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『作りかけの玩具V』 作者:渚 / 未分類 未分類
全角1470文字
容量2940 bytes
原稿用紙約5枚
「・・ん、だいぶよくなってるよ。」
俺の脚を少しつつきながら涼がいった。折れた左足は腫れもだいぶ引き、痛みもかなり和らいでいた。
涼は俺たちが普段いる部屋(かなり汚く、狭い)にはめったに来ない。というのも、ずっと地下牢に入っていることが多いからだ。涼はもともと人との交流があまり得意ではないらしく、一人でいるほうが気楽らしい。今日は珍しく部屋にいるので、足の具合を見てもらったのだ。
「純兄ちゃん、よかったじゃん。」
隆太が包帯を巻いた俺の足を少し押しながら言った。隆太だけでなく、ほかの小さい子供たちも涼に集まっていた。ここにいる「玩具」の中で涼の次に年上の女は13歳。みんな、大きな女が珍しいのだ。
「ねーねー涼姉ちゃん。何でいつも部屋に来ないの?」
「涼姉ちゃん、髪の色きれいだね〜。」
小さい子達はわいわいしゃべりながら涼にくっついている。涼は少し困っているようだったが、まんざらでもなさそうだった。






「・・全員寝たか〜?」
部屋全体に向かって呼びかけたが、返ってくるのは寝息だけだ。
皆いつもの労働でつかれきっているので、飯を食って一時間もすればことんと寝てしまう。だが、今日は涼がいたので少し夜更かし気味だったのだ。夜が遅ければ朝がつらくなる。全員寝たかどうかの確認も、俺たち15歳以上の者の仕事だった。
俺自身、早く寝たかった。いつもの寝場所の部屋の隅に座り込み、さあ寝ようとしたときに、部屋の向こう側に何かが光っているのが見えた。俺はため息をついてそれに近づいた。
「・・涼〜頼むからそういう風にしてないでくれよぉ。寝にくいだろ?」
涼は黙って俺を灰色の目で見ている。いつもと同じ、ひざを抱え込み、その上にあごを乗せている格好だ。
「・・・そんなこといわれても。」
「お前も寝ろよ。」
「眠たくないの。」
「じゃあせめてこっち見ないでおきてろ。」
「あなたが移動したらいいでしょ。」
「寝場所は大体決まってんだ。それ以外の場所だとおちつかねぇよ。」
何を言っても、涼は頑として自分の意見を譲らない。俺は仕方なく、涼の隣に腰を下ろした。
「・・そこで寝るの?」
「ここだったらお前の視線に当たらないだろ。」
俺は量を横目でじろりと見たが、涼はふうん、と言ったっきり、さっきまで俺がいた場所を見つめていた。





「やりましたね!!」
「ああ、ついに完成した・・究極の―――・・。」
たくさんの目がこちらを見ている。興奮して、生き生きとした目。俺はまぶしくて目を細めた。その中に、あの灰色の瞳があった。名前を呼ぼうとしたが、声が出ない。やがてその灰色の瞳は消えていった。






「・・・い・・純兄!!」
目をあけると、12歳の澪(みお)が俺を見下ろしていた。部屋にあるたった一つの窓から光が差し込んでいる。澪は俺がおきたことを確認すると、また別のものを起こしに行った。
いやな夢だ。いつも見る夢に、昨晩の涼の視線がプラスされていた。いったいあの夢は何なのか・・。
それにしても、やけに眩しい。なんだろうか?
「おはよ。」
突然声をかけられて、俺は飛び上がった。涼が少し眠たそうな目でこっちを見ていた。眩しさの原因がわかった。涼の髪だ。銀色の髪はつやつやと光を反射している。まるで水面のように。
「何よ、そんなに驚いて・・・。」
涼がくすりと笑った。涼が笑ったのははじめてみた。やっぱりほかの人間と交流すると心がほぐれるのだろうか。
「さ、ボーっとしてる暇ないと思うよ。なんか今日の仕事はきつそうだから・・。」
涼は23日前にできたアザをちらりと見て、ため息をついた。
2004/02/03(Tue)20:58:56 公開 /
■この作品の著作権は渚さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
前の2話にコメントをくれた方、ありがとうございました。3話を出すのが遅れてしまってごめんなさい;
今回は少し短いです;すいません、書くことが思いつかなかったんです・・。
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