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『キミトボク 第一話』 作者:みさき / 未分類 未分類
全角1087.5文字
容量2175 bytes
原稿用紙約4.2枚
キミトボク 第一話


「カリュウ!カリュウ――――!!!!」



ユックリと体を起こした。
俺は村みたいな所に横たわっていた。その村は燃えていた。
火がぱちぱちと音を立てながら、村全体を燃やしていた。
俺はさっき声がした方に向かって走った。
なにか・・・・・・いやな予感がした。



ゼィゼィ言いながら俺は走った。たどりついた場所には

おれがいた。

俺・・・・いや俺とそっくりの誰かなのかもしれないが、
その俺は頭から血を被っていて・・・・・・真っ赤だった。
俺は金色の髪の少年を抱き上げ涙を流しながら
「カリュウ!カリュウ!」
と少年を呼んでいた。俺の腕の中の少年は頭と体からすごい勢いで血を流していた。「―――――」
腕の中の少年は俺の名前か何かを呼んだが、周りの悲鳴などの声に掻き消された。
カリュウと呼ばれた少年は俺に
「逃げろ・・・・・そして・・・・・思い出してくれ・・・・・・―――――」


「っっ!!!」
がばっっ!!!!
俺は体を起こした。そこは燃える村ではなく、いつもの俺の家。
二階建てで、母さんと父さんと兄ちゃんがいて、平和な・・・・・・俺の家。
「は・・・・・ははは・・・・・変な夢・・・・・・」
俺はたんすからガクランを取り出し手早く着替えた。


「兄ちゃんおはよ―――」
俺は一階に降りて兄ちゃん達に挨拶した。
兄ちゃんは笑って、
「ああ、おはようカイリ。」
と言った。カイリ、これが俺の名前。
俺は朝飯を軽く食べて、兄ちゃんと家を出た。
「じゃ、俺は高校に行くから、こっちの道でお別れだな〜。」
「うん。」
兄ちゃんは手をふりながら道を曲がった。俺は真っ直ぐ言った。
「カイリ!!」
「・・・・・え?」
誰かに呼ばれた気がして振り返った。そこにはリュウちゃんがいた。
リュウちゃんは俺の親友。掛け替えのない友達。
「リュウちゃん!おはよう!」
「ああ、おはよ。一緒に行こうぜ。」
「うん!」
俺はリュウちゃんと登校しながら気付いた。

リュウちゃんって・・・・・俺の夢に出てきた金髪の人と似てる・・・・・

そう、髪の色以外は全て似ていた。
俺は呼んでしまった。やめればよかった・・・・・そう後から思う事も知らず・・・・
「カリュウ・・・・・」
「!!!!」
リュウちゃんはガッと目を見開き、倒れた。
「リュウちゃ・・・・!」
リュウちゃんを抱き起こそうとして、俺は電流か何かをうけたような感じがして、
リュウちゃんと一緒に倒れこんだ。


俺が目を覚ましたのは真っ暗な闇の中、そこには金色の髪の少年、カリュウが立っていた。
カリュウは俺の頭を撫でて一言、
「早く・・・・思い出せ・・・・・」
続く 
2004/01/26(Mon)23:01:48 公開 / みさき
■この作品の著作権はみさきさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はじめまして、みさきです。よくわからない事もありますが、よろしくお願いします。

この作品は少年達の友情を描いたものです。
もうちょっと続きますのでお付き合いください。
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