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『2nans 1day』 作者:びーびー / ショート*2 未分類
全角1110.5文字
容量2221 bytes
原稿用紙約2.95枚
 俺はリーゼ5mgを2つやって玄関を出た。履き潰したスニーカーは初めての倉庫バイトの給料で買ったお気に入りだ。爺さんの形見のjaxisの腕時計は午後7時を示しているが外は異様に明るい。明るいというかカラフルで、いつもは鬱陶しく感じる舗道の喧騒も今日は心地よかった。電車内で部下に説教かます会社員、仲間の陰口を叩く小奇麗な顔の女子高生。この世は地獄だが、ぞっとするほど美しい。
 俺はこれからインドカレー屋に行くのだ。駅前で不愛想なインド人がクーポン付きチラシを配っている。愛想の欠片もない顔だが、俺はこれが人間の本来あるべき姿だと確信している。自分が有象無象の一人であることを自覚している顔。決して他人に、そして自分自身に期待しない表情。大袈裟に思うかもしれないが、俺はそういった奴らのことが好きだ。

 店の扉を開けると抑揚のおかしな日本語でインド人店主が出迎える。店の内装は日本人の俺からすれば相当ミステリアスだ。店主はメニューをテーブルに置き、俺がディナーセットを頼むとタメ口でナンかライスか聞いてきた。俺は当然ナンを選ぶ。インドカレー屋でサフランライスを頼む奴を俺は信用しない。店主は厨房に戻っていった。
 別の店員がマトンカレーとナン、サラダ、アイスチャイを運んでくる。俺はおしぼりで手を拭き、チャイにガムシロップを入れてストローで混ぜつつ、トレーに乗った料理をまず目で堪能する。ナンは焼きたての内はカリカリしているが、覚めると柔らかくなっていき、やがて甘味が増すだろう。トレーを当たり前のようにはみ出す大きさと、香ばしい香りが食欲をそそる。マトンカレーはトマトベースのソースで、バター炒めのマトンの他には小さなブロッコリーとじゃがいもが入っている。スパイスの香りは店全体にも充満しているので、このカレーの匂いかどうかは知らない。
 ナンを一口分ちぎる。食事には右手を使うべきだが、この時ばかりは左手を使ってもいい。火傷に気を付けながら、二等辺三角形の細い角をパリパリ鳴らしながらちぎって折り、曲げてカレーを掬う。マトンや具材はスプーンで掬って載せてもいい。口に運ぶ。マトンに臭みは感じず、ほろほろと崩れてナンと混ざり合う。口に運ぶ。ブロッコリーも柔らかく、ソースを芽がうまく絡めてくれる。口に運ぶ。じゃがいもはスープ状のカレーにとろみを与えるのに一役買っている。口に運ぶ。口に運ぶ。口に運ぶ。
 カレーより先にナンが切れてしまった。俺は迷わずナンのおかわりを頼んだ。店員は少し微笑んだような気がしたが勘違いかもしれない。やっぱりインドカレーにはナンが合うのだ。ライスは合わない。間違いない。俺のjaxisの腕時計を賭けてもいい。
2017/02/14(Tue)19:46:33 公開 / びーびー
http://rakuen.jeison.biz/novel/read/?139
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始めまして、びーびーと申します。今までこちらに何か投稿しようかと思いつつ、ネット小説の正規表現ページの手厳しさに面食らって怖気づいていた臆病者ですが、今日からお世話になろうと思います。テスト投稿も兼ねて1枚程度の短い文章を掲載させていただきます。
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