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『Afternoon Ice Herb-tea』 作者:オスタ / 未分類 未分類
全角2454文字
容量4908 bytes
原稿用紙約6.9枚
昼下がり、きままな時間を送る少女にチョット刺激的な時間が訪れる。大好きなハーブティ。今日は特別に氷をいれてみせましょう。何気ない時間の流れの中に静かに鼓動する孤独の音、シンプルな語調で綴ったショートストーリーです。
 昼下がりはいつも通りのひとりぼっち。勝手すぎるかもしれないけど、これは私の趣味ってことにして。だって楽しいし。なんとなくわくわくするもの。寂しい?そんなはずはないわ。味付けしだいで昼は美味しくなるものよ。本当よ。ほんの少しの愛情と一摘みのハーブ、それだけで昼は何となく変わるの。そう、何となく。
 キッチンからできあがったパスタを皿に載せて、何もないテーブルの真ん中に静かに置いてみた。メインデッシュは常に真ん中。それからパンの入ったバスケット、スモークサーモンのサラダを左に、そして午前の間に積んでおいた自家製ハーブティーを右に置いてちょっぴりおしゃれなランチの出来上がり。仕上げに窓際に佇む私とよく似たひとりぼっちの花の花瓶をこっちに連れてきてあげる。いつもは窓際、だってそっちの方が窓側からお友達が見えてつまらなくないでしょ?
 風を撫でるようにゆらゆら漂う白いレース、今日は私とお揃いね。手触りが気持ちいい。さらっと、私の髪に似た所がいいかな。何でも気持ちがいいのが一番。
 まばゆく光る白い壁、春の甘いところだけをもぎ取った部屋の空気、窓から溢れる青空のハミングが私をにわかに酔わす。あらら。まだ昼だというのに。ダメダメ。
 すっかり昼を堪能すると、残ったのはカップ一杯のハーブティー。花柄模様に包まれて、何だかとっても素敵ね。見ているだけで口の中いっぱいにハーブの香りが広がりそう。私はそっとカップに唇をそえて、静かにお茶を口の中に注いだ。そしてゆっくりと味わいながら体の中へハーブを取り込む。葉の美しい香り、土のこおばしい匂い、そして大地に注いだ雨の味が私の体いっぱいに広まった。何て美味しいの?どんなに凝った言葉よりも美味しいという一言があなたには一番似合っているわ。
 こんな気持ちいい日には外でお茶するのが最高ね。そう思ってカップを手に庭に出てみた。ついこの前、バザーで手に入れたばかりの掘り出し物の木のベンチに腰をかけ、正面に見える富士山を眺めた。山を取り巻く細い雲は切れ切れに、富士山の青を滲ませた。
 何か暇ね。暇すぎて困っちゃうわ。今日はあまりに静かだし、楽しみがないなあ。朝からハーブを摘みに出かけた拓也が急に恋しくなってくる。
私はハーブティーを飲んだ。それが最後の一口だとも知らないで、私は惜しみもせずに飲み干してしまった。カップが空になってから気づいた。
「あっ」
 私はカップの底を見つめた。一枚のハーブが体を巻くようにして横たわっている。音もなく、誰も構うこともなく。
 孤独だ。これこそ孤独というにふさわしい。ハーブくん、そっちは楽しいかい?一人って、いいもんだよね。私はぼそっと話しかけた。そしたら彼は首を横に振った。何度も、何度も。嫌じゃい。ボクは寂しいんじゃい。甘えん坊のだだっこさん。ハーブって意外と可愛いのかも。
 私はカップを持ったまま部屋に入り、そこへハーブティーを入れた。さっきまで元気のなかったハーブはプカプカと浮かび、何だか嬉しそうだった。しばらく水の上を回っていたけどやっぱり飽きたらしく、すぐ仲間を欲しがるハーブに私は氷を二、三粒入れてあげた。
 わーい、わーい。そんな声が聞こえてくるようだった。これでいいでしょ?そう聞くと彼は、いいよーって元気に答えた。単純ね。無邪気でうらやましいわ。私は笑いながら呟いたけど、ハーブは気づいてなどいなかった。
 氷はチューチュー言いながらゆっくりと溶けた。体からしみでる泡がしゅわしゅわっと水の中を泳いだ。みんなカップの内側でやりたい放題だった。
 私もそっちに行こうかな。私は鼻を指でつまみ、思い切り息を吸った。肛門に力を入れる。梅干しにそっくりのお尻の穴がにわかにぴくりと動く。いけ。私はありったけの腹筋で肺に溜まった空気を迫り出した。
 ずぴぴぴーずぴぴぴー……

 私はカップの縁に立った。小麦色の湖が穏やかな波を立てている。氷は近づいてみるとダイヤの結晶のようにキラキラ輝いていた。中が透き通っているのでその上に乗ると、まるで宙に浮かんでいるかのように錯覚し、心はルンルンに舞い上がった。
 やぁ、ハーブくん。遊ぼうじゃないか。私はすっかり乗り気だったが、ハーブの方はそうでもなかった。あんたと何て嫌だよお。もぅ、生意気ねえ。
そう思うもまもなく、私の隣に一匹の蝶が舞い降りた。何だかいい香りに誘われて。また、アリもとことこ歩いてやってきた。もう甘いものには目がなくて。さらに天井から蜘蛛が下りてきた。いやいや、何だか気になったもんで。気づくと、どんどん色んなのがやってきていた。いい香りに誘われて、ひっきりなしにハーブティーをすする。
 満足げにおなかをさすって、みんな氷の上でねっころがった。んー気持ちいい。でもちょっと寒いかも。すっかり飲み干された後のこと、部屋の扉がガチャリと鳴った。まずい。みんな急いで逃げて。私も元に戻らないと。みんな一斉に散っていった。ドアノブは激しく動く。ハーブもくるくると回って必死にもとの姿に戻ろうとした。私は口をつまみ、鼻から空気を吸って体を膨らました。
 扉が、開く。中に入ってきたのは猫のぶっちだ。学校からの帰りだった。なーんだ、びっくりした。
「何だとはニャンダ?」
ぶっちは可愛く怒った。
テーブルの上にある一つのカップ、その底には小さくなった氷だけが残っている。カップの周りには土や細かい塵がたくさん落ちていた。あたかもそこに何かが大勢いて、慌ただしく去っていったように。
 孤独がきゅんと胸を締めつけた。なんだか、恋しい。私はふと、拓也を求め始めた。
「たくや〜」
「はーい」
 どこか、私の近くで声がする。
「どこよ?」
「ここよ」
 カップの中の氷がカランとなった。その氷の角から拓也がひょっこり表れた。髪の毛は緑のままだ。笑うのを我慢しているように拓也は不自然な表情でこちらに手を振っている。なんだか、おかしいね。私はクスッと笑った。拓也も私を見てクスッと笑った。
2006/10/12(Thu)22:07:14 公開 / オスタ
■この作品の著作権はオスタさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今回は本来の自分のスタイルとは正反対の形でやってみました。物語の流れや一つ一つの言葉を意識するのではなく、読者に何か癒しや優しさを与える、感覚的な文章を描いてみました。なので、人によっては批判がきびしいかもしれません。しかし、私はそういった視点から物語をつづったことを言っておきます。それを踏まえ、みなさんがどう感じたかを書いていただけたらなと思います。私が込めた甘い砂糖が読者をとろけさせる味になっていれば、それはそれは光栄です。
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