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『きつねのしっぽ 第弐話』 作者:猫子 / 未分類 未分類
全角1250文字
容量2500 bytes
原稿用紙約4.2枚
「実は・・・。」
葉流は、汗を流しながらこう言った。
「最近・・・。この森の中に悪魔がいるらしいの・・・。国王は、その悪魔を、私達に退治させようとしているのかもしれないよ・・・・?」
木虎利は、体が震えて、涙目になってきた。
「やだよ・・。僕、おばけとか怖いよぉ・・・。」
「・・・。あんた・・人の話聞いてた?悪魔!!幽霊じゃなくて、あ・く・ま!」
木虎利は、ちょっと照れて笑った。
「それじゃあ・・・。外でも見に行く?ちなみにあんたはちゃんと武器とか持っていくんだよ!!」
木虎利は、しっかり武器を握って、葉流と一緒に外に出た。

しばらくたってから、風が強くなってきた。

―助けて。お願いだから助けてくれ。

木虎利と葉流は、立ち止まって、振り返った。
「ねぇ・・・木虎利・・。今誰かの声聞こえなかった?」
「うん・・・聞こえたよね?」
もう一度耳をすまして、聞いてみる。

―助けて・・。誰でもいいから助けてくれ。

「葉流・・・・?あの声って悪魔の声?」
木虎利の声は少し震えていた。
「そうっぽいね・・・」

―ああ、助けて、助けて・・・。

「葉流・・・。話しかけてみる?」
「それじゃあ、あんた、攻撃の準備しといてよ・・・。」
「う・・。ん」
葉流は目をキッとさせて、大声で叫びながら悪魔をにらんだ。
「木虎利!!早くして!!」
「うん・・。えぇいぃ!!」
木虎利が、剣を振り回して、悪魔の方に走っていくと、悪魔は、何の抵抗も
しないで木虎利の攻撃を受けた。
すると、赤い液体が出てきた。
「血・・?」
葉流がビックリして目を大きくしていると、悪魔が、葉流の方を見てこう言った

―知らない間に私は人を食べていた。そんなことはしていない。
―私は人は殺したくない。・・・。お願いだ。助けてくれ。

木虎利は手についた血を見て、30秒間固まってやっと口が動いた。
「あなたの血は何色ですか?もしかしたら自分の血かもしれませんよ。」

―私には肉体などない。闇のかたまりだ。
―こうしてお前達が私を見れるのは、私が人を食べた証拠。

葉流は急に真面目な顔になって、悪魔にこう言った。
「あなた・・自分で食べたんじゃないの?そんな嘘言ってもダメよ!」
悪魔は少し落ち込んだ感じになり、黙ってしまった。
「ほら、言い返せないんでしょ?」
葉流が木虎利に早くとどめをしろ。と目で言った。
でも木虎利は、この悪魔が嘘をついているとは思えなかった。
「・・・。わかりました。助けてあげます。」
木虎利がそう言うと、葉流は、驚いた顔をして大声で、
「何言っているの!?相手は悪魔よ!!?」
と言うと、木虎利は、鋭い目で葉流をにらんで、
「それなら、君が攻撃すればいいじゃないか・・。僕はこの人を信じるよ。
本当にやっていないんでしょ?」
木虎利が悪魔に尋ねると、悪魔は

―おお、そのとおりです。
―私は人は殺していない。信じてください。

「ほらね?」
木虎利が葉流に言うと、葉流は、仕方なくわかったわかった、とうなずいた。

             参話に続く。
2003/11/13(Thu)18:07:19 公開 / 猫子
■この作品の著作権は猫子さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
なんとなく悪魔がお気に入りです。
ちなみに悪魔は、人間を食べていない状態で攻撃すると、闇が生まれまくります。
どうでもいいけどね。
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