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『凸凹道』 作者:渚 / 未分類 未分類
全角2376.5文字
容量4753 bytes
原稿用紙約8.7枚
「もう、あんたおかしいんちゃう?」
「お前のほうがおかしいんじゃ!!お好み焼きにマヨネーズなんて、邪道やで、邪道!!」
「邪道邪道言うな!!ソースの香りとマヨネーズの香りが混じって、ぜつみょーおな味がでんねん!!」
「うわ、きっしょ」
「なんやと!?」
「あんたらさっきから、しょーもないことで揉めすぎ」
由美が隣でため息なんかついてる。ため息つきたいんはうちの方やわ。
「なあ、由美ちゃんはどう思う!?」
「は?何が?」
圭太が意気込んで由美に尋ねる。でも、由美は多分あんまし話きいてへんから、意味ない。
「あたしそんなんどっちでもええわ」
「よーないわ!!由美〜、うちより圭太をえらぶんか?」
「知らんわ。もー、紗枝も圭太君も、しょーもないことで喧嘩しいな」
由美はそれだけ言うと、読んでる雑誌をまた読み始めた。うちはなんかめんどくさくなって、ため息ひとつ。
「…圭太、もううち、どっちでもええわ」
「ほんなら、俺の勝ちやな!?それでええんやな!?」
「へいへい、参りましたぁ」
「なんかむかつく」
圭太はフグみたいに膨れてる。ガキかお前は。




帰り道、由美が突然うちに説教しだした。
「もー、紗枝せっかく彼氏おんねんから、大事にしいや!」
「え〜…だって、圭太っていっつもうちと反対のことばっかりいうんやもん」
「ほんなら同意すりゃええやん」
「嫌や。なんでうちが折れたらなあかんのサ。圭太が折れればいいねん」
「…っもう、紗枝のアホッ」
「アホ!?なんでうちがそんなこといわれなあかんの!?」
「アホやからじゃ」
由美はそれだけ言うと、またため息。そんなにため息ばっかついてたら、ばばあになんぞ。
圭太とは、ちょっと前から付き合ってる。どっちが告ったか、って言われたら、まあ…それはうちなわけで。そんでまあ、めでたくカップルになりました。
でも、圭太とは毎日喧嘩しかしてへん気がする。なんとなく、いつも意見がかみ合わんねんなぁ。
「…なあ、由美」
「何、アホ紗枝」
「もう、アホはやめてや。なあ、うちってさ、圭太と相性悪いんかな?」
「どしたん、いきなり」
由美はちょっと驚いてうちを見た。
「…だってさあ、毎日喧嘩ばっかしでサ……」
「もう、だからさ、紗枝がもうちょっとおしとやかになればいいんやって」
「でも、うちおしとやかちゃうもん。性格詐称はあかんで。告訴されたらどうすんの」
「されるかアホ」
「あ、またアホ言うた!!」
「ボケでもええで」
由美はけろけろと笑い、じゃああたしこっちやから、と手を振って走っていってしまった。
うう、冷たいなあ。親友が悩んでんのに。
まあ、うちも由美の「彼氏ほしい」って言う相談、ほとんど聞いたってないからお互い様か。







090−85−63−1475。
もう、空で言えるぐらい何回もかけた、圭太の携帯番号。あ、なんかしゃれになってもうた。
なんとなく圭太に電話かける。いや、ホンマになんとなく。別に「声が聞きたくなっちゃった」とかそんなんやない。
『もっしー?』
「はぁ?なんやそれ」
拍子抜けするわ。あのアホめ、乙女が悩んでるときに。
『なんや、紗枝か』
「なんやて何やねん。彼女から電話やねんから、もっと喜べよ」
『へいへい、圭太君うれピー』
「うわ、きっしょ」
『何やねんお前は。喜べ言うから喜んだらきしょいんかい』
「だってホンマにきしょいねんもん」
『何やとぉ!?』
圭太が電話の向こうでいきり立ってんのがわかる。あまりにも想像出来すぎて、思わず吹き出す。圭太がさらにおこったのがわかった。
『お前、今わろたやろ!?』
「わろてませーん」
『じゃあ今のブッて音は何や!!』
「くしゃみや、くしゃみ」
『あんな汚い音のくしゃみがあるか。…んで、なんか用か?』
いまさらやっと本題か。なんかもう、話す気も失せてもうたがな。
「…忘れた」
『はあ!?』
「ごめん、じゃあうち、今からお風呂はいるから」
『おい紗枝、ちょい待て』
「何、のぞきに来る気ぃ!?おまわりさ〜ん、痴漢ですぅー」
『ちゃうわ、おい紗』
プツッ。プープープー。
って自分で効果音いうてどうすんねん。アホかうちは。
やっぱやめよう。それこそ、いまさら聞くことでもないわ。
うちらって相性いいんかな?とかさ。





「おい紗枝」
教室に行った途端、圭太が詰め寄ってきた。あ、そっか、昨日途中で電話きったんやった。
「おはよーございますぅ、圭太君」
「お前、昨日一体何のようやってん」
「だから忘れたんやって。あ、おはよう由美」
「嘘つけ」
「嘘ちゃうて」
うちは圭太をすっとかわして席に座る。隣から由美が口ぱくで「おしとやかに」ってずっと言うてるわ。そりゃ無茶やわ、由美さん。
「ホンマのこというまでここにおんぞ」
「だから、忘れたんやって」
「う・そ・つ・く・な!!」
「ほ・ん・ま・で・すっ」
「ほんまかぁ?」
「大事なことやったら忘れへんわ」
「……もうええわ」
圭太はため息をつくと立ち上がった。うちは内心ほっとした。
「お前のつるつるの脳みそに付き合ってるほど俺ヒマやないねん」
「つるつる言うな、ハゲみたいやんか」
「お前なんかハゲじゃ」
圭太はベーって舌出して、どっかいった。ホンマガキやな、あいつは。
「もうっ、紗枝!!」
由美が机からずいと体乗り出してきた。うわ、また説教されるっ。
「あ、うち、ちょっとご不浄に……」
「トイレて言え、アホ」
「すんませーん」
うちはさっさと由美から逃げた。一回つかまったらながいんや、あの子は。
廊下にもたれかかって、またため息ひとつ。あかんわ、うちばばあや。
なんか、相性いいとか悪いとか、そんなんどうでもいいわ。別に悪いから付き合っていかれへんってこともないし。
もう、圭太と二人、凸凹道の上ふらふらゆらゆら付き合っていきますよ。
うちはひとつ伸びをしてから起き上がった。
2004/11/02(Tue)18:05:06 公開 /
■この作品の著作権は渚さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんばんわ、渚です。
…ん〜、仲の悪い二人って、書くの楽しいですね。
ちなみに、渚は大阪人ですので、この大阪弁は自分が普段使ってるようなものです。もし意味がわからない方がいらっしゃいましたら、聞いてくださいな。
意見、感想等お待ちしております。
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