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『だから僕らは空を飛ぶ−1−』 作者:柳沢 風 / 未分類 未分類
全角1992文字
容量3984 bytes
原稿用紙約7.75枚
空を飛ぶ。
それは自分の力で地面をけって翼を広げて飛んでいくことだと私は思っている。
そう、鳥のように。
・・違うだろうか。


西暦3518年の惑星『ファリラー』。
そこには緑と生き物達に恵まれた『エフリア』と、
砂漠や岩ばかりの『ファキラス』のふたつの国があった。
このふたつの国の境界線は、天までとどくと言われるほど高い塔、『フィフス』。
この塔がなくなればこの星はなくなると言われている。
そしてこの星では『鳥』や、空を飛ぶ生き物は皆『処分』されていた。
言わば殺されたのだ。
この星では『空を飛ぶ』という考えはしてはいけなかった。
理由はわからないが。
だがこれからするのは、
『空を飛ぶこと』を夢見てこの星を変えていった、少年少女達の物語だ。







砂漠や岩ばかりの国、『ファキラス』の中の古びた一軒の家に少女は住んでいた。
少女の名まえは『アリア』。
無鉄砲で明るい少女だ。(と言っても年齢は15歳くらいだが)
その時、奥の部屋から明るい声が聞こえてきた。
「アリア、ご飯よ」
声の主は『リリア』、アリアの姉だ。
「わかった」
アリアが答えるとリリアは部屋から出てきて、
アリアが持っている物をじっと見つめる。
「ん、お姉ちゃんどうしたの?」
するとリリアはアリアの手からそれを素早くうばった。
アリアは慌てて叫ぶ。
「お姉ちゃん、返して!」
次はリリアが叫ぶ。
「これ、父さんが作った『空を飛ぶ』おもちゃでしょ、
こんな物を持っていたら父さん達みたいに殺されるわよ!」
それを聞いてアリアはうつむいて言った。
「だって・・・、だってそれは父さんと母さんの形見だもん・・・、
ふたりとも『空を飛ぶ』ことが夢だったんだもん」
それを聞いてリリアがため息をつく。
「・・・だからってあんたが持っとくことはないわ。
これはあたしが持っとくから、あんたは大丈夫よ。ね?」
アリアは少しむすっとしたが、ゆっくりとうなずいた。
だがそのときアリアは気付かなかった。
リリアが言った言葉の意味を・・・・・・。



それから何日かたったある日、
アリアはリリアから料理の仕事を任された。
なんでも今日、大事な用があって『フィフス』の塔に向かうらしい。
アリアは自分の出来るだけの料理をしてリリアを待っていた。
だが、いくらたってもリリアは帰ってこない。
アリアはだんだん不安になってきた。
『考えてみれば『フィフス』の塔なんて私達『空を飛ぶ』ことを夢見た家族にとっては、敵の家みたいなものなのかもしれない・・。』
アリアの顔が真っ青になった。
そしてゆっくり立ち上がり、ちいさいバックにわずかなお金と少しの食べ物と・・
もうひとつの形見の、小さなネックレスを入れて、
アリアは静かに、しかし速く『フィフス』の塔へと走っていった。



しばらく走った後、
アリアは突然立ち止まった。
顔を青くさせてあるひとつの方向を見つめている。
そこにいたのは、
傷だらけのリリアだった。
「お姉ちゃん!?」
アリアが駆け寄るとリリアは小さく目を開ける。
「ア・・アリア・・・・・・」
アリアは叫ぶ。
「お姉ちゃん、なんでこんなことにっ」
するとリリアは弱々しくも真剣な目でアリアを見て言った。
「アリア・・よく聞いて・・、今のままだとこの世界は滅びることになるわ」
リリアの体が冷たくなっていくのを感じながらアリアはリリアの言葉を聞いていた。
「世界が滅びる・・・・?」
「『空を飛ぶ』というのには・・、
違う意味があるの・・・」
だんだん声に元気がなくなっていく。
「違う・・・・意味?」
アリアの目に涙がたまってくる。
「自由よ・・・」
『自由・・・?』
アリアはもう声が出せなかった。
胸につまって言葉が声にならない。
「『空を飛びたい』なら・・・生きなさい。
生きて、がんばって、信念を持って・・・、『仲間』と一緒に・・・」
アリアの目から涙が溢れてきた。
リリアが違う世界に行こうとしている。
するとリリアがポケットから、小さな破片を取り出しアリアに持たせた。
私が目を丸くすると、リリアは言った。
「ゴメンネ・・・・。
お父さん達の形見・・・・、壊れちゃったよ・・・・」

それが、
リリアの最後の言葉になった。
アリアは、
リリアの亡骸をかかえながら声にならない泣き声を上げた。

空はもう暗かった。
アリアの心にはリリアの言葉が浮かんできた。

『空を飛びたいなら生きなさい。』

アリアはゆっくりと立ち上がる。

『生きて、がんばって、信念を持って。』

「・・・行こう・・・」

『仲間と一緒に。』

アリアは歩き出した。
天までとどくほどの高さの塔『フィフス』、
そしてもうひとつの緑豊かな国『エフリア』に向かって。
リリアの言った言葉を胸に。



私は、『空を飛ぶ』。
旅先の、仲間と一緒に。





これは、『空を飛ぶ』という『自由』を夢見てこの星を変えていった、
少年少女達の物語。






2003/11/09(Sun)16:06:20 公開 / 柳沢 風
■この作品の著作権は柳沢 風さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ややこしいです!意味不明です!
すいません、いつもこんなんで(汗)
話的には暗いです。他にもキャラクターはでますが。
時々短編が間に入るかも・・(前後偏とか)
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