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『黒の大陸 W章 「疑惑」』 作者:Rue / 未分類 未分類
全角930文字
容量1860 bytes
原稿用紙約3.6枚
光慈と仁は第6居住区に駆けつけた。
すでに7、8人の兵士が、
住民の避難と救助にあたっている。
光慈は近くの兵士に聞いた。

「狂暴化した奴は何処だ!?」
「この奥だ!気をつけろ!
 何の動物かは確認できなかったが、手強いぞ!!」
「わかった!」

2人は奥へと走っていった。
両脇の壁は蜂の巣のようになっている。
それは間違いなくライフルの痕だ。

「流れ弾に気ぃつけや!」
「ああ!」

その時、
突然2人の目の前の壁が崩れた。

「大丈夫か!?」
「ああ!大丈夫や!」
「でも困ったな・・・。道が塞がったぞ。」

2人は辺りを見渡した。
すると、左手のほうに古びた扉がある。
しかし、ケーブルが絡まって開かない。

「光慈、これ使え!」

光慈は1本のナイフを受け取った。

「これは・・・、お前の親父の形見だろ?」
「あほ!形見でもなんでもナイフはナイフや!
 はよせぇ!」
「わかった!」

光慈はケーブルを切り裂いた。
古いナイフなのに良く切れる。
毎日手入れをしているようだ。
そうこうしている間に扉が開いた。

「いくぞ!」

2人が中に入ろうとしたその時、
凄まじい音とともに銃弾が飛んできた。
2人は間一髪でかわす。

「待て!俺たちは人間だ!」

しかし、轟音は鳴り止まない。

「やめろって!」
「何か様子がおかしいで・・・。
 まさか・・・!」
「奴ら・・・、感染者か!?」

一瞬、銃声がやんだ。
2人はすぐさま中に入る。

『感染者はたとえ人間であっても駆除せよ』

2人の頭の中で、
特殊自衛隊の大原則がこだまする・・・。

目の前の煙がはれていく。
その先には人のような影・・・。
2人は息をのんで銃を構える。
影の正体が徐々に明らかになっていき、
ついに姿をみせた。

「さ・・・猿!?」

そこにはライフルを握った猿が立っていた。

「なんだよ、驚かしやが・・・。」

光慈が言い切る前に、銃声が再びこだまする。
光慈の右腕を銃弾がかすった。

「あほ!油断すな!
 猿は猿でもあいつライフル持ってんねんぞ!」
「ああ、すまん。」
「傷は大丈夫か!?」
「ああ、問題ない。・・・いくぞ!」


数時間後。
2人の活躍もあり、今回の騒動はおさまった。

しかし、この後起きる悲劇を、この時誰も知らなかった・・・。

2003/11/09(Sun)23:00:03 公開 / Rue
■この作品の著作権はRueさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ども。前にも同じのをつくっているんですけど、名前が半角ですっきりしないんで、つくりなおしました。でも何故か前のが削除できないんですけどね・・・?
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