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『堕天使達のレクイエム』 作者:虎雛 結来 / リアル・現代 異世界
全角802文字
容量1604 bytes
原稿用紙約2.95枚
アナタは十年前の事を覚えていますか?
      『プロローグ』
 ―あなたの『十年前の自分』はどうでしたか?
  忘れた?…そうでしたか。
  でも、もし――。いや、続きは言わないでおきましょう。何故と言わずにこの話を読んでみてください…。


      『第一章 お母さんとの合言葉』
 この話の主人公は、「神谷 観月」。
「ねぇ、椎花…」
「…なァに?」
椎花がうっとうしそうに返事をした。
「ん…なんでもない…」
観月は何も言えないでいた。
「なんでも無いんだったら話し掛けないでよね!
 全く、なんで観月はいつもこうなの!?」
小姑みたいに、椎花が言った。
最近は、みんなこうだ。一番の大親友だと思っていた椎花まで。
「っていうか、もうあたしに付きまとうのやめて!
 言っとくけどあたしはアンタの事友達とも何とも思ってないからね!」
泣きたい。でも泣けない。
絶対泣かない強い子になりなさいって、お母さんが口癖みたいにしょっちゅう言っていた。

――『十年前』に死んじゃったお母さんが。
  絵が下手で、冗談がすぎるし、発明家で変な薬品とかいじってるし―…
  でも、あたしの事を一番愛してくれていたお母さん。

普通は単なる『シツケ』なのかもと大きくなるにつれて思うらしいが、なぜかそうは思えなかった。
私に何かを伝えようとしている…
大きくなるにつれてそういう気持ちが大きくなっていった。

私は、なぜか十年前の記憶がすっぽりない。
十年前だから忘れてしまっているのか…
最初はそう思っていたが、十一年前の事は覚えているのに、十年前だけ忘れているなんておかしい。
まるで、なにか大切な記憶があったかのように…


さて、話を元に戻そう。
観月は酒グセの悪い父と体の弱い弟の三人暮らしだ。
父は酒を飲むと日頃のストレスをぶちまけるように弟に辛くあたる。
それをかばおうとした観月もぶたれる。
でも、観月はそれを許していた。
働いてるのは父だし、天にいる母のためにも…。
2007/03/16(Fri)18:18:51 公開 / 虎雛 結来
■この作品の著作権は虎雛 結来さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
長編です。時間が無いのでここまで。第1章はまた後ほど付け加えます。
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