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『宇宙大戦記5話』 作者:有 / 未分類 未分類
全角3038文字
容量6076 bytes
原稿用紙約9.4枚
 アレキサンダー・グリフォン。
 別名『スペース・レスラー』と異名をとるこの男は、軍隊に入る前はアマチュアレスラーとして活躍していた。

 スペースシティ・サイドBで生まれたアレキサンダー・グリフォンことアレクは宇宙移民者として初めて、地球の国際大会に出場した選手として世間の注目をあつめた。
 
 当時のレスリング強豪国である、イラン、トルコ、ブルガリア、日本、アメリカ、ドイツという国々で開かれた国際大会に出場し、タイトルを総ナメにしたとんでもない実力者だった。

 しかし、あまりにも強すぎたために各方面から妬みや反感をかい、ドーピング疑惑をかけられたり、いわれのない中傷をうけたりし、とうとう、地球国際レスリング協議会から、

「スペースシティは国連に所属していないから参加資格がなかった。よってあなたの成績は無効です」

 とされ、今までとったタイトルを剥奪された不運な過去があったのだ。
 
 失望したアレクは泣く泣く、レスリングを引退した。
 ーーーなぜ、宇宙移民者というだけで、必死にトレーニングをして、やっとつかんだ栄光を奪われなければいけないんだ。

 この時、アレクはこのムゴイ仕打ちに怒り、憎み、地球のレスリング協議会と自分を蔑んだ奴らにいつか復讐してやると誓ったといわれている。

 やがて、レスリングを諦めてアレクは軍隊に入った。
 彼と仲のいい軍関係者はアレクを兵士達のレスリング・コーチにとまねいた。
 だが、アレクはさそいを断り、現場で活躍する兵士の道を選んだのだ。

 かつて、地球で酷い目にあって傷ついた自分を励まして、応援してくれたのが、サイドBに住んでいる地元の人々であった。アレクが精神的に立ち直り復帰できたのはスペースシティの人達のおかげだ。彼は恩返しの意味もこめて、

「自分はこのスペースシティのために命をかけて、この国の人達に忠誠をちかいたいのです」

 と国民のために命をかけて戦う軍人の道を選んだのだった。

 そして、第1次宇宙大戦がはじまった。

 宇宙各地で徴兵がはじまり、多くの市民が兵隊としてかりだされ、国のために血を流した。もちろんアレクも国のために戦うつもりだったが、
 サイドBの閣僚たちはアレクをレスリングの国民的英雄として認めていたので、

「彼を戦場で見殺しにしてはいけない」

 と、アレクを他の著名人たちといっしょに安全な地球に疎開させようとした。
 だが、アレクは拒否した。

「私だけ安全な地球に逃げるわけにはいかない。私が軍に入ったのは、この時のためだったんだ!国民のために命をささげるためなんだ」

 サイドBの閣僚たちにそう言い放つと彼は、戦場へと出向いた。

 しかたがないので、政府の閣僚達はせめてもと、アレクのために特注のスーパースーツを開発させた。宇宙の最新技術を集結させた強力なスーパースーツだ。

 彼のために作られたスーパースーツは "バトレイン" と名付けられ、それは、戦車のキャノン砲にも耐えられる装甲に、宇宙最速の航空機FP009のエンジン部を改造したバーニア、10時間フル稼働を可能にしたビーム換算式の内蔵バッテリーまで装備した高性能なものだった。
 
 そして、宇宙工学技術をもって可能にしたした、パワ−・アームド・システムをスーパースーツの両腕部にとりつけた。これのおかげで、4dもの重量のものを片手でもちあげることができるようになったのだ。これはスーパースーツの大革命とまでいわれる技術であった。

 ここまで特別なスーパースーツを用意されれば、活躍できないわけがない。

 スーパースーツ "バトレイン" を装着したアレクは鬼神のごとく戦い、宇宙空間戦闘で地球連邦軍をしりぞけ、スペースシティ連合軍の勝利に貢献した。

 しかし、第1次宇宙大戦が終盤にさしかかると、スペースシティ連合軍が地球連邦軍におされて、負け戦が続くようになっていた。

(ちっくしょう、やはり、俺たちみたいな宇宙の小さい国じゃあ、大国の地球の奴らには勝てないのか……)

 そんな諦めムードがスペースシティ連合軍にただよっていた。
 そんな負けムードのなかでアレクの脳裏に自然と、レスリングのタイトルを奪われた苦い思いでがよみがえる。
 ーーーまた、地球にすべてをうばわれるのか……
 そんななか、アレクの耳に、

「地球から新たに基地から30隻の大型宇宙艦隊が打ち上げられる」

 という情報が耳に入った。
 地球に近いポイントに待機していたアレクの部隊はすぐに行動にでた。

(勝負は今しかない。もし、地球の艦隊が本隊と合流すればおしまいだ)

 地球からの艦隊が本隊に合流する前に叩かなくては、スペースシティ連合軍は勝てなくなる。アレクはスーパースーツ部隊に収集をかけた。
 しかし、ボロボロに疲弊したスーパースーツ部隊はアレクの他に15人しかいなかった。
 こんな人数じゃ30隻の艦隊に攻撃はできない、返り討ちにあうだけだ。普通はあきらめるが、アレクはそれでも出撃した。
 
 切り札があったからだ。

 それは、アレクのために開発された、重さ3d以上あるメガトン・バズーカだった。こいつの火力なら戦艦を2隻同時に撃ち落とせることができるはずだ。開発されたばかりのとんでもない兵器だった。

 しかし、あまりにも重すぎるため、使えるのがアレクしかいない、それに、いくらパワー・アームド・システムで片手で持ち上がるようになっても、こんなものを担いで高速で動き回れば体にものすごい負担になる。
 
 ーーーそんなことをすればアレクの体はすぐにバラバラになってしまうぞ。
 
 他の兵隊はアレクをとめたが、彼は数人の部下を引き連れて、地球から上がってきた連邦艦隊につっこんだのだ。

 メガトン・バズーカの威力は凄まじいものだった。予想では戦艦2隻を沈めることができる火力だったが、使ってみたら4隻も同時に一撃で落とせるものだった。

 これだけ火力が大きいとスーツを着ている人の負担が心配だったが、さすが、アレクはレスリングのタイトルを総なめにしたバケモノだ。

 彼の肉体はみごとにスーパースーツの負担にたえた。
 
 宇宙に上がった戦艦の反応が次々と消えて通信ができなかったので、21隻を打ち上げるところで、地球基地が、とうとう宇宙戦艦の打ち上げを諦めてしまった。
 
 そして、地球の基地の将兵たちは、いったい、宇宙で何が起こっているのか調べてみると、なんと!たった6人のスーパースーツ部隊によって21隻の戦艦が全滅させられたというではないか。

 そして、そのスーパースーツ部隊を指揮し、大半を打ち落としたのが、かつて、地球のレスリング強豪国でタイトルを総なめにしたレスラーだと知ると、さらに驚いてため息をもらした。

「アレキサンダー・グリフォン。彼はレスリングのタイトルを奪った地球に復讐をはたしたのだ……」

 連邦軍の高官の誰かがそうもらした。
 この一戦でアレキサンダー・グリフォンの存在は地球連邦軍にとって大きいものとなった。
 そして、この時から地球連邦軍の各部隊に「サイドBの"スペース・レスラー"とであったら気おつけろ」と速達がまわったという。
 
 地球連邦軍の全部隊がスペース・レスラーの存在をしり恐怖した。

 アレキサンダー・グリフォンはレスリングで地球の強豪国を総ナメし、スーパースーツ戦闘でも地球連邦軍にだいだげきを与えた。
2017/02/05(Sun)20:47:34 公開 /
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■作者からのメッセージ
 謎の男の正体はあの伝説のスペース・レスラーだった。いまスペース・レスラーの伝説が明かされる
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