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『やっちまった。』 作者:KR / 未分類 未分類
全角1392文字
容量2784 bytes
原稿用紙約4.75枚


こんな、こんなつもりじゃなかったんだ。

……いや。そんな安っぽい台詞で済むような問題じゃないってことも判ってるんだよな。
何てったって新車だもんな。国内産とはいえ買ったばっかりだって言ってたもんな。自慢げに。
いくら昨夜の酒がちょっと残ってたからって、粗大ゴミに出す壊れたノートパソコン持って、
数日前に彼女を奪った男の車の窓ガラスを割ったんだ。
過失だなんて言って誰が信じてくれるんだよ。

そもそもな、高校時代から付き合ってた女を、大学に入ってわずか半年で盗られたんだ。
盗った相手は同じ学部の秀才野郎で、金持ちで、格好良くて、女扱いにも慣れてる。典型的なモテ男。
けど、彼女の一人くらいつなぎとめておけなかった俺が悪い。俺に甲斐性がなかった。
クリスマスのプレゼントも安物でごまかしちまったし、電話やメールにもマメじゃない。
つか、ひと月も浮気されてて、ちっとも気が付いてなかった。
悔しくて、やけ酒して、二日酔いで寮のゴミ収集所にパソコン置きに行こうとして、目に付いたんだ。
あの野郎の、親のすねかじりで買ったらしい、ピカピカのMYカー。

ムカツクーっ。と、思ってつい凝視して、そこへふらふらっと、昨日の酒が回ってきて、
ふらふら。それは俺の足取り。ふらふら。それはパソコンを持ってた俺の腕。俺が次に気が付いたのは、
ガシャン、と音をたてて割れた車の窓ガラスが、俺の手の甲に刺さって激痛が走った時。

「痛てぇーっ!」

思わず声を上げた。パソコンは地面に落ちた。壊れてたからそれはいいとして、叫んだ後で
痛みは意識をハッキリさせる程度のものだと気が付いて、大したことないと安心したけど、
俺の目の前にあったのは憎い恋敵の車の、見事に破損した窓ガラス。しかも助手席だ。
きっとこれから彼女とデートだったんだろう。台無しだな。ざまぁみろ。…じゃなくて、
どうしよう、俺……。

選択肢は3つあった。
その1、黙って逃げる。……でもさっきの「痛ぇーっ!」を聞いて、人が来るかも知れない。
その2、何とか直してみる。……いや、道具も技術もない俺に、そんなことは不可能だ。
その3、素直に謝る。……だけど、弁償しろって言われたら?俺には金がない。
選択肢は全部消えた。打つ手なし。
さて、どうしよう。俺はしゃがみ込んで頭を抱える。微妙に痛いのは、二日酔いのせいだけじゃない。
そもそもこんな所に車があるのがいけないんだ。何だって嫌味ったらしく駐車なんかしてんだよ。
デートなら電車に乗れ。二人で歩け。自転車に乗れ。スケボーでもいいぞ。車はやめろ。
さもなきゃ窓ガラス割れるぞ。自業自得だ。

……そうだよ。自業自得じゃないか。
あいつが悪い!こんな所に駐車するあいつが!俺の彼女を盗ったあいつが!ガラス割られても
文句ないんか言えないじゃないか!俺は悪くない。あいつが悪い!
俺は逃げない。あいつが来たら、胸を張って言ってやろう。
「よくも俺の女に手ぇ出しやがって!俺の怒りはこんなもんじゃないぞ!」
そんで車のボンネットを、思い切り蹴っ飛ばしてやればいい。

「あれ?」

と、元俺の彼女の声がして、俺は振り返った。

「!」

俺の彼女を盗った、嫌味なあいつの顔が見えた。
その瞬間、俺は地面に手をついてこう言った。


「すいませんでした!!!!」



ガラスの修理代は、実家の親に泣きついて、立て替えてもらった……。




<終>
2004/03/17(Wed)10:33:41 公開 / KR
http://www5d.biglobe.ne.jp/~kr14/menu-index.html
■この作品の著作権はKRさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ギャグです(笑)ギャグが書きたかったんです…。
あのロックバンドとかがアルバムに収録してるような、
意味の無さそうなヘンテコな歌詞の歌のような奴…。
すいません(笑)
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