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『夕闇の帳』 作者:柘榴の実 / 異世界 異世界
全角1238文字
容量2476 bytes
原稿用紙約3.25枚
>夕闇の帳が降りて、あらゆる善行も悪行も覆い隠していく>知ることを拒否したものは夜明けが来ても見ることができない>暖かな光も感じることはできない>ただ凍てつき 頑なな金属質の音を立てる心を抱え>暗闇と滅びのなかに存在せぬ安らぎを求める…タイトルどおりに暗い話。
 また一人追っ手を殺した。さわやかな秋風が吹いているというのに、目の前の死体はこの世界から完全に切り離されて、その抜け殻だけがただ転がっている。これでもう何人を殺したことになるのだろうか。いい加減手馴れて、心は痛痒すらも覚えなかった。かつて同胞であった、多分一般的にはそう呼ぶのだろう、幼いころから自分の世話をし教育を受けさせてくれた組織に属していた人々なのだから。たとえそれが如何に非人間的なものであるにせよ彼女はそこで自分の自我を形成してきた。軍人のなかでも司令官になるべく特殊訓練を受けて、暗殺者に対して身を守り逆襲するすべを学んだ。だが、このようにしてそれを使うことになろうとは彼女自身さえも予想だにしなかった。
 秋というのはなんとさびしい季節であることだろう。それまでやってきた、積み上げてきたことが実る季節だというのに。夏の間の猛々しいまでの太陽の輝きを一滴残らず飲みつくそうとしていた凶暴な濃緑の葉の茂りが、今はやわらかくくすんだ緑に見える。その葉が植物のイメージである穏やかさを取り戻していることに安堵すると同時に、樹陰に入った者たちに熱をあたえないほどに光を吸い尽くしたあの糧を求め静かながら苛烈な目的意識を持っていた葉っぱたちの姿に軽い恐怖を感じる。まるで自分たちがそれまで尽くした枝と幹から振り落とされることを知っていてそれでも諦観しているかのような、あるいはまだその運命を知らずに強烈な光に晒されて働き続けた後、火照った肌を優しくなでていく風と和らいだ陽光につかの間の安堵とも知らずそれを楽しんでいるかのように見える。
 ふとそんなことを思う。指揮官として訓練された彼女は当然決断力や判断力に優れていなければならなかったが、自分の命令に対して部下が感じることを想定するだけの想像力を習得しなければならなかった。訓練では一言もそんなことを教えられてはいないがそれが重要であることは経験を重ねるほどに明白さを増した。敵の作戦を見抜くにも、彼らを動かす動機を探すのが効果的とだった。
 だがこうして目の前に横たわる元部下の動かない姿を見て、自分の人間らしい感情は非人間的な目的に使われる道具としてしか自分の中に存在していないことに気づいていた。しかしこのことを気づいて嘆こうとする自分には彼女は気づかない振りをした。それが彼女のやり方であり、自分を守るためのあがきでもあった。
 努力し、こうして立派に使えるまでになった能力が己のためにしか使われず、そこになんら崇高な目的が見出せないままに人殺しを重ねる自分を嫌悪した。やさしげな秋の陽光とさらさらとそよぐ木の葉、実った果実にもなんの癒しも感じ取れないまま、彼女はその場を立ち去った。遺体には何の手も触れず、傷ついた自分を見つめることを放棄したがゆえに心の奥でそれが流す血が痛みをもたらす原因を知ろうともせずに、既に暮れかけていた夕日が最後の血を流している方向へと、自分の罪と後悔を夕闇の帳に任せて背を向けた。
2005/09/24(Sat)00:57:21 公開 / 柘榴の実
■この作品の著作権は柘榴の実さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 主人公は自分は傷ついてなどいないと感じているけれど、それは既に傷の痛みを感じたのだからその傷がそれ以上深くえぐられたとしても大丈夫なのだと思い込んでいるだけ。それが思い込みであることに気づいても認めることはできない。自覚はないけれど自分が強いと思い込みたいタイプで、その思い込みのせいで逆にもろくなっている。そういうキャラを目指してみました。
 しっかし、初投稿なのに暗い(++;)引かずに最後まで読んでくださった方、もしいらっしゃれば心より感謝申し上げます。もし感想などありましたらぜひ遠慮なく。誤字脱字等に関しましては未熟さを笑い飛ばしていただければと思います。
 以上、あとがきでした。
 
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