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『翔べない僕等』 作者:沙紀 / 未分類 未分類
全角1108文字
容量2216 bytes
原稿用紙約4.05枚
序章〔僕の心〕
「裕也、頑張ってね」
 僕は母の言葉に頷くと家を出た。
周りに植えてある木々はもう葉が全て落ちている。
僕の息は吐く度に真っ白だ。
考えてみればもう十二月の始め。
今日はかなり寒い日だと天気予報も言っていたほどだ。
なのに今日に限って体育のテストだ。
しかも僕の大嫌いな長距離走。ものすごく嫌になってくる。
「よっ! 裕也、今日は体育のテストだな!」
 僕と同じ征服を着ている少年が声をかけてきた。
この少年の名は章。僕の小学生からの親友だ。
いつも一緒といってもいいほどいつも彼はそばにいるほどだ。
「そのことは言うなよ章!」
 僕はじろっと章を睨みつける。だが、彼に効くはずもない。
彼ははっきり言って鈍感だからだ。
なのにテストも良い点を取ってばかりでおまけにスポーツ万能。
クラスの女子から告白を受けたのも多いはずだ。
「まぁいいじゃねえかよ! また賭けでもするか?」
「またか……。 いい加減にしろよ。そのせいで僕のお金ないんだから。」
 そう言うと章はにこにこしているが何も言わなかった。
そうしているうちに僕と章が行ってる高校に着いた。
この高校は有名な方でなかなか入れないそうだ。
だが僕はいつの間にかこの高校に通っていたのだ。
まぁ章の場合は満点近くとったから今現在この高校にいるのだろう。
章と僕は違うクラスなので、章は一年三組に入っていった。
僕はその隣にある一年四組に入っていった。
クラスに入るとなぜか急に教室内がしんと静まってしまった。
僕は何もなかったように平然と机についた。
そしてバッグから教科書とノートを出すと机の中に入れようとした。
だが、なかなか入らない。
僕は机の中を覗いてみると中に入っているのは猫の死体だ。
「うわっ!! 」
 僕はおどろいて机を倒してしまった。
その勢いで猫の死体がごろんと机の中から出てきた。
死体の匂いなのだろか?
生臭い匂いが僕の鼻の先にまとわりつく。
その様子を見て数人の男子がくすくすと笑ってる。
きっと嫌がらせだろう。
僕がこのクラスに入ってからこのようなことばっかり起こった。
きっとこれがイジメというのだろう。
僕は何もなかったかのように猫の死体を捨てに行った。
学校の裏側にあるゴミ箱へ投げ捨てた。
そして教室に帰る途中に僕は男子トイレの中に入った。
洗面所で手を洗うと鏡を覗いた。
いつのまにか僕の瞳からはひとつの涙がこぼれていた。
本当は平然になんてなれなかった。
本当は泣きたい気持ちでいっぱいだった。
だが僕はその気持ちを心の中にしまっていった。
僕は顔もついでに洗うと教室へと小走りで向っていった。
教室に入ったと同時にホームルームが始まるチャイムが鳴り出した。
2004/12/03(Fri)17:07:20 公開 / 沙紀
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■作者からのメッセージ
はじめまして、初投稿でちょっと不安です。
これは、学園のお話で友情をテーマにしました。
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