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『出会い・別れ・そして出会い』 作者:無気力野郎 / 恋愛小説 未分類
全角2509.5文字
容量5019 bytes
原稿用紙約7.45枚
  プロローグ
 「今日は12月21日か。なんかあったような気がする…。って12月21日!?明々後日がゆりこさんの誕生日だった」
そう、ゆりこさんってのは僕の彼女で、そんなに居ないと言われているが実は多い何かのイベントに誕生日が重なっている不幸な人なのだ。
ゆりこさんがいつも言ってる。口癖のように。ただ単に自分で言った事を忘れて何回も口癖の様に言ってるのかな。
 僕とゆりこさんの出会いは2年と半年ぐらい前だ。俺はその当時は大学1年になりたてだった。
大学と言っても小さな大学で、学年と科に分けてしまうとクラスに30人いるかいないかだった。なぜこんな小さな大学に入学したかという事はおいといて、
その30人いるかいないかというクラスの中で出会ったんだ。出会ったと言ってもそんな劇的な出会いじゃなく、ただ単に入学してクラスが一緒だったと言うだけだった。
僕はゆりこさんに一目惚れをしてしまったのだ。
 大学に入ってからの、12月24日ってのは事件のような事ばかりだった。
 一年生の時は、なぜか大学というのに自己紹介などをするレクリエーションをして誕生日を知り、僕の席の隣にゆりこさんの友達が居て、無理矢理教えてもらった家の住所を頼りに、
誕生日の12月24日にゆりこさんの家に行った。家に行ったと言っても戸の前で固まってしまった。戸を開けようと手をかけたらなんか、「こんな僕に告白されたら冷やかされるのでは?」
と思ってしまった。数秒戸に手をかけた状態で止まってしまった。その時の戸は鉄の塊ように重く見えていた。
帰り道は、自分の不甲斐なさに泣いたっけ。雲ひとつない星空にじませながら。
 二年生の時は、一年生の時にあった事を教訓にして手紙を書いて、12月24日の夜にゆりこさんの家まで行ってポストに入れてきたっけ。
その時は本当は寒かったのに体火照ったなぁ。家に着いてもドキドキしてたなぁ。
その次の日に、返事が来てこう書いてあった。
「今年は手紙なんだね。去年は家まで来て戸に手をかけただけだったね。私、それ見てたんだ。何してんだろって。
だから今年一年こちらから観察させてもらったよ。何回も目あったよね。こんな事言うのなんだけど、一年見てたら
なんだか好きになっちゃったみたい。仕草とか、いろんな事好きになっちゃった。で、今年の私の誕生日の次の日にあなたからの
手紙がポストに入ってて、見たら 好き って…。同じこと思ってたんだと思った。嬉しいよ 賢斗くん。
これからつき合ってもいいよ」
てな感じの返事だった。一年生の時のこと見られてたと思ったら、体が熱くなった。
そして、思いがつながったという安心からか分からないが、涙があふれてきた。
こんな感じに彼氏と彼女の関係になったんだ。
 それから、よくゆりこさんが言った。
「私の誕生日は、クリスマスイヴだから子供の頃から損してると思ってたんだ」
だから、付き合い始めてからずっとバイトしてお金を貯めてきた。そのお金でゆりこさんに誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントを買ってあげると思ってたんだった。
 思ったらやらないと…。忘れてしまう。今日買いに行くか。
 そんな事を思いながら、街に出る。街はもうクリスマスムード一色だ。僕はゆりこさんという彼女ができるまで、このクリスマスムードというのが嫌いだった。
「何がイエスキリストだ。キリスト教でもないくせに。こんな馬鹿騒ぎしやがって」
とか思いながら、家に帰っていたよ。でも今は違う。このクリスマスムードが好きだ。なんだか、ゆりこさんの誕生日を祝ってくれてると思ってしまう。
 …何を買おうか。誕生日プレゼントみたいなものなんて一度も買った事ないしな。彼女ができたのゆりこさんが初めてだし…。
わかんないや。僕の趣味でいいか。とりあえずゆりこさんに似合いそうなの…。ネックレスでいいか…。あ、これにしよう。
 そのネックレスは、今の季節に合わせて作られたのか分からないが、雪の結晶のようなものが先の方についていた。
銀色に輝いてて、派手でもなく、どちらかというと地味な方だった。
 なぜ地味な感じのを選んだかというと、僕が派手なのが嫌いな事と、ゆりこさんが目立ちがりやではない事があったからだ。
ただそれだけなのだが、ゆりこさんは喜んでくれるかな…。
 お金払わないと…。
「すいませ〜ん。これ、プレゼント用にお願いします」
と、僕は店の中のレジに立っている店員にさっき選んだネックレスを差し出す。
「10万5千円になります」
何となく、素っ気ない言い方だった。少し戸惑いながらもピッタリにお金を出し、プレゼント用の紙に包んでもらう。
店員がネックレスをプレゼント用の紙で、慣れた手つきで包み終えると、
「ありがとうございました」
と言いながら、渡してきた。僕はそれを受け取ると、悪い事をした訳じゃないのに足早に店をでた。
そんなに時間は経ってないと思っていたが、辺りはもう静まりかけていた。
 昨年・一昨年は今日の3日後の星空見てたんだよな。
一昨年は涙でにじんでてよく見えなかったな。昨年は綺麗だと思いながら見てたよな。
今年は見られるかな。満天の星空を…。
 そんな事を、思いながらぼーっと歩いていた。すると、右目のはじから、猛スピードで僕に向かってくるものがあった。車だ!
逃げようと思う間もなく僕の意識はどこか暗いところへいってしまった。

  第一章 第一節
 ピルルルルル ピルルルルル
私はみんなとは少し違う、目覚ましのような携帯の着信音で起きた。
時間を見ると、11時。明日も大学あるのに…。電話の送り主は…。あ、賢斗くんからだ。
「もしもし?なに、こんな時間に」
「もしもし?ゆりこちゃん?ごめんねぇ、こんな時間に。でも伝えたい事があって」
ビックリした。賢斗くんかと思って出た電話は、賢斗くんのお母さんからだった。でも、いつもの明るい声じゃなかった。なぜか、悲しそうな声だった。
私はこんな時間に、起こされた苛立ちを隠すように、ゆっくりとこうたずねた。
「え?なんですか?伝えたい事って」
「それがね、賢斗がね、なんか車にひかれちゃったみたいなの」
2006/07/30(Sun)14:20:22 公開 / 無気力野郎
■この作品の著作権は無気力野郎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
題名は仮じゃありません。コレで通します。
小説を書くのは趣味というか…、投稿するのは、初めてじゃありませんが、よろしくお願いします。
何こんなことにあせってるんだろう。
叩いてください 猛烈に
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