐるみは言った

もう一度熊の着ぐるみは僕を連れて空の表側に来た。
熊の着ぐるみはビニール傘を僕に渡した。
「嫌な事があってもずっと前を向いていくんや」
そう言い熊の着ぐるみは僕に向かって手を振った。
僕の体は徐々に下がっていった
ぎゅにゅううぎょぬにゅうう
と音がして空の破れていたところが元に戻り、ついに僕は空にひとりぼっちになった
どんどん地上に降りていく
熊のいた空が見えなくなり
その代わりに世界が見えてくる
そして街が見える
10メートル
僕は降りたら彼女に電話しようと思った
彼女は僕の事を許してくれるだろうか。
まあその時はその時だ。
とすっと地面に僕は降りビニール傘を閉まった。
そして僕は携帯電話を出した。
プルウルルルルルル
がちゃ
「もしもし」
「僕だけど」
「どっかであわへん?」
「…ええけど」

僕は電話と閉じその場所まで歩く事にした。
前を向く
こんなに難しい事は無い
でもやるだけの価値はある。
希望も見えてきた
希望も見えてきた
2005/01/29(Sat)13:13:36 公開 / トロサーモン
■この作品の著作権はトロサーモンさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
スーパーカーが解散しました
こんなに悲しい事は久しぶりです
これは精神的に疲れていた時に書いた作品です
ちなみにオチは自分でも納得していませんのでまた書き直すかもしれません
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