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『水いろの空。』 作者:二階堂千都子 / リアル・現代 恋愛小説
全角708.5文字
容量1417 bytes
原稿用紙約2.6枚
元お嬢様学校に転校してきた玉木玲(男)とそれをいじめる玉木桜子(ギャル)のお話です。
2年前まで超お嬢様学校女子校だった、聖山百合学園椿校。
その穏やかで上品な校風からか、共学になった今も男子がほとんど居ないというこの学校に、一人
の転校生がやってきた。
とっても貴重な男子だということで、女子は相当期待してる様。
朝からせっせと教室で化粧をしている人も居る。
学校中で有名なギャル、玉木桜子なんかは、特に気合を入れてケバくなっていた。

そして朝のHRの時間、ついにやってきた。
このクラス唯一の男子が。
「えー、今日は転校生を紹介します。」
そう先生が言うと、皆がいっせいにドアの方を見た。
しかし、誰も入ってこない。
先生が教室を出て行く。
そしてしばらくすると、先生と一緒に一人の少年が入ってきた。
「……ありえない……」
思わず桜子はそう言ってしまった。
暗い。
それが彼の第一印象。
小柄で、色白で……まあそこまではいいのだが。
顔が、顔が問題なのだ。
目の下まである前髪で鼻から下しか見えないのだ。
「……マジ?」
もう一度、桜子は無意識のうちに言葉を発してしまった。
「ほら、自己紹介をしなさい」
数少ない男子から「美人だ」と好評な若菜先生がちょっと顔を近付けて言ったが、全く動じない。
それどころかただでさえも俯いてる顔を、さらに下に向けてしまった。
「……えーっと、玉木玲さんです。みんな、仲良くしてあげてね」
くすくすと笑い声が聞こえた。
「……ありえない…サイッアク……」
どうして私と同じ名前なんだよ、玉木は私だよ。
「後ろから2番目の席、あいてるからそこ座って」
あーカワイソー佐藤さん。あんなヤツの隣だなんて。
は?ちょっと待てよ、私の前の席じゃん。
桜子は自分の前の席に鞄をかけた玲を睨みながら舌打ちした。
2005/12/07(Wed)20:52:27 公開 / 二階堂千都子
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はじめまして、二階堂千都子と申します。
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