- 『都市伝説 一話〜四話』 作者:投稿者B / 未分類 未分類
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第一話
ある病院の一番隅の部屋で一人の青年と白衣を医者と看護婦と青年の母親らしき女性が居た、青年はギブスなどの量で誰が見ても全治数ヶ月といったケガをしている。
そしてもう一つ重大な事があるらしい、それは記憶喪失。
世界一般の記憶喪失はすべての記憶を失うのではなく、ある程度の記憶は覚えている方が多い。
言葉や幼少の頃の記憶や青春の思い出とか最近の事などのどれか一つが交通事故や何か悲惨な出来事などで消えてしまう事が一般の記憶喪失だ。あと、よくお酒の飲み過ぎで昨日の記憶がない、忘れ物、昔覚えたことを忘れるなどはその人の人生に支障がでないだけであって立派な記憶喪失だ。
本題に戻るがこの青年にはその記憶の言葉以外のすべてがない。
医者の話によるとこの青年は山本 啓太(やまもと けいた)と言うらしい、この青年は5日前、近くの交差点で交通事故に遭っていた、その後3日間意識不明だったがなんとか意識をとり戻し今にいたったらしい、この青年をひいた車は警察に自首している、この車の運転手によるとこの少年は赤信号なのに道路を渡ったと話している、この青年の怪我は全治一ヶ月だと医者は言ったその他の事などを一時間くらいで話し終えるとこの部屋を去っていった。
しばらくすると何か言いにくそうにしている女性が目に入ったさっきの医者によるとこの女性は自分の母親らしい、お世辞にも20代とは言えないが、ひとめ見ただけでは自分のような年の子供が居るようには見えない、まあ、見ためでは34か5くらいに見える。
…よくよく考えたら相手の女性は自分の息子に数分間も見られるなんておかしな事もない。
そうだ、話しかけなければ、なんて話しかけたら良いだろう。
そのとき、女性が話しかけてきた。
「ねえ、なにか食べたい物とか何かない?」
そ、そんなこと言われたってこっちとしては何が好物かわからない。
何秒かあたふたしていると。
ガラガラッ
突然部屋のドアが開いた、するとそこには看護婦さんが病院食を持ってきてくれた、救いの女神だ〜〜(心の声)
「しばらくの間は病院食しか駄目ですよ」
「あっ、はい」
しかし、そんなのはいっときだけだった、そしてまた沈黙。
おもい、かなり重い空気に押し潰されそうになりながら、しゃべりかけた。
「あっ、何か飲み物買ってきてよ」
「えっ、あぁ〜わかったわ」
ガラガラッ
ふぅ〜やっと重い沈黙から解放された。
…あれ?さっき窓の外に女の子居なかったっけ?
ただ呆然と窓の外を見る、さっきそこには女の子が居たような気がしたけど、気のせいだったかな?
そして、しばらくすると女性が帰ってきた。
「コーンポタージュでよかったかしら?」
女性の手にはまだ熱そうなコーンポタージュが握りしめられていた。
「あっ、いいですよ」
女性からコーンポタージュを受け取った。
そして、女性は僕の事を話し出した、女性によると僕は21歳で今は近くの大学に通っているらしい。
バイトはしていないのだが、近くのアパートに一人暮らししていて、そこの家賃や生活費は親の仕送りでまかなっていると言うことだ。
大学の方にはもう入院していることは言っているらしい。
当分は病院生活になるが一ヶ月で退院、その後はギブスを2週間から3週間つづけて、後は普通の生活ができるらしい。
大体の事を話し終えると部屋を去っていった。
「…あ〜あ、これからどうすっかな〜?」
誰もいない部屋で一人ため息をこぼす、ていうか大学って一ヶ月も休んだら勉強やばいんじゃないかな〜。
そのとき、誰もいない部屋に一人の少女の声が聞こえた……
「あなた、気づいてないの?」
「えっ?」
「本当にあなたは気づいてないの?」
「えっ?何だって、聞こえないよ」
すると、音もなくドアが開いた、目の前にはさっき窓の外にいた少女だった。
「あなたはもう死んだわよ」
唐突に少女はそう言った。
そして、数秒間の沈黙。
「何を言っているんだい?」
内心はかなり怒っていた、だって初めてあった人にいきなり死んだなんか言われたら普通怒るだろう。
しかし仮にも僕は成人している大人だ、そんなこと言われても怒っていたんじゃ男がすたる。
「まだ解らないの?あなた死んだのよ。」
「じゃあ君は誰に話しているの?」
「あなた以外にいないじゃない」
沸々とこみ上げる怒りを抑えていた。
「じゃあなんだい?ぼくは幽霊だとでも言うのかい?」
「いや、それはちょっと違うわ」
予想外だった、てっきり「あなたは幽霊なのよ」とか言うもんだと思っていたから少し動揺した。
「あなたは一回死んだのよ」
「一回?人は何回も死ねるもんじゃないだろう?」
「ええ、普通の人ならね」
「普通の人?僕は至って普通だろう?」
「ええ、普通の人から見たら普通の人で通るでしょう、しかし、特別な人から見たらかなり特別な人」
「特別な人って?」
「もちろん決まってるわ、ゆ・う・れ・い」
「ふざけるな!!!」
たまった怒りが爆発した。
…ガラガラッ
ドアが開いた。
「どうしましたか?」
看護婦さんが不思議そうな顔をしてみている。
「いえ、別に」
「あら、そう?そうだったらいいんですけど、一人の時くらい静かにしてね」
「………?!」
一つの疑いが確信に変わった時だった。
「あら、わかったみたいね」
「ああ、わかったよ」
今さっき看護婦さんは「一人の時くらい」と言った、しかしそれは間違いだ、この部屋には二人いる、それが解らなかったと言うことは、彼女は幽霊だと言うことしかない。
それから数分間呆然としていた。
「もういいかしら?」
「あぁ、もういいよ、どんなことでも受け入れる準備ができた」
「じゃあ話すわ」
それから一時間話した。
彼女の話をまとめると、僕の場合は生きる器と言うのが大きかったから、死ぬことなかった。
この生きる器とは人が生きるためのエネルギーつまり生命力を入れるための容器。
この生きる器をペットボトルに例えよう、普通の人は500mlのサイズとして僕の場合は1000mlだったする、五日前の交通事故で僕は1000mlの中の500mlを失った、(普通の人ならここで死んでいる)僕のは普通の人より大きいから500ml残った、だから生きている、しかし事実常一度死んでいる事になる。
そこで神様のお偉いさん達が会議をして後三ヶ月間生かしてくれるらしい、しかし神様は条件を付けた、三ヶ月間でたくさん良いことをしなくてはいけない、もし三ヶ月間の内にたくさん良いことしなければ三ヶ月後に心臓麻痺で死んでしまうらしい。
「……なんじゃそりゃ、たくさん良い事って何をすれば良いんだ?」
「そうね〜、人で表すと…百人ぐらいの人命救助をすれだいいんじゃない?」
「……そんなの無理に決まってるだろ!」
「なに言ってるの?無理だなんていっても三ヶ月後に死ぬだけだよ」
「まあ、他に方法がないわけでもないけど」
「えっ?他に方法があるの?」
「ええ、あるにはあるんだけど」
「なんだよ、もったいぶるなよ」
「幽霊を成仏させるの」
「えっ?成仏ってテレビとかのやつ?そんなの僕にできるの?」
「いいえ、すこしちがうわ」
「じゃあどんなの?」
「そこの土地にある都市伝説とか学校の七不思議とかの中のかなり古くから伝えられている話を自分で行ってみて幽霊にあって実際に話してみて何をして欲しいのか、何に未練があるかとか聞いて実際にそれをして満足させて成仏して貰うの」
「……僕にできるの?」
「ええ、幽霊を満足させるだけだもの」
「でもさぁ、僕ってすべての幽霊が見えるの?」
「ええそうよ」
「…それってかなり怖くない?」
「まあ、普通の人ならね」
「僕って普通じゃないの?」
「普通なら、私と話してないわ」
「全部、嘘とか?」
「幽霊連れて来ようかしら」
「冗談です、すいません」
…こうして僕の幽霊を成仏させる日々が始まったのでした…
第二話
僕は入院している間に他の入院患者に聞き込みをして、この辺りに川に昔から幽霊がでるという情報を掴んだ。
その情報によると、近くの川に三十年ほど前から金曜日に若い女性(16歳〜19歳くらい)の霊がでるらしい。
僕は一番家に近かったのでその情報を探ってみることにした……。
「かと言ってもなぁ〜、今日は金曜日じゃないしなぁ〜」
この日は水曜日だった。
今の時刻は午後5時くらい、小学校が終わって河川敷で野球している子供達が目立つ。
そんなことよりなぁ〜情報が少ない分聞き込みとかしなくちゃいけないのかな?
まあ、子供なら変に思われなくていいかな。
「なぁ〜きみたち」
「………」
「なぁ〜」
「………」
………無視?
いやぁ最近の子供はシビアだなぁ、…いやそんな事じゃない、なんで無視されるの?
僕ってそんなに怪しい?いやっ、そんな事はないはずだ今まで怪しいなんて言われたことがない、いや言われてないだけかも?
う〜ん?だめだ!!こんな事で悩んではいけない!
レッツ リトライ(古い?)
「ねぇーきみたち、ねぇ聞こえてる?」
「………」
駄目だこんな事で挫けてはいけない。
……まあ今日はいいか、そう言えば最近あの女の子見ないな。
あの女の子とはいきなり出てきて僕にいきなり「あなたはもう、一回死んでる」とか言って音もなしに消えた、あの女の子。
そう言えば名前なんて言うんだろう?
聞いてなかったな、まあ聞ける状況じゃなかったからな。
そうこうしているうちに家に着いた、あの川から僕の家は徒歩で十五分だ。
そうだ!!僕って大学生だったんだ明日あたり行ってみようかな、あれ?よくよく考えたらもう後三ヶ月しかないんだよな。
あと、人で表すと人命救助百人分って事は幽霊の成仏で表すと何人分なんだろう?
まあ、増えはしないと思うけど…増えないよな?。
それと僕って記憶喪失なんだよな?じゃあ大学の勉強なんかできないじゃん。
うわ〜〜、する事多すぎない?
……ぐう〜〜…GUU〜…はらへった〜〜コンビニでも行くかっ。
「……いらしゃいませ〜」
コンビニに着いた、コンビニは徒歩で五分程度だ、しかし駅とは逆方向。
「何を買おうかな〜〜」
寂しい独り言。
よくよく自分の服を見ているとジャージだった、急いでいてもそれはないだろう、自分に突っ込む…悲しい。
店内を見回すとさっきの子供がいた。
「なにかう〜?」
「う〜ん俺ポテチ」
「しかし、今日もいたよなあいつ」
「あ〜いたいた、あいつ何してんだろう?」
「さあ?」
「あんなやつの考える事なんか解る分けないだろう」
「ははっ、そうだよな」
……今時の小学生ってあんなに口悪いんだ。
それにしてもあいつって誰だろう?…僕のこと?まあいっか。
牛丼とコーヒー牛乳をかごに入れてレジに持っていく。
……家に着く、壁にかけている時計目に入った、もう八時か。
牛丼をレンジに入れて一分待つ。
あ〜あ、明日なにすっかな、後三ヶ月しかないんだよな、今頃「嘘でした」なんてことないと思うけど、あれから結構幽霊とか見るからな。
そんなことを考えていたら一分がたった。
そんなこと考えないで早く飯食って明日は近所に聞き込みしよう……Zzz、Zzz
……木曜日の朝、
…ふあ〜眠い今は九時、ねむいな〜、
そんなことより聞き込みしよう。
今日は近所の知り合いの人達に聞き込みしようかな…
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気がついたらもう午後三時になっていた。
今日の聞き込みで二つ明らかになったことがある、それは昨日小学生達が話していたあいつとは河川敷に住んでいるホームレスの事らしい、そしてこのホールレスは毎日夕方になると川の方を見つめているらしい。
そして、このホームレスと幽霊の奇妙な共通点、それはこのホームレスと幽霊が現れたのは同じ三十年前と言うこと、そしてもう一つこの幽霊の目撃証言は夕方だと言うことだ。
…臭う、なにか臭う、僕の予測によると、このホームレスが幽霊に重大に関わっているような気がする。
明日は…金曜日か…明日会いに行くか。
僕は明日、河川敷きのホームレスに会いに行くことにした……
第三話
時刻は午前八時の金曜日、あと主人公心臓麻痺まであと二ヶ月と二十九日。
ああ〜〜眠い、かなり眠い、むっちゃ眠い、二度寝して……午後一時、…そういえば!今日って幽霊が出る日だよな。
そうだ早く行こう、そうしないと心臓麻痺で……そんなことより早く行こう。
…聞き込みの情報によるとそのホームレスのテントは青いビニールシートで、できているらしい、けど青以外のビニールシートなんかあったのか?
…ていうか、こんな所に住んでんの一人だけじゃん、けどここに住んだら台風とかどうするんだろう?
ここら辺では台風の時にかなり水位があがるって聞いたけど、大丈夫かなぁ?
よしっ、着いたぁ、何処だろう?いないなぁ、まあ何分か待っていたら来るだろう。
……………来ない!なんで来ないんだ!もう一時間くらい待ってるぞ。
まぁ、情報の整理でもしよう、幽霊の現れる時間帯は大体六時から七時、目撃者のほとんどは下校中の高校生だ。
ホームレスの情報は五時から八時、目撃者は子供から大人までの複数。
そうこうしているうちに、もう四時だ、どうしよう?
そのとき。
ガバッ
いきなり何かに掴まれた。
「オマエは誰だ!」
後ろから掴んできたのは身長は180くらいの男、…この男もしかしてあのホームレスなのか?
「オマエは誰なんだ答えろ!」
「えっ?あっ、僕は山本です。」
「山本?山本ってだれだ!役所のやつか!」
「役所?」
「なんだ、役所の者じゃないのか」
役所の人じゃない事が解ると手を離してくれた、この人はホームレスと言うわりには顔立ちははっきりしていて、髭さえ剃ってしまえば社会復帰もできそうな人だ。
「…ところでオマエは何しに来た!」
「えっ、ちょっと聞きたいことがあって」
「ほう、めずらしい者もいるものだな」
「…ところで、さっきなぜ役所と言ったのですか?」
「ん?あぁそのことか、いや、最近になって役所の奴が強制撤去とか言って、ワシの家を壊しに来るんでな、少し懲らしめようと…」
「えっ、それってかなりやばいんじゃないんですか?」
「なあに何年も前からも同じ状態だよ」
何年も前から強制撤去が続く状態って凄い事何じゃないのかな?しかも、さっき最近とか言ったよな、矛盾してるし。
「…そう言えば、台風の時ってどうしてるんです?」
「えっ、あっ、ああそれなりに…」
なぜか知らないけど何か誤魔化してるな、少し揺さぶってみよう。
「前に一回この家潰れませんでした?」
「んっ?いや、そんなことはないが」
「じゃあ、台風の時どうしたんです?」
「えっ、そのっ、なんていうか、まあ、いろいろとな。」
「いろいろってなにをしたんです?」
「たっ、頼む、もっ、もう、台風の話はしないでくれ」
もう、追いつめるのはやめようかな、話してくれない気がするし、けど、台風の事で何か調べておく必要があるな。
「…さっき、聞きたいことがあるって言ってたけど、何を聞きたいんだ?台風の事じゃないだろう?」
「あっ、ええ、あなたはいったい…いつも何を見ているんですか?」
「……ワシは川を見ているんじゃない、ワシが言えるのはそれでけだ。」
「あっ………」
それだけ言ったらおじさんは去っていった。
たぶん、あの言葉の裏は凄いことがあるな、川を見ていないとしたら、何を見ているんだろう?目撃証言によるとおじさんが見ているのは……、今向こうに女子高生がいるあっちの方か…、そういえば、幽霊の目撃証言がの九割が学生か…なんでだろう?まあ、現れる時間が時間だからしょうがないけど、この時間には他の人もたくさん居るはず、なぜ?…あるいは見えているけどきずかない?学生に解って、普通の人にわからない、何だろう?。解らないな。
…あっ、もう六時だ、早く川に行こう……ってここも川だよな。川っていったって全部川だもんなぁ〜、わかる訳ねぇよ、。
あっ、さっきの女子高生が川に入ってい……く?
えっ……僕は一瞬我が目を疑った、しかし、川に入っていく時に一つ解った、それは彼女が人ではないと言うこと、その根拠は彼女が川に入っていく時に水の音や波がたたなかった。しかし、それは人にはできない、波を立てずに入ることができるのは人以外のもの、つまり幽霊だと言うことだ。
けど、ここから女子高生の所まで30メートルくらいある、波や音が解らなくて普通なのかもしれない。
最初は怪しまれずに話しかけよう。
「ねえ、きみ」
「………」
駄目だ、無視された、僕ってそんなに目立たないかな?いやっ、そんなことより、目の前にあることをやろう。
「ねえ、きみ?聞こえているかな?」
「……えっ?はい、あたしですか?」
やったー、無視されなかったー、けどこんな事で喜んでる自分が悲しい。
「…あのぅ、あたしにようがあるんですか?」
女の子がおそるおそる話しかけてきた。
「えっ、ああ、その、何をしているんだい?」
「えっ、待ってるんですよ」
「誰を待ってるんだい?」
「いやっ、そのですね、わからないんですよ」
「わからない?」
「…はい、わからないんです、誰を待ってるか、なんで待ってるかがですね。」
「……いつから待ってるの?」
「さあ?」
「君の名前は?」
「さあ?」
「君の家は?」
「さあ?」
……この子はおそらく記憶喪失かなにかだろう、それとも嘘をついているか、けどそんな風には見えないな、それともう一つ、この子が間違いなく噂の幽霊だろう、その根拠二つある。一つは足が水に着いているのに波が立っていない、それともう一つはこの子を見てどう思うかどうかが重要な点だ、僕は最初この子を見て女子高生だと思った、普通は制服を着ている女の子を見て幽霊とは思わない、そして時間が時間だから女子高生だろう。
しかし、学生なら制服なんかで見抜くことができる、だから目撃者のほとんどが学生なのだ。
それと後一つ聞きたいことがあった。
「……君は幽霊だよね?」
「…?なに言ってるんですかぁ、そんなわけないじゃないですか」
そう、彼女は自分が幽霊だという自覚がない……。
…きずいたら彼女は居なくなっていた……。
僕はその後自分の家に戻った、今日はかなりの収穫があっただろう。
さて明日は何をしようか…、そう言えば幽霊が現れたのが三十年前だよな、一回調べてみる必要かありそうだな、…たしか、明日は土曜日か……そうだ、大学なら図書館があるだろう、一度大学の方にも顔を出したかったし。
明日、大学の図書館でも行ってみようか……
第四話
なんだか、いつもとは違う目覚め、と言うよりは朝が来たと言う方が正解だろう。正直言って僕はあまり眠っていない、けど、それが普通だと思う。だって、いきなり死んだ、とか成仏させろ、ホームレスにあったり、幽霊にあったり、しかも僕は記憶喪失であと三ヶ月しか生きられない。そんなことになったら普通悩むだろう。
朝日がまぶしい、そういえばここ最近ろくに飯も食っていない。自分の財布と睨めっこ……だめだっ、財布に負けた。よくよく考えたら、僕は親の仕送りで暮らしているんだ、…あれ?銀行の暗証番号がわからない、それはそうだろう、だって僕は記憶喪失なんだから。…よしっ、このことが終わったら一回家に帰ってみよう。
そんなことより、今あることをやろう。たしか…大学はこの近くだったよな。地図を広げる。近くの大学は……あった、…なんて読むんだろう?山埜神(やまのがみ)大学、なんて名前の大学なんだ、おかしいどころではない、しかしなあ、山の手前の大学、しかも交通手段がバスくらいしかない、なんで僕はこんな大学選んだのだろう
?…こんなこと考えても何も始まらない。僕は地図と財布を持って足早に家をあとにすることにした…。
…バスの中から見る景色、しかしなあ、地図を見ていて少し可笑しいことにきずいた。なんだかこの大学、山を削ったような所にある、なんと言うか、説明しにくいのだが、パック○ンの口の中の所に大学があるというか、アルファベットのWの中の溝の中に大学があるというか、まあそんな感じだ。
そんな事を考えていたら大学に着いた。なんだか想像してたのよりはるかにデカイ、まず、これに尽きる。
…いやいや、そんなことばかり考えててはいけない、僕の命はあと少ししかない、今週の金曜に決着をつけないと僕にとって痛い一週間になる。
ところで、図書館は何処だろう?辺りを見回す…しかし、それらしきものはない。…
あっ、あそこにいる警備員に聞いてみよう。
「あの〜すみません、図書館ってどこですか?」
「えっ?図書館ですか…図書館ならこの裏ですよ」
この裏?この裏と言われてもなぁ。
「そうですか…ありがとうございました」
あまり役にはたたなかったけど、一応お礼は言う。
この裏ってどのうら?建物が多すぎて解らない、…適当に歩いていると、やけにデカイ建築物発見、個人的に気になったので中をのぞく。
…あれ?ドアが開いていた、これは好都合、僕は中に入ってみることにした。
「あの〜〜、すいませ〜ん、誰か居るんですか〜」
声を張り上げて言う、…しかし返事は返ってこない、横にあかりをつけるスイッチが目に入った。「パチッ」あかりをつける。……そして目の前の光景に絶句。そこには、夥しい量の本、本、本、そう、ここが図書館だったのだ。
そのとき、入り口の方で足音が聞こえた。
「あの〜、誰か居るんですか〜?」
誰だろう?そんな事どうでも良い、今は返事をするのが先。
「あっ、はい、居ますっ」
「困りますよ、休館日に入っちゃ」
だんだん、近づいてくる、誰だろう?館長さんかな?顔が見れる範囲まで近づいた。
「いやっ、今日は休館日なんです…」
この女の子は明らかに僕より年下だ、誰なんだ?
「…あれっ?あなたはもしかして、山本…啓太、さんですか?」
「えっ?なんで僕の名前知ってるの?」
「え?あっ、まぁいろいろと、あと記憶喪失って言うの本当なんですか?」
「なんで知ってるの?」
「あっ、そうですね、じゃあ、自己紹介しますね。あたしの名前は桜木 円(さくらぎ まどか)って言います、あとですね、なぜ記憶喪失のことを知ってるのかを言いますと…、私の祖父がこの学園の創設者で学園長なんです。」
「えっ、それって、ほんと?」
「ええ、そうですよ」
なんて事だ、なぜ僕は学園長の孫娘と知り合いなんだ?やばい、こんな事が学園長にばれたら、「かわいい孫によくも手を出しよって、貴様は退学だ!!!」なんて事になりえない。
「あのぅ、大丈夫ですか?」
「いやっ、大丈夫だよ、ところで、なんで僕と知り合いなの?」
「いや、知り合いではないんですが。」
「えっ、知り合いじゃないの?」
「まあ、初めてお会いしましたし」
ふう〜、よかった〜、これで退学はないだろう。
あれ?初めてなのに僕の名前知っているんだ?
「君はなんで僕の名前を知ってるの?」
「……まぁ、ちょっと、兄が」
「兄?…そのお兄さんと僕が知り合いなのかい?」
「いやっ、違いますよ」
「じゃあ、なんで?」
「……兄と会えば解りますよ、もうすぐここに来るんです」
「…あっ、そう、じゃあ待たせて貰うよ」
けど、大学でみんなに記憶喪失なのばれてないかな?たしか、大学には記憶喪失なのは伝えてあるって母親が言ってたけど、噂なんかなってないよな?
………それから、数十分が過ぎた。
「まだなの?」
「えっ、まあもう少しで来ると思います」
「お兄さんって、どんな人?」
「……見た方が早いですよ」
「あっ、そう」
そのとき、入り口で声が聞こえた。
「お〜い円、何処にいるんだ」
「あっ、たぶん兄です、」
「なんだここにいたのか」
……なっ、なんだこの人は、服装からしてまさにオタ○じゃないか、こんな人が僕を知ってるってことは、僕はオ○クなのか?
「……おっ、君はもしかして…山本啓太君かな?」
「えっ、そうですけど」
もしかしてって言ったって事は僕のことはあまり知らないのかな?
「いや〜、会えて嬉しいよ、」
「あの〜、すいません、僕とあなたは知り合いですか?」
「…いや、ちがうよ」
「じゃあ、なんで名前と記憶喪失なの知っているんですか?」
「………ふっふっふっ、それは…私の情報に不可能はないのだよ」
「情報ってなんですか?」
「私の情報に調べられないことはないよ、君のことも、病院のデータベースに入って調べさせて貰ったよ。」
何だろうこの人は、頭が少し可笑しいんじゃないか?
「私も一つ聞きたいことがあってね、…なんで君はホームレスに関わってるのか?それが君の一番の謎だよ。」
…!なんでこいつは、僕がホームレスに関わってるかを知っているんだ?記憶喪失は調べられても、ホームレスに会ったのは昨日だぞ、なんで調べられたんだ?…こいつは僕のストーカーか?
「…ふっふっふ、驚いているようだな。解ったかい?これが私の情報だ、私の情報に不可能はないんだ!!」
確かに僕は驚いている、しかし、この情報収集力を利用しないてはないな。
「…なんだ、それだけか?あなたの情報もたいしたことはありませんね」
「なにっ!私の情報に不可能はない!!!」
「ところがどうですか?一番大事なことを忘れてませんか?」
「一番大切なこと?なんだそれは」
「おやおや、解らないんだ、一番大切な事…それは、僕がなぜホームレスに関わっているか、関わっている理由、そう、あなたはたしかにホームレス僕が関わっている、それは認めましょう、けど、それはただの事実に過ぎない、あなたは僕の本当の理由を知らない、…これがの何処が不可能がないんですか?」
「……くそっ、負けたよ」
「……ものは話なんですが」
「………?」
「あなたと僕で勝負をしましょう、あなたは僕の理由を調べる、しかし、それだけでは僕にはメリットがない、そこであなたの情報収集力を見込んで、情報をください」
「情報?」
「そうです、僕の言ったこと調べて欲しいんです」
「………ふっ、君はおもしろい男だ、この話のった、しかし、何をかけるんだ?」
「……そうですね、あなたの情報力で全国のパソコンをハッキングして、土下座新聞をばらまくっていうのはどうです?」
「…まあ、それで良いだろう」
成仏とは別の勝負をしてしまった僕、しかし、その勝負でこの情報力を手に入れたのだから安いもんだろう、しかし、この勝負、僕の勝ちは決定している、本当の理由なんか解るわけない、だって本当の理由は生きるためなのだから、そう思っていたけどこいつは本当の意味で侮れない奴だった………
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2004/01/08(Thu)07:11:11 公開 /
投稿者B
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■作者からのメッセージ
川の幽霊に関してのは終わるはずだったんですが…。
次は確実に川の幽霊に関して終わります。
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