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『警察官のお仕事? 第一幕』 作者:アトハ / ファンタジー 未分類
全角4184文字
容量8368 bytes
原稿用紙約14.45枚
「暇」「そうですか」 警察署は今日も暇だった。
 第一幕  一日目、夕方。

 
 アリア・リカルナは忙しかった。
「動くな! 警察だ! いや軍警察だ!」
「いやそこは良いでしょう実際警察なんだし。大体この国に軍警察なんて組織ありませんけど」
「ふはは、もうすでに証拠は挙がっているんだ! さあおとなしく我々に捕まれ!」
「証拠はありますけど逮捕状がまだですよ署長」
「逮捕状なんて後で作ればいいだろ!」
「普通に考えて駄目です」
「一体お前はどっちの味方なんだ!?」
「強いて云えば正義の味方ですかね。警察だし」
「ふざけんな!」
 アリア・リカルナは忙しかった。
 犯人を殴るのが先か、この生意気な部下を殴るのが先か考えるのに。

 +

「に・げ・ら・れ・たぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
「まあ、当然の帰結だと思いますけど」
「黙れこの野郎!」

 +

 探偵の街、オルセーナ。
 此処には今日も沢山の探偵達と、それに挑戦しようとする酔狂な犯罪者と、それを見物しようとする観光客(ご苦労な事だ。巻き込まれるとは考えないんだろうか)が集まる。
 蒼色の海と美しい町並みも相まって、この街には常に人が溢れ、活気が満ちていた。
「ああぁぁあぁあぁあぁぁぁああぁぁあぁぁぁあああぁあああぁぁぁあああ……、暇」
「そうですか。まあいいじゃないですか、この間の犯人も捕まえたことだし」
 そして当然、この街にも警察は存在する。
 ただし、〔警察〕という単語の前には〔暇な〕とか〔ある意味のない〕とか、そういう言葉が入ることになるのだが。
「暇だ暇だ暇暇暇暇! 仕事は無いのか仕事は! 犯罪者達は何をしてるんだ!?」
「犯罪者達は予告状でも書いてるんじゃないですか。俺らじゃなくて探偵に」
 そう、彼等が暇な理由は〔探偵の街〕そのものにあった。
 この街には頭に自信のある探偵が集まるのだ。一日何百人単位で。そんなに大勢の優秀な探偵達が周りに居れば、警察に頼むよりも早くて正確な探偵達に依頼をした方がいい。そう住民達は考える。
「小説とかの影響って結構大きいですよね。俺らいつも振り回されっぱなしの役じゃないですか」
「あーはいはいはいはいそうですかー」
「何ですかいきなり。頭悪そうだから止めた方がいいですよ」
「あーはいはいはいはいそうですかー」
「ああすいません、本当に頭悪いの忘れてました」
「どうでもいいけど後で覚えてろよ」
「文章の最初と最後で矛盾してますよ」
 しかし通常、どんなに高名で優秀な探偵でも人間を捕縛、逮捕する権限はない。警察に通報して警察が逮捕し、しばらく拘束してその後警察がまとめて軍に引き渡さなければいけないのだ。通常は。警察が。
「お、軍が訓練してる」
「聞いてないし! そんなんだから近所に陰口叩かれるんですよ」
 この街は事情が違った。
 近いのだ。軍の駐屯地が。警察署からニメーレ程行ったところにある。つまり往復しても時計の針は殆ど動かない。
 そこで、ここには特殊な制度が出来た。
 即ち、〔警察を通さなくても直接軍に引き渡しちゃえばいいじゃん制度〕(正式名称。名付け親は不明)。
 よって。
「ああぁぁああぁぁぁああぁあぁあああぁぁあぁぁぁああぁぁあぁあぁ……、暇」
「結局そこに行き着くんですね。大体、そんなに仕事したいなら料理とか買い物とか手伝って下さい」
「やだ」
「ああそうですか。まあ俺も署長には全くもって期待してませんでしたけどね」
「じゃあ最初から言うな」
「だって署長が暇そうだったんですもん」
 署長、アリア・リカルナ。
 副所長、リフィ・アレシア。
 オルセーナ警察所勤務である二人の男は今日も暇だった。

 +

「そういえば、何で署長ってそんな女みたいな名前なんですか?」
「うるせぇ刻むぞ。お前だってそうだろ」
「いや署長よりはましですよ。大体俺は偽名じゃないですか」
「え? マジで?」
「嘘です」
「死ね」

 +

「ええと、魚と、野菜と、……なんだこれ」
 自署の署長の書いた紙に悪戦苦闘しつつ、リフィは市場を歩いていた。
 人々のざわめきとか足音とか、そういうものが皮膚を通して体に染みこんでくる。
 彼はこの感覚があまり好きでは無かったが、彼の上司はこういう空気が好きだ。俺じゃなくてあの人が来ればいいのに、と毎回そう思う。せめて二人一緒なら周りの音も気にならないのだが。
「署長は何でこんなに字が汚いんだ……?」
 中央庁で一通りの訓練はした筈なのに。あの人は本当に俺の予想の斜め上を突っ走る。
 以前中央に居たときのことを思い出すと、自然に笑みが零れた。
「どうしたの、お兄ちゃん。楽しそうだね」
 突然かけられた声に驚く。
「え?」
 自分の腰ほどの背丈の少年がこちらを見上げていた。以前から何かと話しかけてくる少年だ、名前をリタルダントという。愛称はリート、本名を呼ぶ人間の方が少ない。
「ああ、リート。こんばんは」
「こんばんは。どうかしたの?」
「いいや。何でもないよ」
「何でもないわけないのにね。そんなありきたりな言い訳でごまかせると思う人が今更いるんだね」
「ああごめんね、言い直そう。別に何でも無くないけど君に教える義理はないから言わない」
「ああそう。ところでお兄さん、お買い物?」
「まあね。あと、美化語の連続は頭悪そうに聞こえるから止めた方がいいよ。今時無邪気さの演出にもなってないしね」
「やだなあ、演出なんてしてるつもり無いよ僕は。いよいよ頭が危ないんだね。買い物するなら東の市場に行った方がいいと思うよ、良いお魚がたくさん入ったみたいだから」
 それを言うと、リートは踵を返して駆け去っていった。
「あ、……っと」
 声をかけるまもなく姿を消してしまった少年に、リフィは嘆息する。

 相変わらす生意気な餓鬼だ。

 +

「遅い」
 アリアは部下を待っていた。
「たかが買い物にどれだけかけているんだあいつは?」
 もう時計の長針は三周している。
「遅い」
 もう一度呟いた。
 一人しか居ない署はいつもよりも広く感じる。一人しか居ない署はいつもよりも静かだ。
 いつだってそうだ。二人居ないとつまらない。
「……お・そ・い! 何なんだあいつは?」
 もしかして何かに巻き込まれているんだろうか。
 そんな考えがふと頭をよぎったが、すぐにうち消す。この街に警察に絡む奴なんていない。
 理由その一。そもそも警察には金がない。一応公務員だけに普通に生きていけるだけの給料は貰っているが、たとえばどちらかを人質に取ったとして大した身代金が得られるとは思えない。
 理由その二。そして二人の警察署員は非常に強い。観念的な意味ではなく、雑魚がいくらかかってきたところでまず負けない。
 理由その三。ここの警察には実質何の権限もなく、何に巻き込んだところで中央庁には何の影響も出ない。つまり、警察本部に何かを訴えようとしても無駄。
「………………」
 自分で思って悲しくなってきた。
 ここほど存在価値のない警察署など無いんだろう、きっと。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……ぁぁぁ……」
 アリアは嘆息した。
 
 どうしてこんな事になったんだろうか。

 +

「ただいま帰りましたーっと、」
 副署長は首を傾げた。
「……署長?」
「……………………」
「寝てるし」

 +

 警察署内に焼き魚の香りが広がった。
 皿を並べた机を一度確かめて、長椅子で寝こけている上司に声をかける。
「署長? しょちょー? 夕飯出来ましたけどー!」
 それが聞こえたのか聞こえてないのか、アリアは微妙な角度で顔を上げた。
「んー……あー……、えぇー?」
「どうしたんですか署長? 大丈夫ですか、主に頭」
「あ」
「え?」
「………………」
「寝ないで下さいよ!」
 
 そんな風に、彼等がいつも通りの、きわめて平和的なやりとりを繰り広げていた時。

「……あのぅ」
 
 玄関先で少年の声がした。



 一人は金髪。目は閉じられているが故によく分からないが、多分美青年の部類に入るだろう。
 もう一人は黒髪に同色の瞳。平均的な容姿をしているが、その瞳は何となく底が見えない光を湛えている。

「………………」

 少年は迷っていた。
 といっても道に迷ったわけではなく、今後の行動に。
 少年は迷っていた。
 とある人物に〔何かあったらここの警察を頼れ〕と言われてはいるものの、街で聞いた印象はどうも頼りない。そして今見たやりとりもどうも馬鹿っぽい。そもそもこの焼き魚臭は何だ。
 少年は迷っていた。
 〔あの人〕があれだけ褒めちぎるからどんなゴツイ大男かと思ったら、二人ともかなり若い。おそらくどちらも二十代前半だろう。
 少年は迷っていたが、やがて決断した。

「……あのぅ」

 +

 リフィは顔を上げた。
「? 署長、今なんか声しませんでした?」
「……なんだお前、ついに幻聴か……」
「違いますよ! 多分」
 副署長はいったん上司を起こすのをあきらめ、署の入り口に目を向ける。
「………………?」
 誰もいない。アリアの言うように幻聴だったのかと、彼に視線を戻そうとして――、
「ん?」
 見つけた。
 少年だ。下手するとリートよりも若い。中途半端な長さの髪はぼさぼさに乱れていて、服もひどく汚れている。
「署長、……どうしますか、あれ」
「何だよさっきから。なんか来たんならとりあえず保護しとけ」
「それで去年、何か変な海賊助けちゃったんじゃないですか」
「いいだろ別に。仕事増えるんだから」
 そういって署長は長椅子に寝そべったまま頭を動かして、
「誰もいねぇじゃん」
「もう少し下目線で」
「……ちっ、ガキか」
 また眠り始めた。
「ちょっと! 何で寝るんですか!」
「だから保護しとけって。お前の分の夕飯やっていいから」
「俺の分ですか!?」

 そのやりとりを黙って見ていた少年は首を傾げた。
「あの、」
「あー、話は署内で聞きますから。とりあえず入ってください」
 オルセーナ警察署の長い夜が始まる。

 +

「署長、とりあえす起きてください」
「えぇぇぇ? 無理」
「何でですか、というか起きてるし」
「だいたい迷子の保護なんて警官の仕事じゃねぇ」
「いやバリバリ警官の仕事ですよ」
「俺子供嫌いだし」
「何でですか、頭の程度同じくらいで丁度いいじゃないですか」
「よーし、お前一遍死ね」

 +
2008/06/08(Sun)17:37:33 公開 / アトハ
■この作品の著作権はアトハさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんにちは(? 初投稿させていただきます、アトハと申します。
何分初なもので色々と見苦しいところがあるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。
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