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『☆喜楽☆』 作者:ほづみ / 恋愛小説 リアル・現代
全角594文字
容量1188 bytes
原稿用紙約2.35枚
 愛されたいだけなのに
 悲しくても涙が出ない
 私は喜怒哀楽の怒哀が無い
 でも
 気付いてよ
 本当は悲しんでるんだよ?
 本当は怒ってるんだよ?
 ねぇ
 誰か気付いてよ
☆喜楽☆
 1.教室の片隅で……
  教室の片隅で本を読んでいる少女が居る。
  彼女の名は佐中 流衣(サナカ  ルイ)13歳
  流衣はページをパラリとめくった。
  流衣には本がよく似合う……。
  廊下で騒いでいた男子や女子が教室に入ってきた。
  ――――また……絡んでくるのかなぁ……
  流衣はため息をつき本を机の中にしまった。
  「佐中また本読んでたの? くらーい!!」
  女子の大将的存在の真崎  ゆりか(マザキ  ユリカ)が言って来た。
  ――――放って置いてよ。本が読めないじゃないか……。
  心の中で流衣はそう言い、ゆりかに微笑んだ。
  「何よ? その余裕の微笑み?」
  ゆりかはそう言って流衣の机を蹴った。
  ガンッという音が教室のざわめきをなくす。
  ――――本当は涙出るほど悲しいのになぁ……。
  ゆりかはそれが気に入らないのだ。
  すぐなけば許してやろうと思ったのに流衣(アイツ)はなかない。
  それどころか笑っている。
  「わ……笑っていられるのも今のうちだからね。」
  ゆりかはそう流衣の耳元でそう呟いた。
  ――――怖いなぁ……。
  流衣は心の中でおびえながらもゆりかに微笑んだ。
2006/06/25(Sun)21:36:47 公開 / ほづみ
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