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『看破・境界の喪失』 作者:ARIZEN / ファンタジー サスペンス
全角2577.5文字
容量5155 bytes
原稿用紙約9.15枚
独自(適当ともいう)の解釈を加えた仏教的な世界観の中。主人公君は悟りの境地を越えようと努力しています。不遂の旅の一部をご覧あれ。なお、資料として「スマリアンの究極の論理パズル」(白揚社巻・著者レイモンド・スマリヤン)より問題を参考にさせていただいています。二次創作にあたるかは微妙ですが……。
「白色の浮遊空間……。となれば今度の位相は時系軸からの隔離地区とも取れるかな」

自嘲めいた言葉を吐きながら漂う。別に虚脱感は感じない。
宇宙空間とは異なり推進力はあり、前方へと引きずられる形になっている。

「ここを抜ければようやく縁覚界。全く、因果なものだ」

声聞界へ至るまでですら体感時間で七年を要したというのに、
未だ求め続けようとする自分に正直呆れる思いではある。
まあ、得た物は現世の俗な体験とは比較にもならない訳だが。
六道下に生きていたころとはあらゆる勝手が違う。
永劫の孤独。否、それはさほど重要ではない。
真理に通ずる万物は根底で繋がっているのだから。
論理学でいえばゲーム理論の前提のようなもの。
悟界では常に成員の全てが悟りの境地に立っているのだ。

問題となるのは涅槃寂静へ至るまでの果てしない課程。

「既に人外……とでも言うべきなのか」

呟く。呟きとは言えど、既にそれは「呟き」という概念の、精神の有理化に過ぎない。
既に「空気の振動」というレベルを逸しているのである。
万事がこの調子である。発狂寸前のこの状態の中で未来永劫の時を過ごすのだ。
逃れるためには、最上位、仏界に至るしかない。
そのためには精神の関門を延々とくぐり続けるしかないのだ。
そして、第四位に相当する声聞界を出で、第三位の縁覚界に至るまで
彷徨い続けること体感時間にして12年あまり。これで50万ほどはくぐっただろう。
すぐに看破できるものもあれば、時を要するものもある。
すべてが精神の開放につながっている要素なのだ。
そして、位相変化後から随分と次の門まで辿りつく気配がない。
これは、縁覚界までの道程が残りわずかだということを示すもの。

「さあ……いよいよだ」

残りの門はおそらく十。看破しきれる……だろうか?


「第一眼:三人の盗賊」


突然、耳元(あくまでも精神的感覚)に抵抗を感じた。
位置からしてこれを音と判断し、波長を合わせる。

『論理は普遍にして不変のもの。縁覚界への最後の道は論理によって啓かれる』
「上等じゃないか。命題を出すがいい」

推進が止まった。推進を妨げているのは「壁」。
精神の関門である。命題の本質を看破することで取り去られるのだ。

『サルタンには三人の妻がいた。彼女らはアミナ、ファティン、ザフィといった。
 彼女らはそれぞれルビー、ダイヤモンド、サファイアのうちどれか一つを持っていた。
 ある日、三人の盗賊、アブとキスラとバドリがそれぞれ三人の妻の一人から宝石を盗んだ。
 しかし、誰が誰から何を盗んだかはわからない。次の証言より解を導け。
 一、ダイヤモンドを盗んだのは独身の男で、三人の中で最も危険である。
 ニ、アミナは、エメラルドを持っていた女性より若い。
 三、アブの妻の兄であるキスラは、エメラルドを盗んだ男よりは危険でない。
   また、彼は三人の妻の中の最年長から盗んだ。
 四、アミナから盗んだ男は、まだ子供である。
 五、アブはファティンからは盗んでいない。
 精神を啓けば、自ずから答えは見えてくるであろう』

問いは有理化された記号体として発現される。
参照は容易だ。視覚(これも精神的感覚)を働かせれば眼前に「観える」のだ。
思考を段階を追って組み上げていく。時間は無限にあるのだ。焦る必要はない。
時系軸の支配下にある位相ならば邪魔もあろうが、ここにはそれすらないのだ。

「証言一、三より導かれる事実をまとめよう。
 A、ダイヤモンドを盗んだのはキスラではないこと。
 B、キスラはダイヤモンドもエメラルドも盗んでいない。
   よってルビーを盗んだこと。
 C、ルビーを持っていたのは最年長の女性だったこと。
 ここで証言二を適用する。
 D、アミナは最年長ではなく、またエメラルドを持っていない。
   よって、ダイヤモンドを持っていたこと。
 ダイヤモンド・アミナに関連する証言一、四を適用する。
 E、アミナから盗んだ男はまだ独身の子供であること。
 証言三において「アブの妻の兄」という表現がある。
 F、独身の子供に「妻の兄」などいるはずがない。よって、独身の子供とはアブではない。
   キスラはルビーを盗んだことが判明しているので、
   ダイヤモンドを盗んだのはバドリである。
 G、キスラはルビーを盗み、バドリはダイヤモンドを盗んだので、
   アブはサファイヤを盗んだ。
 証言五を適用する。
 H、アブはファティンからは盗んでいない。また、アミナから盗んだのはバドリなので、
   アブはザフィから盗んだことになる。   
 I、アブはザフィから、バドリはアミナから盗んだので、キスラはファティンから盗んだ。
 これらをまとめると、
 ・キスラ=ルビー=ファティン
 ・バドリ=ダイヤモンド=アミナ
 ・アブ=サファイヤ=ザフィ
 となる。看破」

『見事だ。縁覚界への旅路歩む貴殿に幸あれ』

「壁」が取り除かれたのを感じた。看破したのだ。
再び前方へと推進していく……。


「第二眼:嘘つきの象泥棒」


「ふむ……」

最後の位相の関門にしてはいささか拍子抜けがした。
確かに論理パズルは難しいが、それにしても単純すぎる。
ここからまだ九つは関門があろうが、この調子ならば意外と早く辿り着けるかもしれない。
声聞界に至るまでのことを思い出す。
既に無色界にはいたものの、迷界と悟界は本質的に異なる。
「四蘊」の本質的な意味合いをよく理解できないまま超えてきたため、
声聞界への最後の位相では、菩薩の一人によって、直接「自利」の概念を学んだが、
「四蘊」から知る必要があったため、体感時間にして二年はかかっただろう。
「四」とは受・想・行・識。物質的観念からの開放。非常に大きなものである。
そして「自利」。現世を無視した上での理の教えとなってしまうため、
今さら実際に実行することは不可能ではあるが、悟りの境地に近づくには非常に大きかった。
声聞界だからこそ、菩薩に教えを請うことができた。
次に至るのは縁覚界。至る上で必要なのは「自らの力」で小乗の世界を理解すること。
他人の力で知ることと、自らの力で掴みとることは本質的に全く異なる。
大同小異などではない。根底から違うのだ。小同大異と言っておこう。

「来たか……?」

次の「壁」に当たったらしい。
2005/11/06(Sun)14:22:59 公開 / ARIZEN
■この作品の著作権はARIZENさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
高校に入ってからというもの、進学校のはずなのに、授業中も寝てばかりで行事にも掃除にも出ず、
部活も半年でやめてゲーセンでパチンコやら競馬やらやってる毎日です。
ハマっていることを省みてみると、
「政治(中道リベラル思想。嫌ネット右翼)」
「経済・金融(株式が楽しい。トヨ自株マジおすすめ)」
「宗教(キリスト⇒イスラム⇒仏とどんどん東に来てるw)」
「論理学(メタパズル解くのが非常に楽しい)」
「哲学(こっちはまだ始めたばかり。日本の右翼が危なすぎてうっかりハマりこめない)」
「音ゲー(まだ半年です。ポプ41,寺SPDP共に八段)」
うん。まあ、そんなところです。
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