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『悪魔になりたい』 作者:風鈴 / 異世界 ファンタジー
全角17010文字
容量34020 bytes
原稿用紙約62.1枚
悪魔ってこんなものだったっけ?作者の想像した悪魔像は違うのです!ご自分の悪魔のイメージと照らし合わせてご覧下さい。
                       
二週間前、私は死んだ。

友達の家からの帰りに、横断歩道を渡っていたら突然出てきたトラックにはねられた。

タイヤは、二つとも私の体にあたり私は一瞬で死んだ。

私のことをどんな子だと思う?

と、誰に質問しても異口同音にこう言うだろう。

普通の子と。

実際そうだったからだ。

成績はまあまあだし、運動神経も普通だ。

私が唯一威張れることと言えば、声が綺麗なことだけだった。

私の声はすんだアルトの声。

みんなにそう言われる。

そして私には、みんなと決定的に違っているものがあった。

それは、なりたいものだった。

この世の中には、いろいろな職業が存在している。

その数は、数え切れないほどある。私のなりたいものそれは…………。

悪魔。

職業とは呼べないけれど私は悪魔になりたかった。なぜかって?

ただ、なんとなく、だよ。

私は、私と同じ死んだ人間、すなわち霊に教えてもらった。

「悪魔は、心に闇を持った人間がなるものだ。もちろん、普通の霊はそんなこと望まないがね。」

と。

だから私は今、考えている。

何を考えているかって?

決まってるじゃない、自分の心の闇だって。

…………見つけた。

私の心の闇。

その闇は何かって?

それは、『悪魔になりたい』だよ。

だって、普通の霊はそんなこと望まないんでしょ。

だったらそれが心の闇になるんじゃないの?

ボン

何? この白い煙。

「よう、心に闇を持つものよ。」

「あなた、誰?」

「俺は、悪魔のリッド。」

「へぇ、あなたが悪魔なの。」

「まぁな。」

「ねぇ、リッド。私、悪魔になりたいんだけど。」

「珍しいな、お前。」

「何?」

「まぁいいんだ。そのほうがこっちも助かるしな。」

「悪魔にしてくれるの?」

「あぁ、悪魔の世界の神様メフィスト様のお許しがでたらな。」

「メフィスト様って誰?」

「だから、悪魔の世界の神様だってば。」

「?」

「ここじゃ詳しく説明できんな、悪魔の城へ行くぞ。」

「悪魔の城?」

「メフィスト様がいるところだ。」

「あ、そう。」

「じゃあしっかりつかまってろよ。」

「うん。」

「じゃあ行くぜ。」

ボン

私たちの周りを白い煙がおおい、目の前が真っ白になった。

しばらくして白い煙が消え、立派な黒い城が私たちの目の前に現れた。

「ここが、メフィスト様のいる城?」

「そうだ。じゃあ行くぞ。」

「どこへ?」

「メフィスト様に会いに行くんだよ。」

「あ、そ。」

私たちは、黒い城に向かって歩いていった。

黒い城はとても大きかった。

「ねぇ、リッド。なんでこんなにこの城大きいの?」

「そりゃメフィスト様のほかにたくさんの悪魔が住んでんだからな。」

「城の中はもっと広いぞ、と言うか日々成長してんだよ。」

「城が成長?」

「毎日、毎日、悪魔は増えるんだからよメフィスト様がそれにあわせて部屋をつくるんだ。」

「一人一部屋もらえるの?」

「まぁな。」

「優しいんだね、メフィスト様って。」

「そうだな。」

私たちは、ようやく城の門に着いた。

「ねぇ、この城の門ってなんでこんなにでかいの?」

「部外者の侵入を防ぐためだ。」

「でも、門がでかいだけじゃあ意味ないと思うんだけど。」

「ちょっと下がってろ。」

リッドが取り出したのは黒い宝石のようなもの。

綺麗だな。

何か関係あるのかな?

あの宝石と門と。

何してるんだろ? リッド。

宝石を門に向けて見せているよう。

「悪魔 リッドと同一人物であると確認。同伴者に心の闇発見。」

「門が喋った。」

「言ったろ、この城はメフィスト様がつくった城だって。まだまだ仕掛けはあるぞ。」

「へぇー。」

「ぐずぐずすんな、行くぞ。」

「はーい。」

「ここが、メフィスト様のいる部屋だ。緊張するかもしれんが、がんばってこいよ。」

「ん?」

「なんでこんなところでお茶すすってんだよ!しかもそのちゃぶ台と座布団どっから出した!悪魔の世界にこんなもんねーぞ!」

「これが私の日課なものでねぇー。」

「老人かお前は。」

「まぁーねぇー。」

「とにかく、さっさと行って来い。」

「はーい。」

トントン

「失礼します。」

「悪魔の城へようこそ。」

「あ、あなたがメフィスト様ですか?」

「そう、私がメフィスト。」

「あの、私悪魔になりたいんですけど。」

「珍しい人間だな、まぁよかろう。☆○★○○&%#*〜。」

何?この言葉?

「え?」

なんだか気持ちいい。

「これでお前は悪魔になった。お前の名は?」

「えぇっと、鈴野……何だっけ?」

「鈴野、お前鈴野言うのか?」

「はい、だぶん。」

「そうか、お前ブラック・リートの子孫だな。」

「ブラック・リート?」

「何年か前のことだが一人の青年がやってきてな。そいつは自動車事故で死んだそうだ。その青年は、恋人に会いたい一心で心に闇ができて悪魔になった。よく働くやつでな、一日も休むことなく働き、一年という短い期間に千個の天使の微笑みを集め人間界に帰っていったのじゃ。」

「へぇーまじめなんですね、ブラック・リートさんって。」

「まぁそうだな。」

「ところでメフィスト様、天使の微笑みってなんですか?」

「お前にはまだ何も話していなかったな、それではお前の教育係を紹介しよう。」

「教育係?」

「リッド。」

リッドって、あーあー。

「御呼びでしょうか、メフィスト様。」

「リッド、お前にこのものの教育係を任せる。」

「はい、承知いたしました。」

「お前の名は……リン・リート分かったな。」

「はい、わかりました。」

「それではリン・リート、ついてきなさい。」

「はい、メフィスト様失礼します。」

「フフ、ブラックの子孫か面白いことになりそうだ。」

「お前、やったな。」

「まぁねぇ、でもさ、リンってなんなの?」

「悪魔の世界では一人に一つ、仮の名前が存在するんだ。」

「どうして?」

「死んでしまって、名前を忘れるやつが多いからなメフィスト様が本当の名前にちなんで
つけるんだ。」

「へぇー、それで天使の微笑みって何?」

「天使の微笑みは、心に闇がある霊を悪魔にしたりすると手に入る。赤い宝石で、ルビーに似ている。最初に言っとくが悪魔は、最低でも一ヶ月に一個天使の微笑みを集めないと首になる。まぁ、元の霊に戻るってことだけどな。」

「えっ。」

「そして千個集めるとメフィスト様が生き返らせてくれるんだ。」

「私、生き返りたくないんだけど……。」

「はぁ? お前本気で言ってるのか?」

「本気ですけど?」

「普通悪魔になるやつは、生き返りたいと思って悪魔になるんだぞ。」

「へぇーそうなんだ。」

「お前、苗字何て言う?」

「鈴野だけど。」

「お前もしかしてブラックさんの子孫か?」

「何かメフィスト様にそう言われた。リッド、そのブラックさんのこと知ってるの?」

「悪魔の中では伝説になってんだぞ、最短記録の一年で人間界に帰ったんだから。」

「フーン。」

「そう考えれば説明がつくけどよ、お前がブラックさんの子孫だなんて信じられない。」

「あ、そーですかっ!」

「怒るなよ。」

「ねぇ、リッド。」

「何だ?」

「そんなことをしてメフィスト様に何の得があるの?」

「簡単に言うと、メフィスト様は神様なんだ。」

「へぇー。」

「神様にも地位みたいなものがあってよ、天使の微笑を一億個集めると、一つの星になる
んだ。その星を手に入れると、神様になれる。その星が何個かで神様の地位が決定する。一番下、星が一個〜十個が地獄の神様。十個〜五十個がココの神様。五十個〜百五十個が天国の神様。そして一億個星を集めると、全ての世界の神様になれる。つまり、全ての神様は、いろいろな方法を使って天使の微笑みを集めさせるんだ。まぁ、メフィスト様も自分の出世のためにやっているようなもんだな。」

「メフィスト様もボランティアでやっているわけじゃないんだ。」

「まぁ、ただで生き返るってのも虫が良すぎるけどね。」

「まぁね。」

「それと、これをやろう。」

「何?これ?」

「お前のデータが刻み込まれた石だ。まぁ悪魔の世界の名詞みたいなものだな。」

「へぇ、意外と綺麗。」

「なくすなよ、門通れなくなるぞ。」

「へいへい。」

「これで一通りの説明は終わりだ。どうだ、わかったか?」

「なんとなく。」

「おっ、メフィスト様からの呼び出しだ行くぞ。」

「どうやって行くのよ。」

「メフィスト様の部屋に行くと強く念じるんだ!」

「出来るの?」

「悪魔なら出来るよ、普通。」

「わかったよ!」

念じる……メフィスト様の部屋へ行く!

その瞬間、私は白い霧に包まれた。

「…………。ここは?」


「メフィスト様の部屋の前だ。瞬間移動、成功だ。」

「やった。」

「じゃ、入るぞ。」

「はーい。」

「失礼します。」

「失礼します。」

「リン、リッド、一通りの説明は終わったようだな。」

「メフィスト様? なんでお解かりになるのですか?」

「リン、私はこの世界の神だ。全てのことを知らなくて神が勤まると思うか?」

「いいえ、思いません。」

「リッド、しばらくの間リンと一緒に霊を集めてほしい。」

「はい、わかりました。」

「リン。」

「はっはい。」

「リッドの元でしばらく修行せよ。」

「わかりました。」

「それでは、失礼します。」

「失礼します。」

「と、言うことでしばらく俺の言うことを聞いてもらうからな。」

「ヘイヘイ。」

「じゃあ、早速霊回収に行くぞ。」

「ちょっと待った!」

「どうした?」

「お腹すいた。」

「はぁ?」

「魚料理が食べたい!」

「悪魔は普通、何も食べなくても生きていけるぞ。」

「でも、魚料理が食べたい!」

「幼稚園児かお前は……。」

「幼稚園児で結構です!何が何でも食べたい!」

「メフィスト様にでもお願いすれば?」

「メフィスト様にお願いしたら、魚料理食べられるの?」

「さぁ。」

「じゃあとにかく行ってきます!」

「あいつ……二重人格?」

「メフィスト様、失礼します。」

「魚料理が食べたいのか?」

「はい、さようで御座います。」

「悪魔は、空腹を感じないはずだが?」

「私は何故か、感じるので御座います。」

「そうか、ならば店を立ち上げることにしよう。タイ子、いるか?」

「メフィスト様、御用ですか?」

「お前の魚料理を食べたいという者がいる。作ってやってはくれぬか?」

「承知いたしました。」

「店は、城の中の広場に立ててある。」

「はい、わかりました。」

「あの、タイ子さんって?」

「紹介しておこうか、この者は海野 タイ子と言う。」

「タイ子で御座います。生きているときは、魚屋を営んでおりました。」

「初めまして、リン・リートといいます。」

「それでは、メフィスト様失礼します。」

「メフィスト様。」

「何だ?」

「わがままをお聞き下さいましてありがとうございます。」

「礼を言う必要はない、不便なく過ごせるように気を配るのも神の役目だ。」

「失礼します。」

「お前さん、リンっていうんか?」

「はい、タイ子さん。」

「タイ子さんなんて堅苦しい、おばちゃんでいいよ。」

「じゃあ、おばちゃん!私、魚の煮物が大好きなんです!」

「それはこのタイ子の得意中の得意料理だよ。」

「本当ですか? 作ってもらえますか?」

「あぁ、もちろんだ。」

「じゃあ、お店に行きましょう。」

「急がんでも料理は逃げやしないよ。」

「リッドも!」

「おぉ。」

「さぁ、魚の煮物だ。たくさん食えよ。」

「ありがとう〜おばちゃん。」

「ホラ、兄ちゃんも。」

「兄ちゃん? まぁ、いただきます。」

「ん?」

「うぉっ!」

「おいしい!」

「うまい。」

「おばちゃん、おいしいよ。」

「それは、嬉しいねぇ。」

「でも、この魚どこで手に入れたんですか?」

「それは、ヒミツ!教えられないね。」

「別にいいじゃん、どこで手に入れたかなんておいしければ。」

「そうだな。」

「二人とも、いい食いっぷりだね。見ているこっちも気持ちいいくらいだよ。」

「おばちゃんの料理、おいしいんだもん!ごちそうさま、また食べに来ていい?」

「いいよ、いいよ、いつでも来な。」

「タイ子さん、ごちそうさまでした。」

「おばちゃん、じゃーねぇー。」

「おう、また来いよ。」

「で、ずいぶん遅れちまったが霊回収に行くぞ。」

「だ〜か〜ら〜私は生き返りたくないんだって。」

「何度も同じことを言わせるな、悪魔は一ヶ月に最低一個天使の微笑みを集めないとクビ
になる。つまり、元の霊に戻るんだぞ。」

「そりゃ霊に戻るのも嫌だけど、悪魔って年とらないんでしょ?」

「そうだ。」

「だったら年百年かかろうがいずれは生き返っちゃうじゃない。」

「まぁ、そうだな。」

「だったら、嫌。行かない。」

「じゃあずっとそこにいろ、一ヵ月後にはお前は霊に戻り、そこにいられなくなるだろうがな。」

「フン。」

「悪魔は、いずれは生き返る。それが、早いか遅いかだけだ。どうせなら、長く悪魔でい
たいんだろう。」

「そりゃそうだけど。」

「だったら、天使の微笑を集めることだな。」

「はーい。」

「じゃあ、行くぞ。」

「待ってよ、リッド。」

「早く来い。」

「ところで、どこに行くの?」

「この世に未練がある霊は、たいてい天国と地獄の境目でうろうろしている。だから、そこに行くんだよ。」

「天国と地獄の境目?」

「お前が、俺と初めて会ったときにいた場所だよ。」

「あぁ、あそこね。」

「そこで、この宝石を使って心に闇がある霊を探すんだ。」

「何? それ。」

「お前にも一個やる、その宝石は心に闇を持つものが直径五キロ以内にいると、黒く光る。」

「それで?」

「そいつを悪魔の城に連れていって、悪魔にする。すると、どこからともなく天使の微笑
が現れる。」

「へぇ〜。」

「これが、天使の微笑を集める方法。たまに、新人の悪魔を指導しろと言われるけど指導しても天使の微笑は現れないから気をつけろ。」

「じゃあ指導なんかしないで、心に闇を持つ霊を集めに行けばいいじゃん。」

「悪魔の世界の決まりなんだ。新人の悪魔は必ず誰かがついて指導しなければならな
い。」

「そんな決まりがあるんだ。」

「俺も、他の悪魔から指導してもらったしな。」

「リッドって、天使の微笑み何個集めたの?」

「八六四個だ。」

「もうすぐじゃん。」

「もう死んで六年になるからな。」

「そんなにかかるの? でも、ブラック・リートさんは、一年で千個集めたって。」

「六年というのは、俺の場合に限ってのことさ。俺は、最初悪魔になんかなりたくなかっ
たしな。心の闇もなかったし。」

「じゃあなんで悪魔に?」

「心の闇が出来たからだよ。」

「誰に連れてこられたの?」

「俺は、心に闇が出来ても悪魔にはなりたくなかったからな。悪魔に反発ばっかしてた。でも、レイコ・サートって人に説得されて悪魔になった。」

「レイコ・サート?」

「優しい人だったな。俺で丁度千個の天使の微笑を集めたから生き返ったな。なんでも、恋人が死んでしまって、自殺したんだってさ。」

「レイコ・サートね。」

「知ってるのか?」

「いや、なんとなく懐かしいような気がして。」

「そういえば、その恋人の苗字鈴野だった気がする。」

「えっ?」

「偶然かもしれないよ。世の中には、鈴野って苗字の男はいっぱいいるだろうし。」

「そうだよね。」

そんなことを言っている間に、私とリッドは城の門までやってきた。

「おい、さっきやった石を出せ。」

「これ?」

「そうだ。それを、門に見せろ。」

「ほーい。」

「悪魔、リッド。悪魔、リン・リートと確認。」

「早く行くぞ。」

「ほーい。」

「…………反応がないな。」

「反応ないね、いないんじゃないの?」

「まぁ、そういう時もあるが。もう少し遠くまで行くぞ。」

「もう帰ろうよ〜。」

「お前、根気なさすぎ。」

「そう言う性格なもんで。」

「お前、前から思ってたけど二重人格?」

「失礼な、私の長所は裏表のないところだよ。」

「どこが……。」

「なんか言った?」

「別に。」

「ねぇ、この石光ってるよ。」

「いるみたいだな。心に闇を持つ霊が。」

「そうだね。」

「じゃあ、行くぞ。」

私は、その心に闇を持つ霊のところに行く。強くそう念じると、白い霧に包まれた。目を
開けると、目の前に小さな女の子がいた。

「誰?」

「私たちは、悪魔の私がリン・リートこっちがリッドよ。」

「君は?」

「千里。」

「千里ちゃんね、千里ちゃんはなんで死んじゃったの?」

「横断歩道を渡ってたら、いきなり車が来て信号無視して私を轢いたの。」

「私もね、交通事故で死んだの。千里ちゃんは、お父さんやお母さんに会いたくない?」

「会いたい。」

「悪魔になるとね、天使の微笑みって宝石を千個集めると生き返れるの。時間はかかるけ
どね。千里ちゃん、悪魔にならない?」

「なったら、お父さんとお母さんに会える?」

「うん、会えるよ。」

「じゃあ、悪魔になる。」

「悪魔になるには、メフィスト様って人に会わなきゃいけないの。がんばれる?」

「がんばる!」

「じゃ、メフィスト様の部屋の前に移動します。千里ちゃん、しっかりつかまっててね。」

「うん。」

「リッド、行くよ。」

「わかった。」

メフィスト様の部屋の前に、私は行く。そう念じると、目の前が真っ白になった。

「ここ、どこ?」

「メフィスト様のお部屋の前、千里ちゃん聞かれたことは正直に話すんだよ。」

「わかった。お姉ちゃんありがとう。」

「どういたしまして、じゃあね。」

バタン

「お前、やっぱり二重人格。」

「なんでよ。」

「あの子の前では、俺のときとぜんぜん態度違ったぞ。」

「そりゃ私だって、態度の使い分けくらいするわよ。」

「使い分けって……。」

「ねぇ、リッド。」

「何だ?」

「千里ちゃん、悪魔になれるかな?」

「大丈夫だ。よっぽどのことがない限り、メフィスト様は悪魔になりたいと言っているものを追い返したりはしないはずだから。」

「追い返された人、いるの?」

「まぁな、暴言吐きまくって部屋からたたき出されたヤツが一人いたな。」

「メフィスト様も、そんなことするんだ。」

「まぁ、メフィスト様は礼儀正しいヤツが好きみたいだし名。」

「へぇ〜。」

「大丈夫、あの子はお前と違って二重人格じゃないからな。」

「何よ〜。」

「本当のことだろうが。」

ガチャン

「リンお姉ちゃん、リッドお兄ちゃん。」

「千里ちゃん、どうだった?」

「悪魔になれたよ、名前は千だって。」

「よかったね、千ちゃん。」

「うん。」

「おい、メフィスト様が御呼びだ。行くぞ。」

「うん。」

「メフィスト様、御用ですか?」

「千の教育は、他の悪魔に頼む。お前たちは、他の心に闇を持つ霊を集めよ。」

「分りました。」

「承知いたしました。」

「私は生き返る気ないのに。」

「文句を言うな、メフィスト様じきじきのご命令だ。」

「はぁー、それじゃあその内千個集まっちゃうよ。」

「心配するな。そう簡単に集まりはしない。」

「ん? 何これ?」

「これが、天使の微笑だ。」

「へぇ、これが。綺麗だね。」

「まぁな。」

「ねぇ、何で瞬間移動で行かないの?」

「う…………。」

「まさか、リッドこれまで思いつかなかったんじゃないの?」

「うるさいな、じゃあ瞬間移動で行くぞ。」

「ウシシ…………照れるなよ。」

「一人で行くぞ。」

「待ってよ。」

天国と、地獄の境目に行く。

いつもの通り、白い煙が私を包んだ。

「さーてと、じゃあがんばりましょう。」

「お前、最初は嫌がってたくせに。」

「いいの、今日は特別。」

「特別って……。」

「ってあれ? 光ってるよ。」

「意外と早い反応だな。」

「ラッキー。」

私は、心に闇を持つ霊さんのところに行く。白い霧が私を覆った。そこにいたのは、高校生位の女の子。

「あなた、誰?」

「私は、リン・リート。」

「俺は、リッド。」

「私は、清水 清海。」

「清海さんは、何で死んじゃったんですか?」

「私、高三で受験生なの。学校の授業も難しいし、家に帰ったら塾だし、帰ってきたら勉
強しろ勉強しろうるさいし、みんなからガミガミガミガミ言われてなんか嫌で自殺したの。」

「そうなんですか、私は交通事故なんです。私、悪魔になりたくてやっとなれたと思った
ら、一ヶ月に一個天使の微笑み集めないとクビになるんで、仕方なく心に闇を持つ霊を集
めているんです。」

「私のこと?」

「はい、清海さんは友達や家族に会いたくないですか?」
「別に、あんな父親や母親には会いたくない。友達もいないしね。でも、私には夢があるの。」

「どんな夢ですか?」

「結婚して、子供を産むって夢。」

「ステキな夢ですね。」

「だからかな、成仏できないの。今更後悔しても遅いのに。」

「まだ、間に合いますよ、清海さん。」

「え?」

「悪魔は、心に闇を持つ霊を集めると天使の微笑みって言う宝石がもらえるんです。その天使の微笑を千個集めたら生き返れるんです。」

「本当?」

「はい、本当です。ただ、メフィスト様って言う悪魔の世界の神様に悪魔になるお許しを
もらわなくてはならないんです。」

「それって、難しいの?」

「いえ、よっぽどのことを言わない限り大丈夫です。」

「だったら、私悪魔になる。」

「そうですか、じゃあしっかりつかまっててください。」

「何するの?」

「メフィスト様の部屋の前まで瞬間移動するんです。」

「そんなことできるの?」

「はい、じゃあ行きますよ。」

メフィスト様の部屋の前に行く。そう念じると、目の前が真っ白になった。

「ここ、どこ?」

「メフィスト様のお部屋の前です。清海さん、がんばってください。」

「うん。」

バタン

「フゥー。」

「お前、説得するのうまいな。」

「そう?」

「あぁ。」

「何か、リッドに褒められたのって初めて。」

「うるさい。」

「照れるな、照れるな。」

「うるさいって言ってるだろ。」

「ハイハイ。」

バタン

「リン、リッド。」

「清海さん、どうでした?」

「悪魔になれたよ、名前は海だって。」

「よかったですね。」

「おい、メフィスト様が呼んでるぞ。」

「わかった。じゃあ海さん、また。」

「うん、じゃあね。」

「メフィスト様、お呼びでしょうか?」

「お前たちに、頼みたいことがある。」

「何でしょうか?」

「リッドは知っているかもしれんが、悪魔の世界と地獄の世界の境目に一人の女の霊が住んでおる。その女の霊は、数年前に死んで、心に闇が出来、悪魔に連れられココにやってきた。しかし、あまりにも暴言を吐くので、部屋から追い出し、二度と悪魔になれない魔法をかけた。そして、地獄の神に送ったのだが、何故か舞い戻ってきて、悪魔世界と地獄の世界の境目に居座ったのじゃ。しばらくは、おとなしかったのじゃが、最近は悪魔を襲うようになってきた。だから、お前たち二人でその女霊を成仏させてやってほしいのじ
ゃ。」

「承知いたしましたメフィスト様。」

「お任せ下さい。」

「それでは、行くがよい。」

「はい、失礼します。」

「失礼します。」

「ちょっと待て。」

「何か?」

「海の教育は、他のものにやらせる心配するな。」

「はい、わかりました。」

バタン

「ハァー、また仕事か。」

「文句を言うな、メフィスト様のご命令だ。」

「前から思ってたけどさ、リッドって真面目君だよね。」

「誰が真面目君だ!」

「だってさー、いっつもメフィスト様に言われたらはい、承知いたしましたメフィスト様
とかやってるじゃん。」

「うるさいな、行くぞ。」

「待ってよ、ねぇ瞬間移動で行かないの?」

「俺は、直接悪魔の世界と地獄の世界の境目に行ったことのあるわげじゃない。ただ、噂を聞いただけだ。」

「聞いたことがあるだけじゃダメなの?」

「瞬間移動は、一度行ったことのある場所しか行けない。」

「そうなんだ、って歩いて行くわけ?」

「そうだ。」

「悪魔の世界と地獄の世界の境目まで何キロあるのよ。」

「そうだな、十キロくらいかな。」

「歩けるか。」

「文句を言うな。」

「ふぇーい。」

「ハァハァハァ。」

「何だ、もうばてたのか? お前もたいしたことないな。」

「うるしゃい。」

「迫力ないな。」

「うるしゃいって言ってるでしょ。」

「はいはい。」

自慢じゃないけれど、私の体育の成績は、◎、○、△の三段階で○。つまり、普通なのよ。学校の2百mちょっとあるトラックを十周走る持久走だって、四十位中二十位と真ん中なのだ。つまり、十キロなんて休憩無しで歩けるわけないでしょ。

「ねぇ〜リッド〜、休憩しようよ〜。」

「まだ一時間も歩いてないぞ。」

「そうだけどさ〜。」

「無駄口たたいているヒマがあったら歩け。」

「ふぇーん。」

四時間後……

「こ……ここ?」

「そうらしいな。」

「なんか、家が建ってる。」

「自分で建てたらしいな。」

「すごいね、霊なのに。」

「木材なんか、悪魔の世界には存在しない。特別な方法で手に入れたんだろう。」

「特別な方法って?」

「さぁ。」

「とにかく、入ってみる?」

「あぁ。」

「お邪魔します。誰か、いませんか?」

「真っ暗だな。」

「だね。」

「ようこそ、私の館へ。」

「私の館?」

「そう、暗闇の館と呼んでおくれ。」

「嫌。」

「ズル、呼びなさいったら呼びなさい。」

「嫌だったら嫌!」

「まぁいいわ、私は魔女トモコ。」

「正しくは、悪魔になりたかったけれど、メフィスト様の部屋で暴言吐きまくって部屋か
らたたき出されて、おまけに二度と悪魔になれない魔法をかけられたただの女の霊だな。」

「あぁ、前にリッドそんなこと言ってね。部屋からたたき出された人ってこの人だったんだ。」

「余計なことは、言わないでよろしい。私は、そこの女の子に用事があるの。男の子のほうには用はないわ。ここでおとなしくしといてくれる?」

「断る。」

「そう言うと思ったわ。でも、おとなしくしといてもらうわ。ポチっとな。」

バタン

「うわっ。」

上から鉄のオリが出てきたのだ。

「リッド、大丈夫?」

「あぁ、何とか。」

「それでは、女の子ちゃん下でゆっくりお話しましょう。ポチっとな。」

「うわっ。」

床が開いた!落ちる!!

ドシン

「痛い。」

「おい、リン大丈夫か?」

「うん、大丈夫。」

「女の子ちゃん、ゆっくりお話しましょうね。」

「う…………。」


「あなたは、ブラック・リートを知ってる?」

「はい、知ってます。」

「じゃあ、レイコ・サートを知ってる?」

「はい。」

「それなら、話が早いわ。」

「?」

「あなたは、自分がブラック・リートの子孫

だということは知っているわよね?」

「はい。」

「そのブラック・リートが、恋人に会いたい一心で悪魔になり、たった一年で人間界に帰
ったことも?」

「はい。」

「レイコ・サートの恋人の苗字が、鈴野だということも?」

「はい、知ってます。でも、リッドは偶然だろうと言っていました。」

「偶然じゃあないのよ。ブラック・リートとレイコ・サートは恋人だったのよ。つまり、
あなたはブラック・リートとレイコ・サートの娘なのよ。」

「あの……それが何か?」

「私は、生前ある男と付き合っていた。ある日、気持ちが悪く病院に行ったら妊娠してい
た。しかし、そのことを彼に告げると彼は私の元を去っていった。私は、その子を育てる
自信がなく、生まれてから間もない子どもをゴミ捨て場に捨てた。その罪悪感に負け、私は自殺した。しかし、いざ死んで見ると悔いがたくさんあった。そして、私の心に闇が出来て悪魔にメフィストの元へ連れて行かれた。しかし、メフィストは私を悪魔にせずおまけに二度と悪魔になれない魔法もかけた。私は、地獄の神の元へ送られたが、地獄の神がこう言ってくれた。『悪魔の血を差し出せば、生き返らせてやる。』と。しかし、そこら辺の悪魔ではダメだった。地獄の神が求めたのは純血の悪魔の血。そこで、私はブラック・リートとレイコ・サートに目をつけた。そして、二人の生前の関係を探った。そして、二人が恋人同士だったことが分かった。そして、二人の子どもがいずれ、ここに来るように地獄の神に頼んだ。地獄の神は強力な魔法をかけてくれた。そして、その純血の悪魔は、あなたなのよ女の子ちゃん。」

「私が?」

「そう、だからあなたの血をちょうだい。」

「嫌々嫌々、絶対嫌!」

「そうは行かないわよ、女の子ちゃん。」

パチン

「ウギャ、何これ?」

「鉄の手錠よ、強力な魔法のかかった。」

「その魔法は、私しか解けない。もう、あきらめるのね。」

「嫌!!!」

「何か、リンの声が聞こえた気が……。と言っても、このオリってやけに軽そうだな。少
し持ち上げてみるか。ヨッ。何だ、案外軽いじゃん。待ってろよ、リン。」

「ちょっと待ってね、女の子ちゃん。今、斧をといでるから。」

「ずぅーっとといでろバカ!」

「図に乗るんじゃないわよ、女の子ちゃん。」

「おばさん。」

「おばさん? お姉さんと呼びなさい。」

「おばさんじゃん、厚化粧だし。リッド。」

「何で、あのオリを。」

「あれ、意外と軽かったぜ。」

「何?」

「言っとくけど、霊を生き返らせることができるのは、悪魔の世界の神だけだぜ。」

「何? そんなバカな。」

「本当だし。」

「ウソをつくな!小僧が!」

「リッド。」

「これは、私が十年といできたナイフだ。切れ味は抜群、骨も一緒に切っちゃうよ。だか
らね、おとなしくきざまれときな。」

「逃げろ、リッド。」

「逃げるか。」

ジャキン

リッドの服が、切れた。

「だから言わんこっちゃない。」

ポト

何かが、床に落ちた。

「あっ。」

「リッド、何拾おうとしてんのよ殺されるよ。あ、もう死んでるか。」

「もらったぁ!」

ジャキン

「リッド〜大丈夫……の分けないか。」

リッドの血が、滴り落ちる。リッドが拾ったものそれは、お守りだった。

「お守り?」

「これは、母さんからもらったお守りだ。お前なんかが触れていいものじゃない。」

ポトリ

お守りの中身が落ちた。

「あっ。」

リッドは、拾おうとした。しかし、女霊のほうが早かった。

「こんなのも、こうしたやる……。」

女霊の動きが止まった。

「返せよ。」

「お前、もしかして李土かい?」

「何で、お前が俺の本当の名前を知っている?」

「私の名前は、守山 智子。お前の、母親だ。」

「はぁ?」

「はい?」

「嘘つくな、お前が俺の母さんのわけないだろうが。」

「いつかきっと夢で会える、きっと。」

「……。」

「私が、いつもお前に歌っていた歌よ。聞いたことあるでしょう。」

「あぁ。」

「へ? は? え?」

「母さん?」

「あぁ、李土。」

「母さんなんか大嫌いだ!俺を捨てて、あげくのはてにリンを殺そうとするなんてな。」

「ごめんなさい。」

「ごめんなさいで住む問題じゃない。」

「分かってる。」

「だから、成仏してくれ。地獄で罪をつぐなってから。」

「うん、分かった。」

「何か、私って邪魔者?」

「リン、メフィスト様の部屋に帰るぞ。」

「うん、ってその前にこの手錠はずしてください。」

「あぁ、ごめんなさいね。○○△$%^&。」

「ありがとうございます。」

「リンちゃんだったっけ、ごめんね。」

「いえ、そんな。」

「じゃあ、帰るぞ。」

「うん。」

目の前を真っ白い霧が包んだ。

「メフィスト様、失礼します。」

「おぉ、どうだったか?」

「この通り。」

「リッド、ケガをしているではないか。お前の仕業か?」

「申し訳ありません。」

「謝って済むことではないと、分かっておろうな。」

「はい。」

「メフィスト様、お待ちください。」

「どうした? リッド。」

「実は……。」

「そうか、そんな事があったのか。ではこうしよう、この女霊の罪が少しでも軽くなるよ
うに神に頼んでおこう天国にも行けるように頼んでおこう。」

「メフィスト様、ありがとうございます。」

「ありがとうございます。」

後日、リッドのお母さんは罪を償うため地獄へと旅立った。

しかし、メフィスト様のおかげで一日牢獄に入れば許してもらえるそうだ。

地獄の神様も、リッドのお母さんをそそのかし、純血の悪魔の血(つまり私の血)を手に入れようとした罪として神から普通の霊に戻され、無期懲役となった。

つまり、めでたしめでたしなのだ。

「はぁー。」

「どうした? リン。」

「リッドのせいよ。」

「何が?」

「あんな親子愛見せられたら、誰だって自分の親のことを思い出すわよ。」

「あ、そ。」

「ずっと悪魔になりたくて、なれたときはすごく嬉しくて生き返りたくなんかないって思
ってたけど、今は父さんや母さんに会いたい。友達に会いたい。」

「まぁ、お前がいくら純血でも元地獄の神に呪いをかけられて悪魔になるように仕向けら
れていたとしても寂しさには勝てないものさ。」

「♪♪〜♪♪♪。」

「何だ? その歌。」

「私が今年の音楽発表会で歌うはずだった曲よ。いい曲でしょ。」

「あぁ、今まで気がつかなかったけどお前声綺麗だな。」

「今頃気づいたの?」

「お前の口が悪すぎて綺麗な声が、穢れたんだよ。」

「何よ、その言い方!」

「元気、戻ったじゃん。」

「リッド。」

「そんなに会いたいのなら、天使の微笑を千個集めりゃいいだろうが。」

「え?」

「生き返ればいいじゃねーか。それしか、会う方法は無いぞ。」

「そうだね。リッド、私生き返る!絶対に生き返ってやるんだから!」

「がんばれよ、リン。」

「うん。」

「それから、言いたいことが一つあるんだけど。」

「何?」

「俺、生き返れることになった。」

「え?」

「天使の微笑み千個集めたんだよ。」

「えぇー!だって、私たち二人が集めた天使の微笑みたった二個じゃん。」

「俺は、お前が休んでるときも一人で霊を集めたんだよ。」

「そっか、それはおめでとう。」

「それでさ、これやるよ。」

「何? これ?」

「俺の母さんにもらったお守り。」

「あぁ、リッドのお母さんが全財産をかき集めて買ったお守りね。」

「何でお前は、そんな情報知ってるんだよ。」

「ヒミツ。」

「とにかく、やる。」

「ありがと、でも…………。」

「ん?」

「これ、交通安全のお守りだよ。」

「それを言うな、それにお前は交通事故で死んだんだろお前にピッタリじゃねーか。」

「まぁ、そうだね。後、一つ聞きたいことがあるの。」

「何だ?」

「リッドは何で生き返りたいの?」

「最初、俺は生き返りたくなんかなかった。生き返っても、不幸な人生を歩むだけだと思
ってた。」

「じゃあ、何で?」

「俺は、幸せも何も受けずに死んだ。だから、その幸せってやつを味わってみたいんだ。」

「そうなんだ。お守り、ありがとう。大事にするね。」

「あぁ。」

「バイバイ、リッド。」

「じゃあな。」

「会えたら、声かけてよね!」

「オウ!」

ありがとう、リッド。さようなら。私は、リッドのくれたお守りを強く握り締めた。

「私も、早く生き返らなくっちゃね。」

数日後

「メフィスト様、お呼びでしょうか?」

「リッドが帰ってしまって、お前が一人になってしまったな。」

「はい、そうですね。」

「そこで、リンお前は千と一緒に霊を集めてほしい。」

「はい、分かりました。」

「千も、分かったね。」

「はい。」

「それでは、行きなさい。」

「はい、失礼します。」

「失礼します。」

「千ちゃん、よろしくね。」

「よろしくお願いします。」

「じゃあ、早速霊回収に行こうか。」

「うん。」

私は、霊回収に向かった。



数年後

「九百九十八、九百九十九、千!」

「リンお姉ちゃん、おめでとう。」

「ありがとう、千ちゃん。」

「リンお姉ちゃん、今までありがとう。」

「千ちゃんも、今までありがとう。」

「さようなら、リンお姉ちゃん。」

「さようなら、千ちゃん。」

「失礼します。」

「リン、千個の天使の微笑みを集めたのだな。」

「はい。」

「それでは、お前を人間界に送ろう。リン、お前はこれまでの記憶を持っていくか?」

「これまでの記憶と申しますと?」

「お前が、悪魔になってからの記憶を持っていくかどうかと聞いておるのだ。」

「リッドは、どうしたんですか?」

「リッドは、記憶を持っていった。」

「それでは、記憶を持っていきます。」

「よかろう、しばらくそこを動くな。」

「はい。」

「*#%&○○★○☆〜〜〜これでお前は元の霊に戻った。そこの台の上へ乗れ。」

「はい。」

「リン、教えてやろうお前の名は『鈴野鈴』」

「そうだ、私の名前は鈴野鈴。」

「醒ましてやろう、この長い夢から。」

「え?」

白い煙が、私を包んだ。

プープー プー

「何の音? 何かうるさい音。」

「そこの女の子、今信号赤だよ。」

「私のこと?」

「あぁ、そうだよ。早くどきなぶつかるよ。」

「すみません。」

ここ……どこ? 

悪魔の世界じゃないよね。

悪魔の世界に車なんてないもの。

もしかして、私帰ってきたの?

「ヤッター!」

その瞬間、あまりにも声がでかいので周りの人の視線が私に集まった。

「アハハハハ。」

私には、笑ってごまかすしか手がなかった。

周りの人の視線がそれたら、私はまた歩き出した。

「私の家、確かこっちだよね。あった!」

久しぶりに見た我が家、そこは確かに私の家だった。

「お父さん、お母さん。」

「あ、お帰りなさい、鈴。」

ズル

「お母さん、娘が数年ぶりに帰ってきたんだよ!少しは心配してもいいんじゃないの?」

「何言ってるの?鈴。友達の由加里ちゃんの家に行って帰ってきただけじゃないの。」

「は?」

「変な子ねぇ、まぁ、何その頭。髪の毛四センチくらいのびてるわよ。」

「えっ?」

「鏡見ていらっしゃい。」

「うん。」

「うわーすごいことになってる!お母さん、美容院に行ってくるからお金ちょうだい!」

「はいはい、行ってらっしゃい。」

「行ってきます。」

数時間後

「ただいま。」

「あら、可愛くなったじゃない。ご飯出来てるわよ。」

「はーい。」

「鈴、お帰り。」

「あ、父さんお帰り。」

「今日は、鈴の大好きな魚の煮物よ。」

「ありがとう。」

「どうしたの? 鈴。」

「何でもないの。」

「そう?」

父さんと母さんが悪魔だったなんて、信じられないや。

「ごちそうさま。」

「あら、鈴もういいの?」

「うん。」

私は、自分の部屋に駆け込んだ。

「あ〜あ、なんだったんだろう。」

気がついたら私が死んだはずの横断歩道に立ってるし、髪はのびてるし。

「服、着替えよっと。」

ポト

「ん? 何か落ちた。これって、リッドにもらった交通安全のお守り?」

私は、お守りを手にベットに倒れた。やっぱり、夢じゃないんだ。悪魔のこと。

「鈴、朝よ。」

「ん?」

考えているうちに眠ってしまったらしい。

「はーい。」

私は、髪をとくとリビングへ向かった。

「はい、朝ごはん。」

「ありがとう、いただきます。」

「召し上がれ。」

私は、食パンの上にたっぷりジャムをぬった。ゆっくり、味わいながら食べていると時計
が七時四十五分を指した。

「行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

学校へ行くのは何年ぶりだろうか、頭ではすっかり学校へ行く道を忘れてしまっているが、体は覚えているのでかってに進んでいく。

「鈴、おはよう。」

「あっ、由加里!久しぶりすごく会いたかった!」

「鈴、頭打った?」

「へ?」

「昨日、遊んだばっかりじゃん。」

「へ? あ、うん。そうだね。」

キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン

「みんな、席に着け。転校生を紹介する。」

「転校生?」

「この時期に?」

「鈴、誰だと思う?」

「さぁ?」

「入れ。」

「…………リッド?」

「何? 知り合いなの、鈴。」

「まぁ、ちょっとね。」

リッドは、相変わらず無表情だ。私がいることに気づいていないのだろうか。まさか、私
のこと忘れてるとか。ううん、メフィスト様はリッドは、記憶を持っていったて言ってい
たもの。

「静かに。自己紹介がある。」

「守山 李土です。」

もう間違いないや。リッドの本名は守山 李土だって自分で言ってたもの。

「守山の席は、鈴野の隣だ。分かるか?」

「はい。」

リッドが席に着いた。

「リッド?」

「久しぶりだな、リン。」

「やっぱりリッドか、でも何でこんなところにいるの?」

「生き返ってうろうろしてたら、孤児院に拾われたんだよ。そこで、一番近い学校に通え
って言われてさ。」

「そう。」

「で、何でお前もここにいるんだよ。」

「私は、一年生のときからずっとここにいるわよ。それよりアンタ、勉強できるの?」

「足し算と引き算はできるぞ。」

「そのくらい、小学一年生だって出来るわよ。」

「頭いいな、最近の小学校一年。」

「お前が悪すぎるのよ。」

「ヘイヘイ、そーですかい。」

「ウォッホン、静かに。では、授業を始める。教科書の三十六ページを開いて。鈴野、お
前は守山に見せてやれ。」

「はい。」

「じゃあ、長野読め。」

「はい、〜〜〜〜〜。」

メフィスト様、やっぱり夢じゃなかったみたいです。

私が、悪魔の世界に行ったこと悪魔としてメフィスト様に仕えていたこと。

でも、悪魔の世界に行ったのは間違いじゃなかった。

おかげで、本当になりたいものも見つけられました。

それは、『カウンセラー』です。

なれるかどうか、分からないけど。

がんばるので、悪魔の世界から見ていてください。メフィスト様。
2005/10/01(Sat)20:44:59 公開 / 風鈴
■この作品の著作権は風鈴さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
原稿用紙六十枚程度の短編作品です。

悪魔がこの作品のキーワードです。

作者が想像した悪魔像は一般的なものとは少し違います。

天使といえば、頭の上に輪、背中に羽、白い服!

悪魔といえば、口に牙で、頭に角、背中に羽で、黒い服!

そう言うイメージをぶち壊してみました。

悪魔は想像したキャラクターです。

だから、その想像を勝手に変えてもいいわけです。

自分の悪魔を少し考えてみてください。
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