オリジナル小説 投稿掲示板『登竜門』へようこそ! ... 創作小説投稿/小説掲示板

 誤動作・不具合に気付いた際には管理板『バグ報告スレッド』へご一報お願い致します。

 システム拡張変更予定(感想書き込みできませんが、作品探したり読むのは早いかと)。
 全作品から原稿枚数順表示や、 評価(ポイント)合計順コメント数順ができます。
 利用者の方々に支えられて開設から10年、これまでで5400件以上の作品。作品の為にもシステムメンテ等して参ります。

 縦書きビューワがNoto Serif JP対応になりました(Androidスマホ対応)。是非「[縦] 」から読んでください。by 運営者:紅堂幹人(@MikitoKudow) Facebook

-20031231 -20040229 -20040430 -20040530 -20040731
-20040930 -20041130 -20050115 -20050315 -20050430
-20050615 -20050731 -20050915 -20051115 -20060120
-20060331 -20060430 -20060630 -20061231 -20070615
-20071031 -20080130 -20080730 -20081130 -20091031
-20100301 -20100831 -20110331 -20120331 -girls_compilation
-completed_01 -completed_02 -completed_03 -completed_04 -incomp_01
-incomp_02 -現行ログ
メニュー
お知らせ・概要など
必読【利用規約】
クッキー環境設定
RSS 1.0 feed
Atom 1.0 feed
リレー小説板β
雑談掲示板
討論・管理掲示板
サポートツール

『completion of a course』 作者:ラインストーン / 未分類 未分類
全角1273文字
容量2546 bytes
原稿用紙約5.85枚
「三年ニ組三十七番、斉藤梓」

舞台の上に、私が立って、何度も練習したおじぎをする。
校長先生のつるつるした頭を見つめながら、にっこりと微笑む。

卒業証書を受け取り、振り向いて叫ぶ、「私の決意」


「高校に行っても、皆の事忘れません」

舞台から降りて、決められた座席に着いた。


中学三年生、斉藤梓。
今日、この中学を卒業する。

別に、決して会えない別れではない。
只、小学校の時とは訳が違う。

皆が皆、別々の道を進む―――

―――そう、たった今から

プロサッカー選手を目指す人、芸能界へ進む人、
今ある才能を延ばせる高校に、それぞれが進んでいく。


私も、小さい頃から夢見ていたテニス選手の憧れから、
推薦を受けていた高校に進む事を決心した。

同じ学校に進む人は、誰もいない。

大好きだった人とも、笑い合えた友達とも、優しい先生とも。


あの教室から抜け出して―――

人生を一回区切るとも言える日が、今日だ。

―――もうこの中学ともお別れかぁ…
梓がそんな事を思っていると、舞台の上に梓の親友の真樹子が立った。

真樹子とも、今日からあまり会わなくなるんだな…

と、その時卒業証書を手に取った真樹子の体が震えた。

―――え?

振り向いた真樹子の瞳からは、大粒の涙が零れ落ちていた。
いつも強気で、よっぽどの事がないと泣かない真樹子が泣いている。

ぐしゃぐしゃの顔で、真樹子が叫んだ。

「皆高校行っても元気でね!また会おうね!!」


         マタアオウネ


その一言が、ふいに梓の胸を貫いた。

あの教室の中で笑い合っている皆の光景、楽しかった毎日が
梓の脳裏に蘇ってきた。

すると、ふいに梓の使い古したブレザーの上に水滴が壊れた。

―――あれ??


梓も自分が泣いている事にしばらくの間気がつかなかった。



             
            マタアオウネ


言っていたのは真樹子だ。


梓だって、皆だって―――


いつまでもその事を心の中で思っていたんだ。


この涙は、梓だけの物じゃなかった。

今、初めて自分の心を正直に打ち明けられる気がする。


卒業

人生にとって、過ぎるしかない運命。


梓が隣を見る。
皆の瞳が、滲んでいた。

真紀子の一言が切なくて―――


けれどこれは、別れじゃないんだ。





式は終わり、各クラスでの集合写真。


「はい、行くよー。1、2、3!」

梓は最高の笑顔をカメラに向けた。
きっと、今までにないくらい―――

―――素顔の、最高に綺麗な私だったと思う。


「梓!!」

振りかえると、たくさんの友達。
「また、電話するね」

「うん」

「元気でね!!」


「うん」

うなずく度に、嬉しさで胸がいっぱいになる。

この涙は、たぶんずっと忘れない。

くしゃくしゃになったブレザーの袖を、梓は伸ばすことなくいつまでも
見つめていた。



           マタアオウネ

―――真樹子の言った言葉。

ずっと忘れられない。


    中学卒業おめでとう、私。


          皆へ

     高校行っても、元気でね。ありがとう。


2003/12/17(Wed)19:59:41 公開 / ラインストーン
■この作品の著作権はラインストーンさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
私も卒業する時泣いちゃいそうですJJ
皆さんはどうでしたか??
この作品に対する感想 - 昇順
感想記事の投稿は現在ありません。
名前 E-Mail 文章感想 簡易感想
簡易感想をラジオボタンで選択した場合、コメント欄の本文は無視され、選んだ定型文(0pt)が投稿されます。

この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
スタッフ用:
投稿者用: 編集 削除