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『メモリアル・キー *第6章』 作者:桜貝 / 未分類 未分類
全角1270.5文字
容量2541 bytes
原稿用紙約5.85枚
「私は・・・今更戻れないの」

「戻れる!帰ってきてよ!母さん・・・・!!!」

「さぁ・・・鍵を渡すのよ・・・早くして・・・・撃つわよ?」

セトが何やら周りを見渡していると思うと――――


「真、綺阿羅!此処から飛ぼう!!!!!!!!!!それしか逃げる道は無い!」


セトの掛け声と共に、二人は深くうなずいた

雷雨はますます酷くなるばかりだった・・・・・・・

―――――――――――――――――−−−−−−−−---‐---

セトは研究員を無視して、無謀ながらも、真と綺阿羅を抱きかかえて、屋上を飛んだ



その時―――



パァァン!!!!!




研究員がセトの胸を撃ち抜いた・・・・・


それでもセトは二人を抱えて、翼をめいっぱい広げ、飛んだ

屋上からの母親の声が聞こえる

「真!戻りなさい!」

その言葉を裏切り、三人は入り口に着地した


と、同時に、セトが倒れた・・・・・

「セト!?大丈夫か!?」

二人が急いで駆け寄る
しかし、セトの胸からは大量の血が・・・・・
誰もがこの状況で助かるとは思わなかった
真は自分も怪我をしているのも忘れ、セトの心配をしていた

「セト・・・・・・!?」

「真・・・・・・僕はもう無理だと思う・・・」

「そんな事言うなよ!!!」

「作られた命は、以外に脆い物なんだね。でも・・・・・」

セトの顔は生気が失せているが、かすかに微笑んでいるようにも見えた

「でも、僕を助けてくれようとか・・・・少しでも僕の事を想っていてくれたなら・・・・とても嬉し・・・・・」

「う・・・・・・ん」

真は涙して聞くしかなかった・・・・・・・

「ありがと・・・・・・」




セトの目がゆっくりと閉じる―――――

「セ・・・・・・・」
二人は目を疑った
しだいにセトの姿がかすれていく・・・・・・・・
そして見えなくなる

「何故姿が残らない・・・・・・!?」

真は訳の判らないままに、セトの死を見届けた
あまりにもあっけなく思えた・・・・

綺阿羅が真を見て答える

「この世の者じゃないからよ・・・」


すると、屋上から研究員と母親が身を乗り出して、真たちを見ている


突然、目の前に白い光が過ぎった

屋上のアンテナに大きな雷が落ちたのだ

たちまち研究所は炎に囲まれてしまう・・・・・



「母さん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


助けたいけど助けられない・・・・この無力さを惨めに想えた

綺阿羅は真に何かつぶやくと、二人は手を開き、待機した

「母さん!飛び降りるんだ!俺達が居る!早く!」


「・・・・・ッ」

母親は研究員たちを見回し、目を閉じ、下に飛び降りた



バン!!!


大きな音がしたが、何とか、二人のおかげで助かったようだ・・・・




それでも炎は終え続ける・・・・・

すると、何やら、炎の中から、研究員の声が聞こえた




「貴方はその子の元にお帰りなさい!この過ちは跡形もなくに消えるでしょう・・・・!」



その言葉と共に、研究所は完璧に炎に包まれた・・・


母親が泣いている・・・・・
その涙は何の為に流すのか、真は不思議に想った・・・・




――――――――――――最終章に続く


2003/12/15(Mon)16:30:21 公開 / 桜貝
■この作品の著作権は桜貝さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
もう少しで完結です!
セトが死んじゃって、自分でも悲しいです・・・・
最後まで頑張って書きます^^
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