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『小さな鳥に一輪の花』 作者:柳沢 風 / 未分類 未分類
全角1199.5文字
容量2399 bytes
原稿用紙約4.75枚
美咲は泣いていた。
顔を真っ赤にさせて、目を強くこすりながら・・・。

「ピッピが・・、ピッピが死んじゃったよう・・・」

・・・?
美咲、私はここにいるよ。
あなたの隣にいるよ・・・?

私はあなたの小鳥の『ピッピ』だよ。
小鳥屋さんで私のことを気に入ってくれて・・・、
その時から私、ずっとあなたの友達でいるって決めたのに!

・・・もしかして目が見えなくなったの?
だったら、私はずっとあなたのそばにいるよ!
そばにいて、ずっと守って、ずっと友達でいるから―・・・。

「もう、君は死んでいるよ。」
誰かに突然話し掛けられびくっとしたけど、私はすばやく前を向いた。
するとそこにいたのは、

全身黒尽くめの男だった。

「あ・・・あんた誰!?」
「私は死神です。あなたは文鳥の『ピッピ』さんですね。
あなたは今日寿命で死んだんです。
それで私はあなたの魂を回収しに来ました。
あなたも薄々気づいているでしょう。」
早口で言われたので私は呆然としていると、死神が少し笑っていった。
「なんなら、・・・一分間だけ時間をあげましょうか?」
「・・・え?」
「これ以上あの子をこのままにしておくと、あの子の『時間』は悲しみでとまってしまいます。」
「・・・」
「だからお別れのあいさつをしてあげてください。」
私は無言のまま美咲を見て言った。
「一分もいらない。」



ポト・・・。
何かが美咲の前に落ちてきた。
美咲は目を見開いた。
それは小さな一輪のガーベラだった。
『私の好きな花・・・。季節が違うのになんで・・・』
するとはっとした。
『私の好きな花を知ってるのはピッピだけ・・・、
この花、ピッピが私に・・・?』
美咲は上を向いた。
そこにピッピはいない。
あったのは、白い雲と一面の青空。
だが美咲には見えた。
静かに空を飛んでいく白い光。
美咲は叫んだ。

「ピッピ!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ねえ、死神さん」
小鳥はゆっくり訊く。
「はい?」
黒っぽい男がたずねる。
「私、いつか生まれ変わるの?」
「ええ」
男が答える。
そして、小鳥はまたゆっくり訊く。
「じゃあ私、人間になりたい」
次は男が小鳥に訊く。
「どうしてですか?」
小鳥は目を少し開けて言う。
「あの子を見てると・・・なりたいなと思ってね」
「・・・じゃあ、天国にいきますか?」
小鳥は大きく翼を広げて軽くうなずくと同時に光の中へ羽ばたいていった。
そしてだんだん小さくなっていき、最後には見えなくなった。

それを見届けると男は少しため息をつき、ポケットのケータイ電話を持ってどこかにかけはじめた。
トゥルルー、カシャッ
『はい、こちら天国魂生まれ変わり会社です!』
「死神だけど、さっきそちらに向かった小鳥の魂、
あいつの性格、少しきめていい?」
『はい、よろしいですよ。で、性格は?』
男はゆっくり答えた。

「花好きにしてくれ」
2003/11/07(Fri)17:58:50 公開 / 柳沢 風
■この作品の著作権は柳沢 風さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
意味わかんないです!すみません!
鳥の話でした!!
柳沢でした!
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