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『作りかけの玩具W』 作者:渚 / 未分類 未分類
全角1522文字
容量3044 bytes
原稿用紙約5.75枚
「純兄!!涼姉が!!」
「ふぁ?」
朝突然、あわただしい声に起こされた。小さい子供たちがおろおろと歩き回っている。その子供たちも、大半は一つの場所に集まっていた。年の大きい者たちはなにやら低い声でささやきあっている。
「どうしたんだ?」
「ああ、純・・涼の様子がおかしいんだ・・。」
今年20になる信也が不安げにいった。
涼はぐったりと横になっていた。呼吸が荒く、顔が青ざめている。澪が涼の額に手を当てて熱をはかっていた。
どう見てもただ事じゃない。
「どうする?早く見せたほうがいいぞ。」
「でも・・普段あいつらが起こしにくる時間まで後40分はあるぞ?」
信也はいらいらした様子で時計を見ていた。秒針がやけにゆっくりと動いていく。
こればっかりはどうしようもない。配管を通る手段は絶対にあいつらに知られるわけにはいかないので使えない。かといって、この部屋にはかなりのロックがされているし、俺たちはこの部屋にいるときでも手枷がつけられているので、あまりむちゃくちゃには動けない。
不安に飲み込まれそうになりながら、白い顔をしている涼を中心にして時がたつのをまった。













ようやくやってきた館のものに連れていかれてから、涼の容態は知れなかった。俺たちは館の中を動き回れない上に、始終用事を言いつけられるので探りを入れる暇はないのだ。
午後になって、ようやく機会がやってきた。支配人に「ストレス発散」をやられた。かなり癪だったが、今日はいつものように必死で意識を保つことをやめた。支配人はあざけるような笑みを浮かべていた。
「今日はやたらと静かだな、え?」
支配人の革靴が俺の頭を踏みつけた。いつもなら振り払うところだが、今日はじっと耐えた。
「なんか下心でもあんのか?はは、言ってみろよ?」
支配人が革靴をどけた。俺は予想外の展開に少し驚きながら起き上がった。口から流れている血をこぶしでぬぐい、支配人をにらみつけた。
「涼はどうなんだ?」
「リョウ?」
支配人は眉をピクリと上げて、俺を見下ろした。
「銀髪の女だよ。今日運ばれた―――」
「ああ、あの女か。何、昨日の暴行で少し頭がやられただけだ。もう部屋に戻ってるころだろ。明日には仕事に戻す。」
俺は思わずほっと肩をおろした。そんな俺の動作を見逃さずに、支配人は笑った。
「ははは、お前、あの女に気があんのか?はん、とっとと部屋に帰れ、色気づきやがって。」
男は俺の顔につばを吐きかけた。









部屋の隅っこに涼がいた。いつもどおり膝に顔をうずめている。
「涼。」
俺が呼びかけると、涼はゆっくりと顔を上げた。額に包帯を巻いていたが、それ以外に変化はなかった。いつもと同じ、生気がない瞳で俺を見ていた。
「もう大丈夫なのか?」
「平気。ありがと。」
「さすがにあんだけ殴られればこたえたようだな。」
「体はね。心はぜんぜんこたえてないけど。」
涼は銀色の髪を指に巻きつけながら自嘲気味に言った。
「お前なぁ、もし死――」
死んだらどうするんだ―――そういいかけて口をつぐんだ。涼は死ぬことに恐れがないのだ。
俺はここのみんなは、涼を必要としているというのに。涼は、俺たち全員が死んでも、なんとも思わないのだろうか。



コンコンコン



ドアから小さな音が聞こえた。俺たちはそろって顔を上げ、何も反応せずにじっと耳を済ませた。


コンコンコンコンコン



・・聞き間違いじゃない。確かに、ドアをノックしている。ドアをノックされるなんて初めてだ。普段ならドアを荒っぽく蹴破るように入ってくるのに。
「・・・・なんか用か?」
俺が低い声でドア越しに答えると、聞いたことのない女の声が返ってきた。
「純君はいる?純君に会いたいの。」




2004/02/09(Mon)23:07:30 公開 /
■この作品の著作権は渚さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
前回の3話にコメントくれた方、ありがとうございました。
今回は時間がないこともあって、短い&表現が雑ですね;ごめんなさい。次回から、話は大きく進展します。
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