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『4学年の恋 完結』 作者:五木いづみ / 未分類 未分類
全角2078.5文字
容量4157 bytes
原稿用紙約7.25枚
こんな恋、したことないですか?
4学年の恋2

あの地獄?のような、河野と私のラブラブスキャンダルから数ヶ月。
あたりは真っ白な雪に包まれた3学期になった。

さて!お待ちかねの身体測定の日!
はは、私が勝つにきまってる、今度は1ミリなんかじゃなくって、1センチ、いや、2センチ差はついている!−はずだったんだ。
「ハハハハハハハハハハ〜!!!」
河野の勝利の雄叫びが私にはうるさすぎだ。
「五木のチ〜ビっ!!!!ぐはははははは!!!!!!!」
もう、なんともいえないこの悔しさ。
でもよく考えたら私だってチビじゃない!身長は高いほう、それにー
河野に1ミリしか負けていないから!!!
「なんでよ〜!1ミリしか負けてないじゃない!
 大体何よ?チビって!あんたも2学期はチビだったこと、覚えてる!?」
言ってやった。
「はは、何だよ、負けたからってさ。
 大体今は俺様がお前より背が高いわけ!わかる?オチビさん。」

あーー!もうむかつく!
ちょっと待ってよ、私より絵里の方が身長低いもん!
なんで私だけ〜〜〜っ!
「も〜!河野なんか嫌いーーー!
 イコッ、絵里!」
絵里の腕をつかんでトイレの前にもうダッシュッ!!
「い〜〜づ〜〜み〜〜ちゃぁ〜〜ん!」
絵里の叫び声が飛んでくる。

そしていよいよ、お別れが近づいていることを実感させるイベントが。
「じゃあ何か、もう4年生も終わりなので、みんなで遊びましょう!」
先生が声を大きくする。同時にクラスの男子が嬉しそうに雄叫びをあげる。
なんだか少し、寂しかった。
「じゃあまず、代表委員の五木さんと、大西さん前で進めてください。」
代表委員の私は、大西さんと前に出た。
「なにかやりたい遊びはないですかー?」
大西さんがきく。私はのろのろとチョークを持って黒板に、「遊び」と書く。
そして河野がまっさきに、
「ハーイっ!ドッヂがしたいです!!!」
と大声を張り上げる。そこで私は不信感を抱いた。
あれ?河野っていつもキックベースがしたいって言ってなかったっけ?
ま、まあいいや。私もドッヂ好きだし。
「ハーイッ!しっぽとりがしたいです!」
ほかの男子が叫ぶ。

結局10分後。
「しっぽとりに決まりました!」
しっぽとりに決まった。
残念、河野。お前が言ってたドッヂは7表差で落とされたぞ。
とか思ってたらみんながゾロゾロ運動場にでて、ドッヂの準備をし始めた。
そのとき私は、気になっていたことを聞いてみた。
「河野ー、なんでお前今日はキックベースにしなかったの?」
返ってきた答えが、私の想像とははるかに違った。
「だってさー、五木ドッヂ好きだろ〜?」
え???そっち?いやいや、まあそうだけどっ。
え?自分かドッヂしたかったんじゃなかったんだ。
「え、うん。うん!ありがとう!
 ま、でも7表差でしっぽとりに負けたけどね〜!」
ちょっと意地悪して辛口な言葉を言ってやった。

みんなが運動場で、腰にしっぽを巻いている。
私もまいていたら、ああ、この出来事は一生忘れられない。
「おい五木〜!このしっぽみてみろよ〜!
 無駄にブカブカじゃね?前使ったやつ、ドンだけデブなんだっつーの。」
相変わらずこいつは失礼なやつだなー。
なんて思ってたら
!?お前は馬鹿か!!!!!
河野がそのしっぽを私に河野自身の手でつけてくれたのだ!
「ほら!ブカブカじゃねー?」
「え?あ、うん。ぶ、ブカブカだねぇ〜。」
「?五木だーしたんだよ?」
どーしたも、こーしたもないわよ!!!
も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?

しっぽとり終了後。
絵里が声をかけてきた。
「今のすごかったね!もうあのまま、ちゅ〜っていきそうだった!」
は?ちゅ〜ってなによ!
「もう簡便して欲しいわ。嬉しいけどあれはやりすぎよ。」
「そうかなぁ?うらやましいな。」

どとうのしっぽとりから2週間。
終業式。今日の私は、目の下が黒かった。
なぜかというのも、言うまでもない。
河野とただ、ただ、別れたくなかった。
その日はろくに河野と話さないまま成績表をもらった。
「なー、五木〜!二重丸何個だったー?」
もう、お前さんとわかれるのが嫌なために、目の下黒くしてるのに!
今の私には、お前のそういう軽い言葉が重過ぎるの!!
「河野よりは多いよ。」
「?何言ってんの?お前俺より1個すくねーし!」
?え?ええ?この言葉、デジャブ?じゃ、ないよね?
河野と初めてまともに話したあの会話ー。身体測定の会話。
「なんでわかったの!?」
聞くまでもないけど、聞いてみた。
「え、お前、成績表透けてるぞ!ハハハハ〜!」
や、やっぱりデジャブなんかじゃないよっ!!!!!
涙がでそうだよ。
「バーーーーーーーーーーーーーーーーカッ!!!!!!!!!!!」
思いっきり、教室に響くくらい、叫んだ。


あれから河野と同じクラスにはなっていない。
中学も河野は受験した。
もう、しゃべっていないどころか、中学になってから見かけてもいない。

学校のお祭りもお前を見かけると思って毎年、毎日行ったのに。
アルバムを取りに行くときも、ずーーーっと学校でまってたのに。

来てくれない、会えないー

今でも河野のことが大好きなのに。
2008/08/12(Tue)17:10:46 公開 / 五木いづみ
■この作品の著作権は五木いづみさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今度キミに会ったら、馬鹿!じゃなくて、
大好き!って精一杯叫ぶよ!
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