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『友と恋と裏目に出る純粋が』 作者:修羅場 / 未分類 未分類
全角5531文字
容量11062 bytes
原稿用紙約16.4枚
真昼間に届けられた小包の中身は漬物だった? この漬物が届けられたせいで変わりない食生活に、変わりある食生活が少し始まる。
まさか、こんな……。

いや、まさか……。


頼む。

誰か、嘘だといってくれ。



 【友と恋と裏目に出る純粋が】

 事の始まりは暑い真夏の真昼間に来たこの小さな小包から始まった。
「君さ、少しは親孝行しようとか想わないの?」
「え。なんでそんな事……」
 茶の間に招かざる客というか、仕事さぼりの休憩所として見下している我が家に堂々と今回も汚らしい汗だくの足を踏み入れて、地味に茶をすすりながら業者と二人一室の中でくつろぎつつ、今日のお届け物を差し出され受け取って暫くそれを見つめた。
 何で業者がここまで来て、堂々と他者の家に上がりこんでいるのか。しかも何だか説教気味。そのまえに何で見ず知らずの業者に冷え切った麦茶なんて差し出して、菓子までご馳走しつつ何やってんだよ自分。
静まり返る茶の間。何だよこれ……。無性に気まずい…。
何でだ? なんでこんな感じにならなくてはいけないんだ? いや、勝手になってるだけか?
「なんでって……君さ、いつもいつも毎度毎度。親御さんに物貰ってるでしょ。幸せでしょ」
「え。……あ……うー…ん……」 
 宅配便業者のご用件はお荷物を届けれる事。判子をポンッと貰う事。それから、…それ以上も以外もなんにもない。ただそれだけの事をすればいいだけなのに、勝手にくつろいでるんじゃないよ。
しかもなんか気の抜けた真顔でこっち見てるよ。止めてくれ。近所迷惑どころか、存在自体が迷惑だよ。真正面に居る業者の表情が今のところ目立って見えるから嫌気がさした。
ウザったいなら追い払えばいいのだが、どうやって言葉をかけよう。
いや、かける言葉も何も無いよ。
内心呆れながら軽めに視線を落としてみる。すると、その目先にはセピア色の小包がぽんっと卓上に置かれている。
何が入ってる事やら…。
目先にあるそれは小さい小箱の様な物ではなくて、見た感じ薄い雑誌一冊が入ってるような薄さだ。もしも、この中身が本当に雑誌程度で、開いた中身はタウ●ページとか。それだったら返品させていただきます。
懸賞物だったら……考えておこう。
少しばかり目先の小包を軽く視界に入れた後で、幸せかそうでないかなんて関係なく、ちゃぶ台のほぼ真ん中に置かれた蜜柑の山に手を伸ばし山の天辺にある一個を手にとってそれの皮を剥きながら業者の話を軽く聞き入れつつ、剥いた皮の中にある実を口の中に頬張りながら説教を交わす業者さんの眼を見る。
「なら、自分からお返ししようとか想わないの??」
「……うー……ん……ん」
 業者は返ってきた答えにだるそうな顔をした。顔を俯かせたかと想うと、仕舞いには重い溜息をこぼす始末。
そんなに嫌なら、ここで油売ってないでさっさと帰ればいいのに。
何でこんな調子の会話と愚痴を聞いたりしているんだ。フレンドリーか? フレンド気取りか?? 別に気取っては居なさそうだが、長居していると心なしかそんな判断になる。
「…………はあ………」
 業者は勝手に上がり、勝手に話し出し、そして勝手に頭を抱えだす。人の家で勝手すぎるのもこの業者さんだ。しかも、ちと余計である。
「………君ってさ、つくづく駄目人間だよね…」
「…………あんさ」
 蛇足。余計。凄く余計。凄く関係ないので余計。言われるほうの立場じゃない人、つまり他人に口出し、しかも駄目だしを食らったので更に余計だと想われる。その前に存在自体が余計と想われる。
駄目人間に駄目といわれてはこの世のお終いだ。
飽きられている。厭きられている。こっちを見る相手の顔はやる気というか、気力や精神、その他諸々の力が抜けきった様な死んだ魚の様だった。つい相手の勝手さに後一歩で、ちゃぶ台が見事にひっくり返る寸前の腕の力が台の下から伝わる。
多分、これは人に当たるのはよくない代わりに者に当たってみたいと、心の何処かで思った行動なんだろう。人間って凄い。
「それより……」
「………何? てか、今度からは緑茶にしてね」
「今日のお届け物の中身は何なの?」
 暑い真夏の真昼間に、こんな噛み合っていない様な会話の中に少しだけ本題を入れてみる。本題は、小包の中身はなんでしょう。少し真顔を向けてみたら、業者は目を丸くしていた。
唖然として業者は言葉を失ったまま、こちらを眺めている。何で? ……あれ、なんか気まずい事、訊いた? 間違ってないよね? 間違ってる? 口元に運び損ねた湯飲みの中身が垂れていくのが目に映る。とりあえず、火傷注意……。
「…………え、…………………あ、……あー……」
 話題を変えるのが苦手なのか、それしかいえないのか。質問に対しての答えはシークレットなのか。業者さんはこの一言を聞いた僅かな間にすたこらと逃げ出した。
「……俺、そろそろ仕事に戻るわ。それじゃ!」
 丁寧にも請求書だけをその場に残して出て行った業者の後を流れる風が寂しげに玄関先を通る。その後を見送った後に卓上に置かれた蜜柑の山と、それの抜け殻と小包と請求書を見渡す。
そんなに言いたくないのか。そんなに言えない物なのか。あれ、これ……腐ってる。
「何なんだよ……」
 片側の腰に手の甲を添えながら寂しげに穴の開いた玄関先を眺めてからゆっくりと視線を逸らす。目を逸らした先にはあの小包。暫く間をおきながら少し間合いを見計らいながら壁に掛けられたとけいの針に目をやる。もう、そろそろかな……。
カップラーメン三分クッキングとは違うけど、業者が出て行った三分後に小包に手を伸ばす。小包にはゆるく紐がしてあって、白い中に黒い字で「取り扱い注意、生物」と書かれていた。
そんな注意書きに見向きもせずに早速、試しで開けることにした。巻かれていた紐を解いで、セピア色の包装紙を破り捨てた。現したその中身は何の変哲も無いいつも見ている漬物の三パックセット。
「………なんだァ……漬物か……」
 何の疑いも無く、馴染みあるそれを見届けた後に一息つく。業者のすばやい行動に何かヤバメのものが入っているのかと思いきや、そうでもなかったから少し期待はずれに不満を感じる。
再び視線を時計に持っていくと針は昼の三時を指していた。そういえば、小腹も空いた。そんな事を思いつつ片側の腰に手を添えて頭を軽く掻きながら、ちゃぶ台から目をそらして逆方向の台所に目をやると、その足で台所に向かった。
台所の中にある冷蔵庫の前まで歩くと漫然とその扉を開いて、その中身をあさりながら好みの食料を手当たりしだい探り始める。小腹が空いたので食料調達を……。
そう思いながら漁ってみたが、一向に見当たらない。見当たるのは腐りかけの納豆と、青カビの生えた豆腐と、大人の事情によるモザイクのかかった未知なる物体。しかも、かなり強烈に臭い。
早い話が何一つまともな物が残っていない。それに加えて、さっきまで点いていた電気と活気よく流れていた水道が止められているといる非常事態。
 勿論、電気の流れていない冷蔵庫などただの馬鹿でかい倉庫みたいなものだ。そのなかでまともなものなんて生まれもありもしない。これは、つまり……虐めじゃない?
「………うー……ん……これは最大にして、最弱なるピンチだ……」
 電気の通っていない冷蔵庫の扉を静かに閉めた後に、ゆっくりと辺りを見回す。唯一、まともな食べ物としたらばっちゃんから貰ったお漬物三パックセットと、蜜柑数個くらい。
仕方ない。バランスは好いようで片寄ってるけど、それも仕方ない。色の組み合わせが悪いが、味は悪くない。仕方ない。
貰って直ぐに食べるのも何だか気が進まないが、ここは仕方ない。電気が通っていない以上、これを置き去りにしてたら三パックとも駄目になる。
 駄目人間の駄目な食卓。嗚呼、自分で言うと何だが痛い……。仕方なく、貰ったばかりの漬物一パック分と蜜柑二個をメイキングで、頂きます。
「とりあえず、……頂きます……」
 何はともあれ地味な食卓が始まった。白い食卓よりは、緑のある食卓のほうがいい。そんなことを思いつつ地味に蜜柑の皮を剥き始める。
漬物のパックはそのまま引き裂くと中身がえらい事になるので、お茶碗と鋏(ハサミ)を用意いたしましょう。それでパックの中の汁が飛び散る失敗例はとりあえず防がれるから。
 鋏をチョキチョキ水平に袋に穴を開ける。ぽっかりと空いた袋は蛙の口を逆さに、一気に大量放出。どばどばどばと、流れ出す少しぬるついたお茄子の漬物とそれを囲んでいた大量の液体。さて、中身を出したところで頂きますか……。
「………と、……」
 ここで重大なものを忘れていた。生物が生きるに一番最大に必要としている大切な、重要的なもの。それは水。ベランダ側の窓に飛びつくように駆け込んで、その勢いで窓を一度に全開する。
「これ、これー……」
 開いたその先にある鼠色の地面に、まず最初に流れ込むのは力強くて心地よい風と、アパート周辺の雑音。竿の販売や塵紙交換。ゴミの収集車とか何処からか元気のいい子供たちの声が響く。
そんな外の空気と音を聞きながら今を満腹に満たそうとしているアパートの住人。
そんな住人のベランダには食用植物多数と水道が止まった時と火災の非常用の水数本。干しっぱなしの洗濯物が備わっていた。プラスチックボトルは水を貯めておくと飲料にも害にも効果があるらしいよ、奥さん。さーて、これから食糧補給にいっきまーす。
僅かに冷え切った体とプラスチックボトルを二本。腕に抱えながら、半開きの窓を器用に足のつま先で開いて、部屋の中に戻る。
部屋の中に戻って、数秒。聞きなれない奇妙な音を小耳に挟む。ガササ、…ブビチョ……クチャ……。なんというか、ぬめぬめべとべとな緑の怪しい液体を発するエイリアンが近づいて来る様な、小さい子がよく履いているピコピコ音の鳴るサンダルを履いたまま近づいて来る様な、そんな音のコラボレーション。
しかもその音は、かなり近距離の背後に居ると思われる。
確かめたいのに、振り返れない。振り返りたいが、確かめられない。
奇妙な音は次第に大きくなり、攻め込んでくる。ガチョンッ……ズガガッ。しかもさっきと音、違わないか? プラスチックボトル数本を抱えて、ベランダの窓を閉じて戻ってくる僅かな短時間にこの謎めいた音が、しかも凄く身近に聞こえる。
瞬間、全てが嘘だと思った。なんなんだ、これは。
これは……『エイリアン襲来!? 菊池さん家のエイリアン!!』多分、全国系ネットで放映されそうに無い。
『エイリアンが現れた。どうする?』脳内に出された選択肢は四つ。
A戦う。B逃げる。C死んだふり。Dセーブ。…最後のセーブは何も見なかった事にする意味なんだと想う。
大丈夫。大丈夫だよ。出来る。出来るよ、多分。戦うんだ。
戦って勝利をするんだ。誰も喜ばないけど、腹が喜ぶに違いない。
宇宙人語は分からないけど、何とか成るさ。だって、日本語を喋る宇宙人とか、蛙なのに宇宙人とか、缶コーヒーホズだかレインボーの人型宇宙人の視点から語られる「地球」とか……。
何処をどう取っても多種多彩な形とハイレベルの知能で出来上がった奴らだっているんだ。多分、人類語が伝わるに違いない。
世界で有名な「自転車とエイリアン」だって通じたんだからきっと大丈夫だ。
焦りる気持ちと興味を持つ感情が下した最終決断は「Aボタン」。
 勇気を振り絞って、少女は戦う事を選んだ。成す術が全く無い状態で、ただ己の精神と芯の太さだけで振り切り目先の光景を凝視しなかればならないと脳内の何処かで叫んだ。
行く手を阻むものが何者であろうと、容赦なく突っ切る。それでこそ、一部だけの真の勇者だ。勢いで振り返ってみた、その目先には『茶色いベ●●゛トンが現れた』のだ。
奇妙な光景に手元は静かに狂い、目は点になってそれを凝視する。
「………え………」
 ドスンと落ちるプラスチックボトル。目先のそれを凝視した眼。静かに額から垂れ落ちる汗。
そして半開きになったままの口元。グチョピョン。仕舞いには謎の効果音まで発する始末のそれ。濁った茶色の液状の中に茄子がふよふよ透けて見える上に何処か懐かしいような漬物独特の臭い。それが通る後はまるでデンデンムシが通った後の様。
モンスターボールでも持参しろというのか。それは無理な仕事だな……。
卓上においてあったセピア色の包装紙に張ってある白いシールが目に付く。視力がどんだけいいんだよ。
よく見ると先ほど開封した漬物の袋の裏にあった白いシールに製品名は文字通り”お茄子の漬物”とあり、扱い方による注意書きに”副作用により動き回る恐れがあります。間違っても召し上がらないでください。”とあった。
今更、見返しても、もう遅いのにね……。
「ぎゃああああああああああッ」
 物を開封する前によく読んでから開封しましょう。後先考えずに、とりあえず悲鳴。何となく悲鳴。一瞬にしてパニックに易々となってしまった小さいお頭。きっと心の準備が出来てなかったんだ。
「うっわー……おみゃか。おみゃがばっちゃんの言っとったもんか」
「あああああああああああッ」
 しかもそれは人語を喋りだした。それだけで頭の中の袋が破裂する様な感覚に襲われる。目先の漬物モンスターは大騒ぎしている一人の人物を見て、にやりと笑っていた。
「なんや、賑やかなやっちゃなー。あはは」
「………………ああ…………」
 笑い事ではない。笑ってる場合ではない。何が何なのか理解できずに焦る小さな頭は妙な訛りで喋る漬物モンスターに殺された。
迷わずその場に倒れた暫く伸びて白目向いて気絶してる人影を残された奴は何も言わず、ただそいつが目覚めるのを待つ事にしたらしい。
2007/04/27(Fri)14:58:51 公開 / 修羅場
■この作品の著作権は修羅場さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
これまた変にギャグ路線になりそうな予感……。こんなんでよければ、最後までお付き合いしてほしぃな…。なんて想ってます。
2007/04/13 書き始め。書き途中。
2007/04/15 喋る漬物(苦笑)これからギャグ路線に変わる予感…。
2007/04/23 久々の更新。書き直し中。
2007/04/27 やっと、内容を更新。専門学校も楽じゃない…;(ぇ)
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