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『そして、誰も来ることはなかった。(仮)』 作者:SAKAKI / ミステリ ショート*2
全角2380文字
容量4760 bytes
原稿用紙約7.55枚
人類の存続が危ぶまれるほどの戦争が終結した後、人類は新たな資源を求めて、宇宙に飛び立った。その先見つけられた緑の惑星には、研究部隊が送り込まれた。彼らを待ち受けていたのは、未知という名の恐怖だった。
 ルース・ワーレンは、双眼顕微鏡を覗き込んだ。
「ふぅん」
 眉目秀麗な容貌に好奇の光を燈した彼は、科学者とは思えないジャーヘッドに剃りこまれた頭を撫でて、焦点調整を行った。
 長い睫毛(まつげ)の奥に輝くグレーの瞳が、ライフルを携えた闖入者を見つめる。
「……有害な生命体さえ、いない」
 ルースに手渡そうとした拳銃が渡せないと思った護衛は、彼の手元に置いて出て行こうとした。
「不思議だとは思わんか?」
 振り返ったルースに、立ち止まった彼は、なぜか疑り深い視線を投げかける。
「何がです?」
「この惑星に我々が研究部隊として送り込まれてから六週間、病原菌も虫も動物も……寄生虫さえ発見されていない。あるのは食物連鎖から外れたとしか思えぬ、豊かな植物だけだ」
「宇宙人もいなければ、酒もネオン街もない。不思議なところだよ」
 それを聞き流し、護衛の者は部屋を出る。ルースは顔をしかめた。
 外に広がる景色が美しい。なだらかな丘陵、地球では存在しない美しい花、幻想的なまでに美しい滝。
全てが、まるで天国のような景色――見たことがあるわけじゃないが――だった。
 だが近い将来、こんな惑星にも行楽者が訪れる。今だけだ、こんな世界を見られるのは。
 西暦二〇三六年に始まって七年間続いた、人類同士の宇宙戦争が終結して以来、人類は宇宙探査の旅に乗り出していた。そして、探査に出てから一九年後の今日、西暦二〇六二年五月一六日には、新たな発見があったというのに……
「先が思いやられるな」
 物思いに耽った彼の首に何かが巻きついた。苦しげな声を漏らし、彼は顕微鏡を掴もうとする……だが、そこに顕微鏡はなかった。
 ルースの首を絞めようとしていたのは、彼の掴もうとした物それ自体だった。彼は先程、自分の手元に置かれた『救いの手』を掴み、顕微鏡に向けて引金を引く。
「何だったんだ……」
 気付けば、四散したはずの顕微鏡は、残骸が残らないどころか元の位置に戻っていた。

 会議室で映像通信機のディスプレイ相手に行われている、開発方針の討論を中断したルースを、部隊長は見つめる。彼は拳銃も腰に提げたままだった。
「ちょっと待っててくれる?」
 彼女は、駆け込んできた旧友を制止した。
 話を終えた彼は立ち上がり、彼に優しげな容貌を差し向ける。
「どうしたの?」
「信じてもらえないだろうが、私は顕微鏡に絞め殺されそうになった」
 部隊長ハルナ・ナカムラ大佐は、二重目蓋を見開いた。
「まずは掛けてね」
 デスクの前に置かれたイスを指す。
「無理もないよな……だが、これを見てくれ」
 イスに座ったルースは、自分の襟を捲くった。赤と紫に染め上げられた首筋が露になる。
「妄想……ってわけでもなさそうね。だけど、証拠がないわ」
 形の良い眉を吊り上げるナカムラ大佐。
「そこだ、問題は」
 デスクに掌を押し付ける。それに驚いたナカムラ大佐は、四十歳を超えてなお、均整と豊かさを誇る胸を反らせた。
「どう探すべき――」
 ナカムラ大佐の手元に置かれていた封筒が形状を大きく変えて、彼の首を目掛けて飛んできた。
「畜生!」
 先程置き忘れた拳銃があったお蔭で、彼女は一命を取り留めた。砕け散った紙くずは残らず消え去ってしまう。
 そんな状況下で、ナカムラ大佐のデスクに備えられた映像通信機が緊急回線を開く。そこに伝達係の少尉の顔が現れた。
「大佐、急報です。海兵隊大尉ジェフ・ヴォイトと海兵隊軍曹ジョナサン・イトウが……絞殺されました。しかも、同僚の目の前で、タオルに……」
 突如として訪れた静寂の後、ナカムラ大佐はルースと少尉に告げた。
「この惑星を今すぐにでも脱出しましょう。軍事会議では、私が説得にあたるわ」

 到着予定日、多くの将兵の命を奪ったモノの正体が判明した。
「彼らは……実体を持たないエイリアンです。どんなものにも変幻自在。拳銃だろうが、ナイフだろうが、どんなものにだって変化できます」
 ルースは淡々と、ナカムラ大佐に告げる。部屋の中には護衛兵が居並んでいるため、彼は敬語だった。
「ウイルスとかじゃなかったの?」
 ナカムラ大佐の切れ長な目が大きく見開かれる。
「そのようです。さて、と……」
「そろそろ時間です」
 そう答えたルースに、報告書はその場に投げ出された。

軍事会議では、このことを踏まえて早急に脱出計画が組み立てられた。そして、地球軍統合作戦司令部から、この宙域の近くを航行していた宇宙戦艦に救出命令が下された。
「救助艦の到着は二日後の一三〇〇時、もちろん、宇宙港に到着予定よ」
 ナカムラ大佐が大声で全員に告げた。
「なお、男女を問わず、衣服を含む物品を携行することは禁ずる、とのこと」
 一瞬にして、その半数が海兵隊である静寂の場は、ブーイングの嵐に見舞われた。
「みんな、死にたくなければ、そうするしかないわ」
 彼女は目を伏せる。軍人連中は鳴りを潜めた。

同日一二三〇時。
 この惑星で研究を行っていた二〇〇名の軍人・科学者は生まれたままの姿で、防護シールドに覆われた宇宙港への道を歩んでいた。
「そろそろ来る時間かな……」
 指定の場所で、先頭に立ったルースが呟いてから二十秒、一隻の巨大な軍艦が宇宙港に降り立った。
「出迎えはないのね。ま、裸の王様が居並ぶ列なんて、誰も見たくないか」
 ナカムラ大佐はブスっとした顔をして、開いた自動扉に駆け込んだ。その後に続くルースたち。

同日一三〇一時。
 もう一隻の軍艦が、その宇宙港に到着した。
「さあさ皆さん……って、あれ?」
 自動ドアを開いた艦長は目を瞬く。副長が横から声を掛けた。
「いないですね。この寒さの中で、どこかに隠れていられる余裕は――」
「ああ、ないな。もう少し待ってみるか」
 だが、彼らがいくら待っても、誰も来ることはなかった。
2007/02/26(Mon)22:32:54 公開 / SAKAKI
■この作品の著作権はSAKAKIさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どうでしたか? 
騙されなかった? 残念でございます。騙されてくださった方だけに感謝(おい
嘘です。読んで下さった方全員に感謝しております。このような駄作を読んでくださり、ありがとうございました。

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