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『伝説のチャーハン(改良バージョン)』 作者:リョウタ / 未分類 未分類
全角2525文字
容量5050 bytes
原稿用紙約8.75枚
俺はもてない。
自分でも自覚してる。
よく人から「あいつデブだよね〜。」とか「パンパンって感じ。」
などといわれる、さらに子供からは「関取だ〜。」
とバカにされるしまつ。
だから俺はダイエットをした。
3時間でおわった。
その繰り返しで今を迎えている。
そして、俺は思いついた。
「俺がやせるんじゃなくて、みんなを太らすんだ。」
「食べるのをとめられないぐらいおいしい料理をつくればいいんだ。」
そして、俺は料理の勉強をはじめた。
つまみ食いという楽しみがある料理は俺にはうれしかった。
だからこそ続いた。

そして約3年が立つ。

俺は小さいながらも、飲食店をつくった。
その名も、「フトレス」この名前は、ふとらすレストランの略。
3年間の経験を元に俺は、「ふとらす。」を心意気に料理を作り始めた。
そしてなかなか人が集まってきた。
そして店じまい、しかし・・・・。
「な、なんだこれは・・・・」
俺が見たのは、皿の上に残る大量の残飯だった。
「これじゃ・・誰も太らない・・・」
俺は残飯を口にしながら考えた。
「俺の料理の腕がまだまだ未熟って事か・・・」
「この店だけのオリジナル料理でも作ったら、もっと食べてもらえるかな・・・」
そして俺は、でたらめに材料を混ぜ合わせて、料理を作っていく。
「まずっ。」 「これじゃチャーハンだ・・。」 「見た目が悪い。」
「味が無い・・・」 「歯ごたえがダメだ。」 「なかなかいいな。」
1ヶ月ほど作りつづけた。

「もうやめだ、やってられるか。」
俺にしては頑張ったほうだ。
「残飯が多くても、稼ぐことはできるんだ。」
そして俺の「おいしい料理作り」は終わった。


そんなある日、一通手紙が届いた。
「フトレスの料理長様へ、
 前略
 一ヶ月前、父が交通事故で死んでしまい、息子が笑わなくなってしまいました。
 息子が最後に笑ったのは、一ヶ月前あなたの料理店で食べさせてもらった、
 チャーハンを食べたときでした。
 だから、息子に「おいしい料理」を作ってもらえないでしょうか?
 後略
 よろしくおねがいします。」

「おいしい料理か・・」
しかし、俺はその手紙を見なかったように封筒にいれ、
ゴミバコの中に入れた。
そして、いつもと同じ日々をつづける。
しかし、なぜか胸が締め付けられる感覚がしてたまらなかった。
そして、笑わなくなったと言うことの重さをかんがえた。
俺は小さい頃から「笑」と言う字を心の中に思いつづけてきた。
「みんな笑っていたら楽しい。
 自分が笑えばみんなが幸せ」
そう思って、人前ではほとんど笑っていた。
アルバムを見ても、笑っていない写真はない。
俺は、久しぶりに心の中が熱くなった。
そして、いつもより早く店を閉め
「当分、フトレスは休ましてもらいます。」
と店の前に張り紙をはった。
バイクを飛ばし、家に一目散にかえった。
そして、自宅のキッチンへ一目散にいった。

俺はあちこちを回り超一品の食材を見つけて来た。
その食材をつかい、何百という数のチャーハンをつくった。
しかし、どうやっても、誰でも作れるようなチャーハンしかできない。
心から、おいしいと思える料理ができない。
どんどん焦っていき、自分自身にかけるプレッシャーに押しつぶされそうにもなった。
そしてとうとう、超一品の食材も切れてしまった。
俺は、チャーハン作りをやめてしまった。

そして俺は、ベットに入り気持ちをおちつけ、眠ろうとした。
しかしなかなか寝付けない。
布団に入ったまま考えた。
「笑えない子供ってどんなんだろう。」
「飛べなくなった鳥のような気分なのかな・・」

「おいしい」とたった一言言わせる。
でも、偽りの「おいしい」じゃダメなんだ。
心から美味しいといわせてみせる。」

俺は再びチャーハンを作り始めた。
時計の針は、深夜3時を示し、すこし肌寒くもなってきた。
少しでも早く料理をとどけたい。
そう思い高級料理をそろえるのはやめた。
俺は、家にある食材をかき集めた。
安物食品を使ってに全力をふりしぼった。
そして、俺は心を落ち着かせ、
ハートという調味料とともに、チャーハンをいためた。
そのとき俺が料理の勉強をしていたときに聞いた、
ある一人の先輩の言葉を思い出した。
「料理は食材で味はきまらない。
 料理人の腕に掛かっているんだ。
 本当においしい料理が作りたいなら、
 いい食材を使わないことだ。」
と、その時は何を言っているのか理解できなかった。
だけど俺は今その言葉の意味を理解した。
そして、チャーハンは完成した。
味見で一口食べると、それは、
色んな意味でおいしかった。
時計を見ると、もう朝の6時になっていた。
俺はそれをお皿にいれ、急いでとどけにいった。

ドアを開けると、とてつもない雨と風だった。
実は俺が料理に夢中になっていてきずかなかったが。
大型の台風がきていたのだ。

もちろん電車は止まっている。
俺は、レインコートを取り出した。
もちろん走るのは苦手だ、しかし走った。
たった一言「おいしい」という言葉をいわすために
「飛べない鳥を、羽ばたかせるために。」
そして、家に着いた。
心臓の鼓動が聞こえる中、インターホンをおし。

「フトレスです ご注文をお持ちしました。」

すると、母親が出てきた。
俺をみると母親は泣き出した。
何事かとおもい母親に聞いて見ると
「息子は一週間前自殺しました・・・・。」
俺の心の中は真っ白になった。
俺は、無言で家の中に入り、仏壇の前にいった。
そして、チャーハンのラップを取り仏壇の前において。
「ありがとうございました。」
と一言いって、俺は帰っていった。
少し泣いていたのか、前がぼやけてみえた。
そして、帰り道バイクを止め海を見ていた。
キレイな海とはいえなかったが。
人のすんでいるところは、何故かあたたかい。
その暖かさにつつまれて、俺は涙を流していた。

そのチャーハンは「おいしい」といってもらえなかった。
「おいしい」なんて言ってしまえば、たった一言のなんでもない事だが。
それを言わすのは、料理人の原点であり最終目標だ。
俺の料理で笑って誰かが「おいしい」と言ってくれる日を目指して、
俺はまた「おいしい料理」を作り始めた。
2004/02/07(Sat)15:15:11 公開 / リョウタ
■この作品の著作権はリョウタさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
2003年に投稿した作品「伝説のチャーハン」を少し改良して投稿させていただきました。
自分では結構気に入ってます^^。
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