オリジナル小説 投稿掲示板『登竜門』へようこそ! ... 創作小説投稿/小説掲示板

 誤動作・不具合に気付いた際には管理板『バグ報告スレッド』へご一報お願い致します。

 システム拡張変更予定(感想書き込みできませんが、作品探したり読むのは早いかと)。
 全作品から原稿枚数順表示や、 評価(ポイント)合計順コメント数順ができます。
 利用者の方々に支えられて開設から10年、これまでで5400件以上の作品。作品の為にもシステムメンテ等して参ります。

 縦書きビューワがNoto Serif JP対応になりました(Androidスマホ対応)。是非「[縦] 」から読んでください。by 運営者:紅堂幹人(@MikitoKudow) Facebook

-20031231 -20040229 -20040430 -20040530 -20040731
-20040930 -20041130 -20050115 -20050315 -20050430
-20050615 -20050731 -20050915 -20051115 -20060120
-20060331 -20060430 -20060630 -20061231 -20070615
-20071031 -20080130 -20080730 -20081130 -20091031
-20100301 -20100831 -20110331 -20120331 -girls_compilation
-completed_01 -completed_02 -completed_03 -completed_04 -incomp_01
-incomp_02 -現行ログ
メニュー
お知らせ・概要など
必読【利用規約】
クッキー環境設定
RSS 1.0 feed
Atom 1.0 feed
リレー小説板β
雑談掲示板
討論・管理掲示板
サポートツール

『ピーマン』 作者:カササギ / ショート*2 未分類
全角1537.5文字
容量3075 bytes
原稿用紙約4.35枚
ピーマンの気持ちを考えたSS
 男一人の夜は寂しかった。
 だから、気慰めに今日の晩は久しぶりにフライパンを握ってみた。
 何を作ろうか考えた末、野菜炒めを作ることに決めた。
 その時、何となくピーマンが食べたかったので冷蔵庫を開けてピーマンを探した。しかし、一見したところピーマンは見当たらなかった。
 ――ピーマン!どこだい!出ておいで!俺はあんたが食べたいんだ!食べたいんだよ!今すぐ!!
 はてさて、ピーマンは意外なところから発見された。
 カチカチピーマンが五つ、冷凍庫から凍死寸前で救出されたのだ。
 早速、ピーマンをまな板の上に乗せて包丁でザクザクやってみた。カチカチだったので切るのに苦労するかと思ったが案外そうでもなかった。ピーマンは硬そうに見えて見掛け倒しのフニャフニャだった。
 ザックザックと包丁をテンポ良く振りかざす。
 ピーマンは逃げない。鳴かない。怯えない。ただじっと切られるのを待っているようでもあるし待っていないようでもある。つまり、動かない。動かざること山の如しである。
 畑でちゃんと教育を受けた優等生なんだろう。包丁で切られる時の対応の模擬演習100点満点だったんだろう。真面目なんだこのピーマン君は。きっと。
 やがてピーマンはバラバラになった。バラバラになったピーマンはもうピーマンじゃない。バラバラになったピーマンだ。
 包丁を握りつつ少しだけピーマンに同情した。ピーマンに同情するというよりはピーマンの運命というか人生というかピーマン生に。
 だってそうじゃない。冷蔵庫と間違えて冷凍庫にぶち込まれてカチカチにされた挙げ句の果て、すっかり忘れ去られた存在だったのに突然、今日になって引っ張り出されてよく分からん冴えない男にバラバラにされてフライパンで真っ黒焦げに焼かれて、しまいには食われてしまうんですよ。そんなピーマンの人生。いや、ピーマン生。ああ、悲しや、ピーマンよ。せめて来世では幸せなピーマンであらんことを。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…
 だが、包丁を握った手を休めることはなかった。始終、ずっと事務的にその作業を継続した。ピーマンを切り刻むことを止めることはなかった。
 やがてすべてのピーマンを切り終える。そして、フライパンにバラバラになったピーマンを落とし始める。一つ、二つ、三つ、四つ…バラバラになったピーマンがピーマンの後を追って高さ30センチから紐なしバンジージャンプを行う。
 やがてジュージューという音がし始めた。ピーマンが焼けているのだ。ピーマンの焼ける音だ。ピーマンが焼かれ、炙られ、炒められ、真っ黒なフライパンの上でダンスを踊る。命のダンス。ピーマンダンス。あ、それ、ちょちょいのちょいっと。景気付けにフライパンを揺すってみたり。油で塗るつく足場に足をすくわれて転倒するピーマン。そんなのおかまいなしと踊り狂うピーマン。もう、踊り疲れて休んでるピーマン。ピーマン、ピーマン。色んなピーマン。
 だけど、どのピーマンだって最後には皆口を揃えてこういうに決まってる。
「ああ、こんな一生だったけど悪くはなかったな」ってさ。思い出に耽りながらさ。
 終わり悪けれど総合的に考えたらまずまず良しってね。ピーマンにしてはそんなに悪くねえんじゃないかってね。人間と同じだね。ご都合主義だね。何だって良い方に良い方に考えるよね。でも、だってそうだよね、生きてるんだもの。生き物だもの。ピーマンは命を持ってこの世に生まれてきて命を捨ててこの世を去るんだよな。同じだな。一緒一緒。
 それじゃあ、まあ出来たし、いただこうか。
 フライパンから皿に移したピーマンを前に僕はボソッとはっきりとしたかすれた声で「いただきます」と一言呟いた。
 それは、まるで言葉にならない言葉で。
2009/05/01(Fri)01:46:52 公開 / カササギ
■この作品の著作権はカササギさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初投稿です。この間久しぶりに料理をしたので思いつきで書いてみました。
荒削りですが、ぜひご感想ご指摘よろしくお願いいたします。
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは! 読ませて頂きました♪
 絵があれば、絵本のようになるんじゃないかなと思いました。表現とかはピーマンならではみたいな感じで面白いなと感じる所もあるのですが、小説としては少し物足りなさを感じます。
 あと必読【利用規約】の中にある『小説の書き方(正規表現)の[必ず守って欲しい事の欄]』を参考に文章を修正できる所はした方がいいかも知れません。文頭の一字字下げなど。
では次回作も期待しています♪
2009/04/30(Thu)10:52:590点羽堕
ご感想ありがとうございます!
表現の仕方をもっと勉強したいですね;ボキャブラリーをもっと増やしたい今日この頃です。
利用規約に関しては私の勉強不足でした。修正すると共に今後気をつけたいと思います。
次回作もぜひお付き合いのほどよろしくお願い致します。
2009/05/01(Fri)01:39:100点カササギ
合計0点
名前 E-Mail 文章感想 簡易感想
簡易感想をラジオボタンで選択した場合、コメント欄の本文は無視され、選んだ定型文(0pt)が投稿されます。

この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
スタッフ用:
投稿者用: 編集 削除