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お久し振りです。 と言ってもおわかりにならないかと思いますが、以前お世話になっていた者です。いやあ、いつもながらの流れる様な文章に感心しながら、随分緩いお話しだなあと。しかし、私も迂闊でした、後日譚とは知らずに読んでしまいました。私はまた、少女祭の時の話やラベンダー館の話みたいのを期待してたもので。 ですが、よき文章は触れることに意義があります。今後、どの様にエンタメ昇華されるか楽しみにお待ちしてます。 | |||
RAN | |||
久しぶりの新作、さっそく読ませていただきました。大変面白かったです。 …と、平静を装ってみましたが、いや実は非常に嬉しいです。久々に新作が読めるということもそうですが、ついにあの「峰館シリーズ」(と勝手に命名)の続編じゃないですか。某雑想の予告を読んだ時から楽しみにしていました。何せ「パンダ」も「聖夜」も大好きで、特に「聖夜」はもう繰り返し読んでましたから。 いきなりハイテンション気味の出だしで、三管式プロジェクターとか往年のミュージカルとか、いつものマニアックなレトロ路線全開なのも、実に楽しいです。あんまり知らない世界でも、それでもバニラダヌキさんの文章で読んでると面白そうに思えてくるんですよね。今回は特に、3Dで浮かび上がる木馬のくだりがとてもよかったです。 これは次回以降も期待せざるを得ないです。きっと(作者様の予定を超えて)長いものになると思うので、今後しばらく楽しませていただけそうです。たとえ仕事を放りだしてでも、ぜひ完結させて下さい。 | |||
天野橋立 | |||
びっくりするくらいのお久しぶりです。何気にバニラダヌキさんの作品を初めて読むあさだです。 一昨年以来の新作……ってことは私と同じくらいの時期で一度筆が止まってたんですね。なんという偶然(笑) なんとも独特な雰囲気でとてもたのしく読むことができました。これは前作も読まねばと思いつつ山よりも重たい私の腰が持ち上がるのははたしていつのことやら。 それでは続きを期待して待ってます。 | |||
浅田明守 | |||
>RAN様 お久しぶり……って、誰だったかなあ。確かどこかで会ったような気がするんだがなあ。まあいいや。あちらから挨拶してくれたんだから、きっとどこかで会ってる人なんだよな。ここはきっちり、明るく大声で――「お久しぶりで〜っす!!」 ……しかし俺も我ながらあざとい狸だよなあ。 えーと、独り言の部分は気にしないでくださいね。 少女物、館物――ちょっと見、今回の系統は違って見えますが、実は狸の化ける話は、どれもこれも全部おんなしです。本狸が言うんですから間違いありません。でも「おんなしじゃやだ」という御意見もあろうかと思われ、必死に別物のふりをしているだけです。ですから、なにとぞ最後までおつきあいください。なお、「おんなしじゃなきゃやだ」と思っておられる場合は……やっぱり最後までおつきあいください。裏も表も同じ紙です。 >天野橋立様 もうお気づきでしょうが、「……茂美ちゃんって、もう高校生くらいじゃないの?」などと首をかしげられる方は、前作の感想をいただいた時期から考えれば、もう天野様くらいではないかと思われます。しかし、それだけに、この話は天野様のご愛顧によって誕生したのかもしれません。だから最後まで男らしくセキニンとってよね、見捨てちゃイヤよ、ウフ、と。 >浅田明守様 おひさしぶりです……って、なんか久々の同窓会会場になってるみたいですね、この感想欄は。 えーと、上のメッセージに記したように、前作を読んでいただかなくとも今回の話はOKですが、これまた上のメッセージから察せられるように、狸の辞書に『節操』という文字はありません。妙なものが夢に出てきたりする前に、読むのが吉かもしれません。今回の話が終わってからでも小吉です。 いずれにせよ、狸の辞書の関係で、今回これっきりだと大凶なのは確実です。散歩中、凶悪な狸に鼻を嘗められたりします。途中で期待できなくなっても、読み続けるのが大吉。 ……おみくじって、精神的なカツアゲですよね。 | |||
バニラダヌキ | |||
ほんとだ。同窓会みたい。 ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますでしょうか。 バニラダヌキさんのお名前に反応して読ませていただきましたが、懐かしい登場人物が出てきてほっこり。茂くん元気そうでよかったです。でもそっか、もう中学生のパパなんですね。 主軸の女の子(になるのかはわかりませんけど)が、みきちゃんみたいなタイプなのって、バニラダヌキさんの作品としてはとても珍しいように思いました。レトロなものに疎く、わりとクールな現代っ子風なのが新鮮です。でも鰻を御馳走しちゃう辺りが中学生の女の子とは思えず心憎い。このくらいの歳の子なら、相手の好物より、自分の好物御馳走したくなっちゃうでしょうに。心の声ではクールな割りに、ちゃんとパパにも御馳走しちゃうところが可愛いですよね。いいこいいこしてあげたくなっちゃう。 パンダの頃、優美ちゃんのキャラクターを今一つ掴めず、一貫した少女としてリアリティをどうしても感じられなかったのですが(ごめんなさい)、美紀ちゃんはすんなりイメージが沸いて、さっくり好感を抱けました。……同年代じゃなくなったから? いや、でも優美ちゃんは、昨日もう一回読んできたけどやっぱり仲良くなれなかったし……。 まだ導入部、茂くんの話は9割方理解しておりませんが、これから面白くなっていきそうで楽しみです。 久しぶりに感想を書かせていただいたので、あんまり感想らしいことも言えずごめんなさい。というかそれは以前からですね。すみません。 続きをひっそりこっそり物陰に隠れてお待ちしておりますね。 そうそう。 「泰蔵は豊齢線が揺れるほど、」のところ、諸説あるようですが、今のところ、豊齢線は法令線、もしくはほうれい線と表記するのが正しいようです。法令紋からきているそうなので。 それと、法令線は刻まれたり、深くなるものであっても、揺れるものではありません。法令線とはあくまでも口と頬の境の線です。 ただ、正しいもなにも法令線って言葉自体、正しい日本語の仲間には入れてもらえてないみたいですけど。ここで敢えて使う必要のない言葉なんじゃないかな、とは思います。 重箱の隅をつつくようで申し訳ないのですけど、気になってしまいました。ご確認頂ければ。 | |||
夢幻花 彩 | |||
うわあ、彩様、ご無沙汰しましたお久しぶりです。 そりゃ狸が投稿するのが久しぶりですから、皆様もお久しぶりなのは当然なんですが、いや本当に嬉しいものですお久しぶりは。 美紀ちゃんを気に入っていただけたようで、それも嬉しい。美紀ちゃんは、まあちょっと今様にトンガってますけど実は両親の躾がけっこう染みついておりまして、人前であぐらをかくのを(たとえジャージやパンツルックでも)無意識のうちに慎んでしまうような今どき珍しい娘さんです。でも今後、お行儀良く正座しながらけっこうトンデモに走ったりするフシギちゃんであることが判明したりもするので、どうか最後まで見捨てないでやってください。 茂が若かりし日の優美ちゃんに関しましては――はい、実は、語り部である狸自身も、実在感の薄い、違和感のある、なんかよくわからん子だなあと思っていたりします。かつてあの物語にノってくださった読者の皆様のうち、萌えキャラ好き(ビジュアル方向だけは狸もしっかり語りましたから)の男衆すら、何人かはそう感じていらっしゃるのではないでしょうか。でも、いいんです。優美ちゃんは、茂だけの原女性=アニマですから。『雪女』のお雪や『夕鶴』のおつうみたいなもんですね。でもお雪やおつうのような、巳之吉や与ひょうにとってのみならず語り部や聞き手にとってもアニマでもあるかのような象徴的存在ではない、あくまで茂専用アニマです。あんがい端から見れば、なんだかなこの子、そんな感じなのかもしれません。 で、豊齢線に関しましては――す、すみません。なーんも深く考えないで打ってました。……そうだよ。アレは狸が単にテレビのなんかエステ関係みたいなコーナーで聞き囓っただけで、そんなレベルだから、狸といっしょに聞きかじっただけの美紀ちゃんにとっては『ホーレー線』で、それを第三者視点で打つためにネット検索したら正式な漢字表記は決まってないらしいので加齢を思わせる『豊齢線』を使っただけなんですが――今、自分のメタボな老狸顔を台所の鏡で見てきたら、あはははは、確かにそれ自体揺れるもんじゃないわこれ。 ……こっそり直しとこう。……ポチ、ポチ、ポチ、と。……よし直った。 で――え? 豊齢線? 彩様、それなんの話ですかあ? ……恥を知れ狸。 | |||
バニラダヌキ | |||
初めまして、作品を読ませていただきました。と初見の人間のように言いましたが、実はバニラダヌキ様の作品は以前からこっそり読ませていただいていました。だからこう言った方が良いかもしれません――初めて感想を書かせていただきます、ピンク色伯爵です。 読みながら、何とも言えぬ濃厚な空気が頭の中へ流れ込んでくるのを感じました。作中に出てくる小道具が僕にとって見慣れないものばかりというのもありますが、それよりも登場人物に独特の灰汁があり、彼らの言動が主にこの不思議な空気感を醸し出しているのかなとキーボードを叩く指を一際遅くしながら理由を探しています。美紀ちゃんは鰻をごちそうするのね。茂はすごく喜んでいましたが、僕は鰻で喜ぶという感覚がなくて、それより蕎麦が良かったなと(ただの好みの問題)。我ながら贅沢な話です。 鰻や空気感に圧倒される一方で、地下にAVルームを作ってそこでプロジェクターを使って上映会をするという行為には懐かしさを覚えました。僕の父も地下に部屋を作り、そこで何やらごそごそするのが好きでした。作中のようなAVルームではなく、巨大な温室設備で、そこで蘭を大量に育てていました。ナウシカの世界ですね。地下というのはおじさんの夢とロマンと心の贅肉がたくさん詰まった秘密の帝国なのです。かく言う僕もある種の憧憬のようなものを持っています。 まだプロローグ部分であるとのこと、今後の展開を楽しみにしつつ、次回更新をお待ちしています。 ところで、美紀ちゃんは『かわいろっぽい』くらいにはなるのでしょうか。ええ、僕としては『かわいやらしい』くらいが上品で素晴らしいと思うのですが、未来形である『かわいんらん』もストライクゾーンです。 本文に中二病という言葉が出てきましたが、ちょうど法律家の使う『悪意』と一般の方の使う悪意とに違いがあるように、ラノベを書いている人間の『中二病』って違うのだと思います。 ラノベ作家の榊一郎曰く『中二病とはかわいい女の子といちゃいちゃすることだ』そうです。僕もまさにその通りだと思っていまして、ラノベを書く人間とは皆『中二病』でできている大きな子供なのだろうと考えています(すごく失礼)。 | |||
ピンク色伯爵 | |||
うわ、また自発的にアブレて徹夜しちゃったよ、死ぬんじゃねーか俺。でも残りのG・Wは連チャン夜勤コミだから無問題。うん、食える。 ……すみません。独り言です。アルツ初期の爺いは独り言が増えます。忘れてやってください伯爵様。 美味しそうな色をしていらっしゃいますね伯爵様。しかし下僕タイプの狸も、美味しそうな色では負けないぞ。 自分では久々の創作物なので、薄いんじゃないか薄いんじゃないかと心配していたのですが、伯爵様の高貴な舌には、ちゃんと濃かったようでなによりです。 ならば、その高貴な舌で鰻を蕎麦以上に味わっていただくには――うん、柴又の『宮川』かな。間違っても築地の『宮川』には行かないでくださいね。あそこはもう量産量販チェーン企業になっちゃってますから。柴又のちっこい『宮川』は、親爺さんがひとりで焼いてる、鰻嫌いの人もなぜかリピートしてしまうという徹底的に脂を落とした上品な薄味で、独特ゆえにヘビーな鰻好きには人気薄だが――だから鰻の掲示板じゃないだろうここは。だいたい、ここ十年以上行ってないくせに金なくて。 そして、地下には歴史あり怨霊あり。現代に疲れた多くの男たちは無意識の内にその隠微な誘いに惹かれ地下深くこもる。しかしそれがやがては風水くんちの地脈ちゃんをいろいろとナニしてしまい、怨霊と化した平将門青年や崇徳院御大や菅原さんちの道真先生が徒党を組んで現代の政界や財界に――すみません。そーゆー話にもなりません。 ズバリ、美紀ちゃんは、『かわ「い」』系統を逸脱した存在です。『かわ「お」』系です。『かわおかしい』『かわおもしろい』『かわおいおい』、そんな感じでしょうか。いちゃいちゃなどは超越してしまっているのです。すげえぜ、たかちゃん系。……たかちゃんって誰や。 しかし『中二病』って、なんかいろいろ適当に解釈されまくってますが、そんな単語も『おたく』などという単語もまだ存在せず、かろうじて『サブカル』だけがあった昭和四十年代、「えーい俺はこーゆー世俗的な大人になるための偽善や懊悩を振り切って今の十四歳の精神年齢を一生維持するんだ」と決意し図書館や映画館にこもる一方で、当時はまだ世間的に無名だった高畑先生&宮崎先生のパンコパやハイジに惑溺、そのまんま半世紀以上生きてしまったかに見える狸でも、実はさすがに高校生あたりになると「いや十四歳の精神年齢を固持していたんでは生涯リアル女子といちゃいちゃできずに終わってしまう」と陰でこっそり『偽善』の階梯に歩を進め、その甲斐あってようやくハタチ過ぎに実在女子といちゃいちゃできました。しかしその相手が実年齢では2コ下なのに身長145、着衣状態ではJCそれも低学年にしか見えなかったってどうよ。これやっぱり『中二病』でしょうか。胸を張って「中二病です!」と言っていいんでしょうか。やっぱりただの『ろり野郎』になってしまったのでしょうか。それとも時代が変わったんでしょうか。 でも今は熟女だってしっかりOKだったりしますし……ただのオヤジになってしまったのでしょうか。……まあいいや。マザコンの『中二病』も、あるらしいしな | |||
バニラダヌキ | |||
続きが更新されているのを見つけて飛びつくように読ませていただきました。 今回更新分を読んで、美紀ちゃんに路傍の石のように扱われたいと思ってしまうのは僕だけなのでしょうか。優太君にシンクロしていたと言いますか、小学校の頃の淡い思い出がよみがえってくると言いますか……、『すれ違っている感』がとてもコミカルに描かれていて、終始顔からニヤニヤが取れませんでした。そうなんですよね、男の子は女の子を意識するけど、相手は毛ほども思っていないという残酷な世界の真理。僕の初恋の相手は林間学校の時、他校イケメン君に盗られてしまいました。思えば僕が寝取られ大好きという人外の境地に足を踏み入れたのもこの時が最初だったのかもしれません。それにしても、幽霊にまで「影が薄い」と言われる優太君憐れなり(笑)。 回転木馬についてもお話が進んできて、続きが気になる展開です。安易に話の先を予想するなど無粋なことはせず、バニラダヌキ様の心地よい文章に身を任せ、この若干ミステリーになってきた空気を骨の髄まで楽しみたいと思っています! 『中二病』や『時代』の話は、オスカー・ワイルドが言うようにモラルかインモラルかという話と同じくらい本来は必要ないものだったとも心の奥底でこっそりと考えています。しかし、敢えて言うなら、僕はそれら全てを研究によって創造することが可能だと信じています! どのような物語もミクロな視点で考えればひらがなとカタカナと漢字の組み合わせ。できないはずはないです! ――また、新しいものが良いというのもナンセンスな話で、最近は自分がかつて信じていたものにわずかな嫌悪感を覚え始めております。何が言いたいかと言うと、つまり僕は駄目なアマチュア軽小説物書きだということです(笑)。 ラノベばかり読んでいる僕にもとても面白かったです。バニラダヌキ様の軽快で濃厚な筆遣いに感動しつつ、学んでいきながら、次回更新をお待ちしています。ピンク色伯爵でした。 | |||
ピンク色伯爵 | |||
なんと、思い人をイケメンごときに盗られるとは――伯爵様、日本男児として恥を知りなさい恥を。狸なんか、顔で負けたことなど一度もない。学歴や男気で負けただけだ。……すみません。恥を知らないのは狸かもしれません。 ふと思い起こせば、狸が化ける話には、けっこう寝取られ要素が含まれることもあり、それは過去の虎や馬に蹴倒された結果なのだろうなあ。でも、この峰館シリーズだけは寝取らせないぜ、ラブだぜラブ。などと言いつつ、ここまで影が薄いと逆転への道は遠いぜ優太。 なにはともあれ、中二病だろうが大人だろうが清純だろうがインモラルだろうが古色蒼然だろうが軽佻浮薄だろうがラノベだろうがヘヴィノベ(なんだそれは)だろうが、己が言霊をもって相手を組み伏せることができれば立派な文学。騙し通せれば立派な真実。あとで「……しまったオレオレ詐欺だった」と後悔させるようなハンパな詐欺師ではなく、あとで大ウソがバレても「いいえ、あの人は確かに結婚詐欺師だったかもしれないけれど、あたしへの愛だけは真実だったのよ」とシヤワセな余韻を残す、そんな詐欺師めざして頑張りたいものです。 | |||
バニラダヌキ | |||
うおー面白い!! とついつい読みふけってしまいました。お久しぶりです、と言っても長い間失踪していたので覚えてらっしゃらないかもしれませんが、みずうみゆうです。 なんて味のある地の文なのでしょう。地の文を噛めば噛むほど味が濃くなっていく、そんな感覚に陥りました。登場人物も一人一人必ず頭に残るような、そんな魅力に溢れており、謎の多い展開も相まって、今の僕の気持ちを一言で言うならば「はっ、早く続きを!」という感じです(笑 優太くんの動向が気になります。こういう子大好きなんです。報われて欲しいなあ。でもいつまでもそういうのが下手な子でいてほしいなあ。彼と優作くんとの絡みが面白くてもっと見ていたいけど、背景を鑑みるとどこか切なくて、その絶妙なバランスがまた物語への吸引力になってる気がします。 ともかく、すごく面白かったです! 次回更新を楽しみに待っております! | |||
湖悠 | |||
思えば前回のラストは、正直なところ何が起こっているのかいまいち把握できておらず、しかしとにかくシリーズの新しいのが読めて嬉しいぜだけで大喜びしていたわけですが…。 うーむ、これは面白い。美紀ちゃんと優太の青春ぶりもとてもいい。こりゃ感情移入しながら読んでしまいますね。なんだかんだ言って、優太君結構頑張ってるじゃないですか。もっとも、優作が姿を現したのには、さすがに驚きました。家族の思い出の中に生きている、どころか一緒に遊んでるし。 前回も思いましたが、幻燈回転木馬の描写がやっぱり素晴らしいと思います。特に、今回の内側に入ったあたりの文章は、見事なものだと思いました。こういうものを読むと思うのですが、いかに素晴らしい幻想的なイメージが浮かんだとしても、それを文章にて実体化するだけの力が伴わなければ、小説は成立しないのですよね。ここは僕自身が課題としているところでもありまして、やはりツールとしての文章力・技術力というのは必須ですね。 しかしこれは、ここからいくらでも面白くできそうな展開。心から期待して、お待ちしております。 | |||
天野橋立 | |||
>湖悠様 ああ、よかった。ちゃんと面白がっていただけたんだ。 いえ、ほんとに久しぶりの創作再開で、かなり心配だったものですから。 現在、続きの回の四半分くらいまで進んでいるのですが、いまだに「……他の方が読んでも面白いかなあ、これ」状態でして。自分では、当然、面白いからこそ打ち続けているわけですが。 優太君は、大丈夫です。対女子工作の上手下手なんぞにかかわらず、報われます。狸の脳内創作予定ファイルに、主役や準主役が報われないで終わる長編はありません。主役や準主役をイジメるのは、短編や中編だけにしております。 さあて、次回分でも、さっそくたっぷり報われるように――嘘です。報われるのは、やっぱり刻苦の末の大フィナーレ、そんな昭和レトロな王道ですね。 >天野橋立様 プロローグ、なんか中途半端に終わらせてすみません。よっくと考えてみれば、ストーリー進行における『始まり始まり』の部分は、ほんのラスト部分だけですもんね。でもまあ、そこに耐えていただけた読者だけが最後にたどり着ける狸の国、そんな分福茶釜の綱渡り、まあ最後の最後で落っこちたら笑ってごまかしますので許してください。 優作、いやほんとによく出てきたもんですねえ。話を打ち進めながら、こいつほんとに出てくるのか出てこないのか、などと作者自身も首をひねっていた奴なんですが、正直、これから具体的にどう話に加わって行くのか、作者自身にも判然としません。でもまあ、ついに勝手に出てきたからには、当人もなんかいろいろやってくれるつもりなんだろうなあ、と、もはや作者自身、楽しみにするしかありません。ぶっちゃけ、画策された長編を型通りにしないためのアドリブ担当、そんな感じですね。作者自身が涙を呑んでステージから蹴り落とすような流れにならないことを、祈るばかりです。 木馬の内側に関しましては、なんか過大に評価して頂いてしまって――てへっ。……そんだけかい。まあ、とにかくキャラを動かすのではなくキャラに動いてもらいキャラに見てもらいそれを作者が追いかけ必要に応じて解説し結果読者も行動を共にする、そんなのが長編の楽しみと信じる狸なので、これからも、せいぜい描写には手を抜くまいと思います。などといいつつ、あの『野薔薇姫』第一稿のラストあたりでは、作者自身が「あーもうお前ら何もしないでいい。そのまんまそこで一生ほのぼのやっててくれよお願いだから」な精神状態になってしまい、ついつい他人事のような描写になってしったところを、天野様はじめ皆様のご指摘のおかげで、心を入れ替え補填できました。今回も、そこいらはズコズコとツッコんでいただければ幸甚です。 | |||
バニラダヌキ | |||
出遅れちゃった。 続きを読ませて頂きました。 カルーセルの描写、わたしも好きです。軽妙な文章の中にあるから余計際立つのかも。個人的には、茉莉花館みたいな純文らしい運びのバニラダヌキさんのが好きなんですが、メリハリが利いてる感じ。 美樹ちゃんはやんちゃで素直でナチュラルでとっても魅力的です。でも優作くんが美樹ちゃんには見えなくて本当によかったですよね。優太くん危ないところだった。モテないタイプだとは思わないけど中学生で、美樹ちゃんみたいな子だったら、優作くんの方にどうしたって目がいくもの。 目立たないタイプの男の子は、一度認識されてしまえばこっちのものです。頑張れ! 優美ちゃん。 あの、何て言えば良いんでしょう。バニラダヌキさんの作品のヒロインてキャラクター性とか所謂設定というか、そういうものが浮世離れしていてもすごく現実感というか、存在として説得力があるんですよね。たかちゃんたちとか。だからファンタジーでファンタジーを見せられるのではなく、ファンタジーでしか描けない現実や、生身じゃないからこその現実の人間に逢えるような感じがすることがあるんです。勝手なわたしの感想なのですけど。 そこからいくと、優美ちゃんはバニラダヌキさんのヒロインらしからぬというか、行動と人間性に説得力を感じなかったんですよね。ストレートに申し上げますとカワイイいい子な姿ばっかりこれでもかこれでもかと、ところどころギャップをとりいれながら見せつける姿に、「いやーこの子絶対狙ってやってるよね」っていう、醜い反感を覚えました。美樹ちゃんのソックスは素直にとっても可愛いけど、そうなると優美ちゃんはケータイストラップのキティちゃんすらあざとく感じてしまいました(笑) お気を悪くしないでほしいんですけど女先生たちと同類に見えるというか、ハンター優美ちゃんが計算しつくした罠を使って茂くんパンダをハントするように見えるというか……。いや、それはそれで好きだからこそすることだし、茂くんが現在に至るまで幸せそうだから勿論いいんですけど。たぶんほんとにわたしが感じた優美ちゃん像がとんでもない間違いで、可愛い良い子なんだろうし。他の方はこんなこと言ってなかっただろうから、優美ちゃんを歪めてるわたしが歪んでいるだけなんだと思います……すみません。 ただ、もし彼女が優子ちゃんのような女の子ではなく、普通の、茂くんのためだけのアニマなら。 それでも良いけれど(聖夜で、枕崎くんの奥さんとか、描写は少ないのに綺麗だけど目立たない女性で、でも枕崎くんにとっては誰よりも素晴らしい女性に見えることとかひしひしと伝わりますし)、それならそれで第三者視点から見た優美ちゃんの別の見方(可愛くないとかじゃなく、茂くんが好きすぎて健気にアピールしてるのがわかるような視点とかでも)が、あれば優美ちゃんの存在に説得力がかなり増すんじゃないかなあと。 それこそ茂くんが現実の男友達で、直接茂くんに聞いた話とかなら敢えて水差そうとは思いませんけど、小説なので。 ……ほんとにほんとにすみません。しかも別作品のヒロインのことはここでいうことじゃない気がしてきました。ただ、当時は優美ちゃんに感じた違和感をこういう風に言語化出来なかったような気がしたので。 今更なに言ってるのかな、頭も性格も悪いんだな、ってまるごと全部聞き流して頂けると嬉しいです。 半分以上優美ちゃんのことで生意気を申してしまいました。ごめんなさい。バニラダヌキさんの作品じゃなかったらスルーできるんですけど。 回転木馬。次から物語が動き出しそうなので、楽しみにしております。長々変な感想で失礼致しました。 | |||
夢幻花 彩 | |||
いえいえ、彩様は、ちっとも出遅れていらっしゃいません。なんとなれば、ガンガン話の続きを出し進めるべき作者が、次の回でもなかなか話を激動させることができず、キャラたちと遊んでばっかりです。どうか彩様も、のんびり足踏みするくらいのペースで、でも最後までついてきてくれると嬉しいな、と。 あっちの優美ちゃんに関しましては――実は前回のご感想へのお返しに記したことがすべてなんですが、今回の『それこそ茂くんが現実の男友達で、直接茂くんに聞いた話とかなら敢えて水差そうとは思いませんけど』あたりで、ちょっと感動していたりもします。それはたぶん、むしろ彩様が茂を現実の男友達とほぼ同等に感じてくれてヤキモキしてくれている証拠なのではないか、と、作者として自画自賛的に、えっへん。 いずれにせよ、あの物語の中での優美は、クライマックスに至る以前は、徹頭徹尾、茂の視点でしか描かれません。まあ、おたくたちのビジュアル評価や、茂の母ちゃんとか内田先輩とか、年長者の甘い視点もあるにはありますが、それもまた茂の耳目を通した事象でしかありません。優美の内面は、あのクライマックスで初めて吐露した内心、それだけです。無責任なようですが、たとえば優美の同年輩の同性キャラを出したりして客観化するとか、あるいは要所要所で優美自身に内面を語らせたりして主観化する意思が、狸には最初からなかったと思ってやってください。すみません。 まあ、男なんてもんは少年から老人まで通してしょーもないイキモノでして、ブリっ子に弱いんです。それが狡猾なブリっ子であれ、天然のブリっ子であれ。 で、こっちの話の美紀ちゃんは――美紀ちゃんどころか登場する人々の多くが、外から内から自己主張しまくって、作者の狸すら、いらんことまで無制限に語ったりします。『聖夜』の最終話の形式を引き継ぐ世界観ですね。それにしちゃあ年代とか年齢とかいいかげんなのは、狸のことゆえ御愛敬。 いいんだもう。峰館の人々も狸も彩様も他の読者の方々も、元気で生きていればオールOK。ストーリーなんか、進まなくともいいんだ。 ……いくないような気もするので、そろそろ激動させないとなあ、とは思っているのですが……ここは歌ってごまかそう。 ♪ ぼ〜っくらっはみんな〜〜い〜っきてっいっる〜〜〜〜 いっき〜ているからうたうんだ〜〜〜〜 ♪ はい、ご一緒に。 ♪ ぼ〜っくらっはみんな〜〜い〜っきてっいっる〜〜〜〜 ♪ | |||
バニラダヌキ | |||
続きを読ませていただきました。みずうみゆうです。 ほんと面白いなぁ〜。と読み進めていたらあっという間に読み終えてしまいました。うむむむむ。 前回も言いましたが、キャラが生き生きしていて、誰かが何かをしゃべったり行動するだけで面白いんですよね。これ、僕にとってはとてもうらやましく、そしていざ自分で書くとなると難しいものです。勉強させていただきます。 はてさて、我らが(?)男子代表優太くんの活躍で話が動きましたね。なんでだろう、彼が活躍すると心から嬉しい、というかストーキングしてる時でさえ「な、なんでそんなことを……でも気持ちは分かる! 頑張れ、頑張れ男の子!」と心からエールを送っている僕は一体……。美紀にそこまで嫌がられてないのを見て僕まで安心してしまいましたとも。優作もこんな気持ちで彼を眺めているのかな……。 木馬に関する謎という本筋も気になることながら、優太くんの活躍をひとえに願いつつ、次回も楽しみにしております! | |||
湖悠 | |||
『うむむむむ』んとこが、実は『あっという間に読み進めちゃったけど、ストーリー自体はほんのちょっとしか進んでないんだよなあ、うむむむむ』だったりしないことを、小心な狸としては祈るばかりです。 でもまあ、湖悠様に面白がっていただけたのなら、ひと安心! 安心ついでに増長して、今後ももうストーリーなんか気にしないで、みんなに勝手にしゃべったり行動してもらったりして――ウソです。次回あたり、きっと大激動します。いや、するはず……するかなあ……するかもしれません。 で、ストーリーそのものはちょっとこっちに置いといて、日常的会話や日常的行動をどうやって面白くするか――これはアレですね。って、どれだ。落語。それも名人芸の落語。狸の場合、ユーモラスな脱力系として、先代の金原亭馬生師匠を範としております。シリアスに語るなら、やっぱり円生師匠あたりでしょうか。古いねどうも。 そして優太君、彼に関しましては、最後まで期待してやってください。やってることはストーカー同様でも、あくまで自分ではなく美紀ちゃんを思ってのストーキングですもんね。美紀ちゃん僕は君のためなら死ねる、そんな度胸も覚悟もまだありませんが、自分よりは美紀ちゃんのほうが人としてひゃくまん倍も貴重である、その程度の自覚は、すでにある優太です。こーゆー奴が、うっかり他人のために死んじゃったりするわけですね。どうか、いつかは届くそのクライマックス、優太の壮絶な死にっぷりを楽しみに……ウソです。死にません。 | |||
バニラダヌキ | |||
いよいよオールスターキャストになってきましたね。あの島本まで出てくるとは思いませんでした。 この分だと、あの天ぷらでアパートを全焼させた奥さんとかも登場するのでしょうか。 さて、今回のお話ですが、これももう僕の好みにぴったりというか、「廃なんたら」大好きな僕としては大喜びで読んでしまいました。つい最近も、「廃競馬場」を徹底調査してるサイトにはまりまして、住宅地の地形などにその姿がはっきりと残ってたりするのを見てこりゃ現地行ってみようかとか(奈良のがわかりやすい)色々思ったりしてました。巨大施設の痕跡が「実はここに」みたいなの、わくわくしますね。 件の物件のモデルについても、確かあちらの日記で知って調べたことがあって、実際航空写真の比較などが載ってるサイトも見た記憶がありますが、なのにこの展開には「おおっ、そうだったのか」と素直に感動してしまいました。いや、好きな小説読んでる時は、あんまり先読みしたりしないで、そのまんま流されるような読み方したほうが楽しいですね。 喜んでばかりでもあれなので、敢えて言うと今回はその謎についてが語り始められるまでが(優太と茂がおのおの島本のところにやってきて、というところまで)若干いつもに比べてまどろっこしい感じもしました。ただ、僕はシリーズ物として読んでいて、各人物の背景もある程度分かっているのでそう思った可能性もあります。この作品は独立したものとして、初めて読まれる方にも楽しんで欲しいと僕も願っているので、そうなると必要な情報はやはり入れておかなければならないでしょうしね。 ともかく、誰があれを回しているのか、次回を心から楽しみにしています。 | |||
天野橋立 | |||
天野様、こんばんは。 やっぱりひとりは本職の調査関係っぽい奴」がいないと話が進まない、そんなこんなで、島本再登場です。もともと愛着のあるキャラでもあったし、ちゃんとフローラさんをGETできたことも語っておきたかったし。でも、しんきちさん&まゆみさん夫婦は、さすがに出番がないかもしれません。 廃墟――いいですよねえ。日頃からアルツ老人のごとく巷を徘徊するのが好きな狸も、良さげな廃屋なんぞを見かけると、つい忍びこみたくなって何回も周りを巡ったりします。余談になりますが、この話を打ち始める前に画策していた別の企画には、もっと壮絶な町ぐるみの廃墟が絡んでいたりするのですが、軍艦島ではないので大丈夫。……何が大丈夫なんでしょうねえ。 で、あのあたりの『まどろっこしい』感じは、狸も重々悟っていたりして、子供たちが島本の部屋に着いたらもう茂もいた、そんな趣向でトントンと話を進めようかとも思ったんですが、そうすると、過去の茂&島本&山福家のしがらみが1シーンの中で多重錯綜して、なんかもっとぐちゃぐちゃになってしまいそうなのでした。まあ、そうした過去のしがらみなどは、「俺の読者なら当然知ってるはず、いちいち書かなくても自分で想像してくれるはず」と、狸の敬愛する高橋克彦先生の大長編連作みたいに、ガンガンとばしてストーリーを転がせればいいのでしょうが、さすがに一介の狸には、畏れ多くて真似ができず……。 ともあれ、主要登場人物は今回あたりで出きったので、次回からガンガンとストーリーを進め……られるかなあ。 ついつい本筋の外で遊びたがっちゃうんですよねえ、話の中のみんなも、狸自身も。 | |||
バニラダヌキ | |||
あぁそうですよねえ、わたしだって化けて出るならファンデーションを塗りたくった現在の姿じゃなくて、まだ年齢が一桁だった、目の下にクマさんが出現する以前の姿か、花も恥じらうティーンエイジャーの姿希望。しかも記憶を都合よく改竄してるだろうから、実物の三割増しくらい見栄えよくして……そっちに共感してちゃだめですね。 優作くんがちゃんと外見的にも年齢を重ねられるのは、優太くんがいるからかな、とか考えてたので、つい。 前回ぶんも拝読しておりましたが、感想を書くのが遅く間に合いませんでしたので、一緒に。最初に拝読した時も、わたしはちっとも気になりませんでしたが、改稿されて更に読みやすく流れているように感じました。 物語としても相変わらず面白くて、木馬が突然現れた訳ではなく、回り続けていたものがただ見えるようになっただけだというのもドキドキしたし、寂しげに回り続ける少女が本物の少女ではないということも、納得したりちょっと安心したりして。ほんとに無垢な子供が、お母さんのところに行けるでもなくずっと一人ぼっちで木馬から離れられなくなって、誰の声も届かないとしたら可哀想ですものね。 挨拶も返せない上に、追いかけてるの見つかって絶望する優太くんも、カルーセル少女にお供えしたくなったり泣いちゃったり、でもそんな自分を恥ずかしがったりする美樹ちゃんもとっても可愛かったです。 バニラダヌキさんの作品に出てくる子供達って、みんなほんとに心配になるくらい素直ないい子ですよねえ……。 木馬のお姉さんも見た目が恐ろしげなだけで、ほんとはそんなに恐ろしく無いんじゃないかな、という気もしたり。 そうそう、前回の感想で申し上げた優美ちゃんのことについて。長々と大変失礼なことを申し上げたのに、丁寧なお返事ありがとうございました。 「茂くんが語る」優美ちゃんとして読み直させて頂いて、ようやく、おっしゃることがどうにか理解出来たような気がしております。 そもそも茂くんフィルター越しなんだから、優美ちゃんは生身じゃなかったんですね。仲良くなれないのは仕方ないのかも。 こっちの生身の子供たちはとっても可愛いので(わたしより年下なのに全員やたら昭和っぽいけど)、木馬は止まるのか消えるのかまた見えなくなるのか成仏するのか解りませんが、とにかく続きを楽しみにお待ちしております。 最後にひとつだけ、「 座布団、それともクッション希望」に引っ掛かりました。何かわたしが存じ上げないだけの言い回しだったら恥ずかしいんですけど、普通は「それか」「または」「もしくは」「或いは」の方がいいんじゃないかしらと思ったので。 続きは楽しみですが、ご無理はなさらないようにしてくださいね。お天気が優れませんが、どうかご体調など崩されませんように。 | |||
夢幻花 彩 | |||
こんな面白いことになってんのに、読まないともったいないよ、みんな。 ……と、思わず感想だか何だかわけの分からないことを口走ってしまいました。 何だかんだ言って、ずっとほのぼのした雰囲気で進んできたこのお話、「瓦屋根の上を散歩する和服の女性」という恐ろしげな文章が出てきたあたりから(これは身近な風景でリアルに思い浮かべてしまうと本当に怖い)雲行きが怪しくなってきたのを感じたのですが、そしてすき焼きを供えるという辺りでさらにヤバげな気配を感じましたが……こう来ましたか。ここで終わりますか。 しかし、優作がいて良かったですね。今回は優太君もなかなか格好良くて拍手を送りたいですが、しかし優作がいなかったら、この展開だとさすがに危険すぎる感じですね。美紀ちゃんいい子だけど、「あかんあかん、そういうのは危ないんや!」と思わず腕を引っ張ってその場から引き離したくなります。 ここからは大活劇パートとなるのか、それとも案外人情系に行くのか、目が離せませんね。 今回も、喜んでるばかりじゃあれなので。図書館での調べもののパート、なかなかマニアックに書き込まれていて個人的には面白いんですが、やはり物語の動き出しまでの時間がかかってしまうので、読者がついてこれるかどうか少し不安を感じました。長編の楽しみは、こういう部分にこそあるのだとは思うのですけれどもね。 あともう一点、これも扱いが難しいところだとは思うのですが、「一滴分のアレ」関連については、本作を単独で読まれる方にはやはり分かりにくいんじゃないかなあと思いました。多少野暮な感が出てしまうにしても、もう少し親切に説明があったほうが、読まれやすいのじゃないかと思います。 それでは、また次回を楽しみにしています。 | |||
天野橋立 | |||
>夢幻花彩様 なにをおっしゃる兎さん、いや彩様。人間、そのときどきの『今』が旬なのです。特に女性はスッピンがいちばんなのです。狸なんか、少女Aの頃の中森明菜さんと、現在の中森明菜さんのどっちと露天風呂で混浴したいかと問われれば、迷わず「今の明菜さん!」と答えます。でも、その際は、狸自身がぶよんとしてしまりのないメタボ状態からスリムなナイス・ミドルに変身して……信楽焼の狸って、哀しいものですね。 しかし、優作の成長にしろ、木馬のお姉さんの正体にしろ、もーまったく書いてる狸としてはギクリギクリとしてしまうような先を読んだお言葉、思わず続きを打つ指が止まったり――するほど繊細な狸でもないので、ああ、やっぱり解る人には解っちゃうんだなあ、でもいいや解ってもらえるんだから、そんなユルさで先を進めたいと思います。 あっちの優美ちゃんに関しましては――もし現在の狸があの話を着想したとしたら、確かにあの頃と全然違った生身の優美ちゃんを描こうとしたのかもなあ、などと、今にして思っていたりもします。あの頃は、まだアニメもアキバも今のような画一的な萌えキャラばっかりではなかったので、あえて萌え絵的な少女を文章で造形してみたかった、そんな欲求もあったんですよね。初々しかったんですねえ、狸も、アキバも。 などと言いつつ、その後はさらに退行して、もはや昭和ずっぷしの狸、昔読んだ児童文学の中で親しんだような、ウブな少年少女と戯れる日々――でも最終的には「時代の移り変わりがなんぼのもんじゃい! 『今』はいつだって『今』なんじゃい!」そんな感じで、最後まで走りたいなあ、と。 で、「それとも」の件につきましては――はい、ホーレー線と同様、もーまったく同程度に、なんも考えずに打ちとばしてました。こっそり直しとこう。……ポチ、ポチ、ポチ、と。……よし直った。 ……しかし、狸もちっとも成長せんよなあ。 歳なのさ。 >天野橋立様 そうです! 読まないともったいないです! ……自分で言ってどうする狸。 ともあれ、ようやく激動しました。これからは二転三転、大活劇の人情話が続きます。 ……自分で言っといて、それがどーゆーシロモノなのであるか見当もつかないのは、小動物ゆえ御愛敬。 いいんだもう。とにかく狸らしい分福茶釜の綱渡りを、渡りきるまで続けられれば。 図書館パート、ごもっともです。実は、初めはもっともっとみっちりと根掘り葉掘り書き込んでいたのを、半分以下に刈り込んだのですが、ううむ、読み返してみたら、確かにまだクドい。今回の話は、衒学趣味ぞっこんエンタメの『パラサイト・イブ』でも『ブレイン・バレー』でもなく(いや、個人的にはあーゆーのが大好きなんですが)、あくまで基調はジュブナイル。と、ゆーわけで、再びズバズバと刈り込んでみました。「一滴分のアレ」に関しても、後のほうで、ちょっとだけ書き込んでみたり。 正直、今のところ読者様どころか自分が話についていくのに精一杯状態ですので、これからもドシドシつっこんでいただけると幸甚です。 | |||
バニラダヌキ | |||
読みました〜。正直にいうと実は初め、最初と最後だけ読むという、小学生が読書感想文を書くときのようなズルをしてしまいました。そしたら、最初のほんわかファミリー話しから、なぜか幽霊が突如現れていて、焦ってちゃんと全部読みました。あ〜、なるほど、こうなってああなったんですね。 曰く付きの物を、掴まされてしまったと。それで、最初に出てきた女の子は、物静かな感じだったのに、後半姿を変えて攻撃的になり、どうなってしまうんだろうと思っています。優太くんが、美紀ちゃんのために、大人しい自分の殻を破って幽霊に立ち向かっていくという感じなのかな。 また、話しの中に、懐かしい単語や地元の名所などが、いくつか出てきて嬉しくなりました。 その昔、西村京太郎サスペンス等で、地元の駅名や新幹線が取り上げられていると、飛びついていたものです(笑) 文章は、ハイテンションな部分もありますが、読みやすいです。まだまだ続くようですので、またお邪魔したいと思います! | |||
えりん | |||
ああ、面白い。毎更新ごとにこれだけ面白いというのもすごいとしか言いようがないのですが、今回は特にすごい。 途中であれを捕食嚥下した時は、後でこれがストーリーに大きく絡んでくるのではないかとまでは思ったのですが……あのホラー物件を使って、まさかこういう青春展開に持ってくるとは! 文句のつけようのない、素晴らしい展開だと脱帽しました。昭和っぽいおもちゃの指輪がどう展開に絡むのかも楽しみです。 地味ながら、「何年前だか家族できた時のことを思えば」の反復とか、こういう細かい部分も大好きで、いいなあと思います。その後に続くお約束のフレーズ含め、ある種漫才的なのかもしれませんね。「人生を豆腐一筋に賭ける決意をした、豆腐屋の息子のような瞳だった」に至っては、感動的なのか何なのか、もう面白絶妙すぎて何も言えませんが、とにかく次回も大変に期待しております。 | |||
天野橋立 | |||
>えりん様 わーい、読んでもらっちゃったい、と素直に喜びつつ、えりん様のお好みとはずいぶん畑違いの世界におつきあいいただいているのではないか、そんな危惧もあったりする今日この頃、えりん様におかれましては如何お過ごしのことでございましょうか――とまあ、こうしたおちゃらけた姿とはまた別の、シリアスで幻想的な、鏡花先生や綺堂先生志向の文章世界も、狸にはしっかりあったりするわけなのですが、残念ながら、この場にはほとんど残っておりません。すみませんすみません。でも本当なんです信じてください。 いずれにせよ、狸印の長編だと、全体的なストーリー進行なんぞは、部分的に読んでもまず把握できない芸風になっております。その証拠に、これからの続きも、確かにここまでの話の続きではあるものの、いつのまにかとんでもねー状況に雪崩れこんだりするかもしれません。どうか最後まで呆れずにおつきあいいただけることを、遠い空から祈るばかりです。 で、ぶっちゃけ狸も、コテコテの山形産だったりします。とはいえ高校を出てからは関東各地を転々とし、現在は主に東京湾岸を徘徊しておりますが、本籍も菩提寺も未だに山形市内です。したがってそのうち骨になったら、永遠に山形在住化する予定でもあります。それにしちゃあ『峰館』って本当の山形とは違うなあ、と思われるかもしれませんが、そこはそれ、長年の郷愁やら望郷やらが積み重なるうち、老朽化した脳味噌の中で、村山盆地も庄内平野も置賜地方も最上川も馬見ヶ崎川も須川も、果ては大雪の朝日村までが融合してしまい、そんなぐっちゃんぐっちゃんになった世界を『峰館』と名付けておりますので、どうか生暖かい目で見守ってやってください。 >天野様 毎回のご愛読、心より感謝しつつ、五体投地五体投地。 さて今回、これまで比較的ユルかった世界が、いきなり波瀾万丈七転八倒的になったりして、展開についてきていただけるかやや不安でもあったわけですが、無事にお気に召していただけたようで、なによりです。このまま心地よく化かされ続けていただき、分福茶釜の綱渡りを最後まで見守っていただけますよう、気合いを入れて、でんぐりがえり続けたい狸です。 でも豆腐って、おいしいですよね。……何の話だ。 いや、『青春とはなんだ!』とか叫びながらボールを追って日々根性入れまくる青春もあれば、トロトロの豆乳をじっくり仕込んで、立派な豆腐に仕上げるのもまた青春であろう、と。 今回の物語は、そんな豆乳・優太に、どうニガリを投入して重しをかけて立派な木綿豆腐に仕立て上げて、美紀ちゃんが毎日食っても飽きないような豆腐になってもらうか――そんな青春物語でもあります。まあ無事にそうできるかどうかは、まだ狸にもわかりませんが、少なくとも、そうするつもりではおります。 ともあれ、今後のニガリや重しのかけ具合を、引き続きお楽しみいただき、最終的にはどーんと純粋に感動しまくってもらう予定……あくまで予定としては……まあ、豆乳のままでもいいんですけどね、毎日飲んでも飽きないくらいの豆乳であれば。 うん、豆乳だって、充分おいしいですよね。 | |||
バニラダヌキ | |||
たとえすっぴんが一番と言われても、少しでも綺麗だと思われたい女心。 また遅くなってしまいました。 主に終電を逃した日、残業が片付いてから読ませていただいております。美樹ちゃんたちの存在に元気をもらっています。ありがとうございます(*^^*) 前回のおわりかた、連載漫画みたいだなあ、と思ったのですが、わたしはこちらの方が好みでした。章としてしっかり区切られているかんじ。 これは作品の感想とは少し違ってしまうのですが、 前回の天野さんのご感想に 『「瓦屋根の上を散歩する和服の女性」という恐ろしげな文章 』とありましたのを拝見して、なんだかちょっぴり意外に思いました。 わたしは瓦屋根が日差しを受けてきらめく麗らかな午後、紗合わせか、絽の羽織を纏ったご婦人が、着物が透けるのか本人が透けるのか、陽炎みたいにゆらゆら揺れながら屋根をお散歩してる様子を想像していたので、「気持ち良さそうでいいなあ」とのんきに読んでしまってて。楽しそうですよね。もう紫外線を恐れる必要もないわけですし(そういう問題じゃない) バニラダヌキさんの物語は、わたし、亡くなった方への愛を感じるところが好きなのかもしれません。 物語的には確かにいろいろ動いてきて、ちょっと困ったことにもなり、優太くんなんかもうすごく頑張ってるんですけど、相変わらずみんなとっても可愛いいい子たちばっかりですので、「バニラダヌキさんがこんないい子たちをあまりにひどい目に合わせたりなさらないはず」と信じつつ、それほど危機感なく読ませて頂いております。 でもだって、身体が重くだるくしんどくても、周りの目と言うよりは、自分のために、いつも通りに振る舞おうとする(お行儀悪をしても、お手伝いを欠かさず朝御飯を抜かないのもポイント高い)美樹ちゃんとか、豪快なようでいて、さりげなく機転を利かせるあたりが細やかな茂美ちゃんとか、すこんと突き抜けて気持ちのいい優作くんとか、ほんとにみんな可愛くていい子なんですもの。美樹ちゃんに甘えちゃう木馬のお姉さん込みで、みんな幸せになって欲しいです。 なかなかシリアスなシーンを挟みながらも、太陽に吠えたり傍目にはパントマイムをさせてみたり、あくまで重くなりすぎないように描かれているのも流石だなぁと思いました。 あと、おてて繋いで下校する二人にくすぐったくなったり。公認の彼氏でも学校付近で手を繋ぐのは恥ずかしいお年頃なのに! あの、制服の裾掴むとかじゃ、同じ効果は発揮されませんでしょうか。てを繋ぐのはちょっと恥ずかしいから……って、いつもは元気一杯の美樹ちゃんが優太くんよりちょっとだけ後ろから、学ランの裾をつまみながらちまちまついていくの。可愛いかなと思うんですけど、いかがでしょう。 二つだけ、ちょっぴりだけ気になったこと。 峰館の夏の暑さは東北人のわたしには想像がつくのですけど、他地方の、山形の風土に馴染みのないかたの中には、「東北の夏は涼しい」と思っている人も多いですよね。 ハワイアンランドが雪に埋もれる説明がしっかりあった以上、もう一言くらい、イメージとは違って、夏は暑く冬は寒い場所なんだよ、というような解説があった方が分かりやすいように思いました。 もう一点、このみの問題かもしれないんですけど、前回ぶんをもう一度読ませていただいて、 『「ずっと回り続けていたんですかね、あの回転木馬も、あの子も」 くすん、と微かなしゃくりあげが響いた。』 のところ、なにか少しだけ早すぎるというか、茂くんの台詞の後に余韻というか、一拍間を置いた方がより良いような気がしてきました。美樹ちゃんが堪えきれなくなるまでには、たぶん台詞のあと、一秒は間があったように思うので。 ほんの小さなことばかりですが、ご確認頂けると嬉しいです。 美樹ちゃんがこのまま素直に大人しくしているとも思えないので、あまりお転婆しないようにねと思いながらこっそり見守りつつ、引き続き続きも楽しみにお待ち致しております。 | |||
夢幻花 彩 | |||
……わかります。ほんとうは、わかっているんです。たとえ苦しいとわかっていても、ひとつ下のウエストサイズのジーンズを購ってしまうような、狸心の持ち主として。 この腹の肉を狸汁にして、残業あけの夜食にさしあげたい……アブラミばかりで美味しくないかもしれませんが。 章構成は、今後も、こんな感じで行こうと思います。毎週毎週更新できるならともかく、このペースだと、やっぱり毎回、それなりにオチがつくところまで。 しかし、あの和服の女性についてのご感想、読者様によって180度印象が違うのが、実に興味深いです。見る方によって恐くもあれば羨ましくもある。たぶん散歩してる本人は、特に何も考えていないと思われます。狸としては、生きている人間も死んだ人間もこれから生まれる人間も、良かれ悪しかれ同じ人間であり、あくまでこの現世に含まれるもの、そんな感覚です。過去も現在も未来も同じ森羅万象の内、みたいな。悪人もいれば善人もいて、不幸もあれば幸福もあり、結局すべては収支トントン、そんな感じで。 それにしちゃあ、この話では今のところ善人しか出てきておりませんが、そこはそれ狸印の長編ファンタジー、意地でもみんな幸せにしてやります。悪人も不幸な出来事も、分福茶釜でトロトロ煮込めばアラ不思議、いつのまにやら粉飾決済。 ところで、今回の『お手々繋いで』だけは、どうか許してやってください。ぶっちゃけ中学時代の狸は、お手々を繋ぎたくてたまらなかったのです。それはもう夜ごとひとりでのたうちまわるほど、繋ぎたくて繋ぎたくてたまらなかったのです。でも実際にお手々を繋げたのは、ハタチ過ぎてからでした。だからせめて妄想の中でくらいは、中学生の内に手を繋がせてやってください。繋げなきゃ泣くぞ。……などと言いつつ、実は今後(次の次くらい?)、ちょっと彩様のイメージに近いシーンの予定もあったりして。学ランじゃなく私服、どっちがついてく側かも微妙ですけど。 そして最後の、ふたつの御指摘。――ぴんぽーん! などと朗らかに笑顔でごまかしつつ、例によって、さっそくこそこそと修正する姑息な狸が約1匹。 | |||
バニラダヌキ | |||
おはようございます。 狸汁……いやいや男性はある程度恰幅がよくても素敵じゃないですか。近頃男性のお客様にも丼ものや揚げ物を召し上がらず、煙草もお酒もなさらない方が増えてらして、職業的建前に反しちょっぴり寂しい彩です。 でもお気持ちだけ嬉しく頂きますね。お返しは身欠きにしんでよろしいでしょうか。 ごめんなさい、今回のおてて繋ぐシーンを変えてほしいとかじゃないんです。 今後しばらく、おてて繋ぎ続けるとかだと、優太くんはしあわせかもしれないけど美樹ちゃん居たたまれないだろうなあ、打開策を考えるだろうなあ、と思った結果、「てを繋ぐより恥ずかしくない!」(実際、裾を掴む方が心理的抵抗が減るんです)と考えて、傍目に可愛いことにならないか妄想してのことだったのです。 でも確かにわたしの感想を見るとそうとれますよね。大変失礼を致しました。もう今回のは、くすぐったくて可愛くてきゅんきゅんしたんです。おてて繋がせちゃってください。それだけどうしても、さきにお伝えしておきたくて。 でも男の子って、案外手を繋ぎたいものなんですねえ……。水荒れし、女にしてはごつごつした作りの手をしていたことを気に病み好きな男の子の手ほどふりほどきがちだった遠い日々を思うと胸が痛んだりして。もう忘れてくれてるかな。 ……優太くん頑張れ。 | |||
夢幻花 彩 | |||
続きを読ませていただきました。 なるほど確かに、今回はおっさん&老人ばかりの大変地味な回ではありましたが、しかしやっぱり面白い。 とうとう本格的に地方都市としての峰館の「歴史」が絡んできた感じで、こういう背景がきっちりと書き込まれていると、リアリティに分厚さが出てきて良いですね。ムカサリ絵馬というのも大変興味深いです。 これは余談に近くなりますが、僕はどうも地方デパートってのが好きで、旅行先で時間が取れたら必ず立ち寄ることにしているんですが、そういう個人的な好みもあって屋上遊園地のエピソードがとても気に入りました。こちらは峰館じゃなくて秋田ですが、木内というデパートの屋上遊園地について紹介しているサイトを見たことがあって、そこに掲載されていた白黒写真が頭に浮かびました。あれは美しいものです。 今回も良いところで終わってるわけですが、果たしてここからどんな悲話が展開するのか、次回更新をお待ちしております。 | |||
天野橋立 | |||
あづい……。 脳味噌が汗に溶けて、八割方、耳の穴から流れ出してしまった気がする……。 ……いや、いかんいかん。ありがたいご感想に、きっちりお礼を言わねば。 天野様、毎度どうもです。ぺこり。 …………。 ふhんjぎおkゅhjぐといk…………。 ……はっ! いかんいかん。ぺこりと頭を下げたまま、キーボードにつっぷして朦朧状態に……。 ――失礼いたしました。暑いのは狸穴ばかりではないですね。そちらも十二分に茹だり上がっていると思われる今日この頃、天野様におかれましては、脳味噌が耳から流れ出さないよう、くれぐれもご自愛ください。 さて今回は、また中途半端な〈続く〉になってしまい、すみませんすみません。このまま行くと、おっさんトリオ&爺いのしゃべくりだけで百枚を越えそうで、美紀や優太の再登場は、次回に持ち越してバランスを取ることにしました。ここでこのくらい語っておかないと、今回の物語の最終的な情動にたどり着けない気がしたからでもあるのですが、ここを楽しんでいただけたなら、なによりです。続きも最後まで楽しんでいただけるよう、昼に流れ出した脳味噌を夜にじゅるじゅると嘗め啜り、狸らしくでんぐりがえり続けたいと思います。 デパートの屋上遊園地や、当時のデパートそのものの『ハレの場』っぷりは、実は狸も幼少期にずっぷし浸っていたわけで、当時の古写真や古映画にそんなシーンが出てくると、思わずウルウルしてしまいます。しかし一見失われてしまったかに見えるそれらの空間も、そこに渦巻いていた情動の質そのものは、ムカサリ絵馬同様に、時代を超えて人々の生活意識上に有り続けるに違いなく――あ、いかんいかん。化け終わってもいないのに、つい自己解説に走ってしまう。やっぱり脳味噌がユルんでるなあ。 ともあれ、どうか次回以降も、よろしくおつきあいください。 | |||
バニラダヌキ | |||
お盆休みで時間ができたので、ゆっくりと読ませて頂きました。 今回の段も、良かったですよ!山寺を舞台にされているところ、私には大サービスでした。そうそう、お歳をめした方々の方が元気よく上っているんですよね。それと、このおじさん達は入口前の売店で、売っている力こんにゃくは、食べたんでしょうか(笑) ○澤老人、さんは強烈に印象に残りますね(すみません、苗字読めませんでした)。勝手な妄想で、悪役商会にいそうな感じで、白髪の長髪をゆるく結わえ、棒術でもしてそうなご老人を思い描いたのですが、どうでしょう。 そして、物語はバニラダヌキさんの軽快なテンポに乗せられて、さくさく読んでいるうちにしっかりと内容も進んでいくんですよね。そこ、すごいと思います。それに、さらっといろんな言葉が盛り込まれているという。言葉の引き出しが多彩で、読書などたくさんされているんだろうなと感じます。 次回はまた、優太くんたちの登場ですか。高見さんも、一癖も二癖もある感じがしますね。 更新、楽しみにしています。 | |||
えりん | |||
あづい……。 脳味噌が汗に溶けて、八割方、耳の穴から流れ出して…………って、先々週も言ったぞ、それ。 うわあ、あれっきり一度もユルんでないんですね、今年の夏の凄暑。 えりん様におかれましては、耳から流れ出した脳味噌を、忘れずに回収再注入されますよう、くれぐれもご自愛ください。 で――ああっ、ほんとだ! おっさんたちに力こんにゃく食わせるの忘れた! あれを食わないで山寺の石段を昇るとは、なんたる非常識! ……うん、次回までには、きっちり食わせねば。カラシたっぷりぬってハフハフと。 悪役商会、いいですねえ。リーダーの八名信夫さん、実は澁澤老人と、ほぼ同年齢だし。ちなみに『澁澤』は、単に『渋沢』の旧字です。余談になりますが、狸の人間名の姓にも、旧字ではないのですが異体が含まれており、公的な書類に百円ショップの認印が使えなくて、ちょっと悲しいです。 読書は大好きです。書物のない人生は考えられません。えりん様も大好きですよね。ただし狸の場合、近頃アルツが入ってきて、昭和以前の書物しか脳味噌が受け付けなくなって困っております。なにせ明治時代の生まれなもんで。……すみません、嘘です。でも実は、この物語に登場する山福泰蔵先生と、ほぼ同世代の古狸だったりします。 推定お若いえりん様におかれましても、平成以降の書物などには脇目もふらず、いっそ綺堂や鏡花のみに専念していただいて、早いとこ立派な老婦人に……などと言いつつ、未だに月に一度はアキバを徘徊し『まんだらけ』とか『とらのあな』覗いてる半白髪の親爺ってどうよ。 なにはともあれ、あらゆる世代の連中がそれなりにとたぱたしつづけるこの話、どうか最後まで、よろしくおつきあいのほどを。 | |||
バニラダヌキ | |||
熱い茶が、五臓六腑に染みわたるこの頃。ささ!狸殿も一服召されよ。。粗茶ですが(笑)それ、どこぞの瓦版によると、あの人気連載中の不思議木馬草子が後二回ほどで終わってしまうとか。寂しゅうございますなあ。とうとう、優太殿の恋は、実らず終い。。なんと哀れな(いやいや、期待しておりますです) とおふざけは、これぐらいで。 更新分、またまた楽しく読了しました!だいぶ核の部分に迫ってきましたね〜。今回は、綾音が半成仏したような感じで、ほっとしました。布団かけて、キティ抱いてる子供の幽霊、想像してみても全く怖くないですね。かわいい寝顔で、いい夢見てときどき笑ったりしてるんだろうな。爺さん組は、集結して息巻いていて何かやってくれる予感がする! それと、この投稿板の昔のやつも見てきたのですが、以前は、もっと人も多く、レスも活発だったんですね。 今は、ちょっと落ち着いてしまってる感じがしました。評価も、星マークでしたし。で幼稚園モノ?だったかな、の話読んできましたよ。あと、これ点数の入れ方が分からないのですが、気持ち的には、3点ぐらい入れてます! では、なんだかいつも格好いい感想が書けずすみません。次回も楽しみにしています。 | |||
えりん | |||
あの、すみません、できれば冷たい麦茶にしてください――。 などと贅沢を言いつつ……故郷は、もう涼しいのだろうなあ。東京湾岸は、まだ湿気ムンムンだったりします。 ところで、過去、「あと2回」「あと1回」とか言いながら4回も5回も続けてしまった前科数犯の詐欺師は私、この狸です。すべては愛の成就のためでした。とにかく美紀ちゃんをお姫様抱っこするまで、がんばるんだ優太! さて、いったん沈静したかに見えた幼女モードの綾音が実は今後巨大悪霊化して帝都を破壊しまくるとか、敵地に乗りこんだ中高年集団がマシンガンの掃射をあびて壮絶に散華するとか、そうしたネタバレは、詐欺師らしくちょっとこっちに置いといて――。 幼稚園モノというと、アレですね。狸のこれまでの腹鼓の中でも、最高にノリまくってしまって自分の腹を叩き破ってしまい、未だに真のオチをつけられずにいる、あのトリオ物件ですね。ありがとうございますありがとうございます。読んでいただいてありがとうございます。あの星マークのページからでは確かに点数を入れられないわけで、点数入れられるページも実は残っていたりするのですが、もう気にしないでください。狸としては、読んで楽しんでいただければ、他の見返りはいりません。心の3点、きゅうんきゅうんと歓喜しながら狸穴中を駆け回っております。 賑わう都会の街中でも、季節外れの閑静な里山でも、人と狸の出会いは一期一会。 腹の皮を張り直してポコポコ叩く今回の腹鼓、どうか最後まで、よろしくお楽しみください。 | |||
バニラダヌキ | |||
今回も、大変に面白かったです。……これで終えてしまうと感想になりませんね。 若い二人&その他のパートもいいんですが、やっぱり大人たちが渋くてとても良いですね。今回は特に、「……良平にいちゃん」のくだりが感動的で、心を打たれるものがありました。時を超えたこの再会の、なんと悲しくて美しいことか。その後、回転木馬営業停止後の静かな感じも好きです。 次回からは、いよいよクライマックスが推定何回か続くようですが、まさか高見が出てきそうな展開になるとは思いませんでした。いや恐らく、これも一筋縄では行かないとは思うのですが。きっと社会派的な、本格的なストーリーが続くように思いますので、期待しています。 小ネタですが、今回は「××」と「○○」の使い方に感心しました。「実際にバツバツ会ってわけじゃないぞ」ってのが、言わずもがななことをわざわざなんで、と思ったのですが、こう来るわけなんですね。二度の裏切りというサプライズが軽妙に語られていて、こういうのは大変勉強になります。僕なら仕方なく架空の名前を付けてしまったと思います。 取って置きの2点はあんまり連打せず、ここぞというところで付けるようにしているのですが、どうやら本来はもっと点数が付いている状況のようなので、いわば代行として今回は評価を「とても良い」=2ptとさせていただきました。いや実際、とても良いわけなので、ちっともおかしくはないのですけれども。 | |||
天野橋立 | |||
引き続きのご愛読、毎度どうもです。おっさんや爺さんに化けるのが好きな中高年狸です。ああ、化けやすい。美しく化けるのはともかく、悲しく化けるのは、まんまでいいから楽だ……。 次回、高見が当然どどどーんと登場するわけですが、当然一筋縄では行きません。もしかしたら一般的な社会派をかなり逸脱するかもしれませんが、平均台だけは踏み外さないよう、しっかりでんぐりがえりたいと思います。 ××と○○のお遊び、気に入っていただけたようで一安心。今後の高見がらみの展開がかなりアレになる予定なので、こっちの峰館おっさん爺さんサイドは、重い話でも極力ユーモアを保って語らせたかったのでした。 で――あ、そうか。えりん様のおっしゃった『点数の入れ方』って、この話のほうだったのか。勘違いしてました。天野様、代行大感謝です。ぺこぺこぺこ。 えーと、天野様のお気遣いに厚顔にも便乗し、えりん様への解説もちょこっと。 コメント欄の右下に、『評価 ▼』という、ちっこい枠がありますよね。コメントを書き込んだあと、そこの▼をポチっとしますと、その下にずらずらと何行かの短評が現れます。その中の『とても良い』をポチっとしたあと、下の『投稿』をポチっとしていただくと、2ポイント入ります。『良い』で1ポイント入ります。それ以外は選ばないでくださ……いかんいかん。このように自分からポイントを強要すると、狸がアクセス禁止をくらいます。その下の『普通/レス』でポイント0、さらに下に行くにしたがってマイナスが増えます。そんな感じで、「あれ、今回はイマイチだったなあ」と思われたら、バシバシ減点していただくのも、愛の鞭かもしれません。 ……しかし、天野様のご感想へのお返しが、半分えりん様宛てって、どうよ。 | |||
バニラダヌキ | |||
こんばんはたぬきさま。おげんきですか。かみよるはげんきいっぱいです。 さあどうもお久しぶりです、神夜です。知らん間に狸さんが連載しとるっ!!言うんのでめっちゃ読んだ。めっちゃ読んだ結果、めっちゃ面白かった。次回くらいで最終回なんじゃないかと思っている訳ですが、ここまで、と、この更新分の盛り上がりは非常に面白かったから、文句無しに「2p」をつけよう。旅立つこの様はクライマックスに向けて文句無しである。本来はいろいろ書くべきなんだけど知らん、半年ぶりくらいの感想だからこまけえこたあいいんだよ、面白いもんは面白いの一言で十分じゃろがい。 願わくばまた神夜が溶けていなくならない内に、最後まで読ませて欲しいのである。 | |||
神夜 | |||
遅い! 気がつくのが遅い! 狸なんか、もー思わず佐々木小次郎に化けてしまって、武蔵はまだか武蔵はまだかと物干し竿を振り回しながら半狂乱で待ってたんだぞ巌流島! と、ゆーよーな、冗談めかした恫喝は、ちょっとこっちに置いといて――。 ああ、よかった。やっぱり面白かったんだ。盛り上がってたんだ。もう神夜様に細かいアレコレは期待しません。二言三言で充分です。座布団もしっかり二枚もらったしな、うん。 で、次回は当然最終回の予定なんですが、なんか最終回2時間スペシャルくらいになってしまいそうな予感もそこはかとなく漂ってくる今日この頃、もしかしたら前後編とか、神夜様が溶けていなくなったあとの完結になる恐れもないではないわけですが、まあ狸が持病の高血圧と先頃新たに判明した高血糖が悪化して行き倒れになる前には読ませてあげられればいいなあ、と切に願ってしまう今日この頃、神夜様におかれましてはなるべくゆっくり溶けてくださいね、まる、と。 | |||
バニラダヌキ | |||
今度こそ熱い茶でも大丈夫、それも糖の吸収が穏やかになる(らしい)黒豆茶でございますぞ、狸のダンナ。 !ついに高見さん登場ですね。白づくめの装束とは迫力満点です。頭の中にダダダーンと効果音が鳴り響いたのは私だけでしょうか?こういう、妖しい館から黒幕登場のような流れは、けっこう大好物ですので食い入るように読ませて頂きました。 それと問題の優太くんと美紀ちゃん、こそばゆいような感じながらも、少しずつあれ?もしかして俺、私。。。みたいな展開になってきてる。これは、やはりですか??そこは、最終回の楽しみにとっておきますね。 | |||
えりん | |||
わーい、黒豆茶、黒豆茶! ぐびぐびぐび。……んむ、ちょっと苦いとこが、いかにも効きそう。これ、胃袋たっぷんたっぷんになるまで毎日飲んだら、少しは甘くなくなりますかね、狸の血。 で、高見さん、出ました。それもタダゴトならぬイキオイで、この話の中の誰よりも細かいビジュアルで。ちょっとやり過ぎかなあと思ったりもしてたんですが、お気に召していただけたようで何よりです。 ところで優太君と美紀ちゃんなんですが、えりん様のおっしゃる『これは、やはりですか??』とは果たしてどんな想像をされているのか、神ならぬ身の狸として知る由もないわけですが、これはもう優太自身と美紀ちゃん自身にお任せするしかない状態に突入してしまっているので、狸自身、ちょっとドキドキしてます。どうなるんでしょうねえ。 とりあえず作者として、ここまでキャラを煮込んでしまえば、あとは作者が投入する『状況』に各人どんな反応をするのか、こっちでは変にいじらず、真摯に見守るのみです。 | |||
バニラダヌキ | |||
引き続き厳寒の、この掲示板界隈ですが、いくらかは寒さが緩み始めた……というか、元旦の深夜に近所の小さな神社に初詣でに行ったら、たき火の周りに数人の人が集まっていた、そんな気分を味わっております。 さて、遅ればせながら、続きを読ませていただきました。というか実は二度読んでいまして、一部補填の前後両方読ませていただくことになりました。 前回期待しておりました、高見の登場による社会派展開ですが……まさかこういう形で姿を現すとは驚きました。バニラダヌキさんの作品には珍しく、同情の余地なくひたすら悪い奴と言う感じの人物だと思っていましたが、見事に善悪の帳尻を合わせて来られたなと感じました。しかし行った悪の深さに見合ったものとは言え、この姿はすさまじいですね。 星空の下の駆け落ち(じゃないけど)シーンは大変美しいですね。コンビニではなく、よろずやの自販機の前で落ち合う辺りが非常に良いと思いました。個人的な趣味(わびしい自販機好き)から言わせていただくと、自販機の様子がもう少し描かれていると嬉しかったですが、これは賛同意見があまりなさそうです。 次回で、最終回なのでしょうか。すでに五百枚近い大作なのにも関わらず、もう終わってしまうのかと短く感じてしまうのが不思議です。この作品世界に、結局わずか数日しか滞在できないというのが名残惜しいのかもしれませんね。ともかく、次回を期待しています。 | |||
天野橋立 | |||
ああ、たき火の炎が暖かい。かじかんだ掌に、じんじんと血がかよってきます。昨日今日の冷えこみだって、へっちゃらだい。 二度も読んでいただいて恐縮です。おまけに、またちょっと、次回を待たずに、これから補填しようとしている狸だったりします。自分でさっき読み返して、確かに自販機さんへの愛が欠けていたのを痛感しました。前回に続いて登場した、とても大事な自販機さんなのに……。今回に描写を追加すると流れが変わりすぎる気がしたので最小限にとどめ、主に前回のシーンで補填させていただきます。ついでにベンチさんにも、ちょっとばかり愛を。 高見に関しましては、まあ旧弊な狸の悪い癖、古典的勧善懲悪因果応報に偏ってしまった気もしないではないのですが、まあ、真の許されざる悪というものは、自他を相対的に捉えられない、よほど無自覚なアホにしか全うできないような気もします。 さて次回、お星様キラキラの情緒的な旅立ちから否応なく世間の荒波に晒されてゆく、寄る辺なきふたりの運命やいかに! お子様モードの綾音は変身怪人高見に対して、みごと壮絶な復讐を果たせるのか! ……四分六で嘘が多いかもしれません。ともあれ次回も無事に難航しておりますので、どうか気長にお待ちください。 | |||
バニラダヌキ | |||
やっと追いつきました。 僕があらためて申し上げることは何もないかも知れません。安定のクオリティで、いつものように楽しんでおります。「猫」「豆腐」のモチーフが姿を変えて何度も現れるのが楽しいです。また「放し飼い」という表現がその意味合いを変えて繰り返し出てくるのも楽しい。また、一度は恐ろしげな姿になった綾音さんが純朴な少女の姿に戻ってしまうところに、バニラダヌキ様の女の子たちへの愛をあらためて感じたり。 ちょいと気になったのが、澁澤老人が「米軍」「占領」という表現を使ったところ。ご老人が使う表現としては少し違和感を覚えました。「進駐軍がいたころ」とか「講和前(?)」とか、もうちょっと違う言いかたの方が似つかわしい気がして。どうでしょうか。この辺は僕の世代の感覚ではもうよく分からないのですが。 | |||
中村ケイタロウ | |||
うわあ、もう追いつかれてしまった。老い疲れた狸としては、もうちょっと先行しときたかったのに……。 ……なんだか神夜様に対する反応と我ながら違いすぎる気もしますが、まあそこはそれ分福茶釜の綱渡り。相手次第でコロコロ化け変わっちゃうのですね。 「猫」も「豆腐」も大好きで、「放し飼い」されるのも大好きで、おまけに重度ロリコンの狸ゆえ、自分で楽しみながら打っていると、どーしてもこんな作風の、こんな展開になります。そこんとこを鬱陶しがらずに楽しんでいただけたなら、きっと中村様も、猫と豆腐が大好きな、放し飼いされたいロリコン野郎なのでしょう。「最後は違う!」とおっしゃるなら、その根拠を早急に自らの著作物によって表現なさるのが吉ですね。 で――おう、またまた愛の不足を指摘されてしまった。戦前生まれの爺さんを、狸は愛しきれていなかった。なんとゆーことだ。お気に入りの脇役だったのに……。 とゆーわけで、すかさずまんまコピペに走ってしまう恥知らずな狸が一匹。 いえね、今ちょっと、いやいやけっこう色々慎重に考えたんですが、ここはやっぱり「進駐軍」だろうなあ、と。 | |||
バニラダヌキ | |||
なるほど、優太くんのモデルは蛭子さんだったのか……。あの人を若返らせたらこんな感じに……。 とアホな感想はさておき。続きを読ませていただきました。 仙代駅に着いて駅弁売り場が出てきた辺りから、何だかいよいよ紀行物みたいになってきた、しかも路線バスなんかに乗ってるしなどと思い始めたのですが、とうとうコミュニティバスの停留所が出てくるに至って爆笑してしまいました。残念ながら、奥州街道篇の二回(とあと青森〜新潟編)は未見ですが、この辺りを通ったのでしょうかね。 そこからの事態急変、アクションシーンも含め、今回も大変読み応えのある面白い内容だったわけですが……。 ちょっとここで久々にブレーキっぽい感想を申し上げますと、さすがに少々色んな要素が入りすぎで、本題のテーマというか緊張感というかがちょっと薄まってしまったようにも思えました。 特にDQNにさらわれるという展開は、この部分のみピンチとしてあまりに現実的に過ぎるような気がして、お話全体のトーンから外れてしまっている印象も受けました。大長編というものは、場合によっては脱線した展開が延々続いたりすることさえあって、そこが面白いところだということも承知しているのですが……。 いや、こうして書いていて考えてみたら、美紀ちゃんにはこういう種類のピンチに遭って欲しくないなあと、単にそういう気持ちなのかも知れません。拉致されかかるにしても、お話全体との因果がある、もうちょっと人情がかった背景のあるような事情なら納得できたかも知れないなという気がしてきました。なにせ「人情ふれあい旅」ですし。 好き勝手に言って申し訳ありませんが、しかし自分でも思ってた以上に感情移入して読んでるんだなと改めて思いました。結局ぐだぐだの感想になりましたが、バス旅もアクションも削らずに、かつお話全体のトーンが維持されるという難しいリクエストを残して、次回を楽しみに待ちたいと思います。 | |||
天野橋立 | |||
うわあ、まだこの場での客観的推敲を重ねている内に(投稿してから推敲するんじゃねーよ、とゆーよーな真っ当なアレコレはちょっとこっちに置いといて、おいおいちょっとこっちに置いとくんじゃねーよ、とゆーよーなアレコレもちょっとこっちに置いといて)、もうご感想をいただいてしまった! しかも、いつもふかふかの座布団をいただける天野様から、今回は座布団なし! ショ、ショ〜〜〜ック!! ……すみません。ウソです。今回は十中八九、正統派の天野様には「……なんか違うんじゃないか」と思われてしまうことを、十二分に予期しておりました。たとえばあの極端な人非人連中なども、せいぜいアホな虞犯青年グループかなんかにして軽い挿話的に流す、いやバッサリ切ってしまう、そんな路線に変更しようかと、昨日の夜あたりマジに考えこんだりもしておりました。 しかるに何故この展開を、まんまぶっこんでしまったのか――ぶっちゃけ、これから先の展開が、これまで狸が長編において固執してきた『情動的に望ましい物語構成』を、卓袱台返しにしてしまう可能性が高いからです。どうせ卓袱台返しになるのなら、むしろここで先に味噌汁をぶちまけてしまえ、みたいな。最終的に、それが客観的なグズグズエンドに繋がったとしても、悔いはありません。それはあくまで狸の化力不足であって、すでにこの世界に生きている優太君や美紀ちゃんの運命も、他のキャラたちの運命も、果ては今回の人非人たちの運命も、宿命的に『なんだかよくわからないものシリーズ』の世界に溶けこんでいってくれるはず……くれるんじゃないかなあ……いやたぶんちょっとは溶けこんで……すみません、なんだか自信がなくなってきました。 ともあれ自信を失いつつも、今作だけは中断せずにグズグズエンド覚悟で打ちたいだけ打ち続ける心算ですので、なんとか最終回では天野様が気前よく座布団をぶちまけてくださるよう、祈るばかりです。 ……自信がないとか言ってるわりには、なんだか力いっぱい居直ってるような気もする。まあいいか。どうせ狸のやることだからな。 | |||
バニラダヌキ | |||
うーむ、なるほど。実は、僕が感想で書いた程度のことは、バニラダヌキさんなら気付かないはずもないので、戸惑っておりました。安定を捨てて、その先に果たして何が出てくるのか。ならば行けるところまで行きましょう。見事大化けとなるかどうか、僕も一緒に飛ぶくらいのつもりで、今後の展開を追いかけて行きたいと思います。 | |||
天野橋立 | |||
おうおう、今回はまぁ何と言うかあれや、神夜お得意の「やりたいことをやるんや文句あんのかコラ」レベルの更新分じゃないか。やりたい放題の感がヒシヒシと伝わってくる。そこで神夜と狸さんの違えを言えば、「いろいろ考えた末に、更に絞るように考えた結果」なんだろうけど。神夜なんて書いている自分でも先がどうなるか判らんからね。 勢いに負けて危うくまた「2p」突っ込んでしまいそうな雰囲気だったけど、天野さんとは違うところでちまちまとブレーキが掛かったのも確かであって、例えばバイクを譲り受けるシーンの強引さであったり、幽霊少女パーンチにもうひと盛り上がりあってもバチは当たらんであろうだったり。まぁ幽霊少女パーンチはそもそもこの物語の目指すべき所が違うからあれだけど。ただなんやかんやで吉田の活躍が発揮されるあたり、こういう展開は素直に「うおっしゃいけコラ進めボケカスー!!」と思う訳ですけれども、それまでの黙々と会話で進んでいた雰囲気から一転、いきなりのバトルアクションに少々面食らったりなんやりで、残念ながら勢いに押されるままで「2p」は叩き込めなかったと、そういうことなのである。 しかしやっぱり、自分が「やりたい放題するんや」と決めた所は勢いと熱があって非常に面白いのは間違いなく、このまま最後まで突っ走って、しっかり着地して両手を広げられたら間違いなく「2p」は捧げるであろう。なので次回更新はよはよ。 | |||
神夜 | |||
わーい座布団だ〜フカフカだ〜。トチ狂って味噌汁ぶちまけたって、イキオイがあれば騙されてくれるヒトもちゃんといるんだ〜い――なんて喜んでるバヤイでもないだろう俺、と、珍しく反省している狸が一匹。 いや、実際やりたい放題のイキオイでやっちまったんだから褒めてもらうととっても嬉しいので神夜様に座布団はお返ししませんが、昨夜今夜と天野様のご感想やら神夜様のご感想やらを何度も読み返しながらつらつらつらっと狸なりに丸くなって考えたり寝転んで考えたりついうっかり眠ったりしておりましたところ、確かに語り足りなくてちまちまとブレーキが掛かってしまいそうな部分がてんこもりであるなあ、と。 たとえばイキオイだけでなんでも愉快に読み飛ばしてくださりそうな(おい)神夜様までが『いきなりのバトルアクションに少々面食らった』とおっしゃると言うことは、天野様などは実は内心「……なんじゃこりゃ。ついに狸が狂った」とか思われていたのかもしれず、また『バイクを譲り受けるシーン』は明らかにイキオイつきすぎて不自然であり、さらに『幽霊少女パーンチ』なんて書いた覚えないぞ俺、と首を傾げながら読み返してみれば、やっぱり語り足りなくて「うわ幼女つええ」みたいに読まれても仕方ない状態なわけで……。 いやあ、この板は、ほんとうにありがたい。鞭にも飴にも愛がある。語り足りない部分や語りすぎた部分が、なんかビシビシ見つかってしまったので、続きを打つ手をちょっと止め、これから夜も寝ないで修正して、昼間寝ようと思います。ちなみに明日もアブレなのでやりたいことをやるんや文句あんのかコラ。 | |||
バニラダヌキ | |||
言いたい放題の僕の感想に、まともに対応してくださったということで、これは読まねばなりません。 ということで、ACT8改訂版を読ませていただきましたが……個別具体的にはどこがどう修正されているのか良くわからないにも関わらず(バイクがなくなったのは別として)、全体に非常にタイト感が増していて、話の流れに一本筋が通ったような印象を受けました。最後の制裁部分が加わり、美紀ちゃんの納得があって終わった(もし小学生に間違われてたと知ったら、という締め方も良かったです)というカタルシスが得られたこともあって、前バージョンの理不尽感のようなものも感じられなくなりました。同じ豆腐でも、賀茂の料亭(近づいたこともありませんが)の豆腐に格上げになった辺りもいいですね。 一点だけ、「ルイルイ氏」は不要かなと思いました。分からない人には何のことか分からないだろうし、分かる人はこれがなくともバス旅ネタだと気付くように思えます。 全体に見事な改訂だと思いました。安心して、次回更新をお待ちしようと思います。 | |||
天野橋立 | |||
やったあ、逆転座布団GET! やっぱりカタルシスですね、狸の芸風において重要なのは。今後、でんぐりがえりしすぎて化け損なっても、カタルシス級にでんぐりがえれば無問題……違う。 ともあれ、これで心置きなく次のでんぐりがえりに邁進できそうです。さっそく助走を始めているところです。 で、『ルイルイ氏』の件なんですが、まあこれもまた好みとイキオイだけで深い考えもなくとばしてしまったギャグだったりして、ふと思い当たり、先ほどネットで色々検索してみたところ――あの番組、どうも峰館(ぶっちゃけ山形)では何ヶ月も遅れて、土曜の午後という視聴率の稼げない時間帯に短縮版を流しているだけみたいです。そりゃそーだ。アレはテレビ東京制作ですもんね。おまけに現時点(この物語が展開しているであろう年月日)では、まだ御当地ロケすら行われていない。つまり、この物語の登場人物たちにすら『何のことか分からない』可能性が高いわけで……はい、カット確定しました。重ね重ね、御指摘感謝です。 余談になりますが、アレの奥州街道編では、牡鹿半島付近は通っておりません。でも、なんといっても松島が終点だったり起点だったりするので、どうしてもあの近辺の海辺を通ります。震度を考えると、内陸部の路線でも、福島から岩手にかけては、けっこう大変だったと思われ……。 この物語も、今後あだやおろそかには語るまいと、あらためて気を引き締めたりしております。いや、ここまでも、心して語ってはいたのですが。 | |||
バニラダヌキ | |||
こんにちは。遅ればせながら拝読いたしました。 あれ? しかし、僕が最初に読んだのは、そして2回目に読んだのは、どの回の更新だったのかしらん…。ちょっとそのへんがあいまいですが、明らかに、最初に読んだ時よりも2回目に読んだ時の方が腑に落ちる感があり、ペンが落ち着き、語り手を信頼して読めるようになっていたと思います。加わった1シーンもよかったです。 ああ、しかし、ペンが僕より先に行くくらいの勢いを、僕も取り戻したい…。 | |||
中村ケイタロウ | |||
うわあ、中村様にも、あのイキオイまかせバージョンと、ちょっと反省後バージョンを、両方読んでいただけたんですね。思わず夜中に叩きだす、嬉し恥ずかし乱調腹鼓。 ともあれ今回も、中村様の腑に落としていただけて、良かった良かった。 狸は実は極度の粘着質(とっくにバレてるかもしれませんが)なので、最初に投稿してしまったバージョンも、そっくりそのまま別に保存しております。で、今回の大幅改稿バージョンと、モニターに並べて比較しましたところ……うわあ、確かに『語り手を信頼して読めるようになっていた』とおっしゃるのも道理、前の一席はもはや狸の芸というより、『たかちゃんシリーズ』の多くでナレーターをやっている『女せんせい』に憑依されてしまっていたようです。中村様はご存じないかもしれませんが、アレはもう『信頼』や『理性』とはひゃくおくまん光年隔たった、言いたい放題やりたい放題の性悪な牝狸でして……ここ何年も出番がなかったからか、欲求不満が昂じ、善良な狸に取り憑いたのかもしれません。 いやあ、キータッチが自分より先に行っちゃうようなイキオイがついたときには、用心して鏡を見たほうがいいです。ミューズや優作や綾音ではなく、なんか邪悪なモノが重なっている可能性があります。 | |||
バニラダヌキ | |||
ご無沙汰しております。 ずっと感想を書かせて頂こうと思っておりましたのに、タイミングを逃して数回分空いてしまいました。 美樹ちゃんと優太くんの仲が順調に深まっていたり、道々の微笑ましい二人乗りの旅や、誘拐未遂事件、いろいろなことがあったようですが、やっぱり本筋の綾乃ちゃんのことが気にかかります。 高見氏に制裁を加えるのが綾乃ちゃんでも澁澤ご老人(お名前が薫さんなのは、やっぱり山寺グラフィティのヒロインからでしょうか?)はじめ当時の関係者、あるいは茂くんたちでもなく、高見氏自身だった、というところにホッとしたり、バニラダヌキさんの作品だなあ、と思ったりしました。人を怨むのも憎むのも疲れちゃいますもんね。あんな風に頑なでいるのも疲れるだろうから、綾乃ちゃんと逢うことで、亡くなる前に彼の心も少しでも解れたらいいんですけれど。 ところで、ところどころ改稿されてるようなので何度か頭から読み直させて頂いたのですけれど、冒頭の映画ってリリオムだったんですね。というか森鴎外?と思って調べてみたら、破落戸の昇天って出てきたんですけど、これリリオムだったんですね。教養が足りないので全く気づけませんでした。というか演劇のリリオムすら観たことがなく、バレエを多分1、2回、何幕か観たことある程度なんですけど……。作品の直接的な感想とはぜんぜん違うんですが、どこかで何か恥をさらす前に知れて良かったです。ありがとうございました(ものすごく頭の悪い感想でごめんなさい) えぇと、相変わらずあんまりちゃんとした感想が書けなくて申し訳ございません。でも、数回分合わせて、とても良い3連打くらいの気持ちで書き込ませて頂きました(実際やったら咎められそうなので気持ちだけで)。 次は遅れずに感想を書かせて頂くようにしますね。楽しみにゆっくりお待ち致しております。 | |||
夢幻花 彩 | |||
あら、予測変換で綾音ちゃんの名前間違えてる……。すみません。 | |||
夢幻花 彩 | |||
わーい、お久しぶりです彩様。おまけにフカフカのあったかい座布団二段重ね、冬の狸穴では大層ありがたく、思わずぽわんぽわんとトランポリン状態ではしゃぐ狸が一匹。 実は狸も、偉そうにホラ吹いてるわりに、『リリオム』は原作の邦訳と、その『破落戸の昇天』、それから新旧二本の映画化作品にしか、完全には接していなかったりします。舞台がどーのこーの吹きまくってるくせに、実はyoutubeあたりの各種舞台映像と、演劇評をいくつか確認しただけだったりして……すみません、恥を知らないのは狸自身です。でもやっぱり、あれはとっても辛い、ギリギリの『許し』の物語であるなあ、と。 ところで彩様、仙代駅に着いたあたりで、美紀ちゃんが優太の上着の裾にちょこちょこつかまったりしてるの、気づいていただけました? かなり前の回に、優太が美紀ちゃんの鞄の紐につかまってるシーンもあったりしました。やっぱりお手々を繋ぎっぱなしで歩くのは、ちょっと恥ずかしいですもんね。 あと、澁沢さんがカオルちゃんなのは、ご想像のとおりです。狸は昔からカオルちゃんが好きなんです。山寺の洞窟にいる幼馴染みもカオルちゃん、遅くなってごめんねのカオルちゃん、伊豆の踊子もカオルちゃん。それから、ちょっとタイプ違いですが、この話の前の『なんだかよくわからないものの聖夜』にも、カオルちゃんが出てたりします。 さて次回、いよいよ綾音ちゃんと高見が壮絶な死闘を繰り広げるわけですが――すみませんウソです。綾音さんはそんな女性じゃありません。そんな女性じゃなさすぎて狸が困っているくらいですが、どうか最後の最後まで、綾音&高見も美紀&優太も、生暖かい目で見守ってやってくださいね。 余談になりますが、狸は実の親の名前を予測変換で間違え、親戚中で顰蹙をかったことがあります。えっへん。 | |||
バニラダヌキ | |||
やっと全部読めました。改訂版になる前に数行だけ読んだのですが、数日後に来てみたら、あらら。。。 でも、今回は西部警察並みのカーアクションで迫力あるシーンが拝めて、大満足でした。盛り上がってますね〜。いつものふわんとした優太と美紀ちゃんシーンに急に試練がきて、火事場のクソ力でがんばれ優太君!君は試されている!などと思いながら鼻息も荒く読み進めたところです。いや、でも実際恋に障害は付き物、吊り橋上で出会った男女は恋に落ちやすいという、そんな感じですか。今だ、優太くん。この吊り橋の揺れを最大限に利用して優太ポイントを上げに上げて、美紀ちゃんのハートを。。。なんか止まらなくなってきたので自制。 とにかく物騒な武器などもちらついてきて、終盤にさしかかっている感をひしひしと感じます。最後は、これ以上のことが起こってしまうのか、はたまた何か大どんでん返しでもあるのか期待して、更新をお待ちしています。 | |||
えりん | |||
えりん様、引き続きのご感想、大感謝です。なんかころころ化け変わりがちな狸ゆえ、君子でもないのに数日で豹変したりするので、どうか目を離さないでやってください。などと言いつつ、大幅改稿の後だからこそスンナリ盛り上がっていただけたような気もするので、たまに覗くくらいでちょうどいいのかも……いやいや、やっぱり目を離さないのが大吉に違いない。ナマモノだもんな、狸も優太も美紀ちゃんも。 吊り橋上で出会った男女は恋に落ちやすい――確かにそうなんですよねえ。今や半白髪の狸にも、その昔、身に覚えがあったりします。でも、吊り橋を渡りきったあとは、最長でも三年くらいしか続きませんでした。なぜかフラれてしまうのです。といって一生吊り橋の上で暮らすわけにもいかんしなあ、ぶつぶつぶつ。 ともあれ、一過性の吊り橋くらいではなかなか維持の難しそうなアベノミクスっぽい優太ポイント、なんとか恒久的なレベルまで大増量するべく、優太本人が頑張ってくれることを今後も祈るばかりです。 いや正直、ここまで予想外に長引くと、マジにキャラまかせなんですね、今回の狸の芸は。自分じゃ『状況』を投入し続けてやるだけだったりして。もはや『たかちゃんシリーズ』気分。 | |||
バニラダヌキ | |||
大変大変大変、本当にもう大変遅ればせながら拝読しました。水芭蕉猫ですにゃあ。 あぁ、ごめんなさい。ちまちまちまと読んでいたのですが、めっちゃ時間かかってしまいました済みませんorz とりあえず高見せんせーと吉田さんの間に何があったのん? とか半耽美思想猫の腐れ妄想は冗談としてさておき、大変面白いです。ページが後半に行くにつれて加速度的に面白くなる。最近、集中力というものが全くなくなってしまいまして、小説を読んでいる途中であっちへふらふらこっちへふらふらしてしまうのですが、回転木馬が止まらないあたりからもうぎゅぎゅーんと読み進めてしまいました。美紀ちゃん可愛いなぁ。優太君可愛いなぁ。そして電波スキーの猫として高見先生可愛いなぁと思ってしまうワケですね。罪悪感……なのかは知りませんが、後ろを顧みず目的のために非道に生きようとしてきたはずなのに、最後の最後の落ちぶれた先に受信してしまうのがどこにも居ない綾音さんの電波だったというのがなんとも切ないと思ってしまうのですよね。もちろんそれくらい酷い事ばっかりしてきた報いなんだと思うのですが、なんかもう、縋る先がそれしか無いんだろうなぁと思うと切なくて溜まらないです。優太くんも美紀ちゃんも健全な若者なのでこの道どうあっても正しくあればどうにでもなると思うけど、高見さんはなぁ……と思ったところで、おおこれが最初のリリオムに繋がってくるのか!? と今更気づいてわくわくしてくる次第です。映画も原作も知らないんですけどね。スミマセン。ところで、優作君みたいな幽霊って何かどこかに居そうな気がしてたまらない。そんな日でした。次回もひっそりと楽しみにしております。にゃふふ。 | |||
水芭蕉猫 | |||
おお、猫様にも、ついに追いつかれてしまった。老い疲れた狸としては、もうちょっと先行――しつっこいので以下略。ともあれ、この続きも現在カタツムリのようにイキオイよく進行してしまっているので、どうか気長によろしくです。 しかし、どうもこーゆー素直な中学生ばっかし追いかけていると、猫様のお作に登場するカップル(?)の強烈な電波に負けてしまいそうな不安を、思わず抱いたりもしてしまう今日この頃なわけですが……いや負けないぞ負けないぞ。電波どころか、マジな幽霊だっていっしょに歩いてるんだしな。高見先生なんか、モロ電波系だし。でも吉田さんは次回あたり、あんがいストレート系そのものであるのがバレてしまうかもしれません。どうか見捨てないでやってくださいね。……などと言いつつ、こーゆーキャラ同士が長年同居している以上、深層心理あたりでは、お耽美的なアレコレがそこはかとなく、実はしっかり匂ってたりするのかもしんない。 で、ぶっちゃけ、あと2回の更新で大団円を迎えるっぽいこの話、実は優作以外のキャラとは作者としてほぼ談合を終えているのですが、優作君が果たしてどーなるものやら、まだ狸にもわかりません。ほんと気まぐれな奴なんだ、あいつは。こまったもんだよ、ぶつぶつぶつ。 | |||
バニラダヌキ | |||
今回の更新分、国道沿いの静かな某マクドナルドで一人で読んでいましたが、最後の部分を読んで本気で背筋が凍ってしまいました。 舞台があの土地だということを、あの出来事とはあんまり関連させずにずっと読んできて、「十二年前、平成十一年の夏」という部分に一瞬おやと思ったものの(ここまでの作中では一度も、具体的な年代は示されていなかったと思います)、それでもなおあのことには思い至らないくらい呑気に読んでいました。この作品世界で、あのようなことが起こるというのは全く念頭になかったのです。それだけに突然現実とつながった感じがショックでした。あの日の気分がダイレクトに脳内で再生された、と言っても良いかもしれません。 ええと、最後の部分までの感想ですが、見事な展開だと思いました。前回、あれだけのアクションをぶち込まれた意味がようやく理解できました。あれくらいの大事件が無ければ、吉田さんとのここまでの信頼関係は築けなかっただろうと思います。少なくとも修正前のバージョンについては色々苦しい部分があったように思えますが、それでもなおこの展開にこだわられたわけが納得できました。 そして、やはりバニラダヌキさんの作品らしく因果応報を昇華してきれいに終わるんだ、と思いつつ安心して読み進めていたら、最後の部分に来たわけです。ちゃぶ台返しを予告されたおられたのは、こういうことかと思いました。どうなるのかは分かりませんが、あの日にそこにいるのだとしたら、最悪の事態も予想しなければならないのでしょう。 あの数か月後の仙台市内の海岸、かつては町だった場所に立ち尽くした記憶を持つ人間として、心して最終回を読ませていただきたいと思います。 | |||
天野橋立 | |||
拝読しました水芭蕉猫ですにゃん。 最初の方の牡蠣うまそうだなぁ。猫も食べたい。じゅるり。でも牡蠣は本土のは食べたことが一度も無いのですよ。牡蠣と言えば道東方面、厚岸の牡蠣ばかりなのですよね。一度は本土育ちのモノを食べてみたいものです。それからほのぼのは良いですねぇ。バックパックから出てきた綾音ちゃんが吉田さんと牡蠣はんぶんこのシーンに思わず変な笑みがこぼれてしまいました。そしてそこからの二人の邂逅。綾音ちゃんよかったね。高見先生よかったね。本当によかったね。美紀ちゃんも優太君も本当にがんばったねなんてうんうんうんと頷きながら読んでいました。あぁ、この幻想風景こそ狸さんの化かしなのですよね……。思わずうっとりしてしまいました。 ここから本題。さてはて、実は私最初の方からこのお話は何年代のいつの出来事だろう。狸さんのことだからぜったい緻密に年代を計算しているに違いないからどっかであの事件の話も入るんだろうなぁと思いながら読んでいたのですが、まさかドンピシャで来るとは思いませんでした。ちゃぶ台返しというのはまさしくコレか……。これから出てくる峰館在住者の方がいらっしゃるらしいので、猫としてはそちらの方を楽しみにしております。本来ならうっとりで座布団二枚……と行きたいのですが、次回がめがっさ楽しみでそっちに期待をでっかく込めてとりあえず一枚。 | |||
水芭蕉猫 | |||
>天野様 いやあ、一旦きれいに(自分で言うか)にまとめておいて、ついに卓袱台をひっくり返してしまいました。とはいえ実は、本作冒頭第一行『雛祭りと同じ木曜日、山福美紀は十四歳になった。』で、すでに確定されていた事態だったりもします。そうした配置のカレンダーは、この年代、あの年にしかなかったりするのですね。たとえばミステリーマニアの読者様とかなら、そこいらも、とっくに気づかれているかもしれません。もともとこの物語は、短編として着想した段階から、そんな流れだったのでした。あの事態に関する狸なりの脳内整理、そんな感じで。 それから、たぶん天野様のご感想の内容と直接関わりはないのかもしれませんが、あそこで吉田自身の台詞として「十二年前、平成十一年の夏」を言わせたのは、吉田の言葉として感情的に不自然であると気づき、他の微修正とともに、先ほど修正させていただきました。あれは吉田の言葉ではなく、狸の言葉になってしまっていました。それで、あわてて「平成十一年」を、島本の分析に移動させたわけです。そこに気づかせていただいた点でも、天野様のご感想には、頭を上げて寝られないくらいです。前回の色々苦しい初稿も、たぶん、この物語や出てくる人々たちではなく、狸自身の感情が表面化してしまったからと思われます。 さて、それも含めてなんとか展開を馴染ませファンタジーっぽく昇華しといて、いきなり力いっぱいとんでもねー『現実』の卓袱台返しが本格化してきたわけですが、狸もアレで何日間か郷里の母親の様子が把握できなかったり、縁者の縁者が流されてしまったりもしておりますので、心して、ぶちまけてしまった食器や料理をきっちり『現代・リアル・ファンタジー』の世界に復してあげようという所存ではいるのですが――できるかなあ。 ああ、なんか大きな荷物を、来年に持ち越してしまった……。 まあ仕方ないんですけどね。自分で背負った荷物だし、荷物の中には愛しい人々や幽霊たちが、元気に生きてたり元気に死んでたりするし。 えーと、念のため。狸の大長編において、物語の個々の要素が、たとえ一片たりとも『最悪の事態』のまんまで終わるとゆーことだけは、ありえませんのでご安心ください。おめでたい正月から、そんなの語っていられるもんじゃありません。……短編だと皆殺しにしたりもしますが。 >猫様 狸も実は長い狸生の中でたった1回しか食ったことありませんが、三陸のとれたての牡蠣はうまいです。ドーピングしてないとすれば、きっと海の中で「おいしくなあれおいしくなあれ自分!」とか、必死で鍛錬していたに相違ありません。でもたぶん、厚岸の牡蠣はもっとキビしい鍛錬を経ていると思われ……じゅるりじゅるり。 で……ああ、良かった。なんか、狸が精魂こめてカタツムリのようにイキオイよく夜ごと孤独にちまちまと発信し続けたなんかいろいろの電波、どうやら、しっかり猫様の耳やら脳味噌やら猫式アンテナやらで、受信していただけたようで。――うっとりしてほしいの。理屈じゃないの。ふにふにすべすべなでまくりたいの。つんつん突っついたりひっくり返したりしたいの。……電波って、触ると、ちゃんと感触ありますもんね。たまに引っかかれて流血したりもしますが。 ところで猫様も、ここでドンピシャ来るとは予想されていなかったのですね。そうか……高出力アナログ電波の中に、微弱なデジタル信号、ちょっとだけこっそり流してただけだもんなあ。しかし、ついに表面化してしまったのである。非情のリアル電波が、今、あなたを襲う。 あっちのほうで、思わせぶりな予告をしてしまったのが、今となっては悔やまれます。そのせいで、歳末の座布団が1枚、減ってしまったのかもしれない……。しかし負けません。次回こそ3枚も4枚も……無理かもしれません。 でもがんばるんだ狸は。がんばってこれから『行く年来る年』見るんだ。きゃりーぱみゅぱみゅの出ない紅白なんか、録画の早送りだけで充分だい。 ……すみません、なんの話でしたっけ。 とりあえず来年もよろしくです。 | |||
バニラダヌキ | |||
今回は、ファンタジー要素が強いですね!地震など大がかりな出来事も目白押しになってきて、なんだか特別豪華だなあと感じました。高見さんと、綾音の涙涙のシーンもよかったのですが、なぜか印象に強く残っているのは、綾音が牡蠣を焼くところなんですよね。な〜んともいいですね〜。それと、「お花を摘みに。。。」ってそんなお上品な!と思ったとか。。そんなところばかり上げていると、ちゃんと読んだのか怪しまれそうですが、読み終わって浮かんだのが、この二か所だったんですから仕方ない。なんせ読んだ先から忘れていく鳥頭だから。 最後の最後にまた、いいところで続く、になって気になります。では、今年もよろしくお願いします。 | |||
えりん | |||
明けましておめでとうございます! 新春ご感想第一弾記念として、えりん様には、狸の腹鼓による、おめでたい一本ジメを披露させていただきたいと思います。 ……よーぉっ、ぽぽぽん、ぽぽぽん、ぽぽんぽんっ! さて、歳末特別番組として今回は色々てんこもりにさせていただきましたが、なんと牡蠣焼き綾音ちゃんが最高点とのお言葉、舞い上がってしまい、思わずまた一本ジメを――よーぉっ、ぽぽぽん、ぽぽぽん、ぽぽんぽんっ! ……しつこい? いやあ、でも、あそこの綾音ちゃんは、かわいいですよね。狸も、そう思います。うんうんうん、ええ子やええ子や。なあ綾音ちゃん、高見なんぞほっといて、おっちゃんと、どっか楽しいとこに行こ。もっと旨いもん、なんぼでも買うてあげるさかい……なぜにアヤしい関西弁。 でも『お花摘み』は、自らロッテンマイヤーを標榜する淑子だと、あんがい当然だったりします。乙女や淑女は、排泄などとゆー動物的なアレコレを、表立って口にしてはいけません。原節子さんや吉永小百合さんは、生まれてから死ぬまでそーゆーことは一切やらない、そーゆーキマリになっているのです。仮にトイレに入ったとしても、あら不思議、そこは乙女の秘密の花園……正月で浮かれるのもいいかげんにしとこうね俺。 さて次回、新春特別番組、しかも最終回として、さらにてんこもりの豪華な展開に――できるのか? そもそも、新春のうちに仕上がるのか? 神仏のみぞ知る今年の運勢、どうかえりん様も今年一年、御多幸であられますように。狸の愛の鞭は御愛敬! | |||
バニラダヌキ | |||
完結、おめでとうございます。 これだけの作品の、それも相当なボリュームの最終章ですから、少しずつゆっくり読ませていただくつもりだったんですが……この展開、読み始めたら少しずつなんてことはとてもできず。一気に読み切ってしまいました。すごいものを読ませていただいた、という感じです。 美紀ちゃんについては正直、これはあんまりだと思ってしまったのも事実です。こういう展開にするのはお辛かったのではないかとも思います。しかし恐らく、あの災害を扱う以上、こういうことが起こってしまうのが運命だったのでしょう。そもそも、これくらいのことが起きなければ、あの災害をリアリティを伴って作品内に呼び出すことは出来ないでしょうから。手術がうまく行って何よりでした。美紀ちゃんにはお疲れ様でした、とお伝え下さい。ああ、優太君にも。 綾音ちゃんたちについては、あれ? これでにっこり成仏して終わり? ずいぶんあっさりしてるな、と思って読んでたら、そんな訳はなく。ちゃんとスペクタクルシーンにおけるアンコールの見せ場もあり、最後の落ち着き方も見事に決まり、綺麗に冒頭部につながっての完結だと感じました。 そういえば実は、あまりに壮絶な展開に気を取られすぎて、北条先生というのが誰か気付かないままほとんど終盤まで読んでしまいました。この人も、あのもう一つの極限状況の中から見事に再生されたんだなあと感慨深いものがあります。 一点、坐薬のシーンで「内服薬は効きが遅いし、そもそも嚥下が難しそうだ。ここはしかないだろう。」という打ち誤りがありましたので、ご報告しておきます。 さて、何事によらず切ってくっついて、となるとむしろ強靱になるということもあるようですが、そのおかげでと言いますか、この最終章は非常に骨太の堂々たる仕上がりになったという印象です。今までのバニラダヌキさんの作品に比べても力強さをはっきりと感じる、何か一つ突き抜けたような、そんな出来上がりだと思います。 大変勉強になりました。素晴らしい作品を読ませていただき、どうもありがとうございました。気が早いですが、次回作にも期待しています。これだけ作品世界が広がったのだし、峰館シリーズ、これで終わりじゃないですよね? きっと。 | |||
天野橋立 | |||
あ、イッキ! イッキ! イッキ! ……すみません。ちょっとインフルとタミフルで、軽くトリップしている狸です。 まあ、あの災害以降のこの国に、そろそろ狸なりの節目をつけねばなあ、そんな気持ちで打ち始めた話でもあるので、実は美紀にも優太にも、「これはあんまり」どころか、もっともっと苦労をかけてしまう路線も当初考えていたのですが――できませんでした、はい。自分にも脳内キャラにも甘いイキモノなのですねえ、狸は。 いっぽう綾音&高見コンビは、ほぼ当初の路線(ずいぶん長くはなりましたが)のまま無事に木馬にまたがってくれて、自分の脳内キャラながら「ありがとうありがとう」、そんな感じです。 あと、北条先生、実は前の話の初稿では、名字が違っていたりもします。昔は島先生だったんですよね。今回は島本シマちゃんと紛らわしすぎる気がして、改姓してもらいました。でもまあ、たぶん前の話を読んでくださった他の方々も、終盤で沙弥香の名が出てくるまで、あの大鬱者と同一人物であることは気がつかないと思います。まして前の話を読んでくださっていない方々には、まったくもって「……どんな奥さんなんだろ」「ふんがー」なわけですが、そこはそれ、シリーズとしてのサービスだったりも。 ともあれ今回の大風呂敷、天野様には無事に納得していただけたようで、ひと安心。最後までのご愛読、伏して御礼申し上げます。 しかし……続くのでしょうか、このシリーズ。肝腎の『なんだかよくわからないもの』も、使い切っちゃいましたから。でもまあ、なんぼでも再抽出や再固形化できるモノなんですけどね。もともと、この世界のどこにでもあるものですから。 | |||
バニラダヌキ | |||
おはようございます。お加減はいかがでしょうか。 しばらく前に読み終えていたのですが、言葉がみつからず、感想は書けずにおりました。で、結局うまい言葉は見つかりませんでしたので、中身の無い感想でご勘弁いただくことにしました。 ACT.9からの一気読みだったのですが、通勤電車内でのスマホという最悪の読書環境にもかかわらず、巻を措く能わざるという勢いで(何が「巻」だか)、かなりのスピードで読まされてしまいました。ほんとうに、やめられないのです。そんな本に出会えることは昨今ほんとうに稀です。 間もなく3月を迎え、あれから間もなく5年になりますが、あの出来事を丸呑みして本当に咀嚼した上での物語が綴られるようになるのは、今年ぐらいからなのではないかとも思います。東北ご出身の狸様が、あの出来事にこのような形でオトシマエ(?)をつけられたのだなあと、しみじみと、ずっしりと重い感慨を覚えました。 また、「現実」の暴力的な力が「物語」を圧倒し、しかしまたその上で「物語」がその全体を包み込むという稀有なプロセスを目にしたという気もしております。 ただひとつ、非常に残念なのは、これだけの質と器の大きさを持った物語が、その発表媒体においても、作品の形式においても、現状では多数の人々の目に触れにくい状況にあるということです。なんとかこれを、もっと多くの読者に読まれる形にできないものだろうかと、いささか歯がゆくも思うのです。 文章が走り過ぎていないかと思う個所もあるのはあったのですが、これからもちょこちょこと推敲はお続けになることでしょうし、重箱を突きたくなった個所は、特にはありません。 狸様のように、物語の力で世界の「現実(何も、震災とは限らず)」に正面から取り組む意志と勇気が僕に足りていないことを痛感しつつ、2枚じゃ全然足りないのですがシステム上の都合で、座布団2枚を奉呈。 | |||
中村ケイタロウ | |||
あ、やめられな〜い、とまらない〜、か〜っぱえびせ〜ん ♪ ……すみません。インフルは快癒に向かっているのですが、まだタミフルとウィルスがそこはかとなく脳内および気道近辺でカラミあっている感じの狸です。 さて、ACT.9から先の展開は、打っている狸としても、なんとか『巻を措く能わざるという勢い』を保ったままで腹鼓を打ち続け、なおかつ皮の下のハラワタからちょっと吹き出してきたりする狸の獣臭もそれなりに加味して、さらにまた優太や美紀やその他すべてのキャラたちにもそれぞれの人格を過たずまっとうさせてやりたい、そんなこんなで、かなり1シーンごとにあーでもないこーでもないと苦吟したりしながら、しかしまたそんな『苦吟』なんぞという気配はすなわち『巻を措く能わざるという勢い』の大敵に他ならないわけで、実際にお聞かせする腹鼓からは極力排除するように努めましたので、そのあたりの疾走感を味わっていただけたなら何よりです。 しかし狸としても、ここまで『生々しい現実』をカタパルトにして『広義のファンタジー』を臆面もなくぶち上げる日が来ようとは、一昨年あたりまでは思ってもおりませんでした。まあ、ようやく時期が来た、ということなのでしょう。ちなみに作者として、これをどれだけ多くの人に読んでもらえるか、そうした部分は、もはやほとんど考えておりません。野道や山道でたまたま出会った村の方々を無事に化かせたらオールOKです。 で、ああ確かにテンポにこだわりすぎてなんか文章がトンでる感じもするなあ、と、特にACT.10の終盤からエピローグにかけて、我ながらそこはかとなく思ったりもする今日この頃なのですが、ちょいとタミフルが勝つかウィルスが勝つか微妙な状態でもあるので、中村様におかれましては、どうか気長にタミフルの勝利を祈ってやってください。 | |||
バニラダヌキ | |||
拝読しました。水芭蕉猫ですにゃあ。 先のお二方の感想の後だと、自分の底の浅さが垣間見えてしまいそうで何か申し訳ないんですけれどね。 一言で書いちゃうと凄く面白かったです。少しずつ読むのは多分不可能だなって思ったので時間のある時にいっぺんに読んだのが昨日だったわけです。 で、読んだ結果はおあ、おあああおあと一人でおたおた夜中にうろたえておりました。だって、だって何かもう美紀ちゃんとのアレとか優太君のソレとか高見さんの最後とか、もう本当に色々たくさんありまして、何を言っていいのか書いていいのかさっぱり解りませんもの。でも、高見さんも綾音ちゃんもきっと最後の最後で浮かばれたような気がします。だってラストであんなに楽しそうに遊んでいるのですもの。まさしく永遠の回転木馬なんでしょうね。 ともあれ、美紀ちゃんですよ美紀ちゃん。ぽろりしちゃ行けない場所がぽろりとなってるじゃないですか。でも最後にはきちんとぽろりがくっついたようで、良かったです。これからまた大変そうですが、それでも優太君がいてくれればどうにかなるのかな。と思えばほっとします。 あの災害、私も凄く印象に残ってましてですね、それをこういう具合に書ききってしまうのは凄いと思います。優作くん尽力しましたね。実は一番の立役者なんじゃないかなと思うくらいです。それから、峰館シリーズ全編通して読んどいて良かったなと(笑) どうしようかな。まだ何か書きたい気もするけれど、きちんと文章としてはまとめられそうにないのでとりあえずこの辺で。 まだまだインフルは治ってないでしょうか? お大事にしてください。こんなに素晴らしいお話をありがとうございました。 | |||
水芭蕉猫 | |||
それから前回分の座布団追加☆ | |||
水芭蕉猫 | |||
にゃおぽん! タミフル、ビバ! どうやら狸の体内では、無事にタミフルがインフルをシバキ倒してくれたみたいです。しかし久々に6日間も寝たきりに近い生活を送ってしまったせいか、どうも足腰が思うように立ちません。しかし思うように立てなくとも、なんとか日銭をせしめないと餓死してしまう境遇ですので、狸はこれからしばらく『一見立って働いている狸』に化け続けようと思います。実は一日中物陰で丸くなっていたりするのは、くれぐれも内密とゆーことで。 閑話休題。 いやもう『凄く面白かった』のひと言だけで、狸のすべての狸生は報われました。さらに前回分の座布団までいただいてしまい、ああもうこれであと一週間さらに寝たきりになっても悔いはない、そんな安らかな気分で永久の眠りに……就けるほど甘くないんだよなあ世の中。 ともあれ、作者としていちばん行く末を案じていた優作が、このワヤワヤになりかけた物語世界を結局はいいグアイにまとめてくれた、そんな感じがしないでもない今日この頃です。今さらながら、ハズミで出しちまっといて、ああ良かった良かった。 ちなみに北条先生や謎の奥さんなんかは、ハズミで出しちまったように見えますが、実は優作とは違い、最初っからシメを担ってもらうつもりでした。猫様にもお気に召していただけたなら何よりです。 | |||
バニラダヌキ | |||
小説の完結、インフルの完治(軽く韻ふんでみた)おめでとうございます&お疲れ様でした! めでためでたの大団円。。。とは言い切れませんが、穏やかな最後でしたね。やっぱり綾音ちゃんが、すごく独特の雰囲気を放っていて、毎回印象的で好きなキャラでした。高見さんも、回が進むごとに段々と憎めない人の良さみたいなものが滲み出てきて、すごく人間らしくなったというか、うまく言えないのですが、好感が持てました。 そして、この物語の地震が暗にあの震災を物語っていたとは、他の方の感想を見るまで、全くといっていいほど気づかなかったという最低な人間です。ああ言われてみれば仙代、本当だ、という感じで。 美紀ちゃんの災難のところは、最悪の事態を予想してしまい、続きを読むのがなんだか恐ろしかったです。 助かって良かった。ホッ。 『高野聖』かあ、そういう有名なのはとっつかず、『雛がたり』などが好きな私も、世間からはヒネクレ者だと思われてるだろうな。今度読んでみようかな。なんか、、感想があちこち飛んですみません。最後の、猫に自分を例えた優太くんへの問いかけも、可愛らしいじゃないですか!ああ、この子達にもう会えないのか〜、寂しいのう。 何かのときの番外編でも期待しています。今まで楽しませて頂いてありがとうございました! おっと、白狸初めて見た〜あっ透けてる。。。 | |||
えりん | |||
おざぶを忘れてたよ。 | |||
えりん | |||
……透けてます。いただいた座布団にちょこんと座ってお茶などすすりながら、ふと自分の膝元を見下ろしてみれば、全身白毛と化した狸皮ごしに、おざぶの美しい花柄がそこはかとなく透けて見えております。おざぶの周りに、白い毛が次々と抜け落ちている気もします。すべてをおめでたい大団円に導かなかった報いでしょうか。でもきっと、人も狸も大地も海も所詮は虚実皮膜、すべては透かし模様の世界なのです。半透明上等、透けてる肉球だって、とってもキュート。 ……なんの話でしたっけ。 なにはともあれ、綾音&高見さん、そして優太や美紀を最後まで可愛がっていだき、感謝の念に堪えません。えりん様には、慎んで狸の抜け毛を一房、別便にて送付させていただきます。しかし現時点ですでに半透明であるため、故郷に届く頃には全透明化しているかもしれず、それどころか封筒や切手までがハッパやドングリに戻ってしまい……ある日郵便受けにハッパやドングリが入っていたら、どうか狸の形見と思ってやってください。 さあて、形見分けも終わったことだし、久しぶりに玉三郎様の『天守物語』のビデオでも見て、黒狸に化けなおしましょう。ちなみに狸は中学時代から『眉かくしの霊』が大好きなオヤジガキでした。 | |||
バニラダヌキ | |||
完結お疲れ様です。 なんだかんだと読めずにいたらいつの間にか溜まりに溜まって、丸一日使って最初から読み直していました。 なんというか、とても面白かったです(コナミ感) いや、冗談抜きに浅田の貧相な語彙ではとてもこの面白さは表現できません。特に美紀ちゃんの可愛らしさには何度となく悶絶させられました。 最近ではAIが小説を書くとかなんとか。 10年選手としては負けるわけにもいかず、そろそろこっちにもちゃんとした作品を出さねばなと思う今日この頃でした。 | |||
浅田明守 | |||
完読大感謝、平身低頭、五体投地状態の狸です。 溜めも溜めたり大長編、「俺の貴重な一日を返せ!」と罵倒されても仕方のない分量になってしまいましたが、無事に面白がっていただけたようで、なによりです。 実は半白髪の親爺狸なので、なんかナウっぽい『コナミ感』とはなんぞやと、たった今グーグル検索をかけてみたところ――なんのなんの、ただ『面白かったよ、おっちゃん!』と、良い子に一声かけていただくだけで、街頭紙芝居の親爺に化けた狸などは、ムフフと多幸感に浸ってしまうのです。うんうん美紀ちゃん可愛いですよね。実はあの子がモデルだったり。あれは今を去ることウン十年前、中学で狸の隣のクラスにいたキュートな天然系の――以下省略。 で、いやあ、あのAIによる創作活動に関しましては、狸も新聞の見出しを見て仰天したのですが、なんのことはない、創作物としての本質的な部分、いや全作業の八割までは、あらかじめ人力でやってるわけじゃないですか。 まあ、そのうち自分で勝手に色々妄想して、ムフフとか笑いながらテキスト化する小賢しいAIなども、出現するのかもしれませんが――妄想だけなら負けないぞ、人も狸も。 | |||
バニラダヌキ | |||
またまたご無沙汰しております。 まずは完結おめでとうございます。お疲れ様でした。 実は、だいぶ前に読ませて頂いていたのですが、どうしても感想を書くことができませんでした。というか、正直に申し上げると、弱虫のわたしはまだあの震災に気持ちの面で向き合えておらず、あまりのことに読む最中で途中で何度も引き返して(決して作品のせいではなく、わたしが弱虫なせいで)なかなか先を読むことが出来ませんでした。 もしかしたら、少し関係してくるかも、と思わなかった訳じゃないんです。 木曜定休だった当時、「雛祭りと同じ木曜日」のところで、わたしひな祭りは出勤したような気がするなあ、とか、美樹ちゃんの「三丁目の夕日」発言で「ここは2015年じゃないのかなあ」とか、確かにぼんやり考えてたんですよね。でも、まさかこんなに真っ正面から震災と向き合われるとは思っていなくて、動揺してしまいました。遅くなってしまってごめんなさい。 まずは綾音ちゃんの気持ちが通じて良かったです。あの幻想的なシーンもとても素敵なのですが、高見さんの最期のシーンがとても好きでした。高見さんのことも北条先生のことも好きにはなれないけど、善悪どちらの顔も持つ、不完全さにバニラダヌキさんの愛を感じました。冒頭のリリオムとも繋がりますね。あぁ、これは本当にゆるす物語なんだな、と。 優太くんの勇姿も凄かったし、その優太くんを助けてくれた二人の姿にも胸を打たれたし、もう一人一人あげていけばキリがないくらいなのですけど、なかでも、わたしは優作くんの行動にとても救われた気がしました。あの状況で引き返さなかった島本さんの判断は英断だったと思うけど、でも、優作くんがいてくれて本当によかったです。あの震災でご身内や友人を亡くされた方、苦い思いを残している方、あの土地にお知り合いがいなくとも、報道を見て心を痛めている方、すべての方に読んで欲しいと思いました。現実ではどうにもならないことをこうやって昇華されるというのはなかなか勇気もいるし難しいことだと思うのですけれど、素晴らしかったと思います。一度目に読んだのは電車の中だったのですけれど、涙が溢れて困るくらいでした。 最後の回転木馬のシーンも良かったです。ずっと回り続けるんですね。はじめ、木馬が消えることで終結するのかと思っていたのですが、こんな形で本当に良かったです。 そうそう、美紀ちゃんが優太くんにつかまってるシーン、前回うっかり感想書き忘れちゃったけど、最高でした。自転車の二人のりも万歳! 青春万歳! 最初から最後まで、本当にこの作品を読めてしあわせでした。 一つだけ気になったのですけれど、ラスト、美紀ちゃんが綾音ちゃんのことを口にしてない、回想してるシーンが無いのはどうしてなのでしょうか。たぶん美樹ちゃんには、この震災の状況も被害もわかってないですよね。誰も伝えてないだろうし、本人がそれどころじゃないし。だから、二人の安否(って言って良いのかな……。綾音ちゃんははじめから亡くなってるし)を気にかけてないのはわかるんです。 でも美紀ちゃんのイメージのなかでは、綾音ちゃんは高見さんとマドレーヌを食べながら和やかに暮らしてる訳ですよね。あれだけ綾音ちゃんのことを気にかけて、家を飛び出しまでした彼女のこと、普通なら人を気にする余裕がない状況でも「高見さんと仲良く過ごしてるのかな」とか、「綾音ちゃん、気持ちが通じて本当によかったな」とか、病院でとりとめもなくぼんやり考えてそうだなあ、と思ったんですよね。でなければ茂美ちゃんをあんな風に迎えたりできないだろうし。優太くんにもその話をしないし、心の声でもそれらしい描写が無くて、ちょっと不思議でした。 でも、これだけ登場人物に愛を注ぐバニラダヌキさんがそのくらいのことを考えない筈はないし、敢えて描かれなかったんだろうなぁ、と思って。そう考えていくとよくわからなくて、どうしてかな、と気になりました。 でも、本当に素敵な作品でした。美紀ちゃんたちに出逢えて本当に良かったです。素敵な人たちに出逢わせてくださってありがとうございました。 時間を置いたことでだいぶ落ち着いて感想を書いたつもりなのですけれど、読み返すととりとめがなくて読みにくいですね。ごめんなさい。これでもずいぶん整理したんです。 あと、すみません……。美紀ちゃんの漢字、わたし最初から前回まで、ずーーっと変換ミスをしていたことに、たった今気がつきました。友人のミキちゃんたちにちょっと、美樹ちゃんと三紀ちゃんと美姫ちゃんに未来ちゃんおまけに三木さんがいるもので、ミキって打つと一杯出てきて……。だめな言い訳。失礼致しました。 またいつか、峰館シリーズで皆に逢えたら嬉しいです。タカちゃんたちにも。 | |||
夢幻花 彩 | |||
あ、「タカちゃんたちにも」って、この書き方だと峰館シリーズで逢いたいって言ってるみたいですね……。タカちゃんシリーズもまた読みたいな、っていう意味です。失礼致しました。 三回ぶんの感想なので、もう二点入れても大丈夫かしら。折角だし、最終回だし。 | |||
夢幻花 彩 | |||
おおおおお……狸、やっぱりアルツ!! いえ、敢えて描かなかったわけではないのです。完結を目前に打ち急ぐあまり、なんとなく狸の内部で自己完結してしまっておりました。なんぼ美紀ちゃんがフワフワ状態だといって、綾音ちゃんや高見さんのことを想う一文が、いっさいないのは大欠陥です! 明らかに腹鼓が打ち足りない! あわわわわわ!! ……す、すみません彩様、なんか取り乱してしまいました。 いえ、綾様の今回の繊細かつ懇切なご感想、平身低頭しながら読み進めていたのですが、『一つだけ気になったのですけれど』の続きを読み進めるうち、冗談抜きで穴があったら入りたい、いや穴がなくとも自分で掘って頭から突入したい気分になりました。そうですそうです! 『綾音ちゃんは高見さんとマドレーヌを食べながら和やかに暮らしてる』、そんな夢想の形で入れておけばよかったんだ!! 入れねば! すぐに入れねば! いっそこのままコピペさせてもらって……。 ……恥はないのか狸。 本来なら、今回いただいた座布団は、いったんお返しするべきなのですが、なんか夜中は妙にお尻が冷えるので、ずうずうしくもありがたくフカフカしながらキーボードを叩きまくり、腹鼓を打ち加えようとしている狸です。 なお、タカちゃんトリオも、遠からずどどどどどと駆け出しそうな気配があったりするので、その節は、またよろしく遊んでやってください。 | |||
バニラダヌキ | |||
お久しぶりです。感想がめちゃくちゃ遅れて、なおかつ簡素で非常に申し訳ありません。でも神夜が小難しい言葉並べ立てても、狸さんの物語に置いては、ただのハナクソだからいいよね、簡素で。 読んだ感想を一言で言うなら、これは素晴らしい。登竜門において読んだ物語の中で、最高峰だった。円満解決と思いきや、地震へ繋がるあの流れ、そして危機的状況からのすべての登場人物の奇跡(働き)を持ってのハッピーエンド。文句のつけようもない。採点システムが2だからあれだけど、10つけても少ないくらいだ。素晴らしい。作品代として居酒屋奢らせてください。優作の座敷わらしのくだりはお気に入りです。 リアルタイムで読めず、感想も遅れてすみません。素晴らしい作品をありがとうございました。 | |||
神夜 | |||
うわ最高峰? ――えっへん!! ……簡素な反応すぎないか狸。 とにかく、すべてのキャラに思う存分がんばってもらえたので、作者自身としても、愛すべき物語になりました。それもこれも、神夜様はじめ、すべての読者様のご感想あってこその長丁場、なんじゃやら寄席の高座でうるさ型のお客様たちを相手に大ネタの連続物を無事に語り終えた講釈師のような、充実した安堵を味わっております。 で、実は近頃、血圧と血糖値対策で酒も肴も控える狸の身、居酒屋でコンニャクばっかし食ってるのもなんなので、代わりに優作と、例の豊満な娘さんを参上させたいと思います。娘さんのほうは、狸自身もどこの誰だかまだ聞いていないので、飲みながらでも、身の上話を聞いてやってください。ただし、くれぐれも、お尻を撫でたりしないように。優作は、タコ殴りにする相手の生死を問いません。死んでも殴られ続けます。 | |||
バニラダヌキ | |||
石田壮介と申します。 遥か昔に一度感想をいただいた気がする、木っ端物書きです。 素人の戯言ながら、感想を書かせていただきます。 尚、ストーリーも単独でお楽しみいただける仕様、と書かれておりましたので、この作品単体での感想を書かせていただきます為、見当違いの部分もあると思われますが、ご容赦下さい。また、気になった点について恐縮ではございますが、本文を引用させていただきたいと思います。 まず文章について、私は随分昔に別の作品に目を通した事があるのですが、相変わらず凄いなと思いました。この文章を書くには深い造詣と、それを適切な場所で引き出せる力がいると思いますので、まあ私には生涯書けなさそうだなと、唯々感服致しました。 内容については以下の点が、気になりました。 @家から持ち出した果物ナイフで、回転木馬から降りたばかりの高見を切りつけた。しかし、その隣の木馬に誰が乗っていたのかは書いていない……(本文引用) 本文から以下四行程度なのですが、前段で相手の事が十分説明されている為、隣の木馬に誰が乗っていたのかは推察できるような気がします。それが改めて相手が伏せられる形でやり取りされたので、もしかしてもう一人違う相手がいるのかと誤読をしてしまいました。流れからしても、このやり取りが必要だったのだろうかと、思った次第です。 Aドギツい話を、お子様向けの絵本にしたみたいな話に変えて、子供に伝え、美紀と優太の旅を陰で見張っているような大人達が、人非人の処遇について、被害者とは言え美紀と優太に判断を求めているところが、どうもしっくり来ませんでした。この話のテーマとして「許し」というものが内包されているように思われますし、流れからしても重要なエピソードであるとは思われるのですが、別のエピソードもしくは「大人と子供」のような小さなテーマを設けて描写する方がわかり易くなるのではないかと思いました。 B澁澤老人の高見と綾音に関する話から、以下の辺りが気になりました。 ・もし、まともじゃなく育ったとしたら、今の子供の『欲望』や『執着』と、当時の子供の『野望』や『執念』は、まったく違ったものだったと俺は思うね……(本文引用) ・しかし彼らの多くは、人間関係というものを、敵か味方か、上か下か、それだけで判断する人間に育ちがちだ。……(本文引用) ・高見の居場所をつき詰めた、島本達が茂を除いて、「報い」という風な体である部分 これらの部分は高見の印象をミスリードさせる役割があるように思われますが、実際の高見の幻覚に悩まされている原因が書かれていないように思われた(見落としていたら、申し訳ありません)為、ただいたずらに高見の印象を貶めるだけになってしまっているように感じました。 人非人のシーンにあります、 弱そうな中坊にだって、いや、すべての他人にだって実名があり、仮名の欲望以上に現実的な希求があることを、仮名そのものになってしまった馬鹿は実感できない。脳味噌まで仮脳だからだ。……(本文引用) ここについても、上記の澁澤老人の話等を鑑みると、少しぞんざいな印象を受けました。 個人的にはこの作品は、小説というより戯曲を読んでいるような気がしました。セリフ回しが舞台っぽくて、演劇をやっていた頃を思い出して懐かしくも感じました。もしも戯曲からこの小説が生まれたのだとしたら、AとBのような事が発生するのも納得がいきます。 最後の卓袱台返しについては、私としてはどうも受け入れ難かったです。それはやはり、その手前で事足りるような気がするからです。それでも、しっかりと書かれていらっしゃったので、何かあるのだろうかと、息が詰まるような思いをしながら昨晩一気読みする羽目になりました。結果、どうにも断絶感が拭えず、二つの作品を読まされた心地になったのですが、こうして書いている今思い返してみますと、確かに私の中にあった回転木馬もひっくり返っておりましたので、この断絶感そのものが描きたかった事なのかなとも思われます。シリーズ物として先を書くにしても、必要な事だったのかなとも思えます。 ただ、少しアーティスティックな感じがして、人を選びそうな作品だなと思いました。 | |||
石田壮介 | |||
合計 | 50点 |