オリジナル小説 投稿掲示板『登竜門』へようこそ! ... 創作小説投稿/小説掲示板

 誤動作・不具合に気付いた際には管理板『バグ報告スレッド』へご一報お願い致します。

 システム拡張変更予定(感想書き込みできませんが、作品探したり読むのは早いかと)。
 全作品から原稿枚数順表示や、 評価(ポイント)合計順コメント数順ができます。
 利用者の方々に支えられて開設から10年、これまでで5400件以上の作品。作品の為にもシステムメンテ等して参ります。

 縦書きビューワがNoto Serif JP対応になりました(Androidスマホ対応)。是非「[縦] 」から読んでください。by 運営者:紅堂幹人(@MikitoKudow) Facebook

-20031231 -20040229 -20040430 -20040530 -20040731
-20040930 -20041130 -20050115 -20050315 -20050430
-20050615 -20050731 -20050915 -20051115 -20060120
-20060331 -20060430 -20060630 -20061231 -20070615
-20071031 -20080130 -20080730 -20081130 -20091031
-20100301 -20100831 -20110331 -20120331 -girls_compilation
-completed_01 -completed_02 -completed_03 -completed_04 -incomp_01
-incomp_02 -現行ログ
メニュー
お知らせ・概要など
必読【利用規約】
クッキー環境設定
RSS 1.0 feed
Atom 1.0 feed
リレー小説板β
雑談掲示板
討論・管理掲示板
サポートツール

『歩く道をてらすから』 作者:風路そう / 未分類 未分類
全角1014文字
容量2028 bytes
原稿用紙約3.65枚
「義太!義太夫!」
古びた寺院に少年が二人、
一人は義太夫とよばれ修行僧のなりをしているが頭を丸めてはいなかった。
もう一人は慌てて走ってきたのか、息が荒い。

「なんだよ、信太。やかましなぁ。」
「やかましいなぁ…じゃないだろ!なんで…なんで、妖怪退治やめるって…」
義太夫は、ため息をついた。

「そんなことか…」
「そんなことって…だってお前は、」
「お前しか妖怪殺しはできない…だろ?」
「え…」
苦笑いを浮かべながら義太夫は言った。
「親父にも言われたよ。
『お前が生きる意味はそれなんだ。世を守ることにあるんだ。お前しか出来ないことなんだ。』って。延々な…」

くっと笑っている義太夫に、信太は怒鳴りつけた。
「じゃあなんでだよ!妖怪を退治していれば、お前は人からの信頼も名誉ももらえるんだぞ?幸せじゃないのか?!」
突然、義太夫の顔が無表情になった。そして、茜がかった空を見上げた。

「俺はさ…もう見たくないんだよ…」
ぼそっと呟くように言った言葉に、反射的に言葉を返した。
「なにを?」

「最後の眼…をさ。」
「最後の眼?なんだ、それ…」

「…つまり、俺はもう殺したくないんだ。」
「で、でも…」
「妖怪を殺さなきゃ、こっちが殺されるってか?」
「そうだよ…だから、義太。戻ろう。な?」

「いやだ。」
「は?」
「人間が殺そうとするから妖怪だって襲ってくるんだ。生きているものが他の生き物を怖がるのは当たり前だろ?交友を持とうともせず、一方的に殺すなんてこと、したくない。」
「義…」
「それでも!それでも止めようとするなら、俺はお前を友達とは思わない。」

義太夫の目に迷いはなかった。

そして、信太に背を向けて、まっすぐ歩いていった。

義太夫とは長い付き合いだ。こいつは、ひたすらまっすぐな奴だから、止めようとなんて考えた自分が馬鹿だったのだ、そう信太は思った。
すると、自然と口が綻んだ。

「おい!」

義太夫が無表情で振り向いた。

「どこに、なにしにいくんだ?このヒマ人!」
冗談混じりに問いかけると、義太夫は、はっとして、そして、くっと笑った。
「そうだな…とりあえず、俺の能力じゃなくて、俺自信に惚れてくれる奴でも探すかな!」

そう言ってゆっくりと歩いて行った。

 ひとこと、俺があいつに言えなかったことがあった。
「俺は、ずっと、お前がうらやましかった。」
って。
でも、これはあいつが帰ってきた時まで取っておこう。
 いつか、いつか、な。
2004/02/29(Sun)01:19:16 公開 / 風路そう
■この作品の著作権は風路そうさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めての投稿なので区切りをつけました。
伝えたいことがありすぎて、これだけでは書ききれませんでしたが…
生きること、自身の道、男の友情…をテーマにしてみたのですが…
まだまだの文章ですが、よろしくおねがいします。
この作品に対する感想 - 昇順
感想記事の投稿は現在ありません。
名前 E-Mail 文章感想 簡易感想
簡易感想をラジオボタンで選択した場合、コメント欄の本文は無視され、選んだ定型文(0pt)が投稿されます。

この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
スタッフ用:
投稿者用: 編集 削除